忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
主人公君はどうして真面目になれないの……?
今回は透子の悪ふざけが原因なんですけど……
これは戦犯透子なのでは?と作者は訝しんだ

まぁ、ここから話を一気に動かすべく投稿です


005_青・春・証・跡 / 欠・損・結・論

「ぐぇ…っ!?」

 

 

 

 

「えーっ!?友希那さんとリサ姉がモノを投げた!?」

 

「湊さん!?今井さん!?何をしてるんですか!?」

 

「「「「えっ……!?」」」」

 

友希那とリサがユウにペットボトルを投げつける。

 

音楽以外で熱くなることのない友希那と誰にでも優しく接するリサ。

そんな2人が暴力的な行動を起こしたという事実に周囲の面々が困惑の声を漏らしたが、これ以上の困惑が彼女達を待っていた。

 

「湊さん、今井さんもなんで立って…?えっ…?」

 

 

 

 

「あなたはそうやって…!!」

 

「なんで!!もっと!!マトモな事が…!!言えないの…!!」

 

「うん。2人とも脚踏んだり、腹パンしないでくれる?」

 

「おにーさん……」

 

「燈ちゃんの背中突っつかないでくれるかな?」

 

突如として友希那とリサが立ち上がってユウの元へと歩み寄っていくが、それだけで終わらずに友希那が彼の足を踏み始め、リサに至ってはそれなりの強さで彼の腹に小突き始める。

 

2人が暴力的な行動を取ることの周囲が固まるが、その衝撃的な状況に隠れて燈までもが彼に異を唱える様に背中を突き始める。

 

「何やってんだよ……」

 

「アホくさ……」

 

 

 

「う~ん……常識的な事を言うと痛いんだけど……」

 

「あなたがこの程度で痛いわけないわ」

 

「そうだよね~」

 

その衝撃に他の面々が動けずにいたが、そんな中で先ほどぶっ飛んだ問題発言をしたユウが3人に遠回しに止めるように伝えるも、その言葉が聞き入れられることはない。

それどころか全く反省している素振りを見せない彼に対してそのちょっかいの強さが益していく状況にユウは再び常識的な言葉を返していく。

 

「まぁ、肉体的には問題ないけど周囲の目ってのが合ってね?」

 

「「関係無い」」

 

「さいですか……」

 

「反省してください……」

 

「うん。俺の言い方も悪かった―――てか悪ノリしすぎた」

 

常識的な言葉のユウに対して友希那とリサは怒りが収まらずにそのままの状態だったが、燈はその言葉を聞いてとりあえずは彼を信用したのか突くのを止めてそのまま彼の背に隠れるように移動すると、その動きに引っ張られるようにして周囲の面々も少しずつ我に返っていく。

 

 

「ちょっと!!友希那さんもリサさんもやり過ぎですって!!おねーちゃんも何か言ってよ!!」

 

「あこの言うとおりですって!!流石に初対面の人間にやることじゃないですって!!」

 

 

 

「あこ、止めないでくれるかしら……」

 

「巴!!これにはこんくらいしないとダメなの!!」

 

 

「ミナトユキナ!!リサも離れなさいよ!!」

 

「イヴちゃん。りさちー引っ張って」

 

「ヒナさん!!承知しました!!」

 

「友希那の方を…美咲。頼めるかい?」

 

「薫さん、そこは自分でやるって言ってくださいよ…」

 

宇田川姉妹は初対面のはずのユウにここまでやっていることがおかしいと至極当然の意見をぶつけるも、友希那達はユウが反省していないのを知っているため彼が反省するまでは止めるつもりは一切なかったが、友希那とリサが強引にユウから引き剥がされると彼女達も怒ったままだったがとりあえず行動を起こすことを辞めていた。

 

「湊さん!!今井さんも!!何をやってるんですか!!」

 

「いきなり初対面の人間に暴力なんて…!!」

 

「リサ姉も友希那さんもおかしいよ!!」

 

 

「紗夜さんも燐子さんも……待ってください」

 

「市ヶ谷さん…?」

 

「どういう事ですか?」

 

