忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
内容詐欺にもほどがある…!!
これはひどすぎる…と思いながら初投稿です


31話-エチュードは突然に……

 

 

「はぁ…。こんな時間か……」

 

「ユウ、ちゃんと悪いことをしたんだったら、謝らないとダメだ」

 

「いや、俺が悪ふざけしたのが悪いのは分かってるし、迷惑かけた松原さんには埋め合わせでカフェに行くことにしたよ?」

 

弦巻家との騒動があった翌日。

ゼロライナーで読書をしていたユウは時計を一瞥して溜息を零していたが、そんな彼をデネブが窘めていた。

その事についてはユウ自身も納得しており、花音をカフェに誘ったのは良かったのだが―――

 

「でもさ。ゆきちゃんと燈ちゃんもついてくるのかな?連絡先知らない俺の代わりに連絡してもらったゆきちゃんもだけど、燈ちゃんはどこから話を聞きつけたんだろ?」

 

「さぁ?きっと2人もそこに行きたかったのだろう」

 

「そういうことなのかなぁ…。よし、待ち合わせの20分前でちょうどいいかな…それじゃ待ち合わせ場所に行きますか。場所はキャンパス通りのペンギン像…デネブさん」

 

「あい。分かった」

 

友希那に間に入ってもらって花音をカフェに誘ったのは良かったのだが、何故か友希那と燈の2人も一緒に来ることになっていたことに疑問を覚えたユウはデネブに思い当たる理由を聞いて納得すると、彼は本を閉じて寝転がっていた座席から起き上がる。

 

それに遅れてデネブがユウに憑くと、ユウはそのままゼロライナーからキャンパス通りの裏路地へと繫げて外へ出るとすぐに待ち合わせ場所のペンギン像へと向かったのだが―――

 

 

「あっ…おにーさん…」

 

「こっ…こんにちは…」

 

「ユウ、遅いわよ…」

 

 

 

「あっちゃ…20分前なのに俺が一番最後か…」

 

待ち合わせの20分前なのにもかかわらず、彼女達3人は既に待ち合わせ場所にやってきてユウを待っていた。

その光景にユウは気まずそうな表情を浮かべながら彼女達の元へと歩み寄っていく。

 

「ユウ、遅いじゃない」

 

「みんなごめんね。それにしてもまだ20分前なのにみんな速いね…」

 

「私、すぐに迷子になっちゃうからいつも早めに出てて…」

 

「えっと…その…私は今来たばっかりで…」

 

「ユウ、高校の授業終わりと大学の授業終わりは違うから時間が余るのよ?と言っても私もさっき来たばっかりなのだけれど」

 

「う~ん…ゆきちゃんは一言多いかなぁ…。それじゃ行こうか…」

 

一番遅かったユウの謝罪に花音と燈はユウに特にいう事は無かったのだが、友希那は余計な一言を加えていた。

そんな言葉をユウは軽く聞き流して昨日行こうとしたカフェに向かおうとしたが―――

 

「ごめん。ちょっと待って…」

 

「ユウ?どうしたのよ」

 

「ちょっと野暮用…。空き缶のゴミがあったから…」

 

ユウは近くに落ちていた空き缶に目が留まってそれを拾い上げていた。

3人はそのごみをゴミ箱に捨てようとしているのだと、思ったのだがそうではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「そこの奴、出てこないならこっちにも考えがあるぞ」

 

「ふえぇ~!?」

 

「おにーさん…?」

 

「ユウ、いったい何を言って…何?木の上から狙われてる…?」

 

「ふえぇ~!?」

 

ユウは突如として近くに植えてある木に向かって警告するような言葉を投げ始めていた。

それに困惑していた3人だったが、ユウに憑いていたデネブがすぐに友希那に憑いて状況だけを彼女に伝えていた。

 

その言葉に花音の言葉が漏れたのと同時にユウは空き缶を木に向かって投げようと構えたのと同時にその木の上から昨日と同じ黒服が降ってきた。

 

 

「あの人…昨日の…」

 

「弦巻って家の…昨日、返り討ちにしたからその報復かな…。金持ちとかデカい家ってのはメンツにこだわるから…」

 

「ユウ、あなた…」

 

最悪の場合はデネブが出て友希那達を守るとは思っているが、最悪の事を考えた彼は3人に危害を加えない様に無言の威圧を相手に放つ。

黒服もユウが放つ圧に圧されて後退るが、今回の彼女達はいきなり襲ってくるという行動をすることはなく、短刀直入に要件を切り出してきた。

 

 

 

 

「先日は失礼しました。申し訳ないのですが、こころ様が松原様と知り合いであるあなたにお会いしたいとおっしゃっておりますのでご同行を」

 

