忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
6/9はロックの日で6章開始
縁起がいいですね!!
ってことで投稿です!!


Kapitel-6
48話-羽沢珈琲店狂騒曲(カプリチオ)


「おにーさんとデネブさん…今日はありがとうございました…」

 

「燈ちゃん。天文部の片付けの手伝いくらいは簡単だから構わないよ」

 

「俺も掃除のしがいがあったから満足だ」

 

土曜のある日の昼下がり。

ユウは燈、そして上半身と下半身が逆転した砂状の身体になったデネブの3人が街の中を歩いていた。

ユウとデネブは燈だけしかいない天文部室の掃除を手伝う約束を果たしたこうしているのだが――――

 

 

 

「でも…」

 

「あぁ…うん…後ろのは…」

 

 

 

 

「まっ…待って……」

 

「ゆきちゃんは少し身体動かしたほうが良いよ…?」

 

「ぁ…あの…どこかで休んだ方が……」

 

「あ~……うん。このままだとゆきちゃんが死にそうだし、そうしようか…」

 

どこからかユウが掃除を手伝うことを聞きつけた友希那も参戦――――したのは良かったのだが、日頃の運動不足が祟って早々にリタイアしてしまい、今も疲れた体を引き摺って燈とユウの背中を頑張って追いかけていた。

そんな友希那に視線を向けて苦笑いを浮かべるが、流石にこれ以上は可哀そうな気がしてきた燈は休むことを提案をすると、ユウは少しだけ考えるが友希那が可哀そうに思えてきた彼はそれを受け入れた。

 

「そうしましょう……商店街が近いわ……羽沢さんの所が良いわね…」

 

「おにーさん、そう言えば…約束したって言ってましたね…」

 

「羽沢さんの方は約束どころか、俺のことすら憶えてないけどね…」

 

 

「ぇ……ぁ…」

 

「ユウ、別の所に…」

 

「いいよ。俺は気にしてないから」

 

友希那は休む場所として羽沢珈琲店を指名したが、ユウが言った言葉で2人は一気に曇りだす。

ユウはこの時代に来た日につぐみと会っていたが、花音と一緒にいた時にもつぐみに会った際にユウは自身の事を忘れていることに気が付いていた。

それを聞いてしまった燈は気まずそうな表情をし始め、友希那もそんな彼を気遣って場所を変えることを提案したが、ユウは特に気にしてないと口にすると友希那から視線を外して前を向いていた。

 

「ゆきちゃん、先行って注文しておくから」

 

「えっ…?」

 

「燈ちゃん、先行こうか」

 

「はい…」

 

「まっ……!!」

 

彼としては友希那が来たらすぐに休めるように先に注文する為の気遣いだったのだが、

当の本人にはそれが伝わらずにユウと燈は疲れていた友希那を置いて燈と共に先に羽沢珈琲店に向かい、その扉を開けていた。

 

「いらっしゃいませー!!あっ!!燈ちゃん!!いらっしゃい!!」

 

「こっ……こんにちは……」

 

「あれ?そっちの男の人は…?初めて見るけど…」

 

「えっと…燈ちゃんの友人です。すみません、後から1人来るので3人席でもいいですか?」

 

「はい!!では、お好きな席にどうぞ…!!」

 

入店を出迎えたのはこの店の娘であるつぐみ。

彼女は学校の後輩である燈に挨拶をしたが、一緒にいたユウの事を憶えておらず誰かと聞いてしまったが、ユウはそれを軽く流して後から来る友希那の為に3人で座れる席を確保して、何気なくメニューを取って燈に手渡した。

 

「あの…おにーさんは…?」

 

「珈琲にするけど…燈ちゃんは?」

 

「えっと…じゃあ…私も一緒のを…」

 

「分かった。……注文お願いします」

 

「はーい!!」

 

ユウは燈の注文を聞いてから店員を呼ぶと、先ほど案内したつぐみがその声に応えてすぐにユウ達が座る席へと向かっていた。

 

「ご注文お伺いします」

 

「オリジナルブレンド…後は今日のおススメケーキを3つずつお願いします」

 

