忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
生身での戦闘お疲れさまでした
なんかここの主人公超人すぎる気がしてきた…
どこかで人間味持たせなきゃ…!!ってことで投稿です



42話-誰が為に鐘は鳴る

「へぇ~…なるほど…日菜ちゃんがイヴちゃんを使って…ねぇ…」

 

「はい…」

 

「日菜ちゃん?やりすぎじゃないかしら?」

 

「だって!!こいつがおねーちゃんを…!!それに麻弥ちゃん達にいやらしー事しようとしてたんだよ!!」

 

麻弥は日菜がイヴを嗾けてきた事を説明すると、それを聞いた千聖は笑みを浮かべて日菜へと視線を向ける。

しかし、日菜の方は反省した様子もなく未だにユウの責任のすべてを押し付けようとしていたものの千聖は冷静だった。

 

「へぇ…何でそれが分かるのかしら?」

 

「だって!!声聞いたもん!!」

 

 

 

「はぁ…。麻弥ちゃんがここでそんなことする訳ないでしょ…」

 

「あれ…?ジブン、デジャブを感じます…」

 

千聖は公平に日菜の意見も聞いてみたが、先ほどの麻弥と同じ様に呆れた様な表情を浮かべると、千聖は答えにたどり着いており、その確認のために麻弥の方に話を振っていた。

 

 

 

 

「麻弥ちゃん、珍しくメイクしてるわね?」

 

「あっ…ホントだ…薄いけどメイクしてるね」

 

「あぁ、これっすか?実はこちらの中島さんにやってもらったんですよ!!」

 

千聖は仕事でもないのに麻弥が珍しくメイクをしていることを指摘すると、やっとその事に気が付いた日菜。

そんな2人に麻弥は嬉々としてその答えを口にすると、2人の視線がユウに向けられた。

 

 

「本当にあなたがやったの?」

 

「そうですよ」

 

「芸能人でもない男でメイク上手って変なのー」

 

「日菜ちゃん、そんなことないわよ…。よく出来てるんじゃないかしら?」

 

「ありがとうございます」

 

ユウは麻弥にメイクを施したことを認め、その出来を千聖に褒められたことで笑みを零したが、彼はどこかズレているようで変なことを口走ってしまった。

 

「大和さんにするのは初めてだったので眼鏡を外してもらいましたが…」

 

「普通は眼鏡をかけた上からメイクなんてしないわよ…?」

 

「教わった師匠は眼鏡かけたままの相手にもメイク出来ましたが…?」

 

「それはその人がおかしいのよ…」

 

「でも、凄い早さでしたし、あそこの彩さんはジブンが教わりながらやりました」

 

彼の師匠は眼鏡をかけたままメイクが出来るとなどと言っているが、千聖と麻弥はあえてそれを軽く流すことで話を終わらせた。

だが、これでユウは麻弥と彩に対してやましいことなど何もないことが、現場を見ていない日菜に理解してもらえたと思ったが、現場を見ていたモノはそうもいかなかった。

 

「でも!!おねーちゃんに言い寄ってたり、イヴちゃんが振ってた竹刀を簡単に避けてたんだよ!!ヤバい人だって!!」

 

「普通、いきなり竹刀振りまわす方がヤバい人なのだけれど…?」

 

「だけど、イヴちゃんが入って来た時に麻弥ちゃんの事抱きしめてたよ?」

 

「そうしなきゃ大和さんに竹刀が当たってたからな?」

 

「そうですよ!!」

 

「なら仕方ないわよね」

 

日菜はイヴの事を一方的に倒した際に麻弥の事を抱きしめていたと口にしたが、それも彼が麻弥の事を守るために必要だったと守られた麻弥と共に主張したことで千聖は完全にそれを認めていた。

しかし、日菜にはまだとっておきの最後の切り札が残っていた。

 

「でも、千聖ちゃん!!こいつ、おねーちゃんの目の前で花音ちゃんにも手を出してたんだよ!!」

 

日菜が残した切り札は花音。

彼女とユウが関係していれば千聖は完全に警戒して自分の味方になると踏んで、このタイミングで切り札を切った。

 

これで自分はある程度お目こぼしを貰えると確信した日菜だったが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それなら、花音から話は聞いてるわよ」

 

「えっ…」

 

しかし、花音本人から話を聞いていた千聖にとって日菜の切り札は完全に無意味になってしまった。

 

「まぁ…最初話を聞いた時は驚いたわよ。こころちゃんの家の人達を1人で制圧するって聞いたんだもの」

 

「なら…!!」

 

「でも、そうなった原因は互いに勘違いで花音を守ろうとしてたらしいし、今のも麻弥ちゃんを守ったと本人が言ってるし…それに、暴力で解決するつもりなら今だってこんな風に話してないわよ」

 

「うっ…」

 

切り札が空振りで終わってもう何も打つ手がない日菜は項垂れ始めたが、そんな彼女を放置して千聖はユウに顔を向けていた。

 

「えっと…中島さん…だったかしら?」

 

「あぁ、自己紹介してませんでしたね…中島ユウって言います。それにしても、あなたが松原さんが言っていた”千聖ちゃん”ですか」

 

