忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
空気の読めないイマジンさんでしたね!!
ですが、空気読めないのはイマジンさんだけじゃありません!!
という事で本章完結編です!!どうぞ!!


59話-やはり彼女達のブライダルは――――――

―――私はこの空気が嫌いだ。

こんな所に来たくはなかったが、それでも私はこの空気の一部になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「立希、お父さん達来れないって言ってたから、高校最後の演奏会に来てくれたんだ…」

 

「姉貴……」

 

今日は私の4つ上の姉貴の高校生最後の演奏会。

それに来れなくなった家族の代わりに私が1人で見に来ることになったのだが、こんな所に来たくなかった。

 

「真希先輩!!やっと見つけ…って、妹さんと一緒だったんですね」

 

「妹さん…って同じクラス」

 

「うん。高校最後の演奏会だから来てくれたんだって」

 

「へぇ~…」

 

そんな時にやってきたのは姉貴と同じ吹奏楽部に入っている私の同級生。

だが、そんな彼女は私の事を「姉貴の妹」としてしか見ていないその目が嫌いだった。

 

 

 

 

「立希、私はみんなの所に行ってくるから。あそこにいる羽沢さん―――えっと、生徒会の人の案内を聞いて入って来てね?」

 

「……分かった」

 

1人が好きな私と外面の良くて人に囲まれて有名人の姉貴を比べて来るのが嫌い。

 

そして、この同級生だけじゃなくて、羽丘ではどいつもこいつも私の事を「姉貴の妹」と言う目を向けてくるのが嫌いだ。

 

そんな私の思いなど知る由もない姉貴は私を置いてそのまま部活の方へと向かおうとしていたが、姉貴の周りには部活のメンバー達だけではなく花咲川や月ノ森と言った他校の生徒達にすら囲まれて、その度に何人かは私の方へと視線を向けて姉貴と私を比較してくるのが大っ嫌いだ。

 

 

「なんでこんな……」

 

嫌な思いが積もっていく感覚を憶えていく。

そして、その思いが爆発しそうになったような感覚と共に―――

 

 

 

 

 

 

 

「ついた~~~~……」

 

「はっ…?」

 

私の中から見たことのない化け物が飛び出して――――

 

 

「はぁ…!!」

 

「えっ……?」

 

いきなり勢いよく水を吐き出したと思ったら、その吐き出された水は容易く私の目の前で姉貴や生徒会の人を身体を削って命を奪い始めたのだった。

 


 

 

 

 

立希を花咲川に置いてからイマジンが過去に飛んだのを追いかけるべく、ゼロノス達は車両の最後尾にあるデッキからゼロライナーの車内に移っていた。

 

「燈ちゃん、ドレスで動き回るのは大変だから客室に着いたら下ろすよ…」

 

「わっ…分かりました」

 

ゼロノスは燈を抱えたまま車内を走り出して操縦席へと向かいながら、その途中にある客室に飛び込んだ。

 

「遅かったじゃない」

 

「ゆきちゃん!?…まぁいいや…2人ともここにいて」

 

「えぇ…」

 

ゼロノスが飛び込んだ客室の座席には何故か友希那が座っていたが、その事について問答することはなく、ゼロノスはそのまま燈を下ろすとそのまま操縦席まで走ってバイクに跨った。

 

 

 

 

 

「自分のことを願うのが多いけど…立希ちゃん、氷川と同レベルじゃねぇか…!!」

 

そして、ゼロノスはゼロライナーを過去に向かって走らせるが、その最中で彼が思ったのは今回の契約者である立希のこと。

イマジンの契約をどれも自身の事を願うのものが大半だが、彼女がイマジンと契約した内容が以前の日菜と同レベルで酷いものだと憤慨し、怒りにも似た感情をぶつけるように操縦していたが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「それならそれもこれも同レベルじゃないかしら?」

 

「ゆきちゃん…!?デネブは!?」

 

「高松さんと一緒よ…」

 

ゼロノスのその言葉は操縦席にやってきた友希那にも聞かれてしまい、彼女がここにいることに驚いたゼロノスはそんな状況でも操縦を続けていた。

 

「客席に居てって言ったよね?」

 

「えぇ…でも、あなたに言うことがあって来たら独り言か聞こえたのよ」

 

「…それでゆきちゃん、俺に言う事って…?」

 

「…椎名さんのことよ」

 

「立希ちゃんの?」

 

「えぇ……」

 

「もうすぐ着くから話は後で…」

 

ゼロノスは友希那と言葉を交わしていたが、もうすぐで過去に着くと言うタイミングになって彼女との話を打ち切ろうとした。

しかし、友希那は丁度過去に到着したのと同じタイミングで自身が伝えたかったことを口にした。

 

