忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
久々に戦闘シーンだ!!
やったぜ!!という事で初投稿です


41話-あっぱれぶしどー!!

 

「きゅ~…」

 

「声出して気を失ってる…」

 

「どうしましょうか…」

 

彩をスタジオに引きずり込んだ麻弥だったが、彼女の奮戦虚しく彼女は意識を手放してしまった。

そんな彩の姿を見たユウは微笑ましそうに笑みを浮かべていた。

 

「キスしてたのと勘違いした上に、その妄想が刺激強すぎて気絶って微笑ましいですね…」

 

「妄想で気絶って…いや、言葉通りの事になってましたが…」

 

妄想で気絶―――

口に出すと何ともバカバカしい状況だが、現に彩はその言葉通りの状態になってしまっていた。

そして、麻弥は時間を確認するとその表情は更に苦々しいものに変わってしまっていた。

 

「後1時間もしないでみんなが集まってくると思いますが…どうすれば…」

 

「練習…そうだ!!練習しましょう!!」

 

「えっ?」

 

気を失った彩を見たユウは何を思ったのか練習と言い始めると、麻弥は思わず首をかしげてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことが起こったことなど露とも知らず、若宮イヴは練習着に着替えてスタジオやってきたのだが―――

 

「むむむっ!!何やら中から怪しげな声がします…!!」

 

スタジオに入る直前で何か怪しげな声を聞き取ったイヴはすぐに中に入らずに中の状況を確認するために聞き耳を立てていた。

 

 

「大和さん…ダメですよ…もっと優しくしないと…」

 

「こう…ですか…?」

 

「いいですよ…そのままゆっくりと…」

 

 

 

「マヤさんが男の人と逢引を……大人です…!!」

 

イヴは先ほどの彩と同様に麻弥とユウが逢引をしていると思ってしまった。

本当にそうならこの場を去るのが一番の選択だが、好奇心に負けてしまったイヴはそのまま聞き耳を続けることにした。

 

 

 

 

「そうしたら…そのまま…」

 

「どうですか…?ジブン…こういうのは初めてですけど…」

 

「上出来ですよ…」

 

「ふへへ…うわぁ!?あはは…沢山出ちゃいましたね…」

 

 

 

 

「マヤさんは一体何を…まさか…厭らしいことを…!?」

 

「あれ?イヴちゃん何やってるの?」

 

「あっ、ヒナさん!!待ってください!!」

 

「えっ?」

 

イヴは会話だけで妄想を膨らませていき、中では教育によろしくないような事が行われていると勝手に妄想してしまったが、このタイミングで日菜がやってくるとイヴは彼女を自身の元へと引きよせて聞き耳を立て続けていた。

 

 

「それじゃ…そろそろ…行きましょうか…?」

 

「ふへへ…緊張しますね…」

 

「初めてなんですからゆっくり…」

 

 

 

「はわわ…っ!!」

 

「……」

 

言葉だけ聞けば完全にクライマックスに差し掛かるような状況にしか聞こえず、イヴは思わず赤面する。

その一方で、男の声に聞き覚えのある日菜の表情は一気に冷たくなっていく。

 

「この声…おっぱい大好きの変態野郎だ!!助けないと!!」

 

「へっ?」

 

「イヴちゃん!!麻弥ちゃんが危ない!!襲われちゃうよ!!」

 

「っ!?」

 

 

日菜はユウの声を聴いて麻弥が危ないと警告すると、イヴはその言葉を聞いて驚きながらも自身の竹刀をどこからか取り出すと、日菜が勢いよくスタジオの扉を開いた。

 

「あっ、イヴさんに日菜さ――――」

 

 

 

 

 

「麻弥ちゃんの方に突撃~!!」

 

 

「ぶしどー!!」

 

「うえぇええ!?」

 

扉が開いたのに気が付いた麻弥は振り返りながら入ってきた2人に挨拶をしたが、それより先に日菜の声と共にイヴ竹刀を振り上げながら麻弥の声がした方に突撃していく。

おそらくは麻弥と一緒にいるユウを狙っていたのだろうが、イヴの動きでは竹刀はユウではなく麻弥に当たる。

 

「大和さんっ!!」

 

