忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます……!!
前回までは列車でバチボコ戦ってたので、これから本当に最終決戦……!!

と思っていたのか?
戦いの前に最後に残っている特大曇らせ爆弾の投下が待っているじゃないか……!!
その爆弾の正体とは……分かるね?
という事で最新話です


171-そうして、彼女達は――――――

「終わったのね」

 

「帰ってきた……?」

 

 

 

「………」

 

現実世界へと出てきた時の列車が人気のない場所に降りて停車した。

その光景を車窓から覗き込んでいた友希那と燈は戦いが終わったのだと安堵していたが、その一方で詩船は険しい表情を浮かべていた。

 

「オーナー?どうかしたんですか?」

 

「あれ……?デネブさんが戻ってこない……」

 

「……まずはそっちだが、いるのは向こうの操縦席だ」

 

詩船のことが気になった友希那だったが、燈が存在と戦いが終わったのに操縦席にいったデネブが戻ってこないことに気が付くと詩船はデネブの方に話題を切り替えて彼がいるであろうゼロライナーの操縦席まで移動していくのだが――――――

 

「動け……!!動いてくれ!!」

 

「デネブ……さん?」

 

「荒れてるわね……」

 

「ダメだ……動かない……!!」

 

そこにはデンライナーの操縦席であるバイクに跨って乱雑にスロットルを捻り続ける普段からは全く想像のつかないデネブの姿と放っていたその気迫に圧されてしまった。

 

「デネブ、どうしたのよ」

 

「ユウがゼロライナー操縦できないようにしたんだ…!!」

 

「ユウが……?」

 

「なんで…?」

 

 

そんな状況で事情を一切知らない友希那が何とか言葉をかけるも、返ってきた言葉の意味が理解出来なかった。

ユウがデネブにそんな事をする意味が分からないし、言葉の強さがドンドン弱くなっていく意味が全く分からずに首を傾げていた。

 

「この動いてるタイマーが大体19時間。これがデネブの操縦権を止まってる時間って訳かい……」

 

 

 

 

「オーナー?」

 

「湊。アイツが最後のカードを使うってことだ」

 

「最後のカード?」

 

「オーナー。さっきも言ってましたが……」

 

そんな彼女達に遅れてやってきた詩船がそのデネブが放った言葉の続きを口にするも、それでも彼女達はその言葉の意味がまだ分かっていなかったが、ここで友希那と燈は詩船の口から最後のカードを使うという意味が語られた。

 

「カードを使い切った人間は死ぬ」

 

「えっ……?しぬ……?」

 

「……冗談にしては質が悪いわ」

 

 

 

「……悪いね。今の言葉は正しく無かった」

 

「間違え……?でも、流石に……」

 

「オーナー……間違えが酷過ぎます」

 

しかし、余りにも衝撃過ぎる内容に2人は全く信じられず冗談だとすら考えてしまうが、彼女達の言葉を聞いた詩船は言葉が正しくなかったと言うことに気が付く。

そんな詩船の姿に流石の2人も間違えが酷過ぎると苦言を呈したのだが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カードを使い切った人間は存在そのものが消滅する。

まぁ、死体が残るか残らないかの違いだけで大差はないね」

 

「えっ……」

 

「……え?」

 

死と消滅。

死体が残るか残らないか。

 

詩船はその差を訂正したが、友希那達からすれば死体の有無の差などどうでも良い。

 

ユウが居なくなるという。

そこだけが彼女達にとっては重要な内容だったが、彼女達はそんな事を信じたくはなかった。

 

「デネブさん……この事……知って………?」

 

「……あぁ。知っていた」

 

「っ……!?」

 

 

「ぅ……ぁ………ぁんな……こと……言って…………!!」

 

「燈……?」

 

詩船だけでは信じられなかったのか燈は震える声でデネブに尋ねるも、返ってきた言葉は詩船と同じと言う事実が詩船の言葉が真実であることの何よりの証拠になってしまっていた。

 

ようやく真実を知った燈だったが、彼女はその場に崩れ落ちる。

そんな彼女にいつの間にかやって来ていた楽奈が声をかけたが、燈の表情が後悔と絶望に染まっていた。

 

「ぉ……おにーさん……知ってたのに……!!」

 

 

 

 

 

 

 

―――そうなればリサ達もだけれど、ユウがもう傷つかなくてよくなるのね……

―――おにーさん。その……終わったらみんなでお祝いしませんか……?

―――そうね。それに私はユウが居なかった間に出来なかったことを色々としてみたいわ

 

 

「知ってたのに……おにーさんに………あんな……こと……!!」

 

真実を知ってしまった燈が、何も知らなかった自分達が口にしてしまった言葉を思い出し、泣きながら言葉を吐き出していた。

その言葉には自身を呪っているかのような激しい自責の念が籠っているのは傍から見てもありありと感じ取れていた。

 

そんな後悔をしていた燈に対して――――――

 

「デネブ…!!あなた知っていたのになんで……!!どうして教えなかったの!!」

 

友希那も何も知らなかった自身に苛立ちを感じていたが、それ以上に今まで近くにいて知っていたはずなのに何も教えなかったデネブに対して、その苛立ちを吐き出すように握り拳の側面を彼の身体に叩きつけ、デネブからの答えを待っていた。

 

 

 

 

「友希那……すまない……」

 

しかし、それをされたデネブも最後のカードを使う事について何も言わなかったことを反省しているのか、謝罪の言葉を零したが、彼女が聞きたかったのは謝罪ではない。

 