「椎名さんが契約した原因だけれど…手伝いを断った私達にあるかもしれないわ…」

 

 

 

「えっ…?」

 

友希那のカミングアウトにゼロノスは思わず操縦から意識が離れてしまい、視線を前から友希那の方へと向けてしまった。

 

それもそのはずで、原因が自分達だと言われては気にならない訳がない。

思わずその事を言及しようとしたゼロノスだったが――――

 

「ユウ!!前―――!!」

 

「えっ…?あっ…!?」

 

友希那の叫びを聞いてゼロノスは操縦に意識を戻して前を見たが……

 

「「あっ……」」

 

時すでに遅し―――操縦席のモニターに映った光景にユウと友希那は間抜けな声を挙げてしまった。

それもそのはず、なぜならば―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ、ちゃんと前見ないから相手のイマジンを轢くのよ…」

 

「あぁ~……うん……」

 

ゼロライナーの進行上には追いかけてきたはずのイマジンが居て、あろうことかゼロノスはゼロライナーでそのままイマジンの事を轢いてしまい、ゼロライナーと衝突した衝撃に耐えられなかったイマジンが爆散してしまった。

 

何とも言えない決着に操縦席の中が何とも言えない空気に包まそうになっていたが、これで終わらなかった。

 

「ユウ!!」

 

「あれは…」

 

「相手が大きな蛇になったわよ…!?」

 

「暴走したか…」

 

あろうことかゼロライナーで轢いて爆散させたイマジンが、このタイミングで暴走して蛇のような見た目の”ギガンデスハデス”へと変貌を遂げてしまった。

 

初めて見る光景に驚く友希那だったが、ゼロノスは一気に意識が戦いの物へと切り替えてバイクのスロットルを全開にして速度を上げると、それに釣られるようにギガンデスもゼロライナーを追いかけ始めていた。

 

「ゆきちゃん、壁に捕まって!!」

 

「あんな大きいのをどうするのよ…!?」

 

「ゼロライナーで倒す…!!」

 

そう言って戸惑う友希那を他所にゼロノスはゼロライナーを操縦していたが、背後のギガンデスはゼロライナーに向かって火球を飛ばすも、ゼロライナーは容易くその火球を回避しながら距離を稼ぐと一気にターンしてギガンデスの真正面に向かって速度を上げ始めていた。

 

「ユウ…!?ぶつかるわよ!?」

 

「大丈夫…!!しっかり捕まって…!!」

 

「どこが大丈夫なのよ!?」

 

友希那は目の前のギガンデスに向かって突撃していく光景に悲鳴のような叫びをあげてしまった。

 

だが、それも当然で先ほどのイマジンとは明らかにサイズが違う巨体相手に真正面からぶつかるなど普通に考えれば正気の沙汰ではない。

友希那はその恐怖に声を荒げるも、ゼロノスはそれを無視してギガンデスの頭部に速度の乗ったゼロライナーを先頭を激突させていた。

 

 

 

 

 

「――――――――!!」

 

「えっ?」

 

「言ったでしょ?」

 

友希那の予想に反してゼロライナーは全くの無傷で激突されたギガンデスがその衝撃に叫びのような音を挙げる予想外の光景に驚いた友希那。

 

だが、ギガンデスはゼロライナーの体当りを受けてもまだ力は残っていた。

 

「後ろに巻き付いてきたか…」

 

「どうするのよ!!これじゃ高松さんが……」

 

「慌てないの…!!」

 

ゼロライナーの後部車両がギガンデスに巻き付いていく。

その車両には燈がデネブがおり、このままでは潰されるのではと言う不安で再び慌てる友希那を後目にゼロノスはゼロホーンのボタンを操作して後部車両を分離して離脱してしまった。

 

「ちょっとユウ!!なんで…」

 

「ここからがだよ!!」

 

「何がよ…!!」

 

「一気に決着を付けるんだよ!!」

 

後部車両を切り離した。

 

友希那からしたらその行動は燈達を見捨てているに見えてしまった友希那はゼロノスに声をあげたが、彼からしたらそんなつもりは全くなく、むしろここから一気に決着を付けるつもりだった。

 

「何をするつもり!?」

 

「連結だよ!!」

 

当然その意味が分からない友希那だったが、そんな口論をしている間にゼロノスは先頭車両だけを操縦してギガンデスが巻き付いていた後部車両の後ろに連結し直すとすかさずゼロホーンのボタンを押した。

 