引き剥がされた友希那達に待っていたのは同じRoseliaからの説教めいた批判の言葉。

流石にこれには参ったのか友希那達はバツの悪そうな表情を浮かべいたのだが、

そんな中で有咲が彼女達を言葉で制していたが、紗夜も燐子も彼女が何故その言葉を発したのか理解できずに首を傾げていた。

 

「あの…友希那さんにリサさん。もしかして―――」

 

しかし、この状況を見ていた有咲はこの短時間である結論に辿り着いていて、それを彼女達に問いかけようとしたのだが―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。遅くなってしま――――――た…わ?」

 

「みんな!!差し入れに友希那のお父さんに頼んで買い出しに―――ん?」

 

 

 

「えっ……?友希那さんにリサ姉!?」

 

このタイミングでこの部屋の扉が開かれると、この部屋にいる友希那とリサが荷物を持った友希那の父を引き連れて部屋の外からやってきた事で空気が一変した。

 

「どういう事……!?」

 

「だって、湊さんも今井さんもここに…!?」

 

「元々この部屋にいた友希那ちゃん達は私服で、あっちの友希那ちゃん達は羽丘の制服を着ているようだが……?」

 

今、この部屋には友希那とリサが2人いる事に皆が戸惑いを見せていた。

明確な差は制服か私服かだけであるがそれ以外は殆ど見分けがつかず、まるで意味が分からなくなっていたのだが、ここであるものはあることを思い出してしまった。

 

 

 

 

「待て!!これって前の事件の香澄が使った双子座の奴じゃないか!?」

 

「トモエさん!!それです!!」

 

 

「あ~!!あの時!!」

 

「あの時はカスミだけだったのに!!なんで今回はミナトユキナとリサで余計に増えてるのよ!?」

 

それは弦太朗達がいる世界で起きた事件で、香澄がジェミニのスイッチを使用して2人になってしまった時の事だった。

確かに状況だけ見れば同じ人間が2人いるという点では全く一緒ではなく、今回に至っては2人の人間が増えているという更にややこしい状況になっていたのだが――――――

 

 

 

 

「後から友希那さんの方は親と一緒に来てるってことは……先にいた方が怪しいんじゃねぇか……?」

 

「マッスーさんの言う通りです…!!」

 

「「えっ……?」」

 

 

「そうね。私とリサはお父さんに車を出してもらって買い物に行っててずっと一緒だったわ」

 

「そうだよ!!私と友希那もずっと3人にいたし!!」

 

同じ人間が2人がいることが怪しい。

 

そんな中でどちらが怪しいかを考えようとしたら友希那の父と言う証人がいる後から2人よりも、ここに来るまでの情報がない上に彼女達からすれば初対面であるユウにちょっかいをかけていた2人の方が怪しいと疑念を抱くのだが、その想いが明確な言葉となっていないこともあってそれは疑念で収まっていたのだが―――――――

 

 

 

 

 

「そうなると…初めての男の人にちょっかいかけてた友希那ちゃん達の方が変……だよね?麻弥ちゃん」

 

「彩さん。ジブン達の知らないところで会ってた可能性もありますよ……」

 

この最悪のタイミングで彩がその疑念をハッキリと言葉にしてしまったことで事体は一気に動き出してしまった。

 

「有咲!!あっちが偽物だよ!!」

 

「いや、待てよ……?おかしいだろ……?」

 

「おかしいのは有咲の方じゃない?」

 

「おたえちゃん…言い方が……」

 

 

 

「そっか!!彩ちゃんの言う通りこっちがニセモノだね!!おねーちゃん!!」

 

「疑わしくはあるけれど、決定的な証拠は……でも、そうなのかもしれないわね……」

 

「でも紗夜さん!!後から来た友希那さんはお父さんと一緒に居たんですよ!!」

 

 

「本当にそうなのかな……?」

 

「倉田さん。あなたが疑う気持ちも理解は出来るけれど、選ぶならこっちの方よ?」

 

「ルイの言う通りだって!!」

 

困惑していた殆どの面々の中でその疑念は確信に変わってしまい、未だに疑っていた面々もその殆どが一部の大きな声によってその疑念が確信へ向かっていく思考へと汚染されていき、その中でも巴とイヴの2人は実力行使へと移ろうとしていた。

