ようやく次でこの章終わりそうだ…
6月6日6:06分に切りよく投稿です
友希那達からイマジンを遠ざけるべく、敵を巻き込んで壁をぶち破ったゼロノスだったが――――
「なっ!?」
「やっべ…!!ここ4階じゃねぇか……!!」
壁を破ったその先には床はなく、ゼロノスはイマジンを4階ほどの高さから地面に向かって真っ逆さまに落ちていく。
「ちっ!!」
「こいつ…!!」
「取った…!!」
「離せ…っ!!」
イマジンはどこからか取り出した剣でゼロノスを斬りつけるが、ゼロノスは斬られることなどモノとものせずにイマジンの両腿を掴んで相手の首を自分の肩で押さえつけてそのまま地面に向かって落ちていく。
「喰らえ…!!」
「がっ!?」
ゼロノスはそのまま尻から地面へ落下すると、彼に押さえつけられていたイマジンは落下の衝撃を一切殺せずに大きなダメージになって苦悶の言葉を漏らしたのを聞いたゼロノスはそのままイマジンを投げ飛ばして相手の姿を観察し始めていた。
「コブラか……」
「ぐがっ…あがっ…」
「しかも、後ろは事務所の正面出入口…不味いな…」
ゼロノスが目の前でのたうち回るイマジンの見た目から、コブラのイマジンだと判断すると即座にゼロガッシャーをボウガンへと組み立てると地面をのたうち回る相手目掛けて引き金を引いたが、イマジンはすぐさま地面を転がってボウガンの射撃を回避しながら距離を取ると剣を取り出して構えていた。
「…何度も俺の遊びと契約の邪魔をしやがって…!!」
「車で襲うのが遊びだって…?ふざけるなよ」
2回も邪魔をされたイマジンはイラ立ちを口にしたが、そのイラ立ちを聞いてゼロノスも怒りを覚えながらボウガンからサーベルへとゼロガッシャーを組み替えて、イマジンの元へと飛び込んで剣を振るったが―――
「遅いっ!!」
「ちっ…サーベルだと反応されるか…!!」
イマジンはゼロノスの剣を幾度となく受け止めたが、ゼロノスはそれに焦ることなく状況を分析し始めた。
このまま戦えなくもないが長期戦は確実。
それを嫌ったゼロノスの頭の中では、このイマジンを相手取るのに必要なのは一撃の破壊力でも、単純な速度でもなく回避が間に合わないほどの連続攻撃。
そして、それを実施するために必要なのは――――
「ちっ…デネブが必要だな……。でも、攻めるしかない…!!」
「隙だらけだ…!!」
「ぐっ…」
この場にいないデネブ。
機動力が下がるがそれでもベガフォームの制圧力で一気に畳み掛けるのが最善だと考えながらも剣を構えて再び突撃したが、大振りになって隙を晒してしまい、がら空きの胴を剣で切りつけられてしまった。
デネブを待つだけならばここで無理に攻める必要はないのだが、そうせざるを得ない理由がゼロノスにはあったのだが――――
「ねぇ!!あれ見て!!」
「宇田川さん!!急に止まらない…で…」
「えっ!?何あれ!?」
「コス…プレ……?」
「マジかよ…ここから出てきたのかよ…!!」
イマジンの攻撃で後ろに退いたゼロノスだったが、その背後には正面の出入り口からは先ほど別れた紗夜達が飛び出してきてしまっていた。
ゼロノスがその光景に悪態をついてしまったが、その僅かな隙をイマジンは見逃してはくれなかった。
「喰らえ…!!」
「ちっ…!!」
イマジンは隙が生まれたゼロノスに斬りかかる。
だが、咄嗟にそれに気が付いたゼロノスが地面を転がるように攻撃を回避すると、イマジンが振り下ろした剣は彼がいた地面を容易く切り裂いていた。
「えっ…?地面が切れた…!?」
「コスプレ…じゃない…!?」
「なにがどうなって…」
切り裂かれた地面が、目の前の光景がコスプレなんかではなく現実なのだとRoseliaの面々は理解させられたが、彼女達と共にいたパスパレの2人はある違和感に気が付いていた。
「ちょっと待ってください!!中島さんは…!?あの人はどこに行ったんですか!?」
「彼は上にいたはずだけれど…まさか…そんな…!!」
「うぅ…ジブン達を逃がすために…!!」
目の前でイマジンとゼロノスが対峙しているが、パスパレの2人はイマジンを引き付けて逃がしてくれたユウの事を思い出して彼女達はその目に涙を浮かべていた。
それもそのはずで2人からしたらユウは”命がけで助けてもらった人間”で自分達が逃げるために彼が犠牲になったと勘違いして絶望するには十分すぎたのだ。
ゼロノスは2人が心配しているユウは目の前にいるゼロノスだとは言えないが、イマジンの攻撃を捌きながらも言葉をかけていた。
「大丈夫!!…その人は無事だから…!!」
「あなた!!それ本当なの!?」
「…本当!!」
「こいつを片付けたら連れてくるから…だから早く逃げて…!!」
「…分かりました!!」
「させるか…!!」