「えっ?この後4人でカフェに行く予定があるので普通に嫌ですけど」

 

黒服たちは主人であるこころがユウに会いたいと言っているのでついて来いと言うも、ユウは花音達と4人でカフェに行く事を理由に即座にその話を断っていた。

拒否されることなど予想していなかった黒服は一瞬だけ驚いたが、仲間達が現れれるとすぐに拒否された黒服が戦闘態勢に入っていた。

 

「なりふり構わずに後ろの3人に危害を加えるつもりなら…こっちも加減は出来ないぞ…」

 

「おにーさん…」

 

「ユウ…」

 

 

「―――っ!!」

 

「そこまでです。先日に引き続き失礼しました…」

 

黒服はそんな態度に彼も即座に腰を落として戦闘態勢に入ると、その圧に黒服が圧され始めた。

しかし、後からやってきた黒服が戦闘態勢に入っていた黒服を止めたことで戦闘になることなく状況が終了すると、戦闘態勢に入った黒服が後から来た黒服に連れられてこの場から消えるが、1人の黒服だけがこの場に残ると深く頭を下げてきた。

 

 

「ですが、来ていただくことは出来ないでしょうか?」

 

「松原さん達との先約があるのでお断りします」

 

「ユウさん…、私もこころちゃんに呼ばれちゃいました…」

 

「えっ…?松原さんも?いったい何が目的で…」

 

そして、再びユウにこころに会うように要請するが彼は先約を優先してその誘いを断ったが、一緒にいた花音も黒服の主であるこころに呼び出されたことを告げられて彼は相手の目的を考え始めていた。

 

「ユウ、おそらく弦巻さんは何も考えてないわよ。私は行っても構わないわよ」

 

「ゆきちゃん?」

 

「うん…こころちゃんは単純に会いたいだけだと思うので…」

 

「2人も一緒でいいなら…燈ちゃんは?」

 

「ぁぅ…その…ついて行きます…」

 

こうしてユウは花音と友希那と燈の3人と共に弦巻の屋敷へと連れていかれることになった。

 

 

 

 

 

 

 

「でっか…」

 

「おっきい…」

 

「本当にそうね…」

 

「あはは…だよね…。こっちだよ…」

 

そして連れてこられた弦巻の屋敷を見たユウと燈、そして、殆ど来たことのない友希那から驚きの言葉を漏らした姿に花音は思わず苦笑いを浮かべてから3人をいつもハロハピで会議をする部屋へと案内するが、そこに屋敷の主であるこころの姿はなかった。

 

「あれ…こころちゃんがいない…」

 

 

 

 

「やぁ、花音。遅かったね…」

 

「あっ…薫さん」

 

「やぁ君が花音の友人…おや?友希那に…君は確か…燈ちゃん…だったかな?」

 

「どうも…」

 

「どうしたのかな?」

 

「いえ…なんて言うか…誰かに似てるような…」

 

そこにいたのは花音と同じバンドのギターである薫。

彼女は窓から外を眺めていたが扉から入ってきた花音に声をかけると、すぐに花音の後ろにいたユウや一緒に来た友希那達の存在に気が付いて声を掛けてきた。

だが、ユウは薫の言葉や行動を見て何か思うことがあったのか言葉に詰まってしまったが、後ろにいた友希那は何食わぬ表情で薫と会話を始めていた。

 

「瀬田さん、さっきの授業ぶりね…」

 

「どうも…」

 

「花音の友人に加えて、子猫ちゃん達にも会えるなんて…儚い…」

 

「子猫…?」

 

 

 

「あっ…」

 

友希那と薫の会話を聞いていたユウは薫の言動と、友希那に対する態度を見て彼は自分が何を感じたのかをハッキリと理解した。

 

 

 

―――この人、女の扱いが劣化版ウラタロスだと…

 

 

それが分かったユウはすっきりとした表情を浮かべたが、薫もユウの事に気が付いたのか何気なく話を振っていた。

 

「おや?その表情……さっき言っていた私に似ていた誰かでも思い出したのかな?」

 

「えぇ…まぁ……」

 

「ふっ…それにしても友希那ちゃんと燈ちゃんで両手に華なんて…なんて儚いんだ…」

 

 

 

「両手に華…?」

 

「何を言ってるのかしら?」

 

「……」

 

ユウの短い言葉を聞いた薫は不敵な笑みを浮かべると、ユウと友希那と燈の3人へ順番に視線を送ってとんでもないことを口にしていた。

そんな言われ方をされてもユウ達としては何とも思わず首をかしげるが、ユウは薫のペースにハマり続けるのも癪だと考えてあえて反撃をし始めていた。

 