 

 

「答えなさい…!!なんで……!!なんで教えてくれなかったの…!!」

 

「湊、止めな…」

 

彼女の手には熱と痛みが広がっていくが、それに答えないデネブに対して友希那は答えを急かすように拳で叩くが、その姿を見た詩船も友希那を静止させようしたが友希那はそれでも止まることはなかった。

 

詩船も友希那の心情を考えて少しだけ様子を見ようとも考えたのだが、詩船は友希那の手が手が腫れ上がって青黒く色を変わっていたのを見てすぐに我に返っていた。

 

 

「湊!!止めな!!これ以上は手がイカれるよ!!」

 

「私の守ってくれたユウは!!私の代わりに傷ついたユウは!!これよりもっと痛かった!!」

 

「湊!!」

 

これ以上は友希那が壊れてしまうと詩船が声を挙げたが、ユウが今まで受けていたものと比べるまでもない事を知っていた友希那は詩船の言葉も聞かずに、泣きながらデネブに答えを求め続ける。

そんな姿を見た詩船は自身が杖をついているにもかかわらず友希那の腕を掴んで彼女を強引にデネブから突き放していたが、友希那は自身を止めた詩船を睨みつける。

 

「オーナー!!」

 

 

 

 

「デネブはカードが最後の1枚になってる事を知らなかった。じゃなきゃ、私とアイツの話を聞いて驚かないよ!!」

 

「あぁ……。カードが1枚だけになってたなんて……さっき初めて知ったんだ……!!」

 

「ぇ……ぁ……」

 

だが、そんな友希那も詩船とデネブの言葉を聞いたことでようやく動きを止めてその場に座り込んだ。

デネブもカードを1枚だけになったのを知ったのは、友希那達と同じタイミングだったのだが、デネブは友希那達と1つだけ決定的な違いがあった。

 

「デネブ。アンタ、なんで湊達に最後のカードを使った時のことを教えなかった」

 

「ユウが説明するから黙っているように頼まれてた……。

最初に友希那に説明をしようとしたらしいんだが、記憶が消えると聞いたショックで倒れてしまったから、タイミングを見て自分から言うと言われて……」

 

デネブは最後の1枚を使えば消滅するという事は知っていた。

だが、デネブはその事について友希那達に一切説明をしていないという点を詩船に突きつけられる。

その事についてデネブが答えると友希那の顔から血の気が引いてくが、詩船はそれをあえて無視して更に問い詰めていた。

 

「お前、アレとそれなりにいただろ?アイツが自分から言うと思ってたのか?」

 

「……思ってない。だから、俺から友希那に伝えようとした時もあったんだが……タイミングが悪かったんだ……」

 

「タイミングだって?」

 

デネブもユウが自身からカードの事を伝えるとは思っておらず、デネブはカードの事を友希那に伝えようとしたのだが”タイミングが悪い”と言うふざけた理由で言わなかったデネブを睨みつけるが、デネブが口にした言葉を聞いた彼女は考えを変えざるを得なかった。

 

 

 

 

「最初に伝えようとしたのは、ユウが姉のリサと遊園地にデートをしてた時だ。

デートを見ていた友希那に憑いて、後で話があると言ったんだが………それどころではなくなった」

 

「………イマジンが出て、今井が殺されたんだったね。私がデネブと同じだったわ私もそうする」

 

「その後もユウが大怪我ばっかりだったのと、カードが1枚残る予定だと聞いて…………」

 

「はぁ……。つくづく運がないな……」

 

デネブが話そうと決めたのはユウとリサの2人が遊園地へデートへ向かった時。

彼は友希那達Roseliaが燈と一緒にリサのデートを尾行していた際に伝えることを決めていて、その最中に話があると友希那に伝えていた。

 

だが、そのデートは途中で現れたイマジンによってリサが殺されてしまった。

 

そんなものを見た直後で伝えることなど出来ないと詩船が納得し、その後のことも知っていた彼女はデネブの言葉に呆れながらも納得しつつ、余りの運の無さに呆れて話はそれでおわる。

 

「とりあえずここに居てもどうしようもない。デンライナーの客席で休んでな。楽奈、とりあえず湊と高松を引っ張って連れて行きな」

 

「分かった…。デネブ、抹茶」

 

「………分かった」

 

ゼロライナーの操縦席は人が圧し潰されるのではないかと錯覚するほどに重々しい空気に包まれる中で、詩船は動いていたモニターに視線を向けてからここに居てもどうしようもないとこの場にゼロライナーの操縦席から友希那達を連れ出すと、最後に彼女が操縦席を出ようとするも、振り返って中で動いているタイマーに視線を向けていた。

 

 

 

 

「列車の爆発に巻き込まれたのと、傷が塞がってるとは言えども病み上がり……。そんなのの戦いじゃ、時間なんて意味が無いじゃないか……」

 

詩船は動いているタイマーを見て呟くも、その言葉は誰の耳にも届かないし、誰もタイマーの意味を理解出来ていなかっただろう。

 

何故ならそのタイマーが示す時間だけでは何の意味もなく、タイマーの途中で列車が動くかどうかが、現場に行くことが出来ない彼女達がユウが戦いの顛末を知る唯一の方法なのだから。

 

 

 

 

 

「それにしても咄嗟に時間を決めたにしても、湊達のシングル数を時間に設定するとは出来過ぎてるね……」

 

最後にどうでも良い呟きを残して、全員がゼロライナーからデンライナーへと乗り換えていくのだった。

 




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