忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
最終回……!!です!!
実はバッドエンドの前には大筋は書き上がってはいたんですが、細かい所直していたら何ともゼロノスの終わりに相応しい日時になってしまいました……
ある意味ご都合なエンドな気がしますが……細かいことは言うまい……!!
それでは最終回。どうぞ!!




175-全てが解き明かされて、辿り着いた場所

 

「帰ってこれたか……。日も出てない時間だし…ここどこだ…?」

 

ネガ電王との最後の戦いを終えたユウ。

彼は消える場所を求め、現代へと戻ってきたが日が出ていない時間で場所がよく分からない。

とりあえず薄暗いこの場所を見まわすと、その場所がどこなのかはすぐに検討が付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでここは……最初に燈ちゃんとあった場所か……」

 

その場所はユウが最初にこの時間に戻って来た時に降り立ち、燈と初めてであった河川敷だというのを理解すると、何気なく土手へと寝転がって空を見上げていた。

 

「全然星が見えないな……

あっ……デネブさんの所有者情報戻すの忘れたな…。まぁ、日の出くらいには戻るから良いか……。

 

それにしてもゼロライナーに誰も乗ってなかったのはババアがいるデンライナーに集まってたから…?」

 

ユウは土手から空を見上げながら色々と考え始めめていたが、すぐにその思考を止めていた。

 

「まぁ、消えるんだから色々考えても無駄だな……なるようにしかならないし……でも、消えたら消えたでゆきちゃんと燈ちゃん達に泣かれそうだな……」

 

あと少しで存在が消える。

そんな自分が思考をしたところで何の足しにもならないとユウは平然と割り切って空を見上げるながら、この時間に戻って来てから今までの事を振り返っていた。

 

「手遊びで作った花冠を石探してた燈ちゃんにあげてから、あこちゃん達と出会ったけど……

そこでゆきちゃんと再会して最初のイマジンの事件だったけど……ゆきちゃんが特異点だったのは驚いたなぁ……。

その後には燈ちゃんと再会して事件に巻き込んじゃったけど、燈ちゃんも特異点だったのはゆきちゃん以上に驚いたなぁ………どんな確率だよ…」

 

最初に燈に出会ってから友希那に再会し、友希那が特異点だという事を知ってから最初のイマジンの事件に遭遇。

そして、別の機会に燈と再会して、そこで燈も特異点だという事を知った。

 

こんなに近くに特異点がいること自体が物凄く低い確率だが、そのうちの1人は自身の幼馴染の友希那と言うのはユウにとっては正に幸運だった。

 

「そこからは色々あったなぁ……。

そよちゃんが頭打って振り回されたり、和奏さんがどんどんダメ人間になって介護したり、氷川の性癖に振り回されたり………。

命の危機はなかったけど振り回されてばっかだな……」

 

だが、思い返したこの時間の記憶には人に振り回されてばかりの記憶が蘇っていくが、命の危険が無かったからか彼は笑ってその事を思い返していくが―――

 

「疲れてるのか………眠くなってきたな………このままだと寝てる最中に消えるな……」

 

そんな最中で今までの疲労が一気に噴き出してきたのか、ユウはいきなりの眠気に襲われ、その思考が一気に霞み始めていくが、このまま寝たら寝てる最中にユウの存在は消えると言うのを悟り、徐々に思考が止まっていく。

 

 

 

 

 

 

「割と楽しかったな……姉さんと遊び………」

 

そして殆ど思考が止まりかけたユウはリサと出掛けた時のことを最後に思い出しながらその意識を手放して、こうしてユウの存在が消えた――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぁ……?朝……?」

 

と思っていたのだが、ユウが目を開けた時には未だに河川敷で寝ころんでおり、徐々に登って来ていた朝日の眩しさに目を眩ませて再び目を閉じた。

 

「……まだ時間が残ってる……?いや、これが消滅した後に見る世界なのか…?」

 

本来ならば消えていなければおかしいのだが、彼の身体の感覚は残っていた。

今の自分がまだ生きているのか、それともこの光景が消滅した後に見る景色なのかがまるで見当がつかずに、目を閉じたまま彼はその理由をボンヤリと考えていくも、彼にしてはこの状況に対しての理由が欠片も分からない。

 

 

 

 

 

「お~い」

 

「………気のせいだな。いや、死んでるから聞き覚えのある声が聞こえるのか?」

 

「死んだって………それにこんな所で寝てたら風邪引くよ~?」

 

