忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
燈の中の人を色んなアニメで見れて嬉しくなってる今日この頃(まぁ、本章では出てないんですが…
次章は出すからって思いながらも初投稿です



47話-今を止めるため

 

「―――来い!!」

 

「あぁ!!」

 

自身への呼びかけに答えたデネブはその声の元へと駆け寄っていくが、その声の主であるゼロノスはベルトから抜いて裏返したカードを再びベルトに装填した。

 

 

―――Vega Form ―――

 

 

 

 

「姿が変わった…!?」

 

「ちょっと!!一体何がどうなってるんですか!?」

 

 

 

「けっ…!!姿が変わったのがどうしたってんだんだ……!!」

 

「最初に言っておく……」

 

「あぁ…?何だ……?」

 

ベルトの声と共に駆け寄っていたデネブがゼロノスの身体の中へ消えたのと同時にゼロノスはアルタイルフォームからベガフォームへの変身を完了した。

 

ゼロノスの後ろにいた千聖達はこの変化に困惑の言葉を漏らし始め、イマジンはゼロノスの変化にイラ立ち交じりの言葉を口にしたのに対して、ベガフォームに変身したゼロノスはイマジンを指差しながら敵に言葉を投げかけると、この場にいた皆がゼロノスの言葉の続きを待ち周囲が静まり返る。

そして、この状況に見合わない不自然なほどに静かになった戦場の真ん中でゼロノスが言葉を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………特に言う事はない」

 

「「「「「「は……?」」」」」」

 

待っていた中で出てきた言葉は誰も予想することが出来なかった。

 

皆の視線が集まっているこの状況で言葉を貯めに貯めて、そこから”特に言う事はない”と言い出すなど普通ならばあり得ない。

そんな中でゼロノスがそんな言葉を言ったことでリサ達全員が困惑の声を挙げていたが、そんな彼女達とは対照的に――――

 

 

 

「ふざけるな!!」

 

イマジンは激昂して剣を振り上げて真っすぐにゼロノスに向かって突撃して、その剣を振り下ろした。

 

「……」

 

「なっ…!?」

 

しかし、ベガフォームに変身したゼロノスはその剣を容易く受け止めると、先ほどまでとの違いにイマジンは困惑していたが、ゼロノスは持っていた剣を片手で握りしめていた。

 

「今度はこちらの番だ…」

 

「お前の攻撃なんて防げ―――」

 

「ふんっ!!」

 

「がはっ…!?」

 

ゼロノスはこちらの攻撃を宣言するが、イマジンは先ほどまでの攻撃ならば問題なく防げると高をくくっていた。

しかし、真正面から振り抜かれたゼロノスの剣は攻撃を防ごうとしたイマジンの剣ごと身体を弾き飛ばし、吹き飛ばされたイマジンは近くに停まっていた車に衝突してフロントガラスをぶち破っていた。

 

 

 

「(デネブ、大砲で追撃して)」

 

「ユウ、それは卑怯だ…」

 

「(そんなこと言ってる場合じゃない!!敵が後ろの紗夜さん達を狙ってくるから…!!)」

 

「むっ…」

 

ゼロノスとして表に出てきていたデネブに身体を預けているユウが指示を出すが、その指示を”卑怯”と言って拒んでいた。

だが、ユウから後ろの紗夜達が狙われる事を伝えられて少しだけ考え込んいると、ユウが伝えた通りに車の中から斬撃が飛んできた。

 

「むっ…!!」

 

「後ろの人間を狙ったのに邪魔すんな…!!」

 

「……ユウ、すまなかった」

 

「(いいよ。とにかく攻撃をさせる暇を与えないように連射で牽制。動きが鈍ったら一気に決めよう)」

 

「分かった…!!」

 

ゼロノスは飛んできた斬撃を背面のマントを翻して防ぎ、ユウの判断があっていたことを謝罪してから指示通りに肩の大砲をイマジンに向けて連射していく。

すぐさまイマジンはその砲撃を避けるために動き出そうとしたが、圧倒的な弾幕を前にイマジンの回避が間に合わなず、砲撃が何度も命中してダメージを与えていく。

 

