忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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みなさん。おはこんばんちは。
早速3話です。
書いた後に読み返しましたが…
いやー…盛り上がってまいりましたwwww
ってことで投稿です


03話-修羅場・ドタバタ

 

「私があなたを忘れる…? リサの弟――――”今井 ユウ”の事を…!!」

 

「っ…!!」

 

友希那からの言葉を受けて完全に固まってしまったユウ。

本来ならばこの時間軸(・・・)で彼の事を覚えている人間はいない。

そのはずだが、目の前の友希那はユウが”今井リサの弟”と言う正体を口にしたことは本来ならばあり得ない。

 

ただ1つの例外を除いては―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしかして…ゆきちゃんが”特異点”…?」

 

「とくい…てん…?何を言っているの?そんな事よりもあなた。この15年近く何してたの…!!他にも聞きたいことが山ほど―――」

 

ユウが言った”特異点”と言う謎の単語に意味が分からずに友希那が同じ言葉を呟いた。

だが、彼女はそれ以上に今までどこにいたのかなど、聞かなければいけない事が山のようにあるのだが、彼女がそれを聞き出す事が出来なかった。

 

 

 

 

 

「湊さん…!!何を考えて!!今井さん!!居ましたよ!!」」

 

「友希那!!急に走って…って!?何してるの!?」

 

「リサ…!!紗夜…!?」

 

 

「湊さん!?あなたいったい何をして…!?」

 

「そうだよ!!離れて…!!」

 

 

 

「ちょっと2人とも…!!止めなさい…!!」

 

「ちょ!?力つよっ!?なんで!?」

 

「どこにこんな力があるんですか!?」

 

 

「痛い…!!痛いから引っ張らないで…!!」

 

ユウの姿を見て突如として走り出した友希那にかなり遅れながら、追いかけて来たリサと紗夜の2人は友希那がユウにしがみ付いていると言う光景に目を丸くしたが、すぐに友希那を引き剥がそうとし始めていた。

 

だが、友希那は普段からは考えられないほどの力で2人に抵抗し、腕を掴まれたままのユウは痛みを感じて声を挙げ、友希那はしがみ付いて離れず男の悲鳴をBGMにした攻防戦が続いていく。

 

 

 

 

「おねーちゃん!!りんり~ん!!こっちだよ!!」

 

「はぁ…はぁ…あこちゃん…待って…」

 

 

「あこ!!…って、どうなってんだつぐ!?」

 

「私にも分かんないよ!?」

 

 

「チュチュ様~!!修羅場ですよ!!修羅場!!」

 

「ミナトユキナ!?何をしてるのよ!?」

 

そして、リサ達の声と男の悲鳴を聞きつけて友希那達のよく知る人物達が次第に集まり出して、完全にカオスな状況が生まれ始めていたが、”ここで離したら次が無いかもしれない”という思考で頭が埋まってしまった友希那はこの状況でもユウの腕を離すことはなかったのだが――――

 

「友希那!!おかしいよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり知らない人の腕にしがみ付くなんて!!」

 

「えっ…」

 

リサが言った何気ない言葉だが、その言葉はユウの腕にしがみ付いていた友希那から力を奪うには充分だった。

 

「「きゃ!!」」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

 

 

 

「リ……サ…?」

 

「友希那?」

 

「本気で…言ってるの…?」

 

突如として力の抜けた友希那。

そのせいで彼女をユウから引き剥がそうとしていたリサと紗夜の2人が急な脱力に対応できずに情けなく尻もちをついてしまっていた。

 

いきなりの事態に外野の面々も状況が理解できずに困惑の言葉を漏らし始めて、そしてリサの言葉を聞いた友希那は紗夜とリサの2人に腕を捕まれた状態で震えるほどに困惑しながらも、リサの言葉が信じられないと言った表情を浮かべながら彼女に問いかけたが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…?うん。アタシ、あの人に会ったことないよ?」

 

「っ…!!」

 

「「「えっ!?」」」

 

 

 

「わわっ!?友希那さん!?」

 

「友希那さん…!?」

 

「湊さん?どうしたんですか?先ほどから変ですよ!!」

 

リサから返ってきた言葉は友希那にとっては余りにも受け入れがたい物だった。

その答えを聞いた友希那はショックの余り顔を覆って泣き始めてしまうが、余りの急展開に外野も状況が全く理解できずに困惑し始めていた。

 

「リサ!!この子はあなたの―――!!」

 

そして、友希那が怒りに任せて真実を口にしようとしたが、そのその言葉は彼女の口から出ることはなかた。

 

 

 

 

 

「はい。ストップ」

 

「~~~!!」

 

「一旦落ち着いて…ね?」

 