「ぇ…?」

 

「それと、砂糖とミルクを多めにもらえますか?」

 

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

「あの…おにーさん?なんで…?」

 

ユウは何事も無いかのように注文し、それを聞いたつぐみがすぐに裏に向かっていくが、そんな中で燈はハッとした表情をユウに向けていた。

燈はケーキを頼んでいないのに彼女の分までケーキを頼んだ理由が分からず、思わずその事を聞くとユウはそんな燈に笑みを向けていた。

 

「だって、燈ちゃん食べたいって顔してたから」

 

「でも…お小遣いが…」

 

この間の弦巻さんのやつが使いきれないくらいあるから

 

「でも…」

 

「後から来るのは気にしてないから…」

 

「…ありがとうございます」

 

燈はお小遣いを考えてケーキを諦めたのだが、ユウは燈が食べたそうにしていたのを見抜いて彼女の分も頼んでいた。

流石に不味いと思ったのだが、ユウは以前にあった弦巻の件で貰った金が有り余っているとと、友希那はその事を一切気にしていないと告げると申し訳なさそうな表情でユウに礼を伝えていた。

その言葉を聞いてユウは笑みを浮かべたが、すぐに何とも言えない表情を浮かべ始めていた。

 

「後…燈ちゃん?」

 

「えっ…なんですか…?」

 

「1人は知ってるんだけどさ……あの人達は燈ちゃんの知り合い…?」

 

ユウはそう言いながら店のある一角を指差し始めると、燈はその指を追うと――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰!?このイケメン!?誰このイケメン!?」

 

「ロック!!何あれ!?」

 

「何やあれ…!?何やアレ~!?」

 

 

 

 

 

「えっと…はい…みんな知ってます…」

 

「そうなんだ…上原さん以外知らなくてね…。眼鏡の子は見たことはあるんだけど…」

 

そこにいたのは3人の女子。

ユウ達はその中にいたひまり以外の事を知らなかったのだが、燈は全員知っていると聞いて苦笑いを浮かべてから視線を向けたが、当の本人たちは向けられる視線に気が付いている様子もなく慌てふためいていたが、そんな状況に特大級の爆弾が投下された。

 

「よくも置いて行ってくれたわね……」

 

「ゆきちゃん、お疲れ様。ケーキと珈琲をミルクと砂糖多めで注文したからね」

 

「あっ…お疲れ様です…」

 

「そう……ならいいわ……」

 

 

 

 

 

 

「えぇ~~~!?友希那先輩!?」

 

「嘘っ!?マジで!?」

 

「あわわわわわ…!!訳が分からないよ!?」

 

燈とユウが2人でいただけで盛り上がっていたひまり達だったが、このタイミングで遅れていた友希那が店に入って来て迷うことなくユウ達の席に向かうと空いていた席に座って3人で話始めた事に驚かずにはいられなかった。

 

「透子ちゃん!!どうなってるの~!?」

 

「いやいや!!あたしの方が知りたいですって…!!」

 

彼女達は付き合いの短い燈についてそこまで知っている訳ではないが、友希那についてはそうではなかった。

少なくとも友希那と燈はそこまで気安い関係だとは知らなかったが、それ以上に友希那は最初に男の方に声をかけた挙句、男の方も友希那の事を愛称で呼んだというのは彼女達の人生の中で驚きの瞬間最大風速を更新するには十分すぎる破壊力だった。

 

「うるさいわね…」

 

「そう……ですね……」

 

「友達のお店だとしてもやりすぎかな…」

 

「一応私が先輩だから、少し注意したほうが良いわね……」

 

「ゆきちゃん…先輩って…」

 

だが、そんな騒がしい3人に友希那は思わず顔をしかめると、他の2人もその意見に同意していた。

いくらなんでも知り合いの店で騒がしすぎると考えた友希那は、2人に先輩としての威厳を見せるために3人に注意をしようと考えて、疲れで重くなった身体で椅子から立ち上がろうとしたが―――

 

 

 

「お待たせしました~。もう、ひまりちゃん達?お客さんもいるんだから静かにして?」

 

