忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
完全に主人公が今までと違ってヤバいことになってきて…
いやー楽しくなってきた!!
という事で投稿です


53話-どこもかしこも地獄だらけ

透子達との決別の翌日―――

リサ達Roseliaの3人はドレス製作をしている燐子の元へと向かっていた。

当然だが、彼女達の話題はウェディングドレスについてで――――

 

 

 

 

 

「りんりん、どんなドレスを作るんだろ…?」

 

「流石の燐子でも苦戦してそうだよね~」

 

「白金さんから「ウェディングドレスを作る」と聞いた時は耳を疑いましたが……コンテスト用にわざわざ用意するとは思いませんでした」

 

「それにしてもブライダルフォトコンテストかぁ…ちょっと興味あったかも」

 

「リサ姉も興味あったんだ…!?」

 

「そりゃ、ウェディングドレスなんて女の子だったら誰でも考えるでしょ~?」

 

「もしかして紗夜さんも!?」

 

「以前に日菜達が仕事でドレスを着てたのを見て、その…少しだけ羨ましいと思ってしまいました……」

 

女の子の憧れともいえるウェディングドレス―――

それを作ると聞いた彼女達は嬉々としてそんな燐子を送り出した。

そして今日はその様子を見るついでに燐子に差し入れをしようとしていたのだが、彼女達は燐子以外にも友希那の事が気になっていた。

 

「それにしても、湊さんが積極的に手伝っているとは思いませんでした」

 

「あこもそれには驚きました!!」

 

「最初に話を聞いた時はアタシも耳を疑ったからね。あの友希那が!?って本気で思ったし!!」

 

「前は驚きが強すぎて聞けませんでしたから、それも聞いてみましょうか」

 

そんな話をしながら歩いていた彼女達だったが、そんな軽い空気は一瞬で消え去ってしまった。

 

「……」

 

 

 

「ねぇ…あれ…何?」

 

「クジラのキグルミ…にしては巨悪過ぎるよね…?」

 

「明らかにおかしいですね」

 

 

 

「なんだ…?」

 

「ヤバい…!!逃げなきゃ…!!」

 

「「えっ…あぁ…」」

 

「リサ姉!!紗夜さん!!逃げなきゃ…!!」

 

彼女達の前に突如としてクジラの意匠を持つイマジンが現れた。

記憶が消えている彼女達は目の前のイマジンが何なのか全く分からないが、危険な何かだという事だけは本能的に理解が出来ていた。

だが、イマジンを前にして恐怖で動けずにいたが、相手には自分達の存在が気づかれてしま

い、ゆっくりとイマジンは3人の方へと歩み寄って来たのを見てあこは逃げ出そうとした。

 

しかし、そんなあこと違って紗夜とリサの2人は恐怖で完全に固まってしまっており、あこが必至に2人を引っ張るが小柄なあこ1人では紗夜とリサを引っ張るには力が全く足りていなかった。

 

 

「…契約の…邪魔……」

 

「嘘っ…!?」

 

そんな3人の元へイマジンが迫ってくると、武器である棒を3人の前で振り上げる。

流石のあこも武器が振り下ろされることに恐怖を感じて2人と同じように身体が固まってしまい、遂に武器が振り下ろされたが――――

 

「待てぇ!!」

 

「がぁ…!?」

 

「えっ……?」

 

いきなりの叫び声が聞こえたと思ったら、あこ達の前にいたイマジンの背中が突如として爆ぜた。

余りの急展開について行けないあこだったが、なんとかイマジンの後ろにいる誰かに視線を向けていた。

 

 

 

「変なお面…?」

 

「ユウ達の様子を見るために出てきたが、運が良かったな…」

 

あこの視線の先には黒い頭巾に金色の面をしたような人影がイマジンに向けて特大の指を向けていた。

その正体はデネブ。

彼はユウ達の様子を見に行こうと街を彷徨っていたが、偶然にリサ達と彼女達を襲おうとしていたイマジンを見つけて咄嗟に相手に攻撃を加えていた。

その攻撃によってリサ達から攻撃を加えてきたデネブへとイマジンの標的が移っていた。

 

「お~ま~え~…!!」

 

「むっ…いきなり攻撃をしてすまなかった!!」

 

「「「えっ……?」」」

 

「……」

 

「あっ…!!待て…!!」

 

いきなり攻撃をしたと思ったらデネブが相手に謝罪し始めた。

その光景に恐怖で固まっていたRoseliaの3人からは戸惑いの言葉が漏れてしまったが、その言葉を聞いたイマジンはやる気が削がれたのかこの場から逃げ出してしまった。

