いやー紗夜さん可哀そうだったけど、今回はそれが×4出来るから楽しい……楽しい……!!
次は誰がどうなるんでしょうかねぇ……
でも、敵以外はすんなり見つかりそうな気もするなぁ……
「……ったく、いきなり来て迷惑考えないのかい?」
「眠い……」
「かなり面倒なことになってる。列車のオーナーのババアにも説明しておかないといけない状況だから来ただけ」
「ふんっ……良いからここに来た訳を話しな……」
紗夜達が乗っていた車への細工を終えたユウ。
彼は事情を説明するために詩船と楽奈が暮らす家まで出向いていたが、出迎えた詩船と楽奈は夜にやってきたことに対して不満を隠す様子もなくユウを睨みつけるも、そのままデンライナーの客室へと場所を移していた。
「燈ちゃん。出して」
「はい……」
「よっと……!!」
不機嫌な詩船を他所にユウは燈に中で抑えているモモタロスを出すように伝えると、彼女は言われたままにモモタロスを身体の外へと追い出したが、モモタロスはそれを予期していたのか追い出されても体勢を崩すこともなくそのまま床に座り込んでいた。
「鬼……?」
「楽奈ちゃん……」
「あぁ!?俺は鬼じゃねぇ!!」
「っ!?」
「楽奈を脅かすんじゃないよ!!」
「いてぇええええ!!」
出て早々に楽奈から”鬼”と言われたモモタロスはその事を強い言葉で否定したが、その言葉を聞いた詩船の杖によって即座にモモタロスの額が突かれ、痛みにのたうち回り始めてしまった。
だが、この現場を見てしまった彼女達はそれ以上にモモタロスに対しての恐怖感が一瞬で吹き飛んでいた。
「ユウ、コレ…何なの……?」
「知り合いのイマジン。因みにスゲェバカ」
「ガキンチョ!!バカとはなんだ!!」
「そう言うとこだよ」
モモタロスの事を簡潔に説明するも、余りにも残念過ぎる説明を前に反論するがユウはそれを軽く流してから彼はまじめな話に踏み込んでいく。
「んで、モモタロス。なんでここにいんの?」
「んぁ?それはイマジン追いかけて来たに決まってんだろ」
「んなことは大体分か―――いや、バカ相手にする言い方じゃなかった。なんで1人でいたんだよ」
「俺様がデンライナーの操縦してたらアイツらが操縦するって邪魔してきたんだよ」
「それで操作間違ってデンライナーをどっかにぶつけて壊した。
んでみんなで仲良くデンライナーからこの時間に落っこちた……ってとこか?」
「よく分かってんじゃねぇか。それで落ちた先にいたあの女に憑いたらいきなり喧嘩になったからやっつけたんだよ!!」
「分かりたくねぇよ!!でも、それのお陰で紗夜さんが無事だったと考えると……なんも言えねぇ……!!」
イマジンを追いかけてこの時間に来たのだが、モモタロス達がやらかしてデンライナーから振り落とされてしまった。
それだけならば情けないとバカに出来るが、それのお陰で紗夜達が無事だったことを考えると怒るに怒れないと複雑な感情になってしまっていた。
「良いかしら?」
「どうしたのゆきちゃん?」
「なんでこの……モモタロウ?は紗夜に憑いたのかしら?」
「モモタロスだ!!それは近くにいたからって言っただろ?」
「それは悪かったわ」
そんな中で友希那は何故紗夜に憑いたのか?と先ほど説明した事をまた問いかけていた。
そんな彼女に名前を間違えられたモモタロスは怒りだしたのだが、友希那は名前を間違えたことに対しては素直に謝罪したのだが――――――
「でも、紗夜に憑かないで、デネブみたいに出て来ればいいじゃない」
「あっ……確かに」
「モモタロス達は実体化出来るよな…?これがウラタロスさんなら色々理由がありそうだけど、モモタロスは後先考えないで飛び出すよな……」
「理由は分かんねぇけど!!出来なかったんだよ!!」
「コイツが分かってないならこれ以上は無駄だね…。後はコイツをどうするかだね」
友希那の言うように実体化すれば紗夜に憑くなんて事をする必要もないのだが、モモタロスはそれをしなかった。
姿を見られることを避けたとも考えるも、モモタロスがそんなことを考える様な頭があるとは思えないユウはやっと疑問を理解したが、モモタロス自身にも分からない以上はこれ以上の問答は無駄だと詩船が話を打ち切る。
そして、モモタロスの所在をどうするかについての問題を切り出そうとしたが、ここで先にユウが切り出した。
「ババア、コイツをデンライナーで引き取ってくれ」
「あぁ?アンタんとこでいいだろ?」