その行動の意味分からず困惑していた友希那。

しかし、操縦席の前にあるモニターには信じられないものが映っていた。

 

「レールが離れて…飛んでる…!?」

 

ゼロライナーは車両の前後を入れ替え、バトルモードと呼ばれる状態へと変形させると後部車両の屋根からは突如として回転翼が現れ、それが回ると同時に巻き付いていたギガンデスの身体が翼によって切り裂かれると同時に車両がヘリコプターの様に空へと飛び立っていた。

 

 

 

「なんで電車が飛ぶのよ!?」

 

「俺に質問しないで!?バラバラになったからこれで…」

 

友希那のツッコミにゼロノスは答えられないが、それを気にせずに飛び上がった。

身体を斬り刻んでバラバラになったこれで倒したと思ったその瞬間、ゼロライナーに火球が直撃し車両が大きく揺れていた。

 

 

 

 

「ぐっ…!!まだ生きてるのか…!!」

 

「頭だけ…なのに…!?」

 

火球を放ったのはギガンデス。

だが、相手はゼロライナーの翼でバラバラにされたにも関わらず、切り離された頭部だけで未だに活動を続けていたのだ。

 

余りの光景に何度目か分からないほど驚いた友希那だったが、そんな状況でゼロノスは連結を解除すると、ゼロノス達が乗っている車両が自由落下し始め、そして翼を出していた車両がそのまま後部に連結されて最初の状態に戻ると、ギガンデスへと急降下するようにレールが現れてゼロライナーはその上を走って突撃していた。

 

 

 

 

 

「これで終わりだ!!」

 

だが、今回の突撃は最初のとは違う。

先ほどはそのまま突撃したが、今回はゼロノス達がいる先頭車両もバトルモードへと変形して、先端にドリルが展開し、重力と加速で速度を一気に上げるゼロライナーはそのまま先頭のドリルで残っていたギガンデスの頭部を貫き――――

 

 

 

 

再び爆発を起こしてギガンデスは今度こそ粉々に砕け散ってその活動を停止した。

そして、今度こそ戦いが終わった事を確認したゼロノスはベルトを外して変身を解除して友希那の方へと振り返った。

 

「終わったよ」

 

「何がどうなってるのよ…」

 

「燈ちゃんも聞きたいだろうから、ギガンデスのことは後で説明を―――」

 

友希那は目の前の超展開について行けなくなっていたが、燈にもギガンデスの説明する必要があると感じたユウはこの場での説明すると言って切り上げようとしたが――――

 

 

 

 

「なんで列車がヘリになるのよ!!」

 

「俺に聞かれても分かんないよ…」

 

友希那の疑問はそっちではなかった。

しかし、ゼロライナーの変形について”何故?”と問われても答えられないユウは苦笑いを浮かべて聞き流しながら、そのままゼロライナーを操縦して過去から現代に戻っていくのだった。

 


 

「ひまりちゃん!!いいね~!!るんってきたー!!」

 

「えへへ…そうですか?」

 

「はい!!いいですよ!!ヒマリさん!!」

 

「いいんじゃないかしら?撤収まではあまり時間がないけれど、一端こっちでメイク整えるわよ」

 

「はいっ!!」

 

現代ではひまりがチャペルで撮影を行われており、ひまりが慣れてきた事もあってか写真の出来も上々。

少なくとも千聖やイヴからOKが出るほどの出来にはなっており、順調に撮影をこなしていた。

 

 

 

「ともりん、遅いなぁ…」

 

「直すのに手間取っているんでしょうか…?」

 

「りんりん、友希那さんも一緒だよね?」

 

 

 

 

「あこ、燐子…」

 

「友希那さん!!」

 

「高松さんの準備は…?」

 

「今はそこの扉の前で待機してるわ」

 

そんな中で燈の方の準備をしていた面々は未だに現れない彼女の事を心配し始めて徐々に不安になって来ていたが、このタイミングで友希那が戻ってきたことで燈の準備について問いただし始めると、扉の前で待機しているという言葉に驚いてた。

 

「なら、そっちの撮影しましょうか。入場からでいいわよね?」

 

「えぇ…」

 

「初めて見るから気になるな~」

 

「彩先輩、そうですね!!」

 

 

 

「そうなってるのね…」

 

「友希那さん?」

 

「なんでも無いわ。千早さんとあこは扉を開けてもらってもいいかしら?」

 

「はい!!」

 

友希那の説明を聞いて、この場にいた彼女達は燈のドレス姿を始めてみると言う言葉を聞いて1人で納得しつつ、あこと愛音に扉を開けるように指示を出すと、2人はそれに従って扉を開けると――――

 

 