ゼロノスが”ユウは無事”だと声をかけた途端に2人の表情は一気に明るいモノへと変わった。
本人の姿は見えずその言葉になんの確証もないのだが、命の恩人が無事だと言われただけで今の2人には十分すぎるほどの救い。
2人はゼロノスの言葉を聞いて言われた通りに逃げようとしたが、イマジンはそれより先に剣を振って衝撃波をゼロノスの後方へと飛ばしていた。
「ちっ…外したか…」
イマジンの攻撃は幸いなことに後ろにいたリサ達に直撃しておらず、誰も倒れてはいなかったが、その攻撃が通り過ぎた時に確かに異変が起こっていた。
「あれ…?なんか頭が軽いような…?」
「あ…あこ…?」
「リサ姉?どうしたの…?」
「あこさん…ツインテールの片方が無くなってます……」
「えっ!?」
イマジンの攻撃は誰にも直撃はしていなかったが、その攻撃はあこの頭部を掠めており、彼女の自慢のツインテールの片側は綺麗に切り飛ばされて斬られた髪が宙を舞っていた。
ただ剣を一振りしただけで斬撃が飛んだだけでも現実味がないのだが、飛んできたそれが容易くモノを切り裂いたのを目の当たりにした彼女達は現実を受け止められずに完全に固まってしまっていた。
「ははぁ!!後ろの奴を何時まで守れるかな…!!」
「ぐっ……!!」
「「「「きゃああああああ!!」」」」
そんな彼女達を見たイマジンは悪辣な笑い声を挙げながら、幾度となく剣を振るってゼロノスの後ろにいる斬撃を飛ばし始めるが、ゼロノスは後ろにいるリサ達を守るべく、敵の攻撃の前に飛び込んで身体と剣を盾にして攻撃を受け止める。
イマジンの攻撃が当たった箇所から激しい火花が飛び散っていくが、それだけでイマジンの攻撃を受け止めきれず、攻撃が後ろに逸れて彼女達の後ろにある事務所の壁や地面を抉っていく度にリサ達からは悲鳴が上がっていく。
「おらおら!!そのままやられちまえ!!」
「ちっ…!!やるしかないか…」
「バカか!!攻撃を防ぐのを止めやがった…!!」
「ぐっ……!!」
悲鳴が上がる度にイマジンの攻撃の勢いが増して最悪の悪循環に陥ろうとしていたが、ゼロノスはこの流れを変えようと剣で攻撃を防ぐことを止めて身体だけで敵の攻撃を受け止め始めていた。
「そのままくたばれ…!!」
「……」
その余りにも愚かな行動を前にしてもイマジンは攻撃を止めないが、敵の攻撃などまるで効いていないとでも言うような姿を見せつけるゼロノスは剣を肩に担ぐように構えると、肩で風邪を切るような堂々たる態度で攻撃を真正面から受け止めてイマジンとの距離を埋めていく。
「気色悪い!!何考えてやがる…!!」
「……」
「くっ来るんじゃんねぇ!!」
ゼロノスの行動に最初は余裕の態度でバカにしていたイマジンだったが、距離が詰まっていく毎にイマジンの余裕は徐々に焦りへと変わる。
そして、焦りが増すごとに攻撃は精彩を欠いていき、的が大きくなっているはずにも関わらず、ゼロノスへと当たる攻撃は先ほどまでと殆ど変わってはいない。
完全に理解が出来ない状況に追い込まれていたイマジンは完全なパニック状態で剣を振っていたが――――――――
「なっ!!いつの間に…!?」
「…」
気が付けばイマジンとゼロノスとの距離は互いの剣が直接届く範囲にまで詰まっていたが、イマジンの剣はゼロノスの物に比べて軽く、攻撃を先に出せば間違いなく先手が取れる。
焦っていた中でイマジンはそれを理解はし、ゼロノスよりも先に自身の剣を振るっていた。
「おらぁ!!」
「がっ!?…足!?」
「攻撃は剣だけじゃねぇんだよ!!」
が、先に攻撃を受けたのはイマジンの方だった。
先に自身の攻撃が当たると思っていたイマジンは混乱したが、答えは単純でゼロノスは剣ではなく蹴りでイマジンから先手を取って見せると、そこから更にゼロノスが攻撃を仕掛けていく。
「モモタロスに!!教わった!!
「がっ!?ぐっ!?」
「喧嘩が性に合う…!!」
「ごはっ!!…ふざけるな…!!」
その攻撃は最初のプロレス技や型があるような剣ではなく、殴打や蹴りや頭突きといった全く完全に型にはまらないモモタロス流の喧嘩殺法でイマジンを攻め立てるが、咄嗟の抵抗でイマジンは斬撃を飛ばして見せたが――――
「ふんっ!!」
「デネブ…!!」
「すまない…!!待たせたな…!!」
攻撃が彼女達に届く前にその間にようやくやってきたデネブが割り込み、攻撃を容易く防ぎ切って見せていた。
その姿を見たゼロノスはイマジンを殴り続けながらベルトからカードを引き抜き、そのまま裏返してみせていた。
「ちょっと遅いけど…!!折角だ…来い!!」
「あぁ!!」
そして、その言葉を聞いたデネブは良い声でゼロノスの言葉に応えてみせるのだった。
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