忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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みなさんこんちわっす
早速ですが、難産でした…
お待たせして申し訳ないと思いつつ投稿です


04話-後悔への始発点

ライブハウス”CiRCLE"

そのRoseliaが控室として使っている部屋では―――

 

「あはは…友希那に…男…?」

 

「「「じ~…」」」

 

 

 

 

 

 

「あの~…ゆきちゃん?そろそろ離れてもらえると…」

 

「嫌よ」

 

脳が破壊されて現実逃避中のリサを除いた3人からの視線を向けられているユウ。

そして、ユウを連れてきた張本人である友希那は未だにユウにくっ付いていた―――と言うよりは先ほどよりも状況は悪化しており、椅子に座っているユウの膝の上に友希那が座るというカオスすぎる状況が作られていた。

 

「ほら、そろそろ準備とかしないとダメでしょ?同じバンドの人も準備が―――「嫌よ」…Oh…」

 

流石にこの状況は不味い。

そう考えたユウは友希那を説得しようとしたが即座に却下されてしまっていたが、それでもユウは引かなかった。

 

「ほら…他の人達も衣装みたいなのを着てたし、ゆきちゃん達も準備が必要なんじゃないの?」

 

 

 

「…?ここで着替えればいいじゃない?」

 

「ゆきちゃんは俺を覗き魔にしたいのかな!?」

 

「何を言ってるのよ?ユウに見られても私は気にしないわ」

 

「いやいや!!ゆきちゃん以外が気にするんだけど!?」

 

ユウの言葉を聞いても友希那は全く気にする様子もない様子に思わずツッコミを入れる中で、この状況を打破する者が姿を現した。

 

「湊さん…えっ…なにこれ…」

 

「誰…?」

 

 

 

 

「美竹さん。遅かったじゃない」

 

「はぁ…!?」

 

Roseliaの楽屋へと顔を出していたのは友希那の好敵手ともいえる少女、美竹蘭。

だが、そんな彼女が来ても友希那は全く動じる様子を見せない一方で目の前の光景を見た蘭は困惑の声を漏らしたが、即座に友希那がしがみ付いているユウへと視線を向けていた。

 

 

 

「あんた、湊さんのなんなのさ?」

 

「えっと…幼馴染?」

 

「幼馴染でそんなにくっついたりしないでしょ」

 

「だったら、説得してくれる?俺の言う事聞いてくれなくて…」

 

「はぁ…」

 

「ちょっと私を放置しないでくれるかしら?」

 

蘭が友希那に引っ付かれてるユウに食って掛かるが、ユウも友希那に困っている様子を隠すこともしない。

そんな姿に蘭は呆れた表情を浮かべて答えたが、その2人のやり取りに友希那はムッとした表情を浮かべたが、蘭はユウの要望通りに動いていた。

 

「湊さん、準備もろくにしないで…そんなんでライブ出来るんですか?衣装だって着替えてないじゃないですか?」

 

 

「ユウ、着替えさせて」

 

「ゆきちゃん!!何言ってるのかな!?」

 

「だって、あなたから目を離したらどこに行くか分からないもの」

 

「ここで子供扱いはないでしょ!?」

 

 

 

「はぁ…こっちで見てるからさっさと準備してください」

 

「君もそう言う扱いなの!?」

 

 

「美竹さんなら大丈夫かしら…」

 

「ゆきちゃん?こうなってる原因は全部ゆきちゃんだからね?」

 

蘭は友希那を煽るが、友希那はユウを視界から外してしまったらまたいなくなると思っているのか頑なにユウから離れることを子供のような理由をつけて拒んだが、蘭はそんな彼女を見て完全に呆れ、ユウの事を見ていると言い始めていた。

 

たまらずユウがツッコむが、友希那は信用のおける蘭ならば大丈夫と口から言葉を漏らしながらユウの膝の上からようやく離れたと思ったが―――

 

「すぐに着替えるわ…」

 

「ちょっと待って!?まだ俺いるから!!」

 

「早く行くよ!!」

 

「痛い痛い!!耳引っ張らないで!!」

 

あろうことかユウがいる目の前で突如として服を脱ぎだして衣装へと着替え始めていた。

ユウは即座に目を閉じて友希那から視線を外すと、即座に蘭がユウに耳を引っ張られながらそのまま控室の外へと連れ出されたと思ったら即座に蘭がユウを壁まで追いやっていた。

 

 

「それで、アンタと湊さんはどういう関係なの?」

 

「えぇ~…それさっきゆきちゃんが…」

 

 

 

「良いから答える!!」

 

「ただの幼馴染だよ…」

 

 

「はぁ?湊さんの幼馴染はリサさんでしょ?」

 

壁まで追いやられたユウは蘭に友希那との関係を尋ねられるが、先ほども友希那が話した事もあって同じような内容を話すつもりはなかったが蘭の圧に負けて先ほどと同じことを伝えたが、蘭はそれで納得することはなかった。

 

「幼馴染が1人だけなんて決まりはないでしょ?」

 