 

 

「2人で入場だ~!!」

 

「ユウさん…!?」

 

「でら、綺麗やわ・・」

 

扉の前にいたのは燈とユウ。

燈はユウにエスコートされるような形でチャペルの中を堂々と歩いていくと、周囲からはその光景に憧れにも似た視線を向けていた。

そんな視線の中で2人はチャペルを歩いて祭壇の前まで歩いていくと、2人は互いに向かい合うとユウがゆっくりと燈の左手を掴んでいた。

 

「えっ…!?嘘やろ…!?」

 

「うわぁ~!!指輪はめるシーンだよ!!透子ちゃん見て!!」

 

「ひまりさん落ち着いてくださいって…」

 

「燈ちゃん、凄い…!!」

 

皆の視線が集まる中で、ユウは燈のために作った指輪を取り出すと、ゆっくりと彼女の左手の薬指にその指輪をはめる。

その光景に周囲が色めいた歓声を上げるが、燈はそんな周囲を気にする様子もなく顔を赤らめながらも嬉しそうな笑みを浮かべて左手薬指にはまった指輪に視線を向けていた。

 

 

 

 

「っ…!!良いっ…!!」

 

そして、ユウがすぐに燈の前からズレると、その表情を見てカメラマンの沙綾は素早く燈の正面に回り込むと同時に幾度となくシャッターを切り始めていく光景を皆が見つめていた。

 

「りんりん!!ともり!!本当のお嫁さんみたい…!!」

 

「それに指輪をはめた後の表情も…。あれを見るとユウさん達と頑張って良かった…」

 

「そうですね!!ともりん本当に綺麗ですよね!!」

 

「あれ?りんりん、ユウさんの事を名前で呼んでる…!?」

 

「おデブ!!こっち来なよ~!!」

 

ユウと共に燈達の手伝いをしていた面々は目の前にいる花嫁の姿に目を奪われて、達成感と喜びを感じていたのだが――――

 

「あの~……あの男の人は誰なんだろ…?友希那さんの知り合いみたいだけど…カッコいい…!!」

 

「ひまりちゃんも知らないの…?私も会ったことある気はするけど…。それとあこちゃんが呼んだ黒い人?は誰…?」

 

 

 

 

 

「中島さん、凄いっすね」

 

「えぇ…中島さんも今回のためにかなり仕上げてきてるわね…」

 

「流石シショウです!!」

 

「ゆーくん、やる~!!」

 

 

 

 

 

「日菜ちゃん達!?知り合いなの!?」

 

「彩さん達こそ何言ってんですか?あの指輪作ったのユウさんじゃないですか?」

 

「「「えっ……?」」」

 

「「「「「えっ…?」」」」」

 

「ひまり先輩、ここを使わせてもらえるようになった時に抱き着いてたよね?」

 

「ひーちゃん、おっぱいで息止めてたよ…?」

 

「うえぇええ!?あこちゃん!?そんな事した覚えないよ~!?」

 

「あの…その…上原さん…やってましたよ…」

 

「えぇえええええ!?」

 

一方でユウと殆ど面識がなかったひまり達の方ではユウのことを憶えている者と憶えていない者で2つに分かれてしまい、認識の祖語に思わず首を傾げながら互いの顔を見合っていた。

そんな何とも言えない空気が生まれていた中で燈をエスコートしながらユウは皆の方へと戻って来ていた。

 

 

「ともりん!!お疲れ!!これ、飲み物だよ!!」

 

「あのちゃん…ありがと…」

 

「高松さん、凄かったわよ?」

 

「うん!!本物みたいだった!!」

 

燈はすぐに愛音を筆頭に手伝ってくれた面々に囲まれて賞賛の嵐に呑まれてしまい、嬉しさと恥ずかしさで顔を赤くしながら俯いてしまった。

そんな楽し気なやり取りを見ていたユウだったが、そんな彼の元にはある人物が不満そうな表情で歩み寄って来た。

 

 

「ユウさん!!聞いてくださいよ!!」

 

「桐ヶ谷さん?どうしたの?」

 

「いや!!どうしたもこうしたもないですよ!!ひまりさんも彩さんも!!ユウさんの事憶えてないって言ってんですよ!!酷過ぎないっすか?」

 

「あ~…まぁ、俺って人に憶えてもらうのが苦手だから気にしてないから…。それに上原さん達とは最初に顔合わせただけったし…ね?」

 

「まぁ…ユウさんがそう言うなら…」

 

「今回は結構少ないな……」

 

「何か言いました?」

 

「なんでもないよ」

 