デネブがすぐにそれを追いかけようとしたが、襲われていた3人を気遣って追いかけるのを諦めると、あこ達の元へ駆け寄っていた。

 

「君達!!大丈夫か!!」

 

「えっ…はい…!!ありがとうございます!!」

 

「「……」」

 

デネブの問いにあこは応えて、助けてもらったことに素直に礼を述べていたが、リサと紗夜の2人は目の前のことが信じられずに未だに恐怖で固まっていた。

そんな状況で何を思ったのかデネブは自身の懐を漁り始めると、そこからあるものを取り出してた。

 

「はい。キャンディーどうぞ」

 

「「はぁ…?」」

 

「わぁ!!ありがとうございます!!って、2人ともこれ凄いよ!!この人そっくり!!りんりんと友希那さんにも見せてあげなきゃ!!」

 

懐から取り出したのはペロペロキャンディー型の”デネブキャンディ”。

それをあこ達に手渡し始めたデネブの行動に戸惑うリサ達を他所にあこはペロペロキャンディーに面に描かれたデネブの顔に驚いていた。

 

「それですまないが…君たちは友希那の知り合いなのか?」

 

「はい!!友希那さんと同じバンドやってます!!」

 

「なら良かった。彼女の知り合いの”ランコ”って人を知ってるだろうか?同じバンド?らしいのだが…」

 

「あの…!!それランコじゃなくて、燐子です!!」

 

「むっ…また名前を間違えて覚えてたのか…。友希那と燈、それとその燐子と言う人と一緒にいるはずのユウと言う人を探していたのだが…」

 

「それなら一緒に行きましょう!!これから友希那さん達がいるりんりんの家に行くので!!もしかしたら一緒にいるかも…!!」

 

「そうか…なら、お願いしよう」

 

「はい!!近くだからすぐ着きますよ!!」

 

「「えっ…?」」

 

デネブはユウのことを探していたが、知っていたのは友希那達と一緒にいるという事だけ。

そんな僅かな手掛かりで街を探し回っていたが、3人が友希那達を知っているなら話は早いとユウのことを聞こうとしたが、あこはこれから向かう燐子の家に一緒に行くことを提案していた。

 

当然その展開について行けないリサと紗夜だったが、それを気にするあことデネブではなかった。

 

「あこ!!宇田川あこです!!そっちがリサ姉と紗夜さん!!」

 

「俺はデネブ、リサに…サヨコにアンコだな…!!」

 

「ちょっと!?おデブ!!リサ姉以外名前があってないよ!?」

 

「ちょっとあこ…おデブって…」

 

「リサ、俺はそう呼ばれることもあるから構わない」

 

あことデネブが互いに紹介するが、デネブがあこと紗夜の名前を間違えて覚えてしまった。

だが、あこもデネブの事を愛称で呼び始めるが、その愛称は蔑称に近いモノで何とか我に返れたリサが止めようとしたが、デネブとしてはそう呼ばれることもあったため全く気にしてはいなかった。

 

「ここに…」

 

「りんりん達、どこまで進んで――――」

 

そして、デネブが名前を正しく覚えようとしていたが、すぐにユウ達がいるはずの燐子の家の前までやって来てしまった。

あこは燐子の家の前まで来たことで彼女達の進捗が気になり始めるが、家の中に入ろうと呼び鈴を鳴らそうとインターホンに手を伸ばしたその瞬間―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴぇぇぇぇえはっはっは!!」

 

「「は…… ?」」

 

「りんりんの家からだ…!!」

 

「あんこ、勝手に人の家に入るのは良くない」

 

突如として燐子の家の中からとてつもない奇声が響きわたってきた。

その事に驚いた紗夜とリサを他所にあこが一目散に燐子の家に突撃していき、デネブがその後を追いかけると、紗夜とリサも怯えながらも燐子の家に入るとそのまま燐子がいるであろう彼女の部屋に入っていくと―――

 

「えっ…エナドリの山…?」

 

 

「「………」」

 

まず飛び込んできたのはうず高く積まれたカラになったエナジードリンクの山と、その近くに友希那と燈が床で寝ていた。

これだけでも異常な光景なのだが――――

 

 

 

「ヴぇぇぇぇえはっはっは!!…ブゥン!!」

 

「ふっふっふっふ……」

 

「あっはっははは!!」

 

その部屋の中央ではユウと燐子と愛音の3人が奇妙な声を挙げながら作業に取り組んでいるという先ほど体験したのとは全く違う地獄のような光景が4人の前で繰り広げられていたのだった。

 





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