デネブの事を見ても誰も突っ込んでない…
ミッシェルに毒され過ぎでは…?
って思い貸せしながら初投稿です
3人の暴走―――と言う珍事もあったが、一同は白金邸で燈のコンテストに向けた準備を進め、気が付けば撮影予定の前日まで時は流れていた。
「撮影は明日ですか……!!ようやくここまで来ましたね…」
「でも、ドレスはなんとか完成しましたね…」
「と言っても、3日前には殆ど出来てて、今日までは細かい所の修正してただけですが……」
燈用のドレスは何とか完成した――――
完全に燈用にサイズも調整した彼女の為だけの世界で1着だけのドレス。
3人は以前のハイテンションが嘘かの様に大真面目にそのドレスに向かい合ってあれこれ話し合っていた。
「ユウさん、私としては花柄レースで色々盛っても良かったと思いますけど……燐子さんはどう思います?」
「ドレス単体では派手さはないですが……。高松さんには装飾を増やすよりも減らした方が良いと思いますよ?」
「あ~…ともりんはそう言うのいらないって言いそうだなぁ…」
「愛音ちゃんの気持ちも分かるけど、今回の主役は燈ちゃんだからね?」
「分かってますって!!」
「どういう写真が良いんだろう…?」
「高松さん。コンテストの写真は1枚だけだけれど、撮影の時に取るポーズは1つだけにする必要はないのだからいくつかいくつか考えてみましょう」
「分かりました……」
「みんな~、おやつが出来たぞ~」
「デネブの言う通り、一旦休憩にしましょう」
そんな話し合いをしていた彼らの横で、燈と友希那の2人がブライダル関連の雑誌を見ながら写真の構図について色々と思案しており、正に進捗は順調そのもの。
そんな中で白金邸のキッチンからお菓子を両手に持ってデネブが顔を出して作業をしているのとは別の机にお菓子をおく。
その声を聞いた友希那が休憩の言葉を口にすると一同は一端作業を止めてデネブが用意したお菓子の方へと集まっていたが――――
「わーい!!おデブのおやつだー!!」
「あこちゃん……。私のパソコンでゲームしようとしてただけだよね…?」
「いや、そもそもとして…なんであこがここにいるのかしら?」
「だって、みんなが暴走しない様に紗夜さんと一緒に見張るようにリサ姉と紗夜さんに頼まれたんだもん!!」
それに一番最初に食いついたのはあこだった。
デネブのおやつにテンションが上げていた彼女だったが、そもそもあこは特に作業をしている訳ではなく部屋の隅で燐子のパソコンで遊ぼうとしていただけ。
本来ならいなくてもいいのだが、先日の暴走のせいでリサと紗夜によって見張りとして彼女がこの場にいた。
しかし、仮に3人が再び暴走したとしても、一切止めることの出来ないのは見張りとしての意味など皆無にしか思えず、ユウはその事を詰めることにした。
「まぁ…見張り云々は良いとしても…。あこちゃんにそれを頼んだ2人は何してるの?」
「リサ姉はモカちんとバイトしてるって!!」
「…で?紗夜さんは?なんで来てないの?」
あこはリサがバイトでいないことを皆に伝えた。
プロのミュージシャンがバイトしているのも考え物だが、理由自体は納得出来るものだったが、一方で紗夜の方は一切バイトをしていない。
ユウは紗夜がバイトをしていない事など一切知らないが、紗夜があこに見張りを頼んだ事が不自然だと感じて聞いてみるも、あこは唸りながら紗夜の事を考えていたが―――
「あれ…?そう言えば…来てない理由聞いてない…」
彼女は全く理由が思い当たらずにいた。
だが、そんな彼女を他所に愛音は学校の先輩でもあるあこを可哀そうなモノを見るような視線を向けていた。
「あれ……面倒だからって押し付けられてません?」
「えぇ…間違いないわね…」
「氷川さん…何故か中島さんの事を怖がってましたから…」
「可哀そう……」
