忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。
今回のIF√はこのキャラです。

あれ?前二つに比べるとだいぶマイルドだな………
どうしてこうなった?
という事でどうぞ…



#3_没IFエンディング03_◆◆◆◆の場合

「流石に……疲れた………。どこか休める場所に……」

 

戦いを終えて傷つき疲れ果てたユウ。

彼はその体で休める場所を求めてゆっくりと歩き出そうとしたのだが――――――

 

「ん?なんか踏んだ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ………」

 

「えっ……?和奏さん!?」

 

歩み出したその足で地面に転がっていたレイヤの頭を踏みつけてしまっていた。

 

 

―――”和奏レイ(生活力0ヤ)”にエンカウントしてしまった場合――

 

「えっ…!?ちょっと和奏さん!?」

 

戦いで疲れ果てていたユウは倒れていた彼女を踏んだことに驚くが、すぐに足を退かして彼女の事を気にかけて声をかけたが――――――

 

 

 

 

 

 

 

「おなか……すいた……」

 

「あぁ~……こういうパターンかぁ……。一応聞きますけど、最後の食事をとったのは?」

 

「5日前………ますきに誘われてラーメン奢ってもらった……。それから食べるのめんどくさくて水だけ……」

 

ユウの心配の言葉に対して空腹を訴えかけたことで彼は全ての状況を理解してしまった。

 

彼女は単純に空腹で倒れていただけ。

彼は今まで面倒を見ていたこともあって彼女の生活について尋ねると、あろうことか最後の食事は5日前と言う普通なら考えられないような食生活を聞かされる。

普通ならばこの食生活にツッコミを入れざるを得ないのだが―――――――

 

 

 

 

 

 

 

「凄い。自分でラーメン食べれたんですね……!!」

 

「食べるのめんどくさくなって……麺が伸びた」

 

「食べる直前まで用意しないと食べない人が外食でご飯食べてるだけで進歩ですよ」

 

ユウの口から飛び出したのはツッコミではなく、レイヤが自力でラーメンを食べたという事に対する驚きだった。

レイヤも何気なく答えていたものの、ユウからすれば彼女が誘われたとはいえ外食に行って自分でご飯と食べたという事に感動を禁じえなかった。

 

だが、ユウは戦いのダメージで頭が回っていなかった。

 

「なんでそれを知って……?」

 

今のレイヤにはユウに関する記憶がなく、彼女の私生活を知り得る訳もないのにまるで知っている様な口ぶりを不審がってしまったのだが―――――――

 

 

 

「まぁ、考えるのめんどくさいから気にしなくていいか………」

 

食事のとっていないレイヤはユウ以上に頭が回っておらず一番大事な部分を大胆にスルーしてしまった。

空腹による思考停止はレイヤから常識的なすらも奪いとってしまっていた。

 

 

「ダメ……お腹空いた……」

 

「あの……コンビニで何か買ってくるのは?」

 

「行くのめんどくさい……。代わりに買ってきて……」

 

「はぁ……」

 

レイヤはコンビニを提案されるも行く気力すらなくユウに財布を差し出した。

余りにも警戒心のない行動にユウは流石に呆れてしまうが、料理人としては空腹の人間を放置することなど出来ずにその財布を受け取って中身を確認したのだが―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「113円じゃ、今のご時世じゃおにぎり1個も買えないよ……。あっ、俺のポケットに500円入ってる……」

 

レイヤの財布の中には僅かな小銭しか入っておらず、こんな金額では小さなお菓子1つでも金額が足りなくなる。

それに完全に空腹のレイヤにそんなものを与えたところで動けるようになるとも思えない。

いくら体は限界寸前でも、空腹の知人を放置することなどありえない。

 

――――――昔、花園たえは放置した?アレは知り合いだからノーカンだ。

 

 

 

 

 

 

「材料なら買えるか……和奏さん。家のキッチンを使わせてもらえるなら料理位作りますよ?」

 

「お願い……します……」

 