そして、アルタイルフォームとの戦闘で受けていたダメージも一気に噴き出したのか、砲撃を回避する動きが止まった。

 

「これで…」

 

―――Full Charge ―――

 

動きが止まったイマジンを見たゼロノスはベルトからカードを取り出して剣にカードを装填してからその場で剣を構え――――

 

 

 

「ふんっ…!!」

 

「なっ…!?ぁああああああああああ!?」

 

渾身の力を込めて剣を振り下ろし、そこから飛び出した斬撃は敵の肩口から斜めにバッサリと切り捨てた。

 

自身が斬られたのを理解したイマジンが絶叫を挙げると共にその身体は爆散した。

その光景を見届けたゼロノスが振り下ろした状態から元に戻って、ベルトに手を伸ばしたが―――

 

「(デネブ、ストップ!!)」

 

「ん?何故だ?」

 

「(後ろのみんなに変身してるところを見られてないからここで解除はしないで!!)」

 

その瞬間にユウの意識が出てきて、変身解除に待ったをかけた。

しかし、その理由が分からないデネブは思わず理由を聞き返すと、その答えをユウが伝えるとデネブが少しだけ考えるような素振りを浮かべていた。

 

「……分かった。だがもしも…」

 

「(特異点の可能性があるのは金髪の人だけ。最悪後から説明するから…ところで、ゆきちゃんは?)」

 

「あの建物の…あそこだ…」

 

「(なら合流してから変身を解除しよう。皆の記憶から消えたら説明が面倒だ…)」

 

「…分かった」

 

デネブはユウの意見を受け入れることを決めると、戦闘の最初に破壊した建物の穴目掛けて跳んで、その中へと入っていくとそこには友希那が待っていて、ゼロノスの姿を見て近づいてきた。

 

「ユウ……あら?いつもと違うわね」

 

「友希那、ユウじゃない。俺だ」

 

「デネブ…?」

 

「あぁ…。今から変身を解く…」

 

友希那は見た目に違和感を覚えるが、デネブの言葉を聞いて一応は納得するとゼロノスはそのままベルトを外して変身を解除してユウの姿に戻ると気怠そうな表情を浮かべていた。

 

「お疲れ様…」

 

「ユウ…」

 

「大丈夫…体力的に疲れてるだけだから、すぐに戻るよ…これもね」

 

デネブと友希那はそんなユウに近寄ったが、ユウは2人の言葉に答えると壊れた壁を指差した。

そして、友希那はその壊れた壁を凝視したが―――

 

 

「っ!?」

 

「あっ…そういえば…ゆきちゃんは時間が修復されるのを見るのは初めてか…」

 

「えぇ…いつもは電車に乗って戻った時には終わってたから…」

 

「本当は見ない方がいいんだが…」

 

彼女の目の前で瞬きする間もなく目の前の壁が直っていた。

いや、直ったというよりも壊れたこと自体が無かったかのようにすら思える現象に友希那は困惑していると、ユウは彼女が時間の修復する瞬間を見るのが初めてだと思いだした。

そんな彼の横ではデネブが困ったような口調で話していたが――――

 

 

 

 

 

 

 

「何も分からないよりはずっといいよ……」

 

「……ユウ?」

 

「さてと…。下にいるはずのみんなの所に行こっか…デネブさんは俺に」

 

「分かった」

 

ユウがデネブに答えたその言葉を口にした時の酷く曇った表情のに友希那は気が付いたが、そんな彼女の言葉を遮ってデネブを自身に憑かせてから下の入口にいるリサ達の事を確認するために歩き出し、友希那もその後についていくと入口で外を見て立っていた彼女達の姿を見た。

 

 

 

「なんで入り口の前に立ってるんですか…?」

 

「…あれ…?アタシ達何してるんだっけ?」

 

「りんりん。あこ達練習してたはずだよね?」

 

「うん…そうだよね…?」

 

「あれ?あこ、ツインテール片方ほどけてるよ?」

 

「嘘っ!?」

 

 

 

 