 

 

 

「あっ…先に言われちゃいましたね……」

 

「……そうね」

 

「威厳も何もなかったけど…」

 

「一言多いんじゃないかしら?」

 

「はいはい。あっ…ケーキがこれ男女で別になってるね…」

 

友希那が注意をする前に店員であるつぐみ、騒がしくしているひまり達を注意しながら、ユウ達の席に注文の品を持ってきた。

その光景を見て思わず呟いてしまった燈の言葉を聞いて友希那は席に座り直したが、ユウに軽口を叩かれたことでムッとした表情を浮かべていると、ユウは誰もが思わぬ行動を取っていた。

 

 

 

 

「ほら、俺のケーキ食べて落ち着いて?」

 

「「「「えっ…?」」」」

 

ユウは自分の元へ来たケーキをフォークで切ると、それを友希那の口元付近へと差し出していた。

その行動には先ほど騒いでいた3人に加え、店員のつぐみですら驚きの表情を浮かべていたが――――

 

「えぇ……んっ…チョコケーキなのに甘さが控えめなのね…」

 

 

 

「「「「へっ…?」」」」

 

あろうことか友希那はユウに差し出されたケーキを何の疑いもなく口にしたことの4人は驚かずにはいられなかった。

しかし、そんな中で彼女達の前では更に衝撃的な出来事が起こっていた。

 

「おにーさん…このショートケーキもおいしいですよ?」

 

「どれ……?んっ…これはかなり甘い……。なるほどケーキを口にした後に残った甘さで珈琲の味を楽しませようと………これなら普段よりも少し砂糖は少なめにした方が良いかもね」

 

「そうですか…」

 

「うん。それに比べるとこっちのチョコケーキは甘さ控えめだよ?ほら?」

 

「……ホントだ。大人の味…」

 

 

友希那に自分のケーキを食べさせたユウだったが、あろうことかその直後に燈とユウは互いにケーキを食べさせ合っていた。

 

男が2人の女にケーキを食べさせ、そのうちの1人とはケーキを食べさせ合う。

 

完全に普通ではあり得ない光景だが、それ以上にそれをやっている女が友希那と燈と言う完全に予想外の人物にそれを見ていた彼女達の頭は完全に壊れる寸前になってしまい―――――――

 

「「「「えぇ~~~~!?」」」」

 

 

「…?お店の中ですから静かにしないとダメですよ?」

 

つぐみ達は思わず驚きの叫びを挙げてしまったが、流石にこれ以上は不味いと思ったユウは思わず彼女達に注意の言葉を飛ばしてしまうのだった。

 





誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。

オマケ-主人公からの好感度(5章登場キャラ分
友希那→特異点。音楽してる時はカッコいいよ?音楽をしてる時”は”…
New!!)千聖→会ったばっかりの俺を心配してくれた良い人……!?それに抜いても…車の時はいいリアクションだな…!!
New!!)麻弥→機械弄り出来るし、白鷺さん同じように心配してくれるめっちゃいい人!!イマジンに狙われたとはいえ、あの運転に乗せたのは申し訳ない…
花音→その…巻き込んでばっかりで申し訳ない…!!でも、今回は俺も巻き込まれた側なんで…!!
紗夜→黒服制圧した話で感じた恐怖心は残ってるのに、何で俺の名前とかは忘れてんですか…
リサ→血の繋がった姉。
あこ→パニックになったけど、救急車を呼ぼうとしたのはいい判断だね。普段の子供っぽいのが嘘みたいだ…
燐子→パニックに陥ったとは言っても救急車の番号を間違えないでくださいよ…
New!!)彩→変な勘違いして気を失ってた人…正直よく分かんない…
New!!)イヴ→ブシドー言ってたけど、こっちは戦国時代に行って生き抜いたからね?でも、勝手に師匠扱いは止めて…!!
日菜→姉が絡むとめんどくさ過ぎるけど…それが分かった分…少しマシに思えるか…
―――越えられないライン―――

やったね日菜ちゃん!!ライン超え!!
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