今回は前回のラストで行った主人公の過去の出来事を語った反応回ですね
大丈夫だ。次からギャグに戻る……はず……はずなんや……!!
と言う感じで残りの更新も少なくなりますが、投稿になります
ユウが今までの半生について表面をなぞる程度の粒度で簡単に語っていたのだが―――
「――――――んで、そうやって自分が生まれた世界に戻ってきたんですけど」
「ユウ、ストップよ」
「ゆきちゃん?どうしたの?」
ここで友希那からストップがかかってしまった。
だが、ユウとしては自身の事を本当に触り程度しか喋っていないのだが、彼の事情を全て知っている友希那は話を聞いていた他の面々へと指を指す。
「この地獄見てみなさいよ………」
「「「「うぇえええ……」」」」
「衝撃に耐えきれずにもどしてる人がいるわ……」
「私も臭いで……釣られそうです……」
「リサもダウンしてるじゃない」
「あー……俺のこういうのはちゃんと話してなかったからね」
「……おにーさん、やり過ぎです……」
その視線の先に広がっていたのは、殆どのメンバーが顔を真っ青に染めながら持っていた袋や、部屋に設置されていたゴミ箱に入れ替わり立ち代わりで顔を突っ込んでいる光景。
それは彼女達はユウの話に耐え切れずに女子であるという外聞をかなぐり捨てて、最後の最後の尊厳だけを守ろうとする姿だったが、その中にはユウと一緒にこの世界に来たリサもっ混ざっていたのを見た燈はユウを睨みつけていた。
「……?俺基準だとこれでも滅茶苦茶優しく話してるよ?」
「そうね…。人体実験の詳細を聞かせてない時点でかなり優しいと思うのは…私の感覚がマヒしてるのよね…」
「まぁ、仕方ないね……」
しかし、この話もユウの基準からすれば大分マイルドに話しているつもりであり、それには友希那も同意していたが、それと同時に自身の感覚がズレていると自覚して若干落ち込み始めていた。
そこで話を終えればよかったのだが―――――――――
「まぁ、ヤバいのだと…
”分子を操作されてプラズマ化で発火させられて生きたまま焼かれる”とか、
”重力操作の魔法で骨と内臓を粉砕される”とか、
”麻酔なしで身体から肉を削ぎ落されてその肉を別の生き物に食わせる”なんて話せな―――」
「「「「う…っ!!おぇええええ!!」」」」
「……ユウ」
「……ごめん」
あろうことか彼があえて話さなかったことを断片的に語ってしまい、それだけで彼女達はそれを想像してまった姿に友希那は睨みつけると、彼は素直に謝っていた。
友希那はそれで一度矛を収めてると、未だに生き残っていた数少ない面々に視線を向けていた。
「如月と美竹さんに奥沢さん平気そうね……?」
「俺も色々あったからな…。でも途中で”うっ…”とはなったけど……」
「……自分の殺され方を先に聞いてたから心の準備が出来てました……」
「いや、なんて言うか……本当の事だっていうのは途中でちょっと見せた痕で分かるんですけど、あの薫さんまでダウンしてるの見たらなんか冷静に………。
それを言うならレイヤさんだって平気そうにしてるじゃん…?」
「私も話は聞いてたけど……私の場合は別の世界の自分がどうなってるのか心配で気分が悪くなるどころじゃない……」
「………なんかヤバそうなこと言ってましたからね」
軽く話を聞いていた弦太朗達はダメージを受けていたのだが、そんな中で美咲とレイヤはダメージを受けている素振りがなかった。
別の世界の自身の事が気になり過ぎてそれどころではなかったレイヤはともかく、話を聞いているのにも関わらず平然としていた美咲の姿に他のみんなが過剰に反応してるだけなのかとユウは考えていたのだが、美咲はそっとある方向を指差していた。
「あっちにいるこころが顔を真っ青にしてるから相当ヤバいのは確定ですからね。あのこころが顔を真っ青にするなんてなかなかにレアな表情ですよ」
「瑠唯も顔から血の気が引いてて死にそうな顔してる………」
「そんな軽く………メンタル強い……ですね……」
「ハロハピに居れば多少の事では動じなくなる。それに如月さんの事件で牡牛座の奴と生身で取っ組み合いしたのに比べたら……まぁ……」
「ハロハピ……怖い……」
「奥沢さん?タウラスと取っ組み合いって相当ヤバいですよ…?」
「なぁ……。俺達以外に誰が生き残ってるんだ…?」
「今上がってないのだと、ポピパの戸山さんと市ヶ谷さんが死にかけてて…パスパレは壊滅してて他のバンドだとさっき話に上がった以外は全滅ですかね…?」
