前回はモカちゃんがぶっ壊れてしまいましたね。
皆さんはお判りでしょうが、何タロスが入ってるんでしょうかねぇ……
これ、後の2人もキャラに合わない人に入り込むパターンだ……!!
と予想が出来つつもそれを気にせず投稿です
「泣けるでぇ!!」
「っ!?」
『バカ熊じゃねぇか!!』
友希那の呟きに反応して、羽沢珈琲店の壁をぶち破ってモカ?が姿を現した。
その動きはモカの事を多少なりとも知っていれば絶対にあり得ないモノであり、それを目の前で見せられた友希那は困惑の表情を浮かべていた一方で、彼女に憑いていたモモタロスはこの言動だけで自身の仲間であることをすぐに見抜いていた。
「アカタロウ!!あなた知り合いなの!?」
『名前が全然ちげぇ!!…あれでも俺の仲間のキンタロスってバカ熊だ!!!!ゆきおんな!!俺と変われ!!』
「…いやよ」
『おい!!なんでだよ!!』
「ん?なんや嬢ちゃん?俺の顔に何かついとるんか?」
「いや…」
事情を知るモモタロスが彼女に変わるように頼んだが、友希那はそれをアッサリと拒否。
この答えには流石のモモタロスもツッコんでしまうが、その間友希那はずっとモカの事を見つめていたが、その視線にモカ―――に憑いていたキンタロスも気が付いたようですぐに友希那の方に歩み寄りながら尋ねてきたのだが――――――
「ちょっとモカちゃん!?友希那先輩に何してるの!?」
「……あぁ!!すまんすまん!!なんかこの嬢ちゃんが俺の事をずっと見てくるから気になったんや!!」
「モカちゃん!?友希那先輩すいません!!」
「モカが壊れた~!!友希那さんごめんなさーい!!」
「……良いのよ」
「なんや、嬢ちゃん。この娘と知り合いなんか!!」
だが、その間に咄嗟に割って入ったひまりとつぐみによって即座に頭を下げて謝罪したが、友希那は事情を全て知っているためそれを軽く流して済ませようとしたものの、空気を読まないキンタロスは笑いながらモカと友希那が知り合いだと確認し始めた事が完全に悪手でしかなかった。
「ちょっとモカちゃん!!さっきから変だよ!?」
「そうだよ~!!コーヒー飲んだらいきなり口を開けて寝始めたと思ったら、いきなり壁突き破って友希那さんに絡んでくなんて変だよ!!」
「2人ともそんな驚いた顔してどないしたんや?」
つぐみとひまりの2人がモカの身体を揺すり始めたが、当の本人はそんな彼女達を全く気にすることなく豪快に笑うモカ―――ではなく、中のキンタロスに事情を全く知らない2人の顔がみるみる青くなっていく。
しかし、友希那はそんなことを一切気にしてはいなかった。
「羽沢さん。上原さん。少しだけ青葉さんと2人だけにしてもらえないかしら?」
「「えっ!?」」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。別に取って食ったりしないわよ」
「いやいや!!こんなモカちゃんと2人きりなんて無理ですよ!!」
「そうですよ!!こんな変なモカを友希那さんと2人きりなんて出来ないですよ~!!」
「なんや。2人とも俺の事は気にせんで―――」
「モカは黙ってて!!」
「モカちゃんは黙ってて!!」
『ゆきおんな!!俺が一発ガツンと―――!!』
「ダメよ」
『なら、さっさとしろ…』
「えっ?友希那さん?どうしたんですか?」
「なんでもないわ」
友希那はモカと2人になって早々にイマジンを回収して離脱しようと考えたのだが、今のおかしすぎるモカと2人きりにすることを拒否し始めると、空気を読んだのかモカはその場で黙り込んでしまった。
このままでは話は平行線で全く進まない。