「3人共何を言ってるんですか?日菜が私の譜面を間違って(・・・・)持って行ってしまったのを大和さん達が届けに来てくれたんじゃないですか…」

 

「そうですよ?」

 

「みんなしてどうしちゃったのよ……」

 

 

 

 

 

「あなた達、何時まで背中を見せてるのかしら?」

 

「友希那さん、それもそうっすね」

 

ユウが何気なくリサ達に声をかけると、リサ達が肩を震わせて急に我に返ると自分達が底場にいた理由が思い出せずに首を傾げ始めていた。

彼女達は声をかけてきた人物にいつまでも背中を見せていた事をユウと一緒に来た友希那に指摘されると皆は一様に振り返ったが

 

「「「誰……?」」」

 

 

「ひっ…!!」

 

「紗夜!?なんでアタシの後ろの隠れてるの…?」

 

「その……何故か怖くて……」

 

「珍しいね?もしかして知り合い?」

 

「いえ…会ったことはない…はずですが…」

 

 

 

「あなた達、何を言ってるのよ…?」

 

「そうっすよ!!中島さんとはさっき会ったばっかりじゃないですか…!?」

 

「憶えられなかったかもしれないにしても、その扱いはあんまりじゃないかしら?」

 

若干1名(紗夜だけ)は中途半端に憶えてはいたが、Roseliaの4人はユウの名前を完全に忘れていたのとは対照的に、麻弥と千聖はユウの事を憶えており、Roseliaの態度に苦言を呈していた。

だが、ユウからしたらどちらの反応も覚えがあるので深くは追及できなかったが―――

 

 

 

 

「殺すつもりで車をぶつけ続けてきた相手から逃げるためと入っても私達が乗ってた車で、ドリフトのターンやら片輪走行なんてカーアクションされたのを忘れられる訳ないじゃない…」

 

「千聖さん…ボケてるんですか…?」

 

「…っ!?」

 

千聖が言った言葉にユウは驚きを隠しきれなかった。

確かにユウはイマジンから逃げるために千聖と麻弥を乗っていた車を勝手に運転し、その際に彼女が言った様な事はやってみせた。

 

しかし、その運転をことになったのはイマジンが2人を狙って車で体当りを繰り返してきことがそもそもの原因だが、その原因になったイマジンは倒されたことで時間が修正されたこと。

 

本来ならばこの場にいるユウと友希那以外の記憶からは消えていなければおかしいのだが、千聖は倒されたイマジンが起因している出来事を口にしたのを見て、もしかしたら千聖も友希那達と同じ特異点ではないのかと疑ったユウは千聖に歩み寄っていた。

 

「白鷺さん!!」

 

「えっ…きゃ!?」

 

「………」

 

「「「「「えっ…」」」」」

 

ユウは思わず千聖の両肩に手を置くと、友希那が冷たい視線を送る一方で千聖や周囲の面々が困惑していた。

そんな状況でもユウは周囲を気にすることもなく気になっていたことをそのまま問いただした。

 

「犯人憶えてます…?」

 

「えっ…?えっと…

 

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい…憶えてないわ…」

 

「じゃあ、ここで何をしていましたか?」

 

「外を見ていたけど…あら?よく考えれば何をしていたのかしら…?」

 

「そうですか…。あっ…すいません」

 

「えっ…えぇ……」

 

ユウと友希那は千聖の答えを聞くと謝罪しながら肩を放して千聖から距離を置くと、その行動の意味が分からず、千聖は困惑していたがそこから更に状況を引っ掻きまわす存在がやってきた。

 

 

 

 

 

「おねーーーちゃーーーん!!」

 

「ひっ…日菜!?」

 

「皆さん!!お疲れ様です!!」

 

「えっ…イヴさんまで!?」

 

「だって、2人と遅いんだもん…!!」

 

「お2人が戻らないので様子を見にきま……っ!!すみません!!」

 

「…ん?なんでしょうか?」

 

何故かこのタイミングで日菜とイヴの2人がこの場にやってきた。

完全に予想外の人物の登場に驚きを隠せない面々だったが、そんな中で誰から聞かれた訳でもないのだが、2人はここに来た理由を話し始めたと思ったらイヴはユウの事を見ていきなり言葉を止めて、ユウに声をかけてきた。