 

 

「イヴ…!!」

 

「トモエさん…!!2人になり替わろうなんて許せません…!!」

 

「おい待て!?若宮さん!?何処からポン刀出し―――ちっ!!」

 

素手の巴と何処からか刀を取り出していたイヴが一瞬でユウにちょっかいをかけていた友希那達へと距離を詰めていくが、それに反応してユウが友希那達を自身の横へと押し出しながら前に出た。

 

巴の事は分からない物の彼の知るイヴならば問題なく対応できると思っていたのだが、誤算だったのはユウの想像よりも目の前の2人の動きが早かった。

 

 

 

「おらぁ!!」

 

「天誅…!!」

 

「ちっ…!!」

 

巴が腹目掛けて拳を振り、イヴはユウの首元目掛けて刀を切り上げる。

 

しかし、ユウの想定よりも圧倒的に速いそれは1人ずつ対応出来る様な速度ではないし、もしも回避したならば後ろに燈はこれに反応することも出来ないし、殆ど同時に攻撃が迫ってきているこの状況で彼が選んだのは―――

 

 

 

 

 

 

 

「ごふ…っ!!」

 

「ちっ…!!」

 

彼はあえて前に出た。

狙いは巴の拳が伸び切る前にそれに当たりに行く事で目論見通りに巴の拳は彼の腹に突き刺さり、前に出た分よりも少しだけ大きく後ろへ飛ばされる。

だが、ここで1つだけ誤算だったのは巴の破壊力が凄まじく彼女を拳を受け止めきれずにそのまま彼は体勢を崩した所にイヴの切り上げが迫り――――――

 

 

「がっ…!?」

 

 

 

 

 

「「ユウ……っ!?」」

 

「おにーさん……う……腕が……斬られ……っ!?」

 

 

「っ…!!隙アリ…!!」

 

ユウの腕はイヴの刀を避けきれずに彼の左腕だけが宙を舞った。

これには燈達も困惑を隠しきれずに声を挙げ、ユウも襲ってくる痛みを必死に耐えようとしたが、その隙を捉えたイヴと巴はそのままユウへと向かおうとしたが――――――

 

 

 

 

 

 

「やめろ!!2人とも!!」

 

「「っ…!!」」

 

その2人に対して有咲が叫ぶと、その声を聞いた2人は思わず彼に追撃を仕掛ける直前で動きを止めて有咲の方へと向きを変えていた。

 

 

「アリサさん!!どうして止めたんですか!!」

 

「どう見たってこっちがニセモンだろ!?」

 

 

「そうだよ有咲!!何で止めちゃうの!?」

 

「少なくともこいつらは敵じゃねぇ…!!」

 

「「「「えっ……!?」」」」

 

ユウと一緒に居る友希那達は偽物であるという言うのがこの場での多数意見ではあったにも関わらず有咲は2人を止めた。

 

その指示には巴とイヴだけでなく、横にいた香澄までもが異議を唱える。

周囲もまた同調圧力の様な空気に呑まれて有咲の指示に疑問を持っていたものの、この中で有咲の頭だけは多数意見とは全く違う結論を導き出していたが、その言葉に周囲は全くついて行けずに視線が有咲に集まっていた。

 

 

「有咲!?どういう事…!?」

 

「沙綾!!説明より先にそれより先に腕の方が先だ!!」

 

「……市ヶ谷さん。説明をしてください」

 

「はぁ?何言って―――。はぁ!?ちょっと待て、肉の塊は何処から出した……てかなんで今食ってんだよ!?」

 

「それは後で―――。弦太朗さん、ちょっと肉持っててくれます?」

 

「お………おう…………」

 

説明を求める沙綾よりも、ユウの腕の方が先だと言い始めるが、あろうことかユウの方が説明を求めるという異常事態に有咲はユウの方へと視線を向けていたが、ユウは切断された自身の腕を元の場所に押し付けながら、弦太朗に出所不明のな肉の塊を持たせてそれにかぶりつく。

 

有咲からしても完全に理解不能な光景だったが、彼女はユウに言われた通りに自身の推測を語り始めていた。

 