「なら、なんでリサさんはああなってる訳?」

 

「いや…そのリサさんと会う前に別れたって言うか…あはは…」

 

「アンタ、隠してるの?それだけであんな…その…ベタベタしないでしょ…」

 

 

「えっとね…あんまり言いたくないんだけど…事情があって引っ越すことになってね?それを知ったのが引っ越す直前で…別れの挨拶をする時間も無かったんだよ」

 

蘭の指摘にユウは嘘でごまかそうとしていたが、その際に彼の目が泳いだのを蘭が見逃しはしなかったが、その指摘をした蘭も先ほどの事を思い出したのか妙に顔が赤く染まるがユウは咄嗟に嘘を重ねていた。

 

だが、その嘘に混ざった僅かな真実が蘭に突き刺さった。

 

 

 

 

「いきなり引っ越し…挨拶も出来ない…そっか。大変だったんだ…」

 

「それでこの街に戻って来て再会したら、ああなって…」

 

「会えないと思ってて再会できたら…あたしも同じ状況になったらそうなるかも……」

 

「蘭が悲しんでくれるなんてモカちゃんうれしー」

 

「モカ!?いつの間に…!?」

 

蘭は自身も幼馴染達に挨拶する間もなく別れた事を考えると、それ以上ユウに問い質すことが出来なくなってしまった。

それどころかユウに対して同情的な感情を持って接するようになってしまったことと、いきなり蘭の幼馴染の1人であるモカが現れて表情がコロコロ変わる姿にユウが戸惑いを覚えてしまっていた。

 

 

「ユウ!!」

 

「ゆきちゃん…」

 

そして、このタイミングで衣装に着替え終えて準備が整った友希那が控室から飛び出すとそのままユウ目掛けて一直線に飛び込んできていた。

 

「ユウ、美竹さんに変なことされてないわよね?」

 

 

「はぁ!?何言って…!!」

 

「ゆきちゃん、いきなりそれは失礼じゃないかな?ほら、謝んないと…」

 

「…っ!!そうね…ごめんなさい美竹さん」

 

「いえ…」

 

ユウに飛び込んできた友希那が早々に蘭に対して失礼な言葉を投げ、蘭がそれに怒りを覚えるが即座にユウが友希那を窘めて謝罪させていた。

そんな彼女の態度に毒気を抜かれてしまった蘭はそれ以上友希那にツッコみを入れることを放棄してしまった。

 

そこからは友希那はユウに張り付いてしまうと周囲の面々から彼の事を根掘り葉掘り聞かれる羽目になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

だが、それも急に終わりを迎えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変大変!!ともりん達が…!!」

 

「愛音ちゃん?」

 

「モカ先輩…!!

 

 

 

 

 

 

ともりん達が攫われちゃったんですよ!!」

 

「「「はぁ…?」」」

 

「えっと…あのんちゃん?だっけ?どんな人に攫われたの!?」

 

「ユウ?どうしたのよ?」

 

CiRCLEの受付に蘭達の後輩である千早愛音が飛び込んでくると、完全に予想の斜め上の言葉を飛ばしてきていた。

余りにも現実的ではないその言葉を聞いて友希那達3人は信じられないと言った声を挙げてしまったが、ユウだけは違っており真剣な表情で飛び込んできた愛音の話に耳を傾けていた。

 

 

 

 

「えっと…なんか妙なクモのキグルミ?みたいなのを着てたんですけど…」

 

「っ…!!」

 

「あなた?何をふざけたことを言ってるの?」

 

「私も最初はドッキリかな?って思ってカメラを探しても見つかんなかったですし……それに、ともりん達3人を抱えて凄いジャンプで逃げていっちゃったんですよ!!」

 

愛音の説明を聞いたが友希那達は彼女がふざけているようにしか聞こえていなかったが、ユウだけはその異常性を感じ取り、最後の言葉で完全に確信に至っていた。

 

「そのクモみたいなのはどっちに行ったか分かる!?」

 

「ユウ…?」

 

「えっと…学校の方…ですかね?羽丘の方向だと思いますけど」

 

「羽丘って学校ね…!!ありがと…!!ごめん!!ゆきちゃん…俺、いかなきゃ!!」

 

「あんなの聞いてなんであんなになってるの…?」

 

「さぁ?」

 

愛音の説明を聞いてユウは引っ付いていた友希那を強引に引き剥がすと、そのままCiRCLEの入口から飛び出して行ってしまった。

だが、飛び出したのは彼一人だけではなく―――

 

 

 

「ちょっと…ユウ!!待ちなさい!!」

 

「えっ…湊さん!?」

 

「ライブはどうするんですか~!!」

 

ユウの後を追いかけるように友希那もまたCiRCLEから飛び出して行ってしまう。

そんな光景に残った面々は固まってしまって動けなかったが、この行動が正しかった。

 

 

彼女がとったその行動の先に待っていたのは地獄のような世界の片道切符だったのだから―――

 





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