 

彼女はイマジンにあってないことも会って特異点かどうかすら判断できないユウはとりあえず話を合せようと声を返したが――――

 

 

 

 

 

「初対面で申し訳ありませんが!!あなたから凄まじいブシドーを感じます!!ぜひともその秘密をご教授願いたく!!」

 

「……はい?」

 

「是非お願いします!!シショウ…!!」

 

「し…師匠…?」

 

イヴの完全に予想外の言葉にユウは自身の耳を疑って思わず聞き返してしまった。

 

確かにユウはイヴの攻撃を躱して彼女を止めたが、仮にその事を覚えていたとしても何がどう転んだらそうなるのか?と彼の中では全く繋がらずに困惑していると、そこにさらに爆弾が投げ込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!!この人知ってる…!!おねーちゃんがスマホで写真見てた人だ…!!」

 

「えっ…?ひっ…日菜…?そんな訳が……初対面で…」

 

「あたし見たもん!!家でおねーちゃんが写真見てるとこ!!」

 

日菜のカミングアウトに当の本人である紗夜が困惑し始めたが、日菜の強い語気は嘘を語っているようには思えず、紗夜は無言でスマホを取り出してその中に入っていた写真を確認し始めてると――――

 

「っ!?」

 

「紗夜さん?どうしたの…?」

 

 

「………〇※□◇#△!?」

 

「あっ!?紗夜さんが倒れた!?」

 

「あはは!!おねーちゃん、おもしろーい!!」

 

「何…?」

 

紗夜は自身のスマホに入っていたユウの写真を見つけてしまい、目の前にいる本人と写真からの感じる2重の恐怖に完全にパニックを起こして訳の分からない言葉と共に気絶してしまった。

そのせいで殆どの面々がパニックに陥っていたが、そんな日菜は姉の姿を見てケラケラと笑ってからユウに視線を向けると、それに気が付いた彼は先ほどのような日菜の暴走していた時のことを思い出して嫌な顔をなんとか隠しながらぶっきらぼうな言葉を返して身構えたが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君、面白いね!!あたし、興味出てきちゃった!!」

 

「はっ…?」

 

「あはっ!!変な声出してる~」

 

日菜から出てきたのは完全に想像の斜め上を行く言葉。

先ほどの思い込みで暴走するはた迷惑な日菜からは全く想像できない反応にユウは間抜けな声を漏らすが、それすら日菜の興味を惹いてしまっていた。

益々訳が分からなくなるユウだったが、それはユウが取っている日菜への態度を知っている友希那も同じだった。

 

「ユウ、どういう事よ…?」

 

「へぇ~…ゆーくんって言うんだ~。友希那ちゃんとかおねーちゃんについて色々とお話したいけど、あたし達もこの後練習があるから…また今度ね!!」

 

「そうでした…練習しないと…!!」

 

「それじゃ…私達はこれで失礼するわね…」

 

「では、シショウ!!これにて失礼します!!」

 

 

「紗夜!!しっかりして~!!」

 

「りんりん!!救急車!!救急車~!!」

 

「えっと…!!117…あれ…?」

 

 

 

「ユウ、色々と聞きたいのだけれど……どういう状況になってるのよ…」

 

日菜はマイペースに話を続けると、練習があると言ってパスパレの4人はそのまま練習をするために自分達の事務所へと帰っていき、リサ達3人はそんな彼女達の事を気に留めることなく気絶した紗夜を囲んでパニックを起こしていた。

 

そんな中で完全に取り残された友希那は横にいるユウに説明を求めると、ユウは頭を抑えなが状況を説明し始めた。

 

「分かるのは2つだけ、1つは白鷺さんは特異点じゃない事。それともう1つは―――」

 

「もう1つは…?」

 

 

「しばらくの間は紗夜さんの妹と若宮さんてクッソ面臭い人たちに絡まれるってこと…」

 

「そう…」

 

ユウはこれから起こるであろう厄介事を思い、苦々しい表情を浮かべて友希那に状況を話して項垂れるのだった。

 

 





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