そうして思考に耽っていたユウだったが、彼の頭上からは聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

普通に考えれば河川敷で寝ている人間に声をかけるなどそうそうないが、それが聞き覚えのある声ともなれば、これhじゃユウは自身が既に消滅していて自身にとって都合のいい幻聴が聞こえてきているだけ。

 

ユウはそう判断してその言葉を聞き流して、目を閉じたまま再び今の状況について考えようとしたのだが、声の主はそんなユウのことなどお構いなしで風邪を引くなどと心配の声をかけてきた。

 

「………あり得ないな。幻聴にしては俺にとって関係ない事を言ってるのは変だな……やっぱり、あの世のゴーストかな?」

 

「ちょっと~。それどういう事?」

 

「とりあえず色々と考えないといけないから黙ってて」

 

「はぁ……?も~~~…………」

 

ユウは自身の身体で風邪など引くことが出来ないという事は知っている。

つまり、この言葉は幻聴ではない。

 

そうなれば自身は完全に消滅していて、この言葉は死後の世界。

以前のある世界で見たゴースト的な何かだと思い込み、その言葉の主を雑にあしらって状況を考えようとしたのだが―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弟のクセに生意気だぞ…?」

 

「はっ………?」

 

その言葉で彼の思考は完全に停止した。

 

確かに彼は本来ならばリサの弟である。

しかし、その事を知っているのは時の列車に入れる友希那達だけで、この聞き覚えのある声の人物がそれを知ることなどありえない。

 

 

 

「ホント、アタシの弟ならしっかりしてよね~」

 

「なっ…!?」

 

だが、その声の主は確かにユウの事を弟だとハッキリと言っている。

これには流石のユウもこれには反応せざるを得、寝ていた状態から身体を起こしてそのまま後ろを振り返る。

 

 

「えへへ……」

 

「えっ…?なん……で……?」

 

「もう……。ちゃんと”お姉ちゃん”って呼ばなきゃ……リサお姉ちゃんでもいいよ?」

 

そこにいたのはユウの姉であるリサがいた。

しかし、本来ならばリサはユウが自身の弟だという記憶はなくなっているはずだが、それにも関わらず目の前の彼女はユウに対して姉だと言ってどこかおどけながら笑みを浮かべていた。

 

流石のユウもこれには困惑してしまうが、流石にこれは何かの冗談か何かだと自身を納得させようとしたものの――――――

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……」

 

「えっ……?」

 

目の前のリサはおどけた表情から一変して、ユウの顔を見て言葉を詰まらせながらその目に涙が貯めていきその肩を大きく震わせ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……あぁぁ……っ!!」

 

「うおっ!?ちょっと痛い………!!」

 

「うぅぅ……!!うわぁああああああああああああああん!!」

 

リサはユウの胸に飛び込むと、ユウはその勢いを受け止めきれずリサの下敷きになりながら河川敷の土手を滑り落ちていく。

流石のユウも若干の痛みを感じたのか声を挙げたのだが、そんな彼の言葉をかき消すようにリサは彼の胸の中で子供の様に泣きじゃくり始めていた。

 

「落ち着いて?」

 

「ごめ……!!ごめんね……!!」

 

リサはユウの胸の中で声を震わせて嗚咽を漏らし、その涙は止まる様子をまるで見せずに溢れ続けていく。

 

「……はぁ……落ち着いてくれる?」

 

「ごめ……ごめんね……!!おねーちゃん…!!おねーちゃんなのに!!弟のこと忘れて…!!それにあんなに酷いことばっかりして………!!ごめんなさい…!!」

 

彼は返事を急がず、ただ彼女の背中をゆっくりと撫で始めた。

 

 

 

 

 

「……もういいよ」

 

そして、ある程度泣かせてからユウから出た静かな一言に、リサの肩がびくりと震える。

 

「よくない……!!全然よくない!!アタシ、あなたを傷つけてばっかりだった……!!思い出したら、こんなの許される訳……!!」

 

 

「許す許さないは謝る側が決めることじゃない。それは受け取る側が決めることだよ?」

 

「でも!!何も知らないで弟にあんなに酷いことして…!!許される訳が…!!」

 

「まぁ……確かに怪我したって意味では傷ついたけど…。今までの生きてた中じゃ大したことないから……心臓だって動いてるし……」

 

言葉は最後まで続かず、リサは再び嗚咽を漏らしだす。

そんな彼女にユウは少しだけ厳しい言葉を投げかけると彼女は泣き出して自責し始めるが、ユウはそんな彼女を落ち着かせようと大したことないと宥めようとした。

 

しかし、その言葉を聞いた瞬間、彼女は堪えきれず彼の服をぎゅっと掴む。

 

「ごめんなさい……!!本当に、ごめんなさい……!!」

 

「……うん?」

 

「アタシが忘れていなくなってからの事!!全部聞いた!!