「花音から聞いてたのね…でも、改めて自己紹介するわね。私は白鷺千聖よ。ごめんなさいね…。花音の事もだけれど、うちのイヴちゃんが迷惑をかけて…」

 

「いえ、松原さんのは事故ですし…今回のはそこで項垂れてるバカが悪いので…」

 

「そう…」

 

2人は大人な対応で全部の責任を日菜に擦り付けることで今回の話を終わらせた。

その光景に麻弥は何とも言えない表情を浮かべていたが、千聖の表情はニコニコとした笑みをユウに向けていた。

 

「それで?花音は私の事をんな風に言ってたのかしら?」

 

「そうですね…綺麗でとっても頼りになる方だと…」

 

「あら?そんな風に言ってたのね?」

 

「はい。あなたの事を楽しそうに話してましたよ」

 

「そうなのね」

 

花音についての話題でスタジオ内の空気が軽くなった所で、色々と脱線してしまったがユウはここに来た目的を果たすために動き出そうとしていた。

 

「あの、白鷺さん。俺がここに来た理由は…」

 

「大丈夫よ。理由は花音と友希那ちゃんから聞いてるわ。日菜ちゃんが持ってっちゃったものを取りに来たんでしょ?何かまでは聞いてないけれど…」

 

「そうですか…!!あのゆきちゃんがここまで気が回るなんて…」

 

「友希那ちゃんの事を愛称で呼んでるのって凄いわね…」

 

ユウがここに来た目的は麻弥と時間を潰すことでもイヴとチャンバラごっこをするわけでもなく、日菜が持ち出したモノを回収するため―――

そして、それの在処を確認するため、ユウはイヤイヤながら項垂れていた日菜へと歩み寄っていた。

 

「おいバカ」

 

「…バカじゃないもん」

 

「どうでもいい…で、お前が紗夜さんから奪ったモノは?」

 

「知らない。どっかに捨てちゃったかも…」

 

紗夜から奪った荷物の場所を聞いたユウだったが、まともな答えが返ってこない事にイラついた。

そして、彼女の対してほんの少しだけ残っていた優しさをユウは完全に捨てた。

 

「おい…お前、アレが何だか知っててやったの?」

 

「おねーちゃんのなんて、知ってる訳ないじゃん」

 

「中身見てないのかよ…」

 

「どこの誰とも知らないやつがおねーちゃんに渡した荷物なんて見る訳ないし、そんなのを何時までもおねーちゃんに持たせる訳ないじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレ、Roseliaの新曲の譜面なんだけど?」

 

「「えっ…?」」

 

「しかも、紗夜さんが考えたアレンジついてのメモとか、それを見たゆきちゃんが修正した内容とかが書いてある特別なやつね」

 

「「「えっ…」」」

 

ユウは日菜が奪ったモノが何だったのかを伝えると、譜面だと知っていた麻弥は普通にしていたが、モノの正体を知らなかった日菜と千聖の表情が完全に死んだ。

そうとしか言いようがないほどの2人の顔から感情が消え去ってしまったが、怒りをぶつけるように日菜に追い打ちをかけるように更に衝撃的な事実を伝えると、今度は一緒に麻弥の表情すら消え去っていた。

 

身内間でも普通に問題のある行動だが、傍から見たら妹の悪ふざけで済ませられたかもしれないが、今回は相手が悪すぎたのだ。

 

 

 

 

 

 

「プロバンドの新曲を奪うって…これ下手したら向こうの事務所と戦争よ?」

 

「いやいや、戦争ってそんな…」

 

「戦争は言いすぎですが、ミュージシャンの新曲はそれほど価値があるんですよ」

 

双子の姉妹と言えども、かたやアイドルで、もう片方はプロミュージシャン。

しかも、日菜が手を出したモノは”新曲の譜面”と一歩間違えれば大損害を被る特級の爆弾であり、被害が出れば事務所間で大きく揉めることは誰の目から見ても明らかだった。

 

そうなれば今の彼女達に出来ることは、事態が表に出る前に可及的速やかに事体を収束させることだけだった。

 

 

 

「日菜ちゃん?それで、その譜面はどこにあるのかしら?」

 

「……」

 

「日菜さん!!」

 

「………」

 

「日菜ちゃん!!」

 

 

 

「はい。ストップ」

 

千聖と麻弥の2人が日菜を詰めるが、事態が大きくなりすぎてしまったこともあって完全に黙り込んでしまうと2人は更に詰め寄ろうとしたが、それをする前にユウが2人を止めていた。

日菜を嫌っていたユウの思わぬ行動に2人は驚くも、今度はユウに声をあげていた。

 

「ちょっと、止めないでくれますか!!」

 

「千聖さんの言う通りですよ!!このままでは―――」

 

「だからって2人で大声で詰めても無駄です」

 

「でも!!早くしないと…!!」

 

「麻弥ちゃんの言う通りよ!!」

 

「だから、落ち着いてくださいって…」

 