「いやいや、瀬田さん程じゃないですよ」

 

「おや?そうかい…それは嬉しいことを言ってくれるね」

 

 

 

「失礼、自己紹介がまだでしたね?私は中島ユウと申します。こちらの友希那とは血縁で、燈ちゃんの友人です。…以後お見知りおきを」

 

「なら、こちらも改めて自己紹介しなければね。私は瀬田薫。友希那と同じ大学に通って演劇を学んでいる役者さ」

 

 

 

「ふえぇ?」

 

「おにーさん…?」

 

「ユウ…何を言って…」

 

「(ユウ…他所行の対応で何をするつもりだ…?)」

 

突如として対応が変わったユウとそれに合わせた対応を返す薫。

そんな2人を花音達だけでなく、未だに友希那に憑いたままで居たデネブも状況について行けずに2人を見守っていた。

 

「あぁ…!!私は何て幸運なのだろう!!可憐な華に囲まれている状況で新たな出会いがあるなんて…!!」

 

 

 

「おにーさんが瀬田さんと手を繫いでる…」

 

「瀬田さん…ユウの手を…!!」

 

「…なんかお芝居みたいになってる」

 

薫とユウの会話はまるでエチュードを繰り広げているかのようになっていき、熱の入った薫はユウの手を握って劇のセリフのような言葉を口にする。

その動きに燈と友希那が驚く横で花音が2人に呆れた様な表情を浮かべ始めたが―――

 

「いえ、私も幸運ですよ?

 

 

 

 

 

 

 

こんなに可憐な華が近くにあるのですから」

 

「えっ…」

 

「確かに瀬田さんが言うように、ゆきちゃんも燈ちゃんも松原さんも素晴らしい華です。

ですが、瀬田さんも3人とは違って…気高さの中に儚さすら感じる素晴らしい華ですよ」

 

熱が入った薫に待ったをかけるかのように今度はユウの方からカウンターを見舞うと、思わぬセリフを聞いた薫は急に素に戻ってしまったが、ユウはここから更に振り切るべく自分の中のアクセルを全開にしていた。

 

「きゃ…」

 

 

「あれは壁ドン…私もされたことないのに…!!」

 

「おにーさん…大胆…」

 

「ふえぇ~!?」

 

ユウは突然薫を壁に追いやって顔の横に手を突く―――いわゆる壁ドンを見舞ってから、さりげなく薫の身体に当たらなないが逃げるのの邪魔になるように彼女の脚の間に自身の足をうごかした。

 

身長が170と女性の中では高身長の薫に対してユウの身長は彼女より高く、2人の顔の距離が近くなっていたことに薫が気が付いてしまい、完全に予想外の行動を繰り出された事もあって素に戻ってしまった薫はこの状況について行けなくなってしまい、ユウから顔を背けた。

しかし、そんな彼女に対してユウは最後のトドメと言わんばかりに彼女の顎に手を当てて指でクイッっと持ち上げて自分に視線を向けさせ―――

 

「瀬田さん…いや、薫さん…

 

 

 

 

 

 

お前、俺に釣られてみる…?」

 

「~~~~~~~~~!?」

 

ユウは薫に必殺の言葉を投げかけると、完全に自身のキャパを超えてしまった薫は声にならない叫びを上げながらヘナヘナとして壁に寄り掛かると徐々に身体が床へと沈んでいく。

 

そんな薫の姿を見たユウは完全に彼女が床にへたり込む前に身体を支えて近くにあった椅子に座らせると、ニコニコしながら友希那達の方へと振り返った。

 

 

「勝った…!!」

 

「何が勝ったよ…!!」

 

「痛い!?痛いってゆきちゃん!!ちょっと燈ちゃんもお腹抓らないで!!」

 

 

ユウはエチュードで勝利を宣言したが、友希那はその言葉を聞いて嫉妬の怒りが爆発した。

彼女はユウに近づいていくとポコポコと彼を叩き始めると燈も釣られるように彼の脇腹と抓り始めていた。

微笑ましい攻撃だが、見た目に反してかなり力が入っているようでユウは2人からの攻撃を受けていたが――――

 

 

 

 

「あなたが花音のお友達ね!!」

 

「はぐみ知ってる!!あれが修羅場って奴だよね!!」

 

「湊さんに高松さん…?それに薫さんも顔が赤くなって…えっ…なにこれ……」

 

 

 

「どうしてこうなった…?」

 

このタイミングでようやく屋敷の主と同じ高校に通っている3人が到着したが、よりにもよって説明が難しすぎるタイミングでやってきたことにユウは友希那達の攻撃を受けながらどうやって説明しようかと頭を抱えてしまうのだった。

 




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