ユウはレイヤの家ならば調味料は多少揃っていることを思い出してで料理をすることを提案すると、彼女は警戒心よりも食欲が勝ってその提案を受け入れる。

その言葉を聞いたユウは地面に倒れるレイヤを担ぐと、奇異の視線を集めながらも深夜まで空いているスーパーに向かうと持っていた僅かな金額で材料を買うとすぐさまレイヤの部屋へと駆け込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アブねぇ……!!汚部屋になってるけど、シンクとコンロ周りは奇跡的にゴミがない……!!」

 

そして、部屋に入って早々にレイヤの汚部屋とご対面することになったが、水回りまでゴミが溜まっていない奇跡に感動していた。

 

普段ならばこの状況で料理するなど論外だが、レイヤの腹を満たす事を優先。

そして、何よりも優先されるのは――――――

 

「和奏さん。倒れてたのもありますけど、シャワーもしばらく浴びてないですよね?」

 

部屋同様に不衛生なレイヤをシャワーへと叩きこむことだった。

 

「一週間前、ロックの銭湯に入ったから綺麗だよ?……」

 

「はいはい。まずはシャワー浴びてきてくださいね~」

 

レイヤはユウの言葉に反論したが、最後に風呂に入ったのが1週間前など言われればユウも黙ってみている訳にもいかずそのまま彼女を脱衣所へと叩き込んでいた。

 

「まぁ、どうせ料理終わって見に行ってもシャワー浴びて無さそうだけど……。あー……塩胡椒と醤油しか使えそうにないか……粉末出汁買ってきて正解だったな………」

 

ユウはレイヤがシャワーを浴びないことを予想しながらも以前にここで家事をしていた時に用意していた調味料を確認してからとりあえず汁物を用意し始めて部屋に持って行ってからすぐにレイヤを確認しに行ったが、彼の予想通りに彼女は無気力にシャワーを浴びておらず、彼が脱衣所に叩きこんだ時と全く同じ状態で動きを止めていた。

 

 

 

 

 

「やっぱり……和奏さん。床舐めてないでちゃんとシャワー浴びてください」

 

「服脱ぐのめんどくさい……脱がせて………浴びさせて……」

 

「はぁ……」

 

床に無気力に倒れているレイヤにシャワーを浴びるように伝えるが、レイヤはそれすら面倒くさいとユウにシャワーを浴びさせるように伝えていた。

 

記憶がないにしては今までと全く変わらないその姿勢だったが、ユウは以前と同じ様に介護の如く服を脱がせてからシャワーで身体を流させてから髪と身体を洗ってからそのまま体を拭いていく。

 

そうしてレイヤは体を拭かれ終わると下着すら身につけずにそのままフラフラと汚部屋の中に用意された食事へと歩いていくと、器を手に取ってそのままベッドに座っていた。

 

 

 

「タマゴスープです。1週間マトモに食ってない体でいきなり食べると体に悪いのでゆっくり飲んでください」

 

「いただきます……」

 

普通ならば彼女が服を着ない事への言及をすべきなのだが、疲れ切っていたのとレイヤのこの状況に慣れてしまっていたユウはその事にツッコむこともなく平然と料理について伝えると、彼女は言われた通りに両手に大事そうにスープの入った器を持つと少しずつスープを飲み始めていく。

 

そうして器に入ったスープをゆっくりと飲み干すと、空になった器をそのままベッドの枕元へと置いて両手で腹をさすり始めていた。

 

 

 

 

 

「ごちそうさま…………胃に染みる」

 

「1週間食事抜きならそうでしょうね」

 

「寝る………」

 

「作ったスープ残ってるけど……朝飯に食べてもらえば……いや、温められるか?」

 

スープだけとはいえ、1週間ぶりのまともな食事をとったことに満足したのか彼女はそのままベッドに横になって眠りについてしまった。

そんな彼女を見てからユウは空いた食器を回収してから残ったものをどうしようかと考えながら食器を手早く洗う。

 

そうして、次に彼女に服を着せようと洋服が入っているはずの棚へと向かおうとしたのだが――――――

 

 

 

「やっべ……胸の傷開いて……

 

もう……限……界……」

 