2人に迫られたユウは至極真っ当な正論を返すが、彼女達は冷静さを失っていた。

こうなっては状況は良くならないとユウは2人を宥めるが、日菜のせいで危機に陥る寸前の状況では冷静になれと言っても効果はない。

 

そう判断したユウは2人を押し退けて日菜に向かっていった。

 

「おい…。黙ってても良いけど話は聞け」

 

「……」

 

「……………」

 

「お前……このまま黙って事態が悪くなると、一番悲しむのが誰か分かってる?」

 

「……麻弥ちゃん達」

 

「紗夜さんだよ。お前分かってて違う事言ったろ」

 

「そんなことない……」

 

ユウは2人の様に大声を張り上げるようなことをせずに、淡々とした口調で日菜に事実を叩きつけていく。

彼の言葉を聞いて先ほどの2人とは違って小さな声で日菜は反論していくが、ユウはその反論を聞いても淡々とした口調で彼女に話を続けていた。

 

「正直、話してる今もムカついてるけど、それどころじゃないから抑えてるけど………

 

 

たった一人の姉を悲しませるなよ」

 

「……っ」

 

淡々と―――

いや、それを通り越してただ冷酷とも取れるような口調で日菜にとって最大の泣き所ともいえる紗夜の事を話すと、日菜は身体を震わせた。

ユウはそんな日菜を見てこれ以上は話しても無駄だと見切りをつけて日菜から距離を取っていた。

 

 

「ゆきちゃんに素直に話して謝り倒すか…他のメンバーに張り倒される覚悟はしておかなきゃかな…」

 

「中島さん…ジブンもお供します…」

 

「私も行かせてください……流石にこれは…」

 

「分かりました…でも、張り倒されるのは俺の役目なんで…」

 

ユウは回収を諦めてRoseliaの面々に張り倒されるのを覚悟で謝罪することを決めると、麻弥達も彼と同じように謝罪に行くと言い始めると、おどけた表情を2人にむけてスタジオを出ていこうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

「あたしのロッカーの奥に押し込んでる…」

 

「「っ!?」」

 

「お前が何でやったか…は大体分かるから今回はこれで手打ちにしておく」

 

日菜は小さくそう呟くと、それを聞いた千聖と麻弥は驚いた表情を浮かべながら振り返る。

しかし、ユウは振り返ることはしなかったが、日菜を許すような言葉を言ってからスタジオを出ていく。

そして、麻弥と千聖の2人もこの場に居づらくなった事もあってそのままユウの後を追いかけた。

 

「良かった…大和さん、白鷺さん。あいつのロッカー見てもらってもいいですか?流石に女のロッカーを漁る訳にも行かないので…」

 

「それは勿論…でも、聞いていいですか?」

 

「なんでしょうか?」

 

「日菜ちゃんのことですけど…あれだけしでかしたのによく場所を言っただけで手打ちって言えましたね?あんなに嫌ってたのに…」

 

ユウは追いかけた2人を見て安堵した表情を浮かべると、2人に日菜のロッカーを確認するように頼むとすぐに千聖はそれを受けいれた。

しかし、さっきの短いやり取りを見た千聖はユウが日菜の事を嫌っていることなどすぐに分かっており、彼女がやったことを考えらば文句の一つや二つ出ても不思議でない。

 

それにも関わらずユウがすぐに手打ちと言って斬り上げた事が千聖は気になってしまい、その事を尋ねるとユウは少しだけ考えてからその理由を語り出した。

 

 

 

 

「今回のアイツがした行動は紗夜さんのことを考えてでしたからね」

 

「紗夜ちゃんを…?」

 

「あぁ…そう言えば…学校でも紗夜さんの彼氏と勘違いして色々言ってましたね…」

 

「なるほど…紗夜ちゃんがあなたから荷物を受け取ったのを見て、得体の知れない物を紗夜ちゃんから取り上げようとしていた…と?」

 

「話しぶりからしても間違いないと思いますよ?まぁ、実際は全部アイツの勘違いなんですけど…」

 

「でも、なんで中島さんが日菜ちゃんを許したのかが分かりません…」

 

「正直、アイツの事は嫌いですけど…。紗夜さんを大事にしようとしてるのが分かったから、今回はそれで許して手打ちでいいかなって…」

 

日菜が理由を語る際にはほどんどの場面で”おねーちゃん”と口にしていた事を覚えており、ユウはその発言の数々と彼が”姉”と言う単語を口にした時の様子から推測だが日菜の動機を語り、そこから日菜を許した理由を語ると妹のいる千聖はどこか納得した表情を浮かべていた。

しかし、麻弥はそうではなかった。

 

「ジブンは一人っ子なのでピンと来てない部分もありますけど…もしかして、中島さんにもご兄弟が…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ…姉が1人。……って言っても相手は俺の事を覚えてないですけどね…」

 

一人っ子である麻弥はユウに家族について尋ねたが、その答えを語った時の悲しそうなユウの表情が2人の印象に深く残ってしまうのだった。

 

 





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感想評価は気分次第でお願いします。

ホントは殺気にやられたイヴちゃんが漏らす…ってやりたかったけど
失〇ネタはもう1章でやったので止めておきました
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