忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます
前回にアンケート出すの忘れた!!
お話どうしよう…ってことでお茶濁しつつ初投稿です


Kapitel-4
26話-逡巡


「……」

 

「ともりーん」

 

「……」

 

「ともりん!!」

 

「えっ?あっ…あのちゃん…?」

 

「もう!!ずっと呼んでたんだけど?」

 

「ごめんね…考え事してて…」

 

学校の教室で愛音に声をかけられた燈だったが、彼女は上の空で窓から外の景色をボンヤリと眺めながら先日の事を思い出していた。

 

 

 

 


 

「いてて…ゆきちゃん、酷くない?」

 

「…ユウが悪いわ」

 

「さいで…それで燈ちゃん。改めて説明したいんだけど…何から聞きたいかな?」

 

「えっと…その…あの…デネブさんはどこに…?」

 

「あぁ…多分、ご飯でも作ってるんじゃない?」

 

「そう…ですか…」

 

友希那の暴走を止めたユウは真剣な空気を出しながら燈にどこから説明してほしいか聞いていたが、燈からしたら知らないことが多すぎてどこから聞けばいいのか分からずオロオロしながら席を外したデネブについて聞くとユウは雑に答えると燈はここで言葉に詰まる。

 

「あ~…いきなり言われても分からないか…。ゆきちゃんどこから話せばいいかな」

 

「知らないわよ。自分のことでも話したら?」

 

そんな燈の姿を見たユウは困ったような表情を浮かべて友希那に助けを求めると、友希那は不機嫌そうな表情を浮かべながらもユウの問いに答え、彼もそれを聞いて自分のことから反し始めることにした。

 

「そういえば、最初に”中島”って名乗ったけど…あれ、偽名なんだ」

 

「彼の本当の名字は”今井”…本当は17歳でリサの弟よ」

 

「えっ…?17歳…?」

 

「そっち?」

 

「おにーさんはおにーさんなので…」

 

まず最初に友希那がユウの本当の名字を口にするのだが、流石は羽丘の不思議ちゃんと言うべきか”リサの弟”と言うことよりも年齢の方に驚いた。

この反応にはと言う情報がユウの方も困惑するも、燈からしたら関りが余りないリサに関する事はそこまで気にすることではなかった。

 

そこからユウはゼロノスやイマジン、ゼロライナーの説明を簡単にすると、燈は昨日体験したことを思い出していた。

 

「人から過去に…?今の初華ちゃんがその契約?をして初華ちゃんから過去に行ったのに……

あの時の初華ちゃんは自分の事を初音って言ってたので…?本当に同じ人から出てくるんですか…?」

 

「イマジンが契約した人間から過去に飛ぶから、間違いなく同じ人間だよ」

 

 

 

「あれ…?最初に入ったのは初華ちゃんで…その過去であった初華ちゃんは初音って言ってて…その初華ちゃんは別の子を初華ちゃんって呼んでて…初華ちゃんは初音って言ってって、その初華ちゃんは初音ちゃんをお姉ちゃんって言ってて…

 

 

…あれ?」

 

燈は現代から過去に飛ぶ前にユウに言われた通りに”初華”にチケットを翳し、そこに書かれた時間にいるイマジンを追いかけて過去に飛んだ。

 

だが、その場所にいた”初華”は自身の事を”初音”と名乗り、自身の中に居たデネブと入れ替わって彼女は集落まで一緒に行ったときに自身が”初華”と思っていた”初音”が”初華”の名を呼んでいた。

 

燈からしたら現代の”初華”から過去の”初音”に飛んでいる様にしか思え無い状況に疑問を覚えて混乱し始めていたタイミングでユウが1つの可能性を提示した。

 

「燈ちゃん、もしかすると現代の”初華”って言うのは芸名じゃない?芸名なら現代の”初華”から過去の”初音”に飛んでも何もおかしくはないよ」

 

芸名―――

燈の知っている”初華”が芸名で本名が”初音”だと言うユウの言葉が正しければ、燈が出くわした状況に説明がつくが、それでもおかしな点が残っていた。

 

「ユウ。芸名をつけるにしても、妹の名前を芸名にするのはおかしいんじゃないかしら?」

 

「「あっ……」」

 

 

 

 

「これ以上は考えるのを止めようか…。燈ちゃんも本人に聞いたりしないでね?」

 

「はい…」

 

ユウの言うように”初華”が芸名だとしても、普通に考えれば妹の名前を芸名につけるのはおかしい。

そう指摘した友希那の言葉を聞いた2人はそれを理解するのと同時に寒気を感じて、それ以上に言及することを辞めた。

 

 

そして、友希那は思っていたことをユウに聞くことにした。

 

「ユウ、聞きたいのだけど、”デンブ”って言ってたあの黒いのはなんなのかしら?」

 

「ゆきちゃん、デネブだよ」

 

「……」

 

友希那が気になっていたのはデネブの事。

彼女が今まで見たイマジンは暴れる者だけで、同じイマジンという事で友希那は警戒していたが――――

 

 

「はーい。キャンディー出来たぞー」

 

「「……」」

 