「ならババアがモモタロス達が乗ってきたデンライナー見つけて修理するか?」
「そんなの責任者の炒飯野郎にやらせればいいだろ」
「おい!!俺は捨てられたペットかよ!!」
「「似たようなもんだろ」」
「むきぃいいいい!!」
ユウがモモタロス達が乗っていたデンライナーの捜索と修理を理由に詩船にモモタロスを押し付けようとしたが、詩船は面倒事が嫌なのかそれを拒否し、そんな押し付け合いの対象になっていたモモタロスが自身をペット扱いされて無性に腹だって声をあげる。
そんな不毛なやりとりが繰り広げられていたのだが、モモタロスの処遇が決まった。
「はぁ……どっちにしても面倒だね……。分かった。客室は貸してやる」
「ってことだモモタロス。古巣だぞ」
「ちっ!!仕方なぇね」
「汚したら掃除させて速攻で叩きだしてやるからね」
「待てババア。掃除したの俺とデネブさんなんだが?」
モモタロスは一時的にデンライナーに身を寄せることが決まった。
そうしてひとまずは解散したのだが―――――――
「はぁ……モモタロウ……」
『また名前間違えやがったな!!ゆきおんな!!』
その翌日。
友希那はモモタロスを憑かせて、互いについて文句を言い合いながら共に街を歩いていた。
「ユウはどうしたのよ」
『がきんちょは俺達のデンライナーを直すって昨日言ってただろ?話聞いてなかったのかよ』
「煩いわね。そもそもなんで私が……」
『がきんちょと一緒に居た女と婆さんの孫は予定があるからしゃあねぇだろ』
「高松さんと要さんは明日のライブのリハがあると言ってたわね……」
ユウはモモタロス達が乗ってきたデンライナーの捜索と修理で燈達はライブのリハで動けない。
そうなれば友希那が動くしかないのだが、彼女は納得してはいなかった。
「だったら、あなたはリサに憑いて、私がデネブが来れば―――」
『ガキンチョの姉ちゃんは特異点じゃねぇからダメだ。
それにおデブは俺と違って鼻が利かねぇからイマジンを探すのに来てもそこまで役に立たねぇよ』
「特異点…?それってそんなに大事なの?」
『今の俺にとっちゃ一大事だ』
特異点と言うのは時間改変の影響を受けない人間と言う理解の友希那。
彼女はモモタロスとの相性もあまり良くはないこともあるが、それをモモタロスも理解していながらも特異点に拘っている理由が分からない。
だが、ユウに言われて渋々モモタロスと一緒に行動してイマジンを探しを行っていた。
「それで、あなたの仲間ってどんなのなのよ」
『女好き、バカ力、鼻たれ小僧だ』
「………マトモなのがいないわね。ちゃんと頭使って説明しなさいよ」
『うるせぇ!!こういう頭使うのは亀の仕事なんだよ!!ちょっと待て、ゆきおんな』
「ちゃんと呼びなさい。モモタロウ」
モモタロスの仲間を聞いたのだが、マトモな説明が一切ない事に友希那は怪訝な表情を向けていた。
マトモな説明がされない状況に苦言を呈したが、モモタロスはそれに反論しようとしたがすぐに言葉を止めて友希那に待ったをかけ―――
『イマジンの匂いだ』
「っ!?」
『こっちだ……』
イマジンが近くにいると告げられたことで友希那はすぐに身構えていた。
確かにイマジンが近くに居て戦闘になれば今の友希那では、モモタロスに体を貸して逃げること位しか出来ない。
だが、ユウに頼まれた上にモモタロスが気配を感じた以上はちゃんと見つけないといけない。
そう思って友希那はモモタロスに指示されたままに歩いていくと、辿り着いたのは彼女もよく知る場所―――
「商店街?」
『くっそ…!!イマジンが確かにいるのにパンだの肉だの色んな匂いが混ざってやがる!!』
「ここまで散々歩かされてこれ?泣けてくるわね……」
商店街。
彼女も良く利用する場所にイマジンが居る。
それだけでも良くないが、肝心のモモタロスもイマジンの気配と共に色んな匂いが混ざっていて細かい場所まで辿ることが出来ずに彼女の横で地団太を踏んでいた。
だが、友希那としては散々歩かせていい結果が出てこないことに苛立ちよりも先に落ち込みを先に感じてしまい思わず言葉を漏らしてしまった。
「泣けるでぇ!!」
「ちょっとモカ!?」
「モカちゃんどうした…って!?壁ぶち壊した!?」
「豪快な姿勢で寝てたと思ったらいきなりなんなの~!?」
「なっ!?青葉さん!?」
『バカ熊!!じゃねぇか!!』
友希那が零した言葉に反応して
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