「うわっ!?」

 

「なっ!?」

 

そのことに気が付いたユウは麻弥を自身の元へと引き寄せながら、空いていた手でイヴが振り下ろした竹刀を横から叩いて弾き飛ばした。

イヴは反撃どころか竹刀を手から弾き飛ばされるなど微塵も思っておらず驚愕の表情を浮かべていたが、ユウはいきなりの暴挙に出たイヴを睨みつけていた。

 

「おい…いきなり竹刀を振り下ろすのはどういうつもりだ?」

 

「それは…っ!!」

 

 

 

「こいつ…!!麻弥ちゃんじゃなくて彩ちゃんにも手を出そうとしてたんだ…!!」

 

「元凶はお前かよ…」

 

ユウの睨みにイヴは一瞬たじろいだが、その後ろから日菜の声が聞こえたことで彼は全ての元凶が彼女にあることを理解したが、イヴはその僅かな時間で叩き落された竹刀を拾いに行っていた。

 

「イヴちゃん!!そんな変態野郎なんてやっつけちゃえ!!」

 

「はい…!!」

 

「2人とも!?話を聞いて…!!」

 

 

 

「はぁ……大和さん下がっててください」

 

麻弥がイヴを止めようと声をかけるが、日菜に唆されたイヴに彼女の言葉が届いておらず竹刀を構えてじっとしていたが、そんな状況でユウは麻弥を庇うようにゆっくりと立ち上がっていた。

 

「話を聞くつもりはないんですか?」

 

「問答無用です!!」

 

「おい…」

 

「おねーちゃんにも麻弥ちゃんにもちょっかいかける方が悪いんだから!!やっちゃえイヴちゃん!!」

 

「ぶしどー!!」

 

ユウは麻弥と同じように説得しようと声をかけたが、やはりというべきか彼の言葉にも耳を貸すことはなく、日菜の言葉を聞いて今度は真正面からユウに向かっていくが、その竹刀はユウを捉えることなく虚しく空を切っていた。

 

「外した…っ!?」

 

「イヴちゃんどんどんいけー!!」

 

 

「ちょっと2人とも話を…!!」

 

麻弥はイヴを止めようとしたが、イヴは構わず竹刀を振り回す。

しかし、その全てをユウは回避し続けていくが、避けてばかりではどうしようもないと思ったユウだったが、そんな彼を心配した麻弥の方が声をあげていた。

 

「中島さん!!大丈夫ですか!?」

 

「避けるのは全然余裕ですけど、めんどくさいですね…」

 

 

「イヴちゃん!!舐められてるよ!!」

 

「こうなれば…容赦無用です…!!」

 

「早くなったな…」

 

麻弥が心配するのとは対衣装的にユウはイヴの攻撃をかなり余裕をもって避けていた。

 

だが、その答えは当然ながらイヴと日菜の耳にも届いており、余裕を見せられた上に面倒だと軽く流されたことにイヴはムッとした表情を浮かべると、後ろから日菜に煽られたこともあって完全に躊躇いを捨ててユウに切りかかる。

 

その攻撃をユウは未だに避け続けていたが、先ほどまでの余裕は無くなってきた。

 

「大和さん、ケガさせない程度にあの人を取り押さえてもいいですか?」

 

「…お願いします!!」

 

 

 

「イヴちゃん!!押してるよ~!!そのままやっちゃえー!!」

 

「天誅~!!」

 

無傷で取り押さえると言ったユウに麻弥からのGOサインが出ると、彼はその言葉で意識をイヴだけに向け始め、彼が押されている姿を見た日菜はいい気になってトドメを刺すように指示を出す。

 

そして、日菜の言葉に答えるようにイヴはトドメを刺そうと竹刀を振り上げたが、先ほどまでよりも振りが大きいのを彼は見逃さなかった。

 

「ここだっ!!」

 

「中島さん!?」

 

あろうことかユウは竹刀を振り上げたイヴへと真正面から突っ込んでいく。

その様子に思わず麻弥が叫んでしまったが、驚いたのは彼女だけではなかった。

 

「いっけ~!!イヴちゃん!!」

 

「っ!?」

 