席を離れていたデネブがキャンディーと共に戻ってきたことで今まであった警戒心が全て消し飛んでしまった。

 

「まぁ…デネブさんはアイツらと違うから…色々とね…」

 

「ユウ、呼んだ?…はい。2人ともキャンディーどうぞ」

 

「…呼んでないけど、話はしてた。そういえば何時から燈ちゃんに憑いてたの?」

 

 

登場したデネブは頷きながら、持ってきたキャンディーを友希那と燈に配り始める。

その光景に友希那は毒気を抜かれてしまうが、ユウはデネブが燈に憑いた事について話題を振っていた。

 

 

 

 

 

「大体3日くらい前だ。白いベルトを持って消えた侑斗とゼロライナーと一緒に消えたユウを探そうとデンライナーでここまで送ってもらったんだが…この姿は目立つから…」

 

「たまたま近くにいた燈ちゃんに憑いた…と」

 

「それで彼女に憑いたのはいいんだが…入った途端に表に出られなくなってしまって…おそらくは燈が無意識にイマジンを抑え込んでたんだろう…」

 

「その…ごめんなさい…」

 

「いや、こちらこそすまない。勝手に入ったのは私の方だ」

 

 

 

 

「それで、この”デベソ”は他のと何が違うのかしら?」

 

「ゆきちゃんまた名前間違えてる…」

 

「……いきなり覚えられないわよ」

 

それでも友希那はまだ警戒はしていた。

だが、友希那は再びデネブの名前を間違えたことをユウに指摘されると顔を赤くしてそっぽを向くが、ユウは何気なく友希那に話し始めていた。

 

「デネブさんはイマジンだけど、今までのとは違ってもう契約を完了したイマジンだから」

 

 

 

「それって…暴れてたのと一緒ってこと!?」

 

「その…デネブさんは悪い人じゃないですから…」

 

「俺以外にも契約しても過去に行かないイマジンはいる」

 

ユウが説明したが、説明の仕方が不味かった。

契約を完了したイマジンは過去に行って暴れていた光景しか見てない友希那は危機感を覚えたが、デネブの事を見ていた燈が彼の事を擁護し始めて、デネブの言葉を聞いて友希那は少しだけ警戒を弱め―――

 

 

 

 

 

「俺達はユウがこ~~~んなにちっちゃい時から面倒を見たからな」

 

「そうなのね」

 

「俺以外にもモモタロスにウラタロス、キンタロスにリュウタロス、ジークにテディ…同じ様に活動しているイマジンが居るぞ」

 

「最初の4人は変な名前ね…」

 

「野上のセンスだな…」

 

「良太郎さんのネーミングセンスは酷いからね…」

 

デネブが自身の手で小さい頃のユウの身長を表現しながら友希那に話すと、それだけで友希那の警戒心は完全に消え失せていた。

 

そんな中でユウとデネブの2人が仲間のイマジンの事を思い出していた所で2人への話が終わってデネブの話が始まっていた。

 

「ユウ、燈もだがこっちの子も…?」

 

「俺の事を覚えてたから、特異点だよ…デネブさんが憑いても抵抗されると思うよ?」

 

「そうか…では失礼」

 

「ゆきちゃん、デネブさんが入ったけど抑え込んでから外に追い出そうとしてみて?」

 

ユウは友希那の事を特異点と説明すると、デネブが試しと言わんばかりに友希那に憑く。

たちまち友希那の髪の毛の一部が緑色に変化すると、デネブが憑いた友希那にユウが声をかけると、動いていた友希那―――ことデネブの動きが鈍くなる。

そして、少し経った頃―――

 

 

 

 

 

 

 

「ぐへぇ~!?」

 

「身体を勝手に動かされるって気持ち悪いわね…」

 

「デネブさん!?」

 

「彼女が俺を追い出そうとした時に何かにボコボコにされた…。デンライナーのハナに折檻されていたモモタロス達と同じ気持ちを味わった…。意識が飛びそうだ…」

 

「そんなに…!?」

 

友希那の中からデネブが飛び出してきたが、その出してきた彼は何故かボロボロの状態なっており、思わずユウが駆け寄ってデネブを心配するが、出てきた感想にユウは戦慄した。

 

 

ユウの中ではモモタロス達を折檻するハナは完全に恐怖の対象―――

その気分を味わったと言われてしまえばユウはデネブに同情しか湧かなかった。

 

「ユウ、最後に一つ…そのベルトは…」

 

「侑斗さんのとは別。2人が桜井って呼んでた人のベルトだよ」

 

「そうか…」

 

 

 

 


 

 

「ともりん?」

 

「なんでもないよ…」

 

「……?もう授業始まるから戻るね」

 

燈は再び愛音に声をかけられたことで回想を終えるが、愛音は燈のことを不思議に思いながらもそれ以上の言及を止め、次の授業に備えて自身の席に戻っていく。

 

そして、燈も授業の準備として教科書を取り出して再び外を眺めると――――

 

「あれ…?おにーさん…?」

 

その視線の先にはユウが自身でも友希那でもない別の女(・・・)を連れて歩いている姿が目に飛び込んできたのだった。

 

 





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