忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーござます!!
さぁさぁ…この流れってことは次回は遂に来ますね!!アレが…!!
という事でテンション上げて初投稿です


23話-重なる二条の迷星

 

「気をつけてね…?」

 

「はい…。街がちっちゃく見える…」

 

現代の商店街に戻ったユウと燈はそこから移動して高層ビルに侵入して屋上から街を見下ろしていた。

 

なぜ2人がこんな所に来たのか?

それは―――

 

「ここから見つけられるんですか…?」

 

「こんな博打みたいなもんだよ?でも、やるしかないからね…」

 

「…っ」

 

そう言いながらユウは懐からベルトを取り出して腰に巻く。

この光景に燈は自身の中にあった朧げな記憶になっていた光景と重なっていくのを感じながらユウに視線を向けると、そこには痛みを感じて歯を食いしばるユウの顔があった。

 

「っぅ~!!こんな使い方したくなかったけど…」

 

「お兄さん、腕が…!?」

 

「大丈夫。利き腕の右じゃないから…」

 

痛みに耐えながらユウはベルトから1枚のカードを取り出して、カードを構え―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「…変身」

 

―――Altair Form―――

 

 

「…っ!!かっこいい…」

 

「ありがと…」

 

その言葉と共にユウはカードをベルトに通し、彼はゼロノスへと変身した。

燈はゼロノスの姿もベルトも記憶していたが、彼がハッキリと変身する姿を見たのは始めてで、その光景と姿を燈が何気なく褒めていた。

 

ゼロノスはそんなことを言われるとは思っておらず、恥ずかしそうな顔が仮面の下に隠れているに感謝しながら彼女の言葉に答えてから街を見下ろし始めていた。

 

「あの…それで見えるんですか?」

 

「普段はやってないんだけど、この姿で本気になると5キロくらいなら顔を見分けられるんだ」

 

「5キロ…」

 

「うん。それに相手はイマジン―――人間じゃないから…大体の形を見分けるだけならもっと遠くまで見えるはず…」

 

屋上までやってきた目的。

それはゼロノスに変身してその視力で街に潜むイマジンを見つけ出すと言うとてつもない力技―――もとい博打だった。

空振ればカードを無駄にしただけで終わってしまうことを理解しているゼロノスは集中して街を見下ろしてイマジンの姿を探し始めていく。

 

そして―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけた…!!ハチのイマジン…!!」

 

「えっ…!?」

 

「今度はこっちから撃ってやる…」

 

その博打は大当たり。

ビルの谷間を飛び越えながらハチもとい、ワスプ・イマジンはどこに向かっていく姿を捉えた上に、相手はこちらに気が付いていない。

こうなれば今度はこちらの番とでも言わんばかりにゼロノスがゼロガッシャーをボウガンモードに組むとその位置から移動しているイマジンへと狙いを定めて―――

 

 

 

 

「さっきの礼だ…」

 

その言葉と共にゼロノスはボウガンの引き金を引いた。

 

ボウガンから放たれた矢は夜の街を突き進んでイマジンの元へと飛び、その矢はイマジンの額を抉り取っていた。

 

だが、攻撃が命中したという事は相手もこちらの存在に気が付いたと言う事であり、ゼロノスは先ほど自分達を狙った遠距離攻撃に備えていた。

 

 

しかし、彼の予想に反してその攻撃が飛んでくることはなく、イマジンは攻撃が飛んできたこちらの方へと向かって来ていた。

 

「頭に当たったので…さっきの攻撃が出せなくなったってことか?」

 

ゼロノスは冷静に状況を分析した。

 

 

 

 

ここで戦うならば燈の存在がネックになるが、彼女が標的の可能性がある以上は1人で街中へ逃がすわけにも行かない。

仮にゼロライナーに彼女を押し込んだとしても、自分以外が行き来出来ない今の状況では自身の負けたとなれば、余程の幸運が無ければ燈はゼロライナーで1人で死を待つことになってしまう。

 

「燈ちゃん…敵が来たら―――」

 

「邪魔をするなぁ~!!」

 

