前回はとんでもないクライマックスでしたが……
今回はどうなるんでしょうか………
まぁ、真面目にならないのはそうなんでしょうね!!
という事でどうぞ!!
※本話には、犯罪行為の描写が含まれています。
これらはあくまでフィクション上の表現であり、犯罪行為を推奨・助長するものではありません。
『痛てぇえええええええええええええ!!』
「ぇ……!?ぉ…おにーさん……っ!?」
『てめぇ!!放せこの野郎!!』
「うるせぇ!!お前こそ何やってんだモモタロス!」
『なんで俺の名前を―――ぉおおおおおおおおお!!』
飛び蹴りからの関節技を決めたユウ。
正に流れるにと言う形容が相応しいまでの流れに現場にいた燈は困惑したが、ユウはそれでも関節技を緩める様子はなく、それどころか先ほどよりもきつく締めあげていくと紗夜からは彼女らしからぬ口調で痛みに悶える声を上げていく。
「紗夜さんの体でその口調はキモいからやめろ!!とりあえずあっちに移れ!!」
「えっ…!?」
『仕方ねぇ……!!』
そんな叫びの中でユウは燈を指差す。
それに燈は困惑した紗夜の中にいたイマジン―――モモタロスはその言葉に従って紗夜の中から抜け出して彼女の中へと移っていき、イマジンが抜けた事で紗夜はそのまま意識を手放していくのを確認したユウはすぐに技を解いてからゆっくりと立ち上がっていく。
「おい…」
『コイツ!!さっきの分をやり返して―――』
「ダメ…」
『なっ…!?コイツ、特異点かよ!!』
そして燈に移ったモモタロスは紗夜の身体にいた時に喰らった技の分の仕返しをしようと彼女の身体を使ってユウに攻撃をしようとしたが、特異点であった燈はその意志1つでその動きの一切を封じ込められてしまい、その事に戸惑っていた。
「モモタロス、後でプリンやるから黙ってろ」
「モモ…タロス……?」
「今、燈ちゃんに憑いてるイマジンの名前」
『てめぇ!!さっきから俺様の名前を!!何で知ってんだよ!!』
「プリンはいらないんだな?」
『ちっ…仕方ねぇな……』
「プリン……?」
「そのイマジンの好物」
そんな戸惑っていたモモタロスだったが、プリンに釣られて今は言われたままに黙ることにしたものの、憑かれている燈は今の話の流れが全く分からず困惑せずにはいられなかった。
だが、問題はまだまだ残っていた。
「ったく、紗夜さん達を襲った連中はこのまま転がしておくにしても、紗夜さん達はどうすっかな……」
「あの……リサさんを呼ぶのは………?」
「姉さんに峠道を走らせるのは心配だな………夜だから猶更ね……」
それは意識がない氷川姉妹の事。
流石に2人をこのまま放置する訳にも行かないが、ここにリサを呼んで運転させようにも、初めての峠道でそれも夜の峠をリサに走らせるのはユウとしても不安が残る。
そうなれば――――――
「俺が紗夜さんの家まで運転すればいいか……。荷物は先に紗夜さんの部屋にカーテンで送ればいいか」
「おにーさん……無免許運転じゃ……」
「燈ちゃん。バレなきゃ犯罪じゃないんだよ」
「えっ……?」
「軽く地図を確認したから大丈夫。思いっきり攻めて走るからすぐだよ」
「えっ……!?」
燈としてはユウの運転自体ついては全く心配していないが、それとは別の心配が彼女の頭に過るのだった。
「いや~。あの友希那が免許取るなんて考えてなかった!!よく座学通ったね!!」
「リサ、何度も同じこと言わないで。失礼じゃないかしら?」
「だって、今でも信じられないし!!」
私はリサを助手席に乗せて買い物に出かけていた。
リサは乗る前は物凄く拒否反応を見せていたが、私が運転すると言って根負けしたのか助手席に乗ったが、私の運転を見て何度も驚いている様子を見せていたし、今も私が免許を取ったという事が信じられないと何度も言葉にしていた。
それは家に帰って私の部屋に上がりこんでからも続いていた。
「それに運転の方はそれなりに様になってたのは超意外だった……!!」
「別の世界でユウに教わったのよ。
彼、運転免許センターで料理長してたのだけれど、空いてる時間に教わったのよ。
でも、S字クランクは厄介だったわ……。
彼に教わった時は投げ出してしまったもの……」
「ちょっと!!ユウから教わったって何!?」
リサは色々と騒ぎ出したが、それ以上説明のしようがない。
どう返事を返そうか悩んでいたが、そのタイミングで私とリサのスマホが同時に震えた。
「あれ…?燈から……?」
「高松さん?……なんて言ってるの?」
「紗夜の家の車の駐車場知ってる?って言われたんだけど……」
相手は高松さん。
彼女は確か日菜と紗夜と3人で天体観測に行くと言っていたのだが、それがどうして紗夜の家の車の駐車場なんて聞いてくる理由が分からない。
紗夜と日菜の2人が運転するのだから高松さんがそれを聞くのはおかしい。
「ちょっと意味が分からないから電話かけてみるね?」
「えぇ……」
だが、その連絡で何かあったのだろうと言うのを察したリサは高松さんのスマホへと電話をかけたのだが―――
「もしもし燈?どうした―――」
『ちょっと!!おにーさん!?いきなりそんな…!!』