「最初に自己紹介した燈ちゃんだっけか?その子からだな…」

 

「ありさ!!怪しいよ!!あこ、同じクラスだけどみたことないもん!!」

 

「そうですよ!!有咲先輩!!」

 

「あこも六花も待って…とりあえず話聞こ?」

 

「明日香ちゃん、ありがとな。とりあえずさっきの話だけどあの子は嘘は言ってない」

 

「市ヶ谷さん、言ってることがおかしいです。宇田川さんと同じ学年ですが、彼女は見たことが無いと…」

 

「紗夜さん、話を遮んないでください。話中に話すなって小学生でも知ってます。燈ちゃん、学生証って持ってる?」

 

「はい…これです……」

 

説明をし始めようとしたが、あこにロックそして紗夜までが有咲に噛みつこうとしたが明日香がそれを宥めつつ有咲は若干刺のある言葉で止めて燈の学生証を預かって一瞥すると、周囲も燈の学生証を覗き見たが、そこに書かれている内容を指摘せざるを得なかった。

 

 

「待ってください!!クラスが宇田川さんと同じA組です!!」

 

「おかしいよありさ!!あこクラスの人全員憶えてるけど見たことないよ!!」

 

「そうです!!有咲先輩!!」

 

「これは……確かに……」

 

そこに書かれていたクラスはあこ達と同じ”A組”だったが、あこ達は彼女を見たことがない。

流石の皆も3人が同じ1人の事を忘れているという事などあり得ないと考えていたのだが、有咲は推測を語り続けていた。

 

 

 

「重要なのがそこの腕を斬られて肉食ってる男の言葉です。羽沢さん、なんて言ってた?」

 

「えっと……”人間じゃない。異世界から来た。ナマモノ”…だっけ?」

 

 

 

「大体あってるよ。そんでこっちも嘘じゃない。

で結論だけど、そこの燈ちゃんって子と最初にこの部屋にいた私服の友希那先輩とリサさんはあのナマモノさんと一緒。

”別の世界の別の時間から来た人間”ってのが答えだよ。まぁ、どういう関係性なのかは見えねぇけど」

 

「「「「「えぇええええええええ!?」」」」」

 

「有咲!!そんなマンガみたいなことがある訳ないよ!!」

 

「バ香澄。お前、如月見て同じセリフが言えるか?」

 

「あぅ……」

 

そして、燈からユウが言った言葉に繋がって、有咲は燈がこの世界の人間ではないという結論に辿り着いていた。

しかし、その結論は余りにも突飛すぎると香澄が有咲にツッコミを入れられると、その言葉に何も返せずに撃沈したものの、彼女が出した結論はあまりにも突拍子の無いもので、物的証拠も1つだけで弱い。

しかし、それ以上に状況証拠が有咲の結論を物語っていた。

 

 

「状況証拠って言うとアレだけど、如月と蘭ちゃんがここまで話してて全く驚いてねぇ。

それに自分の娘が2人いるって異常事態なのに友希那先輩の父親が一切動じてないのが一番おかしいだろ?」

 

「……っ!!確かに……!!友希那先輩のお父さんが驚いてないのは変だよ!!もしかしてこの事を最初から知ってたんじゃ…!!」

 

「羽沢さん。私もその結論だよ」

 

「じゃあ、そのナマモノって言ったのは……?」

 

「前の事件で見たのとは別で、

人体実験的なアレで体を弄られて、人の形をしてるけど中身は別物になってる生き物だからナマモノ。

……って所だろうけど、答えはどうなんだ?自称異世界から来たナマモノさん?」

 

少ない物的証拠に加えて、有咲の語った状況証拠に徐々に有咲の言葉が正しいのではないか?と言う空気に変わっていく。

そんな中で有咲の答え合わせをしようと皆がユウの方へと視線を戻すと――――

 

 

「市ヶ谷さん。4人の正体については大正解ですよ」

 

「…斬られたはずの腕が繋がってる……こりゃ、確かに自己紹介通りに人間じゃねぇな……」

 

ユウは有咲の推測を聞き、切断さられたはずの左腕を挙げながらその手で4本の指を盾ながら彼女に答えたのだった。




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