家族と無理やり離れ離れにされて!!沢山体に酷いことをされて!!沢山死んじゃいそうになって!!」

 

「……うん」

 

「それなのに…!!弟がそんな辛くて酷いことになってたのに!!弟の事を忘れて!!家族とか友達と呑気の楽しんでばっかりで……!!そんな苦しんでばっかりだったのに!!」

 

リサはユウのことを知ってしまっているようで彼が経験してきた地獄のような状況を把握しているようで、自身が今まで楽しく過ごしてきた人生と比較して自分を責める。

 

そんなリサを見たユウは彼女の背中を撫でながら言葉を選び始めて話始めていた。

 

「あ~……確かに身体弄られまくられたり、死にかけまくったりしたよ?

確かにどんなとこにいても苦しかったり辛かったりもあったけど、決して楽しくなかったってことはないよ。

確かに親と一緒に居れなかったけど、親みたいに親切にしてくれる人達も、友達みたいに接してくれる人たちもたくさんいたんだ。

人間とかそう言う種族関係無しにね」

 

 

 

「うわぁああああああああああああああん!!」

 

 

「どうしよ…これ以上話通じないな……。特異点じゃないはずなのに、どうして……?」

 

ユウとしては確かに辛いことも多かったが、決してそれだけではなかった。

そうリサに伝えたのだが、その言葉を聞いて再び彼女は泣き出してしまう。

 

流石に話を聞けるような状態じゃないリサには何を言っても効果がない。

ユウは未だに泣くリサの背中を撫でながら、特異点ではない彼女がどうしてユウのことを憶えているのかを考える。

 

思わずその事を声に漏らしてしまったが、リサにはその声は届かなかった。

 

 

 

 

「それは私が答えるわ」

 

だが、そんなユウの言葉を聞いていたのか零れたその言葉に答える人物が現れる。

ユウはリサから目を離して顔を上げると、そこには予想外の人物が姿を見せていた。

 

 

 

 

「ゆきちゃん…?」

 

「えぇ。そうよ」

 

そこにいたのはここにいるはずのない友希那。

しかし、彼女はデンライナーに乗っていたはずで、そのデンライナーは今は同じ時間の別の場所で止まっているためここに彼女がいるはずがない。

 

しかし、ユウは目の前の友希那のあることに気が付いた。

 

「ゆきちゃん」

 

「何かしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「何年後から来たの?俺が作った指輪のくすみ具合と手のシワからだと10年とかそこらかな?」

 

「さぁ?何年後かしら?未来だと指輪の手入れ方法も化粧品も進んでるから今と比較にならないわよ」

 

「それは分かる」

 

目の前にいる友希那はこの時間の友希那ではない。

ユウはそうだと友希那に伝えると彼女は来た時間については誤魔化しながらも未来から来たという事実を認めていた。

 

確かに未来から来たならば友希那がここに居てもおかしくはない。とユウは納得すると、それを見た友希那はそのままユウへと話を続けていく。

 

「まずはリサの事だけど、簡単よ。

私がゼロライナーを使って未来から来て、リサにユウがこの時間から消える直前の時間を見せてから全部話したわ」

 

「それならこうなるのも納得……いや、納得か?ゼロライナーについてもそうだし、よく乗せれたな…」

 

「色々あったのよ。今は出来なくても後から納得出来るようにしなさい。最悪リサから後で聞きなさい」

 

 

「それにしても…ゆきちゃん、列車動かせるようになったんだ…」

 

「これでもかなり頑張ったの……。それよりもユウが気になってるのはそこじゃないでしょ?」

 

 

「過去を知っている理由は分かったけど、このままじゃ何らかの拍子に記憶が修復されるから無駄になるでしょ」

 

未来から来た友希那がリサをゼロライナーで過去に連れて行き過去の光景を見せた。

そんな荒っぽい方法でリサに現実を突きつけたと友希那がサラッと伝えるが、ユウは友希那がゼロライナーを動かせる様になったという事にツッコんでしまうが、友希那はそれを軽く受け流す。

 