騒ぎの中心になっていたユウが友希那の口を手で塞いで彼女の言葉を遮っていた。

突如の事に周囲も驚いていたが、一番驚いていたの友希那だった。

彼女は怒りに身を任せてリサが忘れている真実を告げようとしたが、それを阻止したのはほかならぬユウ自身であり、口を塞がれた彼女は怒りから一転して困惑と頭が一杯になって混乱し始めるが、ユウは友希那に落ち着くように言葉をかけていた。

 

しかし、この行動は友希那以外には火に油を注ぐ行為に等しかった。

 

「そもそも!!こうなっている原因の半分はあなたですよ…!!」

 

「紗夜さん。でも、ユウさんはあこがぶつかっても、あこの方を心配してくれた良い人ですよ!!」

 

 

「ぶつかった…?宇田川さん。あなたにも聞かなければいけないことが出来ましたが、ぶつかった相手を心配するなんて裏がありそうですね…あなたは何者なんですか?」

 

友希那を宥めていたユウだったが、こうなっている原因の一端を担っているユウに敵意を向け始めるが、あこが出会いの事を話してユウが悪い人間ではないことを伝えようとした。

しかし、あこの言葉は紗夜に次の説教のネタを提供するだけになってしまっただけでなく、相当なお人よしな行動を取ったということで”裏がある”と勘ぐって、ユウを更に警戒し始める。

 

そんな姿を見て逃げるに逃げれないユウは友希那の口を押えた状態のまま、自己紹介を始めていた。

 

 

 

 

 

「えっと……俺は”中島(・・)ユウ”っていいます。年齢は…一応20歳…かな?」

 

「っ!?」

 

「一応?自己紹介に一応も何もないでしょう?」

 

 

 

 

「それよりも!!友希那とどんな関係なの!!」

 

「俺とゆきちゃんの関係?」

 

「「「「「ゆきちゃん!?」」」」」

 

ユウはリサの弟であるにもかかわらず”今井”を名乗らずに平然と”中島”と言う偽の苗字を名乗り、年齢も本来ならばあこと同い年である17歳―――にも関わらず彼は20歳だと嘘をついていた。

 

その事に友希那は驚くも、それを聞いた紗夜は”一応”なんて言葉が入った自己紹介が全く信用できずに先ほど以上に警戒心を剥き出しにしていた。

 

そんな紗夜を横目に皆が一番気になっているであろうことをリサが聞いていたが、ユウは友希那の事を”ゆきちゃん”と昔の儘の呼び方をしてしまい、それを聞かれて周囲は再び驚きの声を挙げてしまったが彼にとってはその質問が一番困る内容だった。

 

 

 

 

 

「うーん…友達…って言うのもなんか違うし…幼馴染……かな?」

 

「幼馴染だったらアタシが知らない訳ないでしょ!!何隠してるの…!!」

 

「……」

 

ユウの立場で見れば姉であるリサの友人であり、幼い頃に一緒に遊んでいたユウ自身から見ても幼馴染と言えるような存在。

 

だが、”友希那の幼馴染は自身だけ”と記憶しているリサによってユウの言葉を否定され、姉であるリサに自身の事を忘れられているという事実を突き付けられたユウは言葉が出てこなくなってしまった。

 

だが、リサの言葉によって口の拘束が緩んで友希那は自由になると、ユウの腕に抱き着いて――――

 

「ユウは私の…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”大切な人”よ!!」

 

「「「「「えぇええええええええ!?」」」」」

 

 

「あは…あはは…友希那に男…?」

 

「今井さん!!しっかりしてください!!」

 

最大級の爆弾を投下して見せた。

 

突然の友希那のカミングアウトに一同は驚き以外の感情を失って言葉をあげていた。

あの男の気配が全くない友希那が誰も知らない男の事を”大切な人”と言ったことに盛りあがってしまって一気に喧しくなる一方、リサは完全に頭をやられてしまったのか力なくその場にへたり込むが即座に紗夜がリサの身体を支えていた。

 

「ユウのせいよ?」

 

「俺のせい…?かな?」

 

「罰として夕方からやるライブは見ていきなさい」

 

「それは分かったけど…何時までくっ付いてるの?」

 

「今まで会えなかった分よ。あなたが悪いんだから受け入れなさい…とにかくCiRCLEに良くわよ。」

 

「あはは…夕方まではこのままかぁ…」

 

友希那の言葉に対しての驚きの声が止まらない中で、当の本人はユウにしがみ付いたままCiRCLEへと歩みを進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方で――――

 

 

 

 

 

 

「これは一体…」

 

「お前の望みを言え。どんな望みも叶えてやる。お前が払う代償はたった一つ…」

 

「望み…」

 

確実に彼女に恐怖が迫って来ていた。





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感想評価は気分次第でお願いします。

偽の苗字…?
うん。(姉の)中の人だよ…
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