「でも、おデブのお菓子食べれるからいいもん…!!」
「こらこら、みんなの分なんだから…」
完全に面倒ごとを押し付けられたと感じずにはいられない言う愛音の言葉に他の面々は同意しながら頷いていた。
だが、あこはデネブの菓子があるからいいと言って、デネブに窘められながらも目の前にある菓子を貪り始めると、他のみんなもあこの後を追うように菓子に手を伸ばし始めていく。
「とりあえず、今日はこれで終わりにして明日の撮影に備えましょうか…」
「ドレスは明日まで私の部屋に置いておきますね?」
「ぁ…お願いします……」
完全に作業が終わって後は撮影だけ―――
これで一段落着いたと思っていたが、作業が終わり冷静になった愛音はあることに気が付いてしまった。
「あれ…?私達、そう言えば…撮影場所を生で見てないですよね…?」
「「「あっ……」」」
「えっ…?」
今までは作業の方に意識が向いていたせいで全く気が付いていなかったが、彼女達は写真を見ただけで一度も撮影場所として予約しているチャペルに顔を出していなかった事をこのタイミングで思い出したのだ。
「あ~…俺は打ち合わせとかで何回か行ってたけど…みんなを連れて行ってなかったね」
「ユウ、みんなで行ってみましょう」
「私も行ってみたいです!!ともりんも場所見たらどんなポーズが良いか分かるかもしれないし…!!」
「うん……!!」
「お菓子…」
「持って行こう」
「やったー!!」
愛音の一言によって、モデルの燈を先頭に裏方のユウと愛音と燐子、賑やかしの友希那に食事担当のデネブと監視役のあこを加えた6人とイマジン1体はそのまま燐子の家を出て、目的地であるチャペルに向かったのだった。
ユウ達一行がチャペルへ向かっていたのと同じ頃、ひまりとロックの2人は街を歩いてい
たのだが、歩く2人の表情は普段の彼女達に比べると格段に暗いものになっていた。
「うぅ……大丈夫かな……」
「ひまり先輩……」
「だって、このままじゃ場所が無いんだよ…折角ここまで準備したのに…」
「でも!!これから行くのは検討してくれてたところなんですから…!!」
彼女達もコンテストに向けて今日まで準備を進めており、準備もほとんど全て完了していた。
しかし、彼女達が色々と手を尽くしていたのだが写真を撮るための場所だけが決まっておらず、これから唯一希望の持てる返事をくれたチャペルに足を運んで直接交渉に向かおうとしていた。
「だけど、日程的にもかなり厳しいし…それにこれで決まらなかったらここまで頑張ってくれたみんなに申し訳なくて……」
「……大丈夫ですよ!!きっとひまり先輩の思いは伝わりますから!!」
だが、コンテストの締切まで殆ど時間がなくひまりの状況は厳しい。
ここで失敗したらと他の手伝ってくれたみんなに申し訳ないと思っていたとことでロックに励まされていた。
「……うん!!そうだよね!!」
「……」
「着いた…!!よーし!!頑張るぞー!!」
励ましの言葉によってひまりは笑みを取り戻したのを同じタイミングで、2人は目的地になったチャペルに到着すると、スタッフに最後の交渉を始めていた。
「――――――そんなに時間はとりませんので、明日か明後日のどちらかでもう一度考えてもらえないでしょうか……!!」
「すみません。既に予約が入っておりまして…」
「本当に撮影だけなので、すぐ終わります!!お願いしますっ!!2時間……いえ、1時間もあれば――――」
「申し訳ありません」
ひまりは懸命にスタッフを説得やロックもとしていたが、スタッフからのOKは出なかった。
「本当に少しでいいんです!!お願いしますっ!!」
「―――申し訳ありませんが、出来かねます」
「…30分でもいいんです!!」
「本来ならば見せてはいけないのですが…こちらの予約表を見ていただけますか?