そんな状況でユウは一番気になっていることについて尋ねていた。

このままでは友希那が未来から来て事実を見せたところでいずれは時間が修復されてしまった際にこの記憶は完全に消える。

無駄でしかないこの行動だったが、答えはあまりにも簡単な事だった。

 

 

 

「リサにカードを使わせたのよ。今の時間の修復の影響を受けないわ」

 

「……本気?」

 

「えぇ。リサにはベルトがないわ。未来で私と高松さんの2人で責任をもって全部預かるからこれ以上カード使えないわ。

一応、1枚はリサの部屋に置いておいたけれど」

 

「ならいいけど」

 

この時間のリサもゼロノスカードを使って時間の影響を受けないようになった。

単純な解決方法だが、カードを使うという事は存在が消えるリスクが発生するが、リサのカードは全て別の時間の友希那と燈が管理する。

 

これならばリサのカードが使われることもない。ユウはそれで納得はしたが、リサの事で霞んでしまったが、気がかりはまだ残っていた。

 

「それで、俺がまだ消えない理由は?」

 

 

「それは私の口から話すことではないわ」

 

「できない?」

 

気がかりは最後のカードを使ったユウがまだ消滅していないこと。

リサの事ですっかり霞んでいたが、ユウにはこれがまだ残っていて友希那から真相を聞き出そうとするも、友希那はその答えを返さない。

 

話すことではない。と言われてもユウはそこが知りたいところだが友希那はユウから視線を逸らして空を見上げると、ユウも彼女の後を追って視線を空に向けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時間よ」

 

「デンライナー…!!」

 

「答えはデンライナーの中にいる人から聞きなさい」

 

「ババアか…」

 

その視線の先には先ほど切り離したデンライナーが空からユウ達の元へと降りて来る姿が移るとデンライナーはユウ達の横に停車していく。

 

そして、友希那の言葉から詩船が答えを知っていると確信すると、デンライナーの客室の扉が開かれた。

 

「ユウ!!」

 

「おにーさん!!」

 

「ゆきちゃん。燈ちゃん」

 

「ユウ!!まだ生きてるな!!」

 

「デネブさん。お疲れ」

 

 

「若いわね」

 

「その言い方は歳行ってるって思われるから気を付けた方が良いよ?」

 

デンライナーの扉から友希那が血相を変えて飛び出して周りを一切確認することなくユウの背中にしがみ付き、燈もユウの元へと駆け寄り、デネブが心配そうに見つめていた。

 

前方のリサに後方に友希那と燈。

完全に挟まれて動けなくなってしまったこの状況にユウは困り顔を浮かべたが、未来から来た友希那はこの光景を前に笑みを浮かべていると、未来から来た友希那が言っていた詩船が楽奈と一緒に降りてきた。

 

 

「終わったかい」

 

「ババア、とっとと吐いてもらおうか?」

 

「いきなり何だい…ったく」

 

 

詩船は降りて早々にユウに詰められたが、いきなりの状況に詩船も呆れ顔を浮かべていた。

そんな中で一緒に降りてきた楽奈は一番落ち着いていたのかこの状況のおかしな点に一番最初に気が付いた。

 

「リサ…?それに友希那が2人いる……」

 

 

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

 

 

「昔の自分ながら……全く周りが良く見えてないわね」

 

「「「「「えぇえええええええ!?」」」」」

 

「待って?なんで姉さんも驚いてるの?」

 

「リサには私が未来から来て、同じ時間にも私がいるって教えてたわよ」

 

楽奈の言葉に現代の人間は驚きの声を挙げていたが、そんな状況で未来から来た友希那は過去の自分の姿や話を聞いてなかったリサに呆れていた。

だが、それは今になっては些末なことだと本題に切り出した。

 

「オーナー。そろそろネタバラシをした方が良いですよ」

 

「湊…未来から来たのかい?だったら、ネタは知ってるだろ?」

 

「えぇ。知ってはいますが、私の口からではなくあなたから説明すべきです」

 

「それもそうか……。アンタが知りたいのはカードを使っても消えない理由だね」

 

「あぁ。カードは記憶を削って変身して、その代償に皆から記憶が消えて最後の1枚を使えば存在が消滅する。

そのはずなのになんで俺はまだ消えてない?」

 

未来から来た友希那は詩船に責任をもってネタバラシをするように伝えると、その言葉を聞いた詩船は納得して言われた通りにユウのことについてのネタバラシをすることにした。

 

「アンタが言うようにカードを使えば記憶が消えて、全部使えば存在が消えるのも間違ってない」

 

