忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
どこかで人間味持たせなきゃ…!!って言ってたのに超人エピが増えてるやんけ!?
ってことで投稿です



43話-サプライズ・ドライブ

 

「中島さん!!ありました!!」

 

「これで合ってるかしら?」

 

「多分…これです!!筆跡も同じっぽいので!!ありがとうございました!!それじゃ!!」

 

「あっ!!待ってください!!」

 

千聖と麻弥の協力もあって、日菜のロッカーから目的のブツを回収することに成功したユウは2人に礼を述べてから友希那の元へ急いで向かおうしていた。

しかし、そのタイミングで麻弥に声をかけられたユウは手を貸してくれた2人を無下にする訳が出来ず、彼女の言葉で足を止めていた。

 

「なんですか?急がないといけないので……」

 

「はい!!ジブンが車で送りますよ!!」

 

「えっ…?でも…そこまでしてもらわなくても…」

 

「いいですよ!!むしろこの位はさせてください!!」

 

「そうね…日菜ちゃんが迷惑かけたのだから…」

 

迷惑をかけているユウに対して麻弥はなんと車での送迎まで提案されてしまい、ここまでしてもらうことに罪悪感を感じてしまったが、そんな彼に2人は引く様子を見せなかった。

 

元はと言えば日菜の暴走が原因で彼女達が悪いわけではないし、ユウからしたらブツの回収を手伝ってもらっただけで充分過ぎるし、裏技を使えば時間など殆どかからないのだが、ここで断れば彼女達の気が晴れないのは彼女達の態度からしても明らかなのを感じてしまい折れてしまった。

 

「それじゃ…お願いします…」

 

「ふへへ…任されました!!」

 

「まぁ…最初から行くつもりだったからスタッフの私物の車を借りてあるわ…」

 

ユウの言葉を聞いた麻弥は嬉しそうな笑みを浮かべる一方で、元々着いてくるつもりだった千聖は麻弥に鍵を渡して車の運転を頼み3人で友希那達がいる事務所へ向けて出発しよう窓から見える駐車場から車を確認した。

 

「えっ…あの古そうなのに乗るの…」

 

スタッフに言われた駐車場の場所には停まっていた年季の入った白黒の車に千聖は言葉を失ってしまっていたが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー!!こんな車を運転出来るなんて思ってませんでした!!」

 

「大和さん。マニュアル免許だったんですね」

 

「ふへへ…実は興味があったので…始めてですが良いですね!!千聖さんもそう思いませんか?」

 

 

 

 

「えっ…?えっと…最初見た時は随分と古そうな車だったから心配になったわ…」

 

しかし、心配していた千聖を他所に運転手の麻弥のテンションは高く、助手席に座ったユウもそんな麻弥の言葉に相槌を打って答えていたが、車に興味の薄い千聖はそんな2人の会話に全くついて行けなかったこともあって思ってしまったことをそのまま口にするも、ユウはそんな彼女にルームミラー越しに笑っていた。

 

「白鷺さん。この車は古くてもかなりファンに人気のあるモノで、この車は手入れも行き届てます。だけどカスタムが違うと全然乗ってる感覚が違いますね」

 

「やっぱり男の人って車とか好きなんですね……」

 

「えっ!?もしかして中島さんもこの車を持ってたんですか…?」

 

「俺じゃなくて知り合いが…”私に相応しい車だ!!"って言ってどっかから引っ張って来てましたね…」

 

千聖にこの車について簡単に説明しつつ、自身の知り合いの白いのを思い出していた。

そんな風に車内で軽い話をしていたのだが、そんな空気はすぐにぶち壊されることになった。

 

 

 

「ん…?後ろの車…危ないですね…」

 

「速度を出してムリな追い越しを繰り返して……危なくない様に少し避けましょう」

 

何気なく運転していた麻弥の後方から1台の車が猛スピードで追い越していた。

それを見た麻弥は危なくない様に道を開けるように車を脇に寄せて追い越させる空間を確保してたが、その車は何故か麻弥達の車の真後ろにつけると―――――――

 

 

 

 

 

 

 

「きゃああああああああああ!!」

 

「うわぁあああ!?」

 

突如として3人が乗っていた車に斜めに向かって追突し、車は衝撃に負けて車体を大きくスピンさせて地面を滑り出し、千聖はその衝撃悲鳴を上げて麻弥も咄嗟の出来事に混乱していたが―――

 

 

「大和さん!!アクセル!!」

 

ユウがそう叫ぶと同時に助手席から身を乗り出し、ハンドルを取りながら麻弥に叫ぶ。

その声に驚いた麻弥はそのままアクセルを踏み込むと車体が回転を止めると、そのまま体勢を戻しながら、ユウは更に身を乗りだして麻弥の足をアクセルから降ろしつつブレーキを力いっぱい手で押し込んで車を停止させた。