午前中は8時から10時で予約が入っている後に、清掃を挟んで12時から15時までの予約が入っております」
断られたことで落ち込み始めたひまりの横でロックが嘆願するも、スタッフの方には一切取り付く島もなく、要望が却下されてしまった。
そして、スタッフは2人を納得させるために本来ならば見せてはいけない予約表を見せていたが、ロックはスタッフに食らいついて見せた。
「あの!!予定表では10時から12時までは空いています!!調べただけですけど!!通常では結婚式でチャペルを使うのは30分から1時間くらいのはずでは……!!」
「チャペルに関してはその通りですが…、こちらでは清掃時間という事になっております」
「なら…!!チャペルはこの時間は空いているはずでは…!!」
ロックは空いている時間を見つけていた。
清掃と準備の時間という事で空いていたこの時間にねじ込むことが可能だという僅かな可能性に賭けようとしていた。
僅かでもチャペルが空いてるならばその間になんとか出来ると思っていたが―――
「本来ならばお貸し出来たのですが……控室の空きがない状況なのです」
「控室が…ない…?」
問題はチャペルではなく、控室の方だった。
「あの…なんで控室が…?」
「現在、施設の一部が改装工事中でして、本来ならば控室として使っている部屋を資材置き場や工事スタッフ用の休憩室として使用している状態でして…
いくらチャペルが空いていても控室が無ければ着替えも出来ません。それにドレスを着てここに来るわけにも行かないでしょうから…」
「「……」」
チャペルに関しては全く問題ないが、彼女達が着替えるための場所がない。
本来ならば説明する必要のないことを説明されてしまい、2人は完全にどうしようも完全に心が折れてしまった。
完全に意気消沈と言った様子の2人にスタッフも困ったような表情を浮かべてしまい、チャペルには不釣り合いの暗い空気が漂っていたが――――
「あれ見て!!ひーちゃんにろっかだ!!」
「本当だわ…上原さん達ね?」
「えっ…?あこちゃん…!?」
「友希那さんに燐子さん達までいる!?」
そんなタイミングでユウ達一行がひまり達の目の前に現れていた。
既にこの場にいた2人は思わぬ人物達の登場に驚いていたが、ひまり達の話を聞いていたスタッフは2人の前でユウへの対応を始めていた。
「あぁ…!!予約されていた湊様ですね!!どう言ったご用件で?」
「急に押しかけて申し訳ありません。私以外誰も会場を見ていなかったので…可能でしたら見学させていただきたいと思いまして…」
「今でしたら空いていますので、ご案内します」
「「えっ…!?」」
「ひーちゃんとろっかも行こ!!」
ユウは湊と呼ばれたことと、予約していたと口にしたスタッフの言葉。
この2つの出来事のせいで完全に状況についていけずに固まってしまった2人だったが、そんな2人に気が付いていなかったあこが2人の腕を引いてユウ達の後を追いかけると、彼らはそのまま海が見えるチャペルまで案内されていた。
「わぁ……」
「凄いですね……」
「えぇ…写真で見た時も驚いたけれど、実物はそれ以上ね…」
「すごーい!!」
ユウ以外は初めて見る実物に感動しており、チャペルを見渡して各々が感動の言葉を漏らしていた。
そして、後から来たあこもその光景に素直な感想を口にしたが、彼女に連れられたひまりはそうではなかった。
「うぅ~~~~……」
「ひーちゃん!?急に泣いてどうしたの!?」
「ひまり先輩!?」
連れられてきたひまりは目の前の光景を見て泣き出してしまった。
それもそのはず、目の前には自身が望んでいた光景が広がっていたのだが、それはひまりの手には届かない場所でもあった。
スタッフの言葉だけなら何とか耐えられたが、目の前に広がる理想の光景とそこで写真を撮るという夢を叶えられない現実が同時にやってきてしまったひまりは泣かずにはいられなかった。
当然だが、あこはそんなことを知る由もなく困惑していたが、事情を知るロックはひまりを慰めていた。