「俺は最後のカードを使ったはずだ。それなら俺は消えるはずだ」

 

カードを使えば記憶が消えて存在が消える。

その事は間違っていない。そう詩船が伝えるがユウは最後のカードを使ったのに生き残っているのはおかしいと口にするが、詩船はそんなユウに更に言葉を続けていた。

 

「アンタは最後のカードを使ったが、それは寝てる間にすり替えた私のカードだ。変身解除した時の私に関する記憶が消されてる」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……カードを使った時に消える記憶は使用者の記憶じゃなくて、カードを作った人間の記憶ってことか?」

 

「アンタのは野上姉の記憶から桜井の記憶が消えていたのと一緒だよ。アンタの最後の1枚は今は私が持ってる」

 

「……でも、侑斗さんは桜井のカードを使って自分の記憶が消えてたはずだ」

 

「どっちかと言えば桜井の方が例外だ。アレは別の時間の同一人物だから出来たことだ」

 

ユウが先ほど使ったカードは自身のモノではなく、詩船が持っていたカードの1枚。

そのためユウの最後の1枚はまだこの時間に残されているためユウの存在が消滅することなくこの時間に残されていた。

 

 

蓋を開ければ呆気ない内容にユウは肩を落とすと、ネタバラシが済んだのを見届けた未来の友希那はそのまま彼らに背を向けて歩き出していた。

 

「あれ?どこ行くの?」

 

「ネタバラシを見届けたことだし、私はもう帰るわ」

 

「まだいてもいいんじゃない?」

 

「何時までも過去にはいれないわ。それとあなたは今の私達と過ごす今後の事を考えればいいのよ」

 

「そっか……それじゃまた」

 

「えぇ」

 

彼女は元居た未来に帰ると伝えるとユウに一言だけ言い残すと、彼女は彼方から走ってきたゼロライナーが彼らと彼女の間を走り、列車が走り去った後には彼女の姿は完全に消えていく。

 

それを見届けたユウはとりあえずの平穏を手に――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと友希那!!何時までアタシの弟にベタベタしてるの!!」

 

「えっ……?なんでリサさんがおにーさんの事を……!?」

 

「燈もだよ!!そう言うのはお姉ちゃんの目が黒いうちは許さないからね!!」

 

「それはユウが決めることでリサには関係ないわ」

 

「おい!!ユウ!!なんでリサはユウのことを…!!」

 

することが出来ず、リサは友希那と燈をユウから離れる様に声を挙げ、友希那はそれに反論し、燈とデネブはリサの状況が分っておらずに困惑してユウを問い詰め始めてしまい。

 

 

 

「おもしれー……」

 

「全くあんた達はなにやってんだい………」

 

「いや、コレ俺が悪いわけじゃないだろ。はぁ……」

 

そんな光景に楽奈と詩船が呆れたような表情を浮かべるも、ユウが言うようにこれに関してはユウは一切悪くないがこの状況の中心にいるのは間違いなくユウ。

 

トラブルに愛されているようで彼の周りは静かになる気配がまるでない。

そんな状況に呆れながらもユウは自身に引っ付いていた友希那とリサを引き剥がす。

 

「………全部が終わった訳じゃないけど、ババア。この時計返すわ」

 

「…とっておきな。私よりもアンタと一緒に過ごした時間の方が長い。それはもう立派にお前のモンだ」

 

「そう…なら、貰っておく」

 

2人を引きがはしたユウは最初にこの時間を離れる際に詩船が持たせた懐中時計を差し出すが、詩船は受け取りを拒否するとユウはそれを懐に戻してからゆっくりと立ち上がる。

 

「さてと時間もそれなりにあるな……」

 

「時間があるって言ったけど、それは仕事も何もないアンタだけだ。湊達は学校があるだろ」

 

「最後の最後でぶち壊しだよババア……

まぁ、やらなきゃいけない事とかはあったりするけど、今までの事とかこれからの事はみんなの学校が終わってからゆっくり話すよ……」

 

そうして彼は消えてなくなるはずだった未来について思いを馳せていくのだった。

 

 





誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。

とりあえず本編はこれで完結になります。
前回も主要人物からすればバッドエンドですが、”世界からヤバいものが消えた”と見方を変えればグッドエンドにも見えるんですよね。

まぁ、
・ダメ人間化のその後
・タロス's襲来
・ライダーワールド旅
とかいろいろありますが………
いずれ多分書くかもしれないし、書かないかもしれない
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