ここまでで遂に体力の限界を迎えてしまい、彼はそのまま汚部屋の中で意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして時が過ぎて、外からの日の光が室内を照らし始めた頃―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイヤせんぱーい。学校の準備をする時間ですよ~。ってやっぱり起きないか…」

 

レイヤの学校の後輩で隣人のにゃむが平然と玄関を開けながら、中にいるレイヤに声をかけるも当然の如く返事はない。

予想していたその反応ににゃむは靴を履いたまま汚部屋の中へと入っていくが、ここで彼女は異変に気が付いた。

 

 

 

 

「鍋にスープが入ってる……っ!?3日前に来た時にはなかったはず……誰かが作ったのかな…?」

 

この汚部屋の廊下に備え付けられているキッチンには不釣り合いのスープが入った鍋がコンロの上に鎮座している異常な光景が飛び込んでくるが、にゃむの知るレイヤが料理などする訳がない。

しかし、彼女は冷静になって他人が作ったものだと言う正解に辿り着いて納得したのは良かったのだが、更なる異変を彼女は見つけてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「食器の洗った跡がある……!?しかもまだ乾いてない…!?おかしい…レイヤ先輩がそんなことするはずがない…!!」

 

にゃむが見つけたのは食器が洗われた痕跡の残るシンク。

しかも、そのシンクはよく見ればほんのりと湿り気を含んでおり、ここで食器が洗われたことは明らか。

 

しかし、にゃむからすればあんな生活力がマイナスに振り切ったレイヤが皿洗いをするなど宇宙の法則が何度変わろうがあり得ない。

 

これはまさに天変地異…いや天地開闢の理が覆り、全宇宙が最大の危機に晒される厄災の前触れ。

 

「……レイヤ先輩!!レイヤ先輩!!なにがどうなって―――」

 

それを感じ取ったにゃむは急いで廊下を走ってその先にある汚部屋の扉を蹴り破ると、そのままベッドに寝ているであろうレイヤへ声を挙げるだが―――

 

 

 

 

 

 

「えっ……男の人……?」

 

にゃむは扉をけ破ったこのタイミングで汚部屋にユウが倒れていることに気が付き、ここで彼女は全てを理解した。

 

「入った時に感じた違和感はこれかぁ……」

 

にゃむが部屋に入った時に感じた違和感の正体は倒れているユウがやったこと。

それである程度安心したのだが、すぐに彼女の調子は崩れ始めていく。

 

 

「えっ!?凄い血が出てる!?」

 

ユウは床に倒れてしまったが、その直前に胸のケガが開いてそこから出血してしまったのだが、それを対処出来たモノは誰もおらず、彼は今血が固まるまでの間に出来た血の染みの中で倒れてしまっていた。

 

これにはにゃむも驚きの余りレイヤが寝ているであろうベッドに駆け寄って彼女を叩き起こそうとした。

だが、ベッドの上のレイヤは全裸だった。

 

 

「はぁ!?男の人がいるのに全裸!?まさかそう言う……。いや、こんな汚部屋でそう言う事にはならないだろうから、レイヤ先輩シャワーを浴びさせて…って違う!!レイヤ先輩!!」

 

「ん……眠い……」

 

そがんこと言いよる場合じゃなか(そんなこと言ってる場合じゃない)!!あの男ん人はどぎゃんしたとですか(あの男の人はどうしたんですか)!!」

 

「……えっと……拾った?」

 

「はぁあああああああああ!?」

 

にゃむは全裸のレイヤを叩き起こし、寝ぼけている彼女にユウのことを尋ねるが、帰ってきたのは拾ったというとんでもなく問題がある言葉。

ケガしている男を拾ってきたと言っていることやら、男の前で全裸のままであることやら、色々と言いたいことはある。

 

だが、色んな思いが絡み合い―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何しよっとたい!!レイヤ先輩!!」

 

「ごめん。方言で何言ってるか分からない………」

 

「うがぁああああああああああああ!!」

 

レイヤに叫んだにゃむ。

しかし、方言が出てしまった言葉が理解できなかったレイヤの態度を見たにゃむは余りの苛立ちに頭を掻きむしって絶叫するのだった。





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IFエンドは次でラスト………誰かは……うん……

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