そして、その事に気が付いたユウはスタッフの方へと声をかけていた。
「あの、先ほど彼女と話していたみたいですが、彼女達は俺の知り合いなので出来れば教えてもらえますか?」
「明日か明後日にここで写真の撮影がしたいと相談されていたのですが、既に予約が入っているとお断りした所で…」
「なるほど…」
「そんな所でともりは写真撮るんだ…!!」
「うわぁああああ~~~~~~!!」
「うわっ!?ひーちゃん!?どうしたの!?」
「あこちゃんは黙ってて!!」
ユウはひまり達の事情を聞いて納得したが、そのタイミングであこの煽り染みた無自覚な言葉がひまりを襲い、彼女は更に大号泣してしまい、更に困惑するあこを他所にロックは無自覚にひまりを傷つけたあこを黙らせた。
何とも言えない空気になるが、ユウは少しだけ考えてからスタッフに話しかけていた。
「本当に予約は空いていないんですか?」
「…湊様の予約の前に2時間空いています。ですが、清掃の為に予約は1時間空けることになっていまして…」
「清掃に1時間…それで上原さん達に貸す時間がないってことですね?」
「そうなります…」
「なら、俺達の開始時刻を1時間前の11時からに変更して、11時から15時までの予約に変更は?」
「……可能ですが?」
ユウはこのタイミングで開始時間を1時間前倒しにするという唐突な予約変更を申し出ていた。
時間を前倒しにして4時間も場所を確保する意味が分からないが、清掃時間だけで言えば全く問題がないとスタッフが言葉にすると、ユウは笑みを浮かべていた。
「なら、俺達が1時間余計に借りて、その時間で上原さん達が写真を撮ればいい」
「「えっ……?」」
ユウの思わぬ言葉にそれを聞いたひまりとロックは完全に話について行けなくなっていた。
彼女達からしたら突如として沸いた話だが、スタッフとしては色々と問題があった。
「ですが、規約上では別の人に貸す際に清掃を挟む必要が………」
「規定上は別の人間に貸す際に清掃を挟む必要があるなら、同じ人間が借りてることにすれば清掃の時間が無くなりますね?」
「ですが、控室の方が…」
「彼女達とは知り合いですから、俺達は一緒で問題ありません」
「……でしたら、こちらとしては料金の追加さえお支払いしていただければ問題ありません。こちらとしてもあちらの方の要望には応えてあげたいと思っていたのですが、規約上できませんでしたので…」
「まぁ…ここまで話してたけど…後は上原さん達次第だけどね?」
清掃や控室の問題があったが、その問題に出したユウの答えは厳しくはあるものの規約上では一切問題になるようなものはなく、スタッフ側がユウの案を了承する態度を見せた。
規定に引っかからない以上は止めたくても止められないのだが、心情としてはひまり達の要望には答えたかったと吐露を聞いたユウは笑みを浮かべてひまり達の方へと振り向いたのだが――――
「うわぁああああああああ!!ありがとうございますぅ!!」
「うわっ!?」
ひまりは感極まってそのまま感謝の言葉を口にしながらユウに抱きついた。
しかし、いきなりすぎる行動にユウは対応しきれず、ひまりの勢いに負けてそのまま地面に押し倒されてしまったが、彼女の追撃はこれで終わらなかった。
「ありがとうございます!!」
「ぐぇっ…!!」
「お礼に何でもしますから~!!」
「ギ……ギブ……」
「上原さん!!なんでもするならまずは離れて―――!!」
「友希那さん!!ひーちゃんも悪気があってやってる訳じゃないんですから~!!」
「あこちゃんの言う通りですよ~!!」
地面に押し倒したひまりはユウの頭を抱きしめていた。
そして、ユウは彼女の胸に押し潰されて溜まらず地面をタップするが、ひまりはそれに気が付かずにさらに力を込めて抱きしめ始めていた。
そんな光景を見て暴走しかけた友希那をあことロックの2人がかりで止めに入るのだった。
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