そう考えたモモタロスは強硬手段を取ろうと考えたが、それを友希那に止められると素直に引き下がっていくが、このやり取りをひまりに聞かれてしまったがそれを何とか誤魔化して友希那は話を続けていた。
「それで青葉さんはいいかしら?」
「「ダメです!!」」
「すぐ終わるから大丈夫よ」
「ダメです!!今のモカちゃんはおかしいのでダメです!!」
「青葉さんとリサの事で話したいだけなの。出来れば他の人に聞かれたくない内容だから」
「それでもダメです!!」
「……強硬手段を取ろうかしら?」
モカを連れていきたい友希那と、それを阻止したいひまりとつぐみ。
流石にこれ以上は時間が掛かり過ぎると友希那の頭には強硬手段を取るという考えが過り始めたが――――
それも一瞬で消し飛んでしまった。
「「きゃあああああ!!」」
「っ!?」
「なんや…!!」
突如として友希那達の近くで爆発が起きて、つぐみとひまりが悲鳴を挙げる。
そんな2人に対してモカ―――キンタロスは驚きながらもその爆発がした方向に視線を向け、それに遅れる形で友希那もすぐに視線をむけたが――――――
「えっ…?」
「何あれ……」
「アレは……何かしら?」
『俺達が追いかけてきた中のモグラみてぇなイマジン達の下っ端だ!!親玉はいねぇみたいだな』
「こんなとこに出るとは思わんかったで!!」
そこに現れたのはモールイマジンが複数体同時に姿を現し、そのイマジン達はモモタロス達が追いかけてきたイマジン達であった。
こんな街中でいきなり襲撃してくるとは思わなかった友希那に対して、彼女の中にいたモモタロスは完全にやる気を出していたのだが――――――
「何あれ…」
「つぐ~!!」
この場には無関係のつぐみとひまりがおり、友希那としては彼女達を逃がさなければいけないのだが、その2人はイマジンの姿を見て腰を抜かしたのかその場にへたり込んで動く様子が欠片もなく、友希那は2人が巻き込まれてケガをする未来を想像してしまった。
「どすこいっ!!」
「―――――っ!!」
「アカン…!!この嬢ちゃんじゃ、パワー足りんわ……」
「モカ!?」
「モカちゃん!?何やってるの!?」
『ゆきおんな!!体借りるぞ!!』
「モモ、やめなさ―――」
この窮地の中でモカの身体を使っているキンタロスが、イマジンの1体に張り手を見舞うがモカの身体では力が出せなかったのか小さくよろめかせる程度で終わってしまった。
しかし、その行動は腰を抜かしていたひまり達には衝撃的で少しだけ体に力が入っていたのを見たモモタロスは体の主導権を強引に友希那から奪い取ると、すぐにひまりとつぐみの首根っこを掴んで無理やり彼女達を立たせていた。
「友希那さん!?」
「なにを…!?」
「いいから逃げろ!!」
「「えっ……?」」
友希那に無理やり立たされた事に驚く2人だったが、そんな彼女達を他所に友希那の体を借りたモモタロスが彼女達に逃げる様に伝えるも、まるで予想外と言わんばかりの表情を返していた。
だが、時間が惜しいモモタロスはそんな2人の肩を掴んで体を回すように向きを変えさせると、友希那の身体から出る訳の無い力強さで彼女達の背中を押し出した。
「「えっ……!?」」
「アレはこっちで何とか連れてくから!!さっさと行け!!」
「「っ!?」」
困惑した2人だったが、今までに見たことのない友希那の怒声めいた言葉に一瞬だけ体を震わせるとその迫力に負けて言われたままにこの場所から逃げ出していく。
「よし……っ!!」
それを見たモモタロスはそのままイマジン達の方へ向きを変え―――――
『ちょっと!!あなた何を……!!』
「どりぁあああああああああああ!!」
「―――!?」
この場にいたイマジンの1体の顔面近くまで飛び上がり、両足でその顔面にドロップキックを叩きこむ。