その人物が透子で彼女はひまり達がユウのことを憶えていないと言った事に怒り、本人にその事を伝えていたが、ユウ本人は全く気にしておらずゼロノスに変身したのにこの場にいた人間の大半が記憶を保持していたことに対して思わず言葉を漏らしてしまい、透子にそれを聞かれてたものの誤魔化してその場を丸く収めた。

 

これですべて丸く収まった。

 

「ユウさん!!折角ならひまりさんと燈も入れて写真撮りません?」

 

「花嫁二人…面白そうだね。コンテストに出さないけど記念として頑張ったみんなで撮ろうか…」

 

「はい!!あたし、みんなに聞いてみます!!」

 

そうして、透子の発案で今回のコンテストのために集まったみんなで写真を撮ることを決めると彼女は嬉々として皆の方へと戻っていくと、ユウもカメラの中のデータを確認していた沙綾の元へと歩いていた。

 

「沙綾ちゃん」

 

「ユウさん!!どうしました?」

 

「今、透子ちゃんと話してたんだけど、みんなで記念撮影したいって」

 

「良いですね!!じゃあ、撮影を―――」

 

「何言ってんの?沙綾ちゃんも写真に写るんだよ?」

 

「えっ…?」

 

 

 

「何言ってるんすか!!ユウさんも入るんですよ!!」

 

「桐ヶ谷さん?カメラマンは?」

 

「スタッフの人にカメラマン頼んだんで大丈夫です!!」

 

ユウは沙綾に撮影の事を伝えながら彼女が持っていたカメラを取りあげた。

今回の主役は燈とひまりだが、その功労者である沙綾も写真に写るべきだと考えたユウは自身がカメラマンを引き受けようとした。

しかし、透子は皆に話をつけながらもスタッフにカメラマンを頼んだことでユウも写真の中に映ることになった。

それは良かったのだが――――

 

 

 

 

 

「ユウさん!!私の隣で写真撮りましょう!!」

 

「山吹さん、何を言ってるのかしら?ユウの隣は私に決まってるわ!!」

 

「あはは!!おもしろ~い!!ゆーくんの隣は私だよね~?」

 

「えぇ~!!折角のウェディングドレスなんだからあたしも男の人を隣にしたい~!!」

 

「おにーさん…あの…出来たら横にいてくれたら嬉しいなって…」

 

「「「「「ん…?」」」」」

 

「あの~……1枚だけって訳じゃないので、何回か撮ればいいんじゃ…」

 

「あのんの言う通りだよね?」

 

沙綾や友希那達がユウの隣を主張し始めて、そこに面白がった日菜や今日の主役であるひまりと燈までユウの隣を主張し始めてしまった。

何とも言えない空気になってしまったが、愛音がここでも空気を読んだ発言を繰り出してあこもそれに乗っかる発言で事体は収まる。

 

そう思っていたのだが――――

 

 

 

 

 

「ですが、撤収の準備を考えるとあまり時間がありませんよ?」

 

撤収までの時間を考えるとあまり時間が残されていない。

麻弥が放ったその一言のせいで、纏まりそうになっていた空気が一瞬で弾け飛び、あろうことかユウの隣を巡って女同士での争いが始まってしまった。

 

「ユウの隣は私よ?誰にも譲らないわ…」

 

「だったら、あたしは友希那ちゃんの反対側でいいよ~」

 

「ちょっと待ってくださいよ。主役はともりんなんですから、ともりんに譲るべきじゃ…?」

 

「そうだよ!!だったら、私も主役だから主役2人で挟めばいいよね!!」

 

「ひまり、前みたいにユウさんにおっぱい押し付けるんでしょ!!」

 

「沙綾!?そっ…そんなことしないよ~!!」

 

「ぁ………その……みんな落ち着いて………」

 

「高松さんの言う通りね…じゃあ、落ち着いて。一番年上の私が…」

 

「ユキナさん!!この中で誕生日早いのはチサトさんです!!」

 

「ちょっとイヴちゃん!!巻き込まないで!!」

 

「なら!!最初に言ったのは私なんで……!!私が…!!」

 

「ゆうさんと撮るなら…りんりんとあのんじゃない?一緒にドレス作ってたし…」

 

各々がそれぞれの主張を広げていたところに外野が燃料を投下し、状況が更に混沌を極め始めていく。

しかし、混沌としているのは友希那達だけで当の本人であるユウは―――

 

「だるっ…」

 

「ユウさんの話してるのにそれはないっしょ!?」

 

ヒートアップしている彼女達を他所に、面倒臭さが勝ってしまい透子にツッコまれながらも感じたことを思わず呟いてしまうのだった。

 





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