『こんなのまだ軽い方だよ。もっとキツイの行くよ!!」
「「はっ……?」」
『おにーさん!!リサさんから電話が……!!』
『あー……安全運転にするね』
高松さんが電話に出たが、聞こえてきたのは高松さんだけではなくユウの声も一緒に聞こえてきた。
その意味が分からなかった私達は声を挙げていた。
「ユウ、あなた。運転してるの?」
『あーゆきちゃん?ちょっと訳ありで意識のない氷川姉妹を後ろに乗せて峠の下りを攻めてる』
「はぁ!?どういうこと!?燈が助手席に乗ってるってこと!?」
「それにユウは無免許よね…?」
『それはその通りだけど、こっちにも色々理由があるの。
んで、悪いんだけど、どっちでもいいから今から来れる?峠降りてきた下道の運転をお願いしたいんだけど』
「いや、結構距離あるんだけど!?」
「それに夜に慣れない車は危ないわよ」
『だよね~……どうすっかな……峠もそろそろ終わるけど2人とも起きる気配ないし……』
ユウはこの夜の時間から運転を頼んでいたが、流石の2人もこんな夜間に慣れない車の運転をするのは躊躇われたのかいい返事を返さない。
そして、峠も終わっても2人が起きる気配が全くないと言う最悪の状態だが、友希那は不意にスマホを手に取って立ち上がるとおもむろに外の状況を確認し始めていた。
「ユウ、あなたの銀色のヤツで私達の家の前に来なさい。人もいないから大丈夫のはずよ」
『いや、ドラレコがあるから見られると面倒なんだけど………?』
「データなんて消せばいいわ。ユウなら出来るでしょ?」
『了解。そんじゃ車ごと移動するよ』
外を見てユウが出せる銀色のヤツで移動する様に伝えると、彼も納得したのか私が言った通りにすると伝えると、家の目の前には紗夜が以前に乗っていた車がいきなり姿を現すと、その車からはユウと高松さんが降りてきたのを見た私達はすぐに玄関を出て2人の元へと駆け寄っていた。
「ユウ…!!アンタ何やってんの!!」
「リサ、とりあえず話を聞きましょう。何があったの?」
「それを話すには……燈ちゃん、ちょっとお願い」
「分かりました……」
リサがユウにすぐに詰め寄っていくが、私はそれを宥めてユウ達から理由を聞くために尋ねると、彼は高松さんに声をかけた途端に彼女の身体から砂が溢れ出していく。
その光景に私は見覚えがあった。
「なにこれ……?」
「イマジン……っ!?」
「いきなり出れたと思ったらなんだこりゃ……?」
状況が分らないリサを他所に高松さんの身体の横には上半身と下半身の位置が逆になったイマジンが姿を現したことに私は思わず身構えてしまったが、イマジンの方も状況が分らないのか困惑したような素振りを見せていた。
その中でリサだけは初めて見る状況に困惑の表情を浮かべていた。
「しゃべった!?」
「あぁ?何言ってんだ。喋るに決まってんだろ!!」
「うるせぇバカモモ!!」
「のわっ!?」
「えっ!?」
困惑するリサに突っかかろうとしたイマジンだったが、ユウがその砂の身体を全力で蹴り込んでその身体を一瞬でバラバラにして見せた。
理解が追い付かないリサはまた困惑の言葉を漏らすが、私は何となくだか状況を理解してしまった。
「まさか、コレが原因なの……?」
「おい!!これってなんだ!!」
「また戻った!?」
「色々端折るけど、紗夜さん達が男達にしつこく絡まれて、これが憑いて相手をボコボコにした。で、離れたら紗夜さんが意識なくして今に至るって感じ」
「へっ……!!エロ亀じゃねぇけど、女にいきなり手を挙げるのは男らしくねぇからな」
やっぱり私が思った通りにイマジン絡みだった。
だが、おかしいのはユウがイマジンを前にしても倒そうとする素振りすら見せないどころか愛称で呼んでいる。
「もしかして、これがユウが昔に一緒に居たっていう……」
「そうだよ。非常に恥ずかしいけど」
「あぁあああああああ!!お前!!暗くてよく見えなかったけど!!ガキンチョじゃねぇか!!」
「だからうるせぇって言ってんだろ!!
このイマジンはユウが昔に一緒に居たイマジンで、理由が分からないがこの時代に来ていてたまたま紗夜に憑いてしまったらしい。
そしてイマジンの方もユウのことに気が付いたらしく大声を上げたが、再びユウによってその身体を蹴られて体が崩れていく。
何となくは理解したが、これは厄介事に巻き込まれる前兆なのは間違いない。
「とりあえずこれからも話聞かないといけないけど、前に先に送って荷物を荷台に積み直したり、ドラレコのデータを消しておかないと…………」
「おにーさん、紗夜さん達は……?」
「カギ閉めて車を締めて寝かせておこう。
ここまでは姉さんが車を代わりに運転して来たってことで誤魔化せばいいよ」
「終わったらババアの方だな。燈ちゃんは悪いけど連絡しておいてくれる?」
「分かりました……」
そうして、紗夜達が乗っていた車に細工をし、それを終えるとすぐに私達はオーナーが所有している列車―――デンライナーの方へと移動していくのだった。
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