先ほどのモカの身体での張り手では効果が薄かったが、そんな彼女よりも僅かに小さい友希那の蹴りでは大した影響はないと友希那自身は思っていた。
しかし、モモタロスによって体のリミッターが外れていた今の状態の蹴りでイマジンの身体は綺麗に吹き飛んでいき、友希那自身も驚いていたが、それ以上に目の前で見ていたキンタロスが驚いていた。
「なんや!?随分とやんちゃな嬢ちゃんやないか…!!」
「うるせぇ!!バカ熊!!俺だよ!!俺!!」
「なんや!!モモの字やないか!!それにしても随分とほっそい嬢ちゃんに入ったなぁ~……!!」
「お前に言われたくねぇやい!!」
キンタロスは友希那を見て危ない娘だと思ったが、その正体がモモタロスだと知った途端に軽口を飛ばし合うが事体は全く良くはない。
「それでどないするんや!!俺、急に体が崩れてこの嬢ちゃんに入ったんや!!」
「俺もだよ!!てか、なんでいきなり喧嘩売ってんだよ!!」
「しゃあないやろ!!あの嬢ちゃん達をケガさせる訳にもいかんやろ!!今のうちに逃げるで!!」
今の2人は実体化出来ずに女子の身体に入って生身で戦っている状態。
流石に体の持ち主に無断でケガをさせる訳にもいかないのだが、ケガ人を増やしたくなかったキンタロスは無茶だと分かっていながらもこの体で強引にイマジンに立ち向かい、このまま逃げようとしていた。
だが、モモタロスはその場に立ったまま止まっていた。
『ももたろう!!どうするのよ!!体返しなさい!!』
「どうするって、このままゆきおんなの体でアイツらをぶっ倒すんだよ!!」
『ふざけないで!!そんなの出来る訳ないわよ!!運動はリサの方が―――』
「ふざけてねぇよ!!それとがきんちょの姉ちゃんだとダメだ!!だから予定の開いてたお前に憑いたんだろ!!」
モモタロスはとんでもない事を口走ってしまい、それが原因で友希那と言い争っていた。
それもそのはずで友希那の身体とは言えども元のスペックなど自身で分かるほどに運動神経が皆無で相手を倒すなど不可能。
しかし、モモタロスの方は大真面目にリサではなく友希那に憑いた理由があったと伝えると、友希那の中では1つだけ彼女のとの決定的な差が頭に浮かんでいた。
『……特異点』
「そうだ!!だから俺に任せろ!!」
特異点。
それが友希那とリサの決定的な違いであり、だからこそモモタロスは人当たりの良いリサではなく、確実にウマの合わないと分かっていた友希那に憑いて行動してた。
それを知った友希那は――――――
『青葉さんの体もケガさせないことが条件よ……。モモタロス』
「上等だ!!やってやるぞ!!友希那……!!バカ熊!!てめぇはさっさと逃げてろ!!」
「モモの字!!なにするんや!!」
モカの身体を傷つけないこと。
その条件を伝えるとモモタロスのやる気は一気に燃え上り、前にいるキンタロスに逃げるように声を張り上げると同時に友希那の身体は動いていた。
「いくぜ…?」
『ベルト………!?』
モモタロスは友希那のどこからか取り出したベルトを友希那の腰に巻き付ける。
友希那自身もそれに驚いていたのだが、モモタロス自身はそんな彼女の驚きを全く気にすることもなく、いつものように変身ポーズをとる為に足を広げようとしたが、スカートが突っかかって足が広がらない。
それにイラついたのかモモタロスは足が広げられるようにスカートの端を掴むと、そのまま横へと引き裂くと、いつものように足を開いた姿勢をとりながらパスをその手に構え――――――
「行くぜ………
変身…!!」
いつもと違う体でいつも通りの言葉を口にしながらベルトにパスを通すのだった。
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