「Roseliaは……そこに1人いますけど……」
あの瑠唯とこころまで顔色を変えているというとんでもなくレアな光景が広がっていたが、美咲はそれすらも受け止めていたが、その理由を聞いた燈はその精神性に軽く引いていたのだが、そんな彼女達の近くで数少ない生き残りの1人が珍妙な行動を取っている者もいた。
「………燐子さん?弦太朗さんにしがみ付いてますけど大丈夫ですか?」
「すぅ………はぁ………だ……大丈夫……です…………」
「燐子、弦太朗の匂いを嗅いでるみたいね……」
「ゆきちゃん、それ以上ツッコんだらダメな気がする…………」
「どういうこと……?」
数少ない生き残りの1人であった燐子だったが、彼女は顔を真っ青にしながら弦太朗の背中に顔をくっつけて超至近距離で深呼吸を繰り返しながら耐えている珍妙な姿を曝していた。
友希那がそんな彼女にツッコもうとしたのだが、ユウの野生の勘が”これにツッコんではいけない”と全力で警告を発していて、すぐに友希那の行動を止める。
地獄のような光景が広がっていた室内だったのだが――――――
しかし、彼女達の中にはとんでもないモンスターが紛れ込んでいた。
「ねぇ……」
「あぁ、こっちの世界の私ね…どうしたのかしら……」
「スゲェ……」
「湊さん、顔色一つ変えてない……」
「どういう精神構造なんだ?普通に尊敬するぞ…………」
そこに来たのはこの世界の友希那だったが、彼女は他の面々とは全く違い顔色一つ変えていない。
普通ならば他の皆の様に気分が害されて当然な話なのにもかかわらずこの態度を取り続けられるその精神力にユウまでもが驚かされていたのだが―――――――
「お腹が空いたわ」
「「……は?」」
「…………別の世界の自分が全く理解できないわ……。今の話のどこに食欲が沸くような言葉があったのよ……」
目の前の友希那から出てきた予想の斜め下を突き抜けていく言葉に思わず絶句した。
何がどうなれば”お腹が空いた”などと言う言葉が飛び出してくるのかまるで意味が分からない。
友希那もまた別の世界の自分がまるで理解できないと頭を抱え始める始末だったが、当の本人はなぜそんな対応をされるのかがまるで分かっておらず首を傾げていたが――――――
「……?パティシエとか料理長って話が出てきたからお腹が空いたのよ」
「「「……………」」」
彼女から語られた理由にユウ達は完全に絶句した。
確かにユウは自身の経験を語る中でそう言った経験をしたことに軽く触れたが、それ以外の話で周囲の面々が顔を真っ青にしており、挙句の果てには胃の中身を解放するマーライオンと化してしまっている娘が出る様な状況になっていたのにも関わらず、この世界の友希那は胃袋の受け入れ態勢を取ってそれを訴えるという正反対の言動なんて誰も想像できるわけがない。
ユウ達は何とか言葉を探していたが――――――
「本当に私なのか疑わしいわね……」
「料理関連の話を聞いたらお腹空くのは普通よ?しっかり肉が食べたいわね」
「……今の話で肉が候補に挙がる時点でおかしいわよ」
「食べ物に優劣はないわ」
「どの世界も湊友希那はどっかおかしいのか……。いや、この世界の方がレベル高いぞ……」
「おにーさん、現実見ないと……」
自分が一緒に過ごしていた
そんな友希那同士の会話を前にユウは頭を抱えずにはいられなかったが、そんな彼を燈が慰め始める。
「とりあえず……後はゆきちゃん達と再会してからここのメンバーが絡む事件の被害だけ語って終わろうか……」
「それが終わったらご飯にしてちょうだい」
「こっちの友希那のメシは全く分かんねぇけど、そろそろ終わってくれ……俺もしんどい」
「私も弦太朗に同意……」
「分かりました。俺のケガと死亡者と理由とかを…サラッと被害だけ流しますね」
ユウは頭を抱えつつも自分の世界に帰ってきた後に起こった事件の中で、ここにいる人たちが被害にあった事件の被害と死因をサラッと流して話を終えると伝えたのだが――――――
「間違いなくポピパは全滅するわね……」
ユウの言葉を聞いた友希那がボソッと呟いたが、その言葉通りに残っていたポピパが全滅し、最後まで生き残っていたのは、当事者であった友希那と燈、あらかじめ話を聞いていた弦太朗と蘭。
初見で生き残れたのはハロハピで精神を鍛え上げられた美咲と、完全に空腹に支配されていたこの世界の友希那だけだった。
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