 

「2人とも大丈夫ですか!?」

 

「えぇ……」

 

「ジブンも…」

 

「良かった…」

 

ユウはすぐに同乗者に声をかけたと、幸いなことにケガはないようで胸を撫でおろしたが―――

 

 

「あの…中島さん…助けてもらって言いにくいのですが…そろそろ離れてもらえると…胸が…」

 

ユウは事故に巻き込まれた車を止めるためハンドルを取った。

助手席からハンドルを取るまでならば腕を伸ばすだけで届くが、運転席の足元にあるブレーキはそうもいかずに彼は身体を乗り出した。

今のユウは運転席にいる麻弥の股の間から腕を突っ込む形でブレーキを押す、腕に力を入れるため彼の左肩で麻弥の胸を押し潰す様な体勢なってしまっていた。

 

その時は2人とも必至で何も考えていなかったが、冷静になると今の状態は非常に恥ずかしい状態であり、我に返った麻弥は顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに小声でユウに声をかけると、ユウはすぐさま身体を起こして助手席に戻っていた。

 

「その…すいません…」

 

「麻弥ちゃん…恥ずかしいのは分かるけど…ああしなかったら大怪我してたかもしれないから…」

 

「うぅ~~……」

 

「麻弥ちゃん、後ろの席で話しましょう?」

 

「白鷺さん、俺が相手と話してきますから。大和さんを落ち着かせてもらっても…?」

 

ユウは即座に麻弥に謝罪すると、後ろの千聖も状況を理解してユウを庇い、麻弥本人も状況が分っているため顔を赤くして唸ることしか出来なかったが、千聖に声をかけられて麻弥は運転席から這う様に抜けて後部座席に移動すると、ユウはそのまま助手席から降りて相手の車に向かおうとしたが―――

 

 

「なっ!?動いた…!?」

 

自分達にぶつかってきた相手の車が急に動き出していた。

ユウは相手が逃げると思って車のナンバーを覚えようと車を注視したが、あろうことか相手の車は再び麻弥達が乗っている車に突っ込んだ。

 

 

 

 

「暴走…!?なっ!?」

 

完全に暴走しているとユウは思っていたが、2度の衝突で相手の車が止まったともったら今度は突然バックし始めて再び体当りをしてみせた。

明らかな異常行動にユウは驚いたが、バックを始めた車の運転手を引き摺りだそうとそのまま車にしがみ付いてドアの窓から中を覗き込んだが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ…!?イマジン!?」

 

相手の車の運転席にはイマジンが納まっていた。

その光景に信じられないと言った表情を浮かべたユウだったが、その光景に呆気に取られたユウは車から振り落とされてしまい、車は3度目の体当りを麻弥達の車に見舞っていた。

そして咄嗟に彼はベルトを隠している懐に手を入れた。

 

「ダメだ…待ってる間に逃げられる…!!カードが…」

 

しかし、彼は変身することはしなかった。

ここで変身したとしても車が相手では逃げられる可能性が高く、カードを浪費するだけになる可能性が高いと判断したユウは変身を諦めると、麻弥達がいる車の運転席(・・・)に飛び乗った。

 

「中島さん!!さっきから何回も…」

 

「あの…一体何が…!!」

 

「それは後!!」

 

「きゃあああ!!」

「うわぁああ!?」

 

千聖と麻弥は何度も車をぶつけられる状況について行けずに飛び乗ってきたユウに状況を問いただそうとするが、彼はその言葉を無視してアクセルを強引に踏み込んで車を急発進させると、2人は悲鳴をあげるがそれを無視してユウは車を走らせながら後ろを確認すると、イマジンが乗った車はユウ達の後を追いかけ始めていた。

 

「ちっ…!!まだ追ってくる…!!2人ともシートベルト!!」

 

「あの…!!さっきの車が追って来てますよ…っ!!」

 

「何が起こってるのよ!?」

 

「いいから!!シートベルト!!」

 

ユウは悪態をつきながら車を走らせながら2人に指示を出すが、状況が呑み込めない2人はユウに質問するが、彼は声を荒げるとそのまま2人は彼の指示通りにシートベルトを締める。

そんな2人を見たユウはそのまま状況を説明し始めていた。

 

「白鷺さん、あの後ろの車見て?」

 

「はい……えっ?」

 

「千聖さん?」

 

「気のせいかしら…運転席にキグルミが見えるわ…」

 