「剣っ!?」

 

当然負けるつもりはないが、彼女が逃げられるようにするのを考えたらここ敵が来てから逃がすのが一番安全だと判断し、それを伝えようとしたゼロノス。

しかし、それより先にイマジンがゼロノスの元へと到着して、いつの間にか手に持っていたレイピアを構えて突撃してきた。

 

 

「アブねぇ…な!!」

 

「何っ!?」

 

だが、ゼロノスは刺突を見切って腰を落としてその攻撃を躱すと、ボウガンを左腕に持ち替えながら右腕に力を込め―――

 

 

 

 

「せいっ!!」

 

「ぐふっ…!!」

 

渾身の張り手をイマジンのがら空きになった腹へと叩き込む。

傍から見たら何気ない張り手にしかみえないその攻撃を受けたイマジンはとてつもない衝撃を感じながら後ろに吹き飛んでいく。

 

一撃で大きなダメージを与えて追撃のチャンスに動き出そうとしたゼロノスだったが―――

 

「ぐっ…!!」

 

 

 

負傷している今のゼロノスでは普段なら何の問題の無い攻撃でも、その際に怒る僅かな衝撃でも自身にダメージが入り、その痛みのせいで動き出しが遅れてしまった。

その隙にイマジン側は体勢を立て直し、再びレイピアを構え直していたゼロノスへと突撃していく。

 

「このっ!!喰らえ!!」

 

「こいつ、動きが小さくなってるだけじゃなくて…左ばっかり狙って…っ!!」

 

 

先ほどと比べて動きが小さく隙も小さい攻撃になっていた上にその狙いも負傷している左腕を狙ってくる。

ゼロノスは左腕への攻撃は何とか躱す事が出来ていたが、その代わりに他の場所へと攻撃が当たる上に、攻撃を躱す為に腕を動かせばボウガンの重みが腕へのダメージを入れていく。

 

ゼロノスにとって戦いが長引くのは不味いのだが、は相手もそれを分かっており、長期戦の見据えた動きでゼロノスを攻め立て―――

 

「つぅ~…!!腕が…!!」

 

「限界みたいだな…!!」

 

 

 

 

「がぁああ!!」

 

「どうした!!」

 

「怪我してても…こんだけ近けりゃ当たんだよ!!」

 

「ぐおぉぉ!!」

 

ケガした腕の動きが目に見えて悪くなったのを見たイマジンはレイピアによる連続の刺突で一気に攻勢に出るが、ゼロノスは刺突を喰らいながらもボウガンをゼロ距離で撃ち込むと互いが後ろに退く。

 

 

「身体が……!!」

 

「俺の勝ちみたいだな…!!さて…コイツが契約者が言ってたもう1人の奴だな」

 

「えっ…?」

 

だが、ゼロノスの方がダメージが大きく膝を着き、イマジン側はその姿に完全に価値を確信すると、近くで隠れていた燈のことを”標的”だと口にするとその言葉に燈は完全に固まってしまった。

 

「ウイカ…って契約者の女が言ってたんだよ。”さきちゃん”を迷わせる邪魔な存在を消してほしい…ってな」

 

「初華ちゃんが…さきちゃんって……まさか…」

 

 

 

 

 

「確かさきちゃんってのは…”祥子”って女だったか?さっき一緒だった女はもう始末して後はお前だけだ…」

 

「さきこ…ちゃん…」

 

「後はお前もあの女の所に送ってやる…」

 

イマジンが言った契約の内容。

それは燈が以前に組んでいたバンド―――”CRYCHIC "で一緒だった祥子に関係する人物を消すことで、既に愛音はイマジンの手にかかっていると告げられた燈はショックで呆然として動くことが出来なくなっていた。

 

そんな彼女の元にイマジンは燈の首をへし折ろうと一気に距離を詰める。

ゼロノスもイマジンを止めようとするも、今からイマジンに向かっても間に合わない。

 

「…死ね!!」

 

動けない燈の首元へイマジンの腕が伸びていく正に絶体絶命の状況―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――だがこの時、燈に不思議なことが起こった。