イヴも麻弥と同様に突っ込んできたユウに驚くも、日菜の言葉を聞いてすぐさま目の前に意識を戻したのと同時に確信した。

 

相手が突撃してくる速度では自身が竹刀を振り下ろす速さに対応できない。

 

そう思ったイヴは竹刀を振り下ろそうとしたが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

「「止めた!?」」

 

ユウはイヴが振り下ろす前に彼女が持つ竹刀の柄尻を押さえつけて動きを止める。

完全に予想外の状況に彼女達は驚きの声を上げるが、それだけで止まるユウではなかった。

 

「セイっ!!」

 

「なっ!?」

 

彼は押さえつけていた竹刀を横へと払うと、その力に負けてイヴの手から再び竹刀が零れ落ちて宙を舞い、2回も得物を落とされたイヴは今まで以上に驚いていた。

しかし、日菜がいる以上負けるつもりもないと宙を舞った竹刀に手を伸ばそうとしたが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

手を伸ばそうとしたその瞬間に目の前にいるユウから殺気にも似たとてつもない気配を感じ、思わずその身体が硬直してしまったが、そんな彼女を他所にユウはイヴだけに聞こえるような声で話しかけてきた。

 

「天誅とか武士道って言ってたけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本物の戦国時代じゃ、さっきまでで10回以上死んでるよ」

 

「ひっ!!」

 

ユウが呟いた言葉によってイヴは完全に恐怖に呑まれてしまった。

 

イヴは身体をカタカタと震わせて始めるが、その恐怖から目を背けようと両手で顔を隠してこの後に来るであろう攻撃に備えていた。

 

 

 

 

 

 

「はい。おしまい」

 

「へっ…?」

 

ユウはそう呟いてイヴの肩を軽く叩くと、彼女の口からは間抜けな声を出してしまった。

始めはイヴは状況が呑み込めずに困惑していたが、ユウから感じた殺気めいた気配が完全に消えているのに気が付くと徐々に状況を理解し始めると、力なくその場にへたり込んでしまった。

 

「イヴちゃん!?」

 

 

 

 

「大和さん、任務完了です」

 

「えっ…あっ…はい…じゃなくて、中島さん!!大丈夫ですか!?」

 

「あぁ、全然大丈夫ですよ。避けてただけですから」

 

イヴがやられて驚く日菜とは対照的に、ユウは先ほどまでイヴと戦っていたのが嘘のような笑みを麻弥に向けていた。

そんな彼の言葉に呆気にとられた麻弥だったが、我に返ってユウを心配して駆け寄ると

何ともないと笑って答えていたが、日菜はそれが不満だった。

 

 

 

「よーし!!今度はあたしがやるよ~!!」

 

「日菜さん!?話を聞いてください!!」

 

「麻弥ちゃん大丈夫だよ!!その変態も疲れてるから!!あたしでもやっつけられるよ!!」

 

「不味いな…ダメだって分かってるのに、アイツが相手だと加減しようという気持ちが湧かない」

 

「中島さん!?」

 

「大和さん。分かってますよ?ケガさせるつもりはないんですけど…今までの積み重ねと言いますか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた達、何をしてるのかしら?」

 

日菜がユウを倒そうと言い出した上に、ユウの方も日菜が相手だと加減する気が湧かないと言いつつ麻弥に言い訳を始めていた。

今までの言動のせいでユウからしてみれば日菜は”非常に迷惑な存在”と言う認識でしかなく、

そんな相手に加減が出来る訳もないと、困っていたユウに救いの神が降臨した。

 

「千聖ちゃん!!」

 

「あなた達いったい何を…」

 

千聖の言葉で遂に日菜が動きを止めたが、千聖はスタジオ内の状況を見て絶句した。

 

床に寝転んで意識がない彩と、力なく床にへたり込んでいるイヴ。

そして、日菜の方を見ながら困り顔を浮かべたユウと麻弥にそれに飛び掛かろうとしていた日菜。

 

何がどうなったらこんな状況になるのか分からないが、流石は千聖と言うべきか表情を作って誤魔化し――――

 

「麻弥ちゃん、説明してくれるかしら?」

 

「はい。実は―――」

 

そのまま麻弥に説明を求めるのだった。

 





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