千聖はユウに言われた通りに後ろの車を確認したが、その車の運転席にいたイマジンの存在に気が付いたが、イマジンの存在を知らない彼女はイマジンをキグルミと言ってしまったが、ユウとしてはそう勘違いを無視して話を続けていた。

 

「あのキグルミ!!多分ですけど2人のどっちかが狙いです!!」

 

「えっ!?」

 

「なんで…中島さんの可能性は……!?」

 

「大和さん!!俺が狙いだったら、車を降りた時の俺を轢き殺してますよ!!」

 

「…」

 

ユウの説明に呆然とする千聖だったが、彼の説明が受け入れられない千聖はユウに反論するも正論を叩きつけて現実を叩きつけると完全に千聖は黙り込んでしまい、絶望の表情をうかべて完全に消沈したも彼は全く諦めていなかった。

 

「大丈夫…!!」

 

「中島さん…」

 

「っ!!何かに捕まって!!」

 

「待ってください!!一体何を…!?」

 

ユウは2人を安心させるように声をかけたと思ったらすぐに声をあげた。

その声に2人は言われた通りに座席にしがみ付くと―――――――――

 

「曲がってくれよ!!ハチロク!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「きゃあああああああああ!!」」

 

ユウが車の名前を叫ぶと共にハンドルを切ると同時に彼女達の身体はそれとは逆の方向へと強く引っ張られたが、それもすぐに収まっていた。

 

「ごめんなさい…!!2人とも大丈―――!?」

 

「もう!!今、何をしたのよ…!?」

 

「振り切るために黄色信号になる直前でスピンターンしただけ…!!」

 

「スピン…何?」

 

「えっ…!?」

 

「麻弥ちゃん、知ってるの!?」

 

「ドリフトで車をターンさせたんですよ!!」

 

「そもそもドリフトなんてなんで出来るのよ!!普通使わないでしょ!!」

 

突然の行動にユウは2人に謝罪をするが、千聖はユウに対して敬語が取れるほどに声を荒げ、ユウは今のが何だったのかを説明するも、千聖には一切理解できなかったが麻弥はその言葉を聞いて目を丸くすると千聖は麻弥に説明を求め始めると返ってきた答えにツッコミを入れると同時に再び車に衝撃が走った。

 

「きゃあああ!!」

 

「ちっ…横から当ててきた…!!」

 

「中島さん!!横!!横にガードレールが…!!」

 

「相手が避けたけど止まれない……!!やるしかない…!!」

 

「きゃああああああああ!!止めて止めて~~~!!」

 

ターンしたユウ達を追いかけてきたイマジンの車は易々と彼らに追いつくとその車体の側面同士をぶつけてユウ達の車を横へと押し込むとその先に待っていたのはガードレールが迫っていた。

 

ユウ達は今から減速しても間に合わないと判断したイマジンは余裕を見せて速度を上げてユウ達から逃げていく。

そして、ユウも減速が間に合わないとはあろうことか一気にアクセルを踏み込むと再びの車体が大きく揺れるが、今回は揺れるだけでは終わらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!!浮いてる!!こっち側のタイヤ浮いて…って傾いてる!?傾いてるから~!!飛んでる~!!」

 

「よしっ…久々だけど片輪走行…上手くいった…!!」

 

千聖は身体に浮遊感と車体が傾いていることでパニックを起こして絶叫するが、決して車が飛んでる訳ではなく、ユウは縁石で車体の片方を持ち上げて片輪走行という曲芸で衝突を回避するとそのままガードレールから離れて着地させてから車を停車させると、そのまま無事だった助手席のドアを使って車から降りて相手の後ろ姿を見つめていた。

 

「逃げたか…」

 

ユウはそう呟いていたが、麻弥と千聖もボコボコになった車から這い出てユウへと向かって来ていた。

 

「あの…その…ありがとうございます…」

 

「中島さん…どこでそんなの覚えたんですか…?」

 

「久瑠間の運転免許試験場」

 

「試験場でそんな事教えないですよ!?」

 

車から出た千聖は命の危機を助けてもらった事に礼を述べていたが、一方の麻弥はそのドラテクをどこで身に着けたのかを聞かれて、素直に答えたが速攻でツッコミを入れられてしまった。

 

しかし、ここで1つだけ問題が発生してしまった。

 

「ん~…でも、不味いな…」

 

「不味い…?それってどういう…」

 

 

 

 

 

 

 

「俺、免許持ってないんですよね」

 

「「えっ……」」

 

時間を旅するユウはこの時代で使える免許を全く持っていない。

その事を2人に伝えたが、2人は余りにも予想外の言葉が飛び出してきたことに戸惑いの言葉を漏らしてしまうのだった。

 

 





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