 

「…っ!!」

 

「えっ…!?」

 

「なっ!?弾いた!?」

 

あろうことか燈は迫って来ていたイマジンの腕を片手で容易く払いのけて見せた。

燈が攻撃を防ぐなどゼロノスもイマジンも全く想像していなかったが、それ以上に想定外がイマジンに襲い掛かっていた。

 

「…っ!!」

 

 

 

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「えっ…?」

 

イマジンの腕を払った燈だったが、彼女は驚きで固まっているイマジンの腹を両腕を使って突き飛ばす。

だが、あり得ないことに彼女の余りにも細すぎるその両腕はまるで車に撥ねられたかと錯覚するほどの衝撃をイマジンに与えると、別のビルまで吹き飛ばしていた。

 

完全に予想外で固まるゼロノス。

普通の人間がここまでイマジン吹き飛ばすことなど不可能のはず―――それにもかかわらず燈はイマジンを大きく吹き飛ばしたのを見たゼロノスはRiNGで感じたイマジンの気配の事を思い出していた。

 

「RiNGでイマジンの気配―――燈ちゃんが狙われてたからじゃなかったんだ…」

 

最初は近くにイマジンが居て燈を狙っていると思っていたのだが、事実はそうではなかったのだ。

 

 

 

 

「間違いない……RiNGで感じたイマジンは燈ちゃんの中にいる…!!」

 

RiNGで感じたイマジンの気配はイマジンに憑依されていた燈の中から発せられたもの。

そして、襲われそうになった状況でそのイマジンが燈の身体を使ったのならば今の動きは納得することは出来る。

 

 

 

 

 

だが、実際に攻撃を食らったイマジンはそんな事はどうでもよかった。

 

「油断した…だが、これで死ね…!!」

 

イマジンは吹き飛ばされたビルから燈に向かってレイピアを投げつけ、それは真っすぐに燈へと向かっていくのと同時に燈の身体から夥しい量の砂が噴き出されて―――

 

 

 

 

 

 

「ふんっ!!」

 

「えっ…?」

 

砂が人の様な形を模って実体を持つと、同時にその人型は指から何かを撃ちだして投げられていたレイピアを粉々に砕いて見せた。

 

いきなり砂が噴き出したと思ったらそれが見たことのない人型になって自分を守った―――

 

その現実が呑み込めない燈だったが、自身の目の前にいるイマジンを見つめていた。

 

 

 

 

―――全身が黒い

―――腕が銀色で首元が緑

―――そして、指から何かを撃ちだした

 

 

自分から出てきたイマジンを見ても、燈の理解が追いつかない。

だが、ゼロノスはそのイマジンは切っても切り離せない存在――――

 

「デネブさん!?」

 

「その声…ユウか!?なんで侑斗のベルトを…!!」

 

そのイマジンの名はデネブ―――

一番最初にゼロノスになった男と契約して戦っていたイマジン。

ゼロノスは完全に予想外の人物の登場に驚いたが、それはデネブも同じだった。

 

「何がどうなってるんだ!!…まぁ、1人は始末したから契約は果たした…!!」

 

 

「契約を果たした…ユウ、アイツは契約者の元に行くつもりだ!!」

 

「ヤバい…!!契約者が誰か分からない…!!ウイカって誰の事だよ…!!」

 

互いの存在に驚きあっていた2人の隙をついてイマジンはこの場を逃げ出した。

完全に2人のミスでイマジンを取り逃がしてしまったが、相手は”契約を果たした”と言う言葉から契約者の元に向かったと判断したのは良かったのだが、肝心のその契約者が誰か2人は全く分からなかったが――――

 

 

 

 

 

 

「あの…その人の事知ってます…」

 

「…案内できる?」

 

「えっと……連絡して場所を聞いてみます…」

 

「すまない…」

 

燈が口にしたその言葉に何とも言えない空気になってしまったが、ゼロノスに言われるままに燈は初華に今いる場所を尋ねてその場所に向かうことに決めたのだった。





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