忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
前話ではそよりんをイジメて膝枕ENDでしたが…まだ壊れてませんね?
なら、ここからぶち壊すしかねぇ!!
ってことで初投稿です



66話-迷走マインド/欲望ブラインド

ユウの膝枕で寝入ってしまったそよ。

彼女を動かすのも忍びないと思ってしまったユウは彼女の膝に乗せたままソファーに身体を預けた状態で彼も朝まで眠ってしまっていた。

 

 

 

「ユウ。起きなさい」

 

「んぁ…?ゆきちゃん……?」

 

「俺もいるぞ?」

 

「デネブさんも…?何でここにいるの?」

 

 

「えっと…私がお願いして……」

 

彼は友希那の声が聞こえて目を開くと、目の前には不満そうな表情をした友希那が仁王立ちしており、彼女に憑いたデネブが声をあげたが、ここはそよの家で本来ならば2人がここにいること事体がおかしい。

その事をあえてユウが尋ねると、友希那の後ろに立っていた燈が小さく縮こまりながらも理由を告げると彼は全てを理解した。

 

「燈ちゃんがゆきちゃんとデネブさんを呼んで…ここに入るのにパスで出口を繫げて乗り込んだのか…」

 

ユウが状況を理解した。

しかし、そうなったところでユウの状況は全く変わらなかった。

 

 

 

「それでユウは何で膝枕をしているんだ…?」

 

「えっと…そよちゃんが話してる最中に寝落ちして、動かすのも面倒だったからそのまま寝ただけだよ」

 

「ユウ、それがベッドに移さない理由になるとでも?それに、服装とかについて色々と聞きたいのだけれど…?」

 

そよを膝の上に乗せたままユウは友希那達に言い訳を展開していたが、それを聞いて納得する訳も無く、更に彼を詰めようとしていたが――――

 

 

 

 

 

「ふぁぁぁ……」

 

更に詰めようとしたタイミングでユウの膝の上でそよが眠そうな声を挙げた事で友希那の追及は一端止まってしまった。

 

そして、そよは眠そうな顔のままゆっくりと周囲を見渡すと、燈達の姿を見て眠そうな表情と回らない頭で状況を確認し始めていた。

 

「あれ…?燈ちゃんに友希那さん?どうして…?」

 

「そよちゃんが心配で…」

 

「私はついでに呼ばれただけだから気にしないでいいわ」

 

「そうですか…」

 

そよは話を聞いて友希那と燈の2人が家にいる理由を理解すると、彼女はゆっくりと身体を起こすと、そのままゆっくりとユウの方に顔を向けると、満面の笑みを浮かべて―――――

 

「おはよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パパ!!」

 

「えっ…?」

 

「はぁ…?」

 

 

「ふぁ~~~~~!?!?」

 

「パパ!!私、制服に着替えてくるね!!」

 

とんでもない爆弾を投下した。

何がどうなればユウのことを”パパ”なんて呼び方になるのかまるで理解出来ず、それを聞いた燈と友希那は間抜けな声を挙げてしまったのだが、そんな2人以上にユウからは間抜けな声が上がっていた。

完全にカオスと化していたが、家の主であるそよは制服に着替えるために、慣れない杖を使いながらも満面の笑みを浮かべながらリビングを去っていく。

 

 

 

「「「……」」」

 

「ユウ!!どういう事だ…!!」

 

「いや!!俺が知りたいくらいだよ!!どうせ言い間違いとか冗談でしょ!!」

 

彼女の言葉に困惑して言葉が出なくなっていたユウ達だったが、そんなタイミングでデネブが友希那から出て実体化すると、慌てた様子でユウの肩を掴んで揺すり始めるも、当然ながらユウの方はそんな事を言われる覚えは全くない。

 

普通に考えるならば、言い間違えや悪ふざけ、冗談といった程度で済む話だが――――

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ、過去に行った時の子供ってこと…!?」

 

「ゆきちゃん!!そんな訳ないでしょ!?そんな相手はいない!!」

 

「普段会ってるはずの父親と間違えるって、普通はあり得ないわよ…?」

 

「そよちゃんのお父さん…見たことない…」

 

「多分、足捻った時に頭でもぶつけたせいで記憶が混濁して、それで俺を父親と誤認してるんだって!!」

 

残念なことに、ゼロライナーを使って過去に自由に移動が出来るユウは全く普通ではなかった。

そして、それを知っている友希那はそよの言葉が真実なのではないかと疑いを持ってしまったが、ユウはそんなことに全く覚えがなくてそれを全力で否定すると、友希那の反論に燈は今まで彼女の父親を見たことがないことを口にして、ユウは自身の推論を口にするとその言葉に燈はハッとした表情を浮かべていた。

 

「あっ……!!昨日、足を挫いた時に頭を手すりにぶつけてたような…」

 

「ほらー!!そうだって!!父親と思ったのはそよちゃん親が離婚してるから、そのせいもあって俺を父親と認識してるんだって…!!」

 

「そんな都合のいい事が……」

 

 

 

「パパ…着替え終わったけど…何朝から騒いで……パパ?その黒い人は誰?」

 

「……あぁ、俺の事か…………」

 

燈は昨日のことを思い出し、ユウもそれを聞いて友希那を落ち着かせようとするも効果がなくヒートアップしそうになったが、そのタイミングでそよが着替えを終えて戻ってきたが彼女は先ほどまでいなかったはずのデネブの姿を見ると思わず指を指して彼の事を尋ねていた。

 

そんなそよの呼び方に慣れずにユウは反応に遅れてしまったが、その疑問に当たり障りのない答えを返そうとしていた。

 

 

 

「俺の知り合いの人だよ」

 

「そうだったんだ…!!始めまして!!長崎そよです!!パパがお世話になってます!!」

 

「ご丁寧にどうも、デネブです。お近づきのシルシに…はい。キャンディどうぞ」

 

「ごめんなさい。これから朝ごはんなので……」

 

「むぅ…それもそうだな…」

 

返ってきた答えを聞いて丁寧にデネブに挨拶をすると、デネブも真面目にそれに答えながら自身が作ったキャンディを差し出すも朝食を理由に断れれると、それを聞いて納得したデネブはキャンディを懐に戻した。

 

何とも言えない空気が醸成されていくが、そんな中で燈が動いた。

 

 

「あの…そよちゃん?」

 

「燈ちゃん?どうしたの…?」

 

「ぁ…あのね?なんでユウさんの事を”パパ”って呼んでるの…?」

 

「なんでって…私のパパだからに決まって――――」

 

彼女はユウの呼び方についてそよに尋ねると、彼女はその質問の意味が理解できないと言ったような唖然とした表情を浮かべながらその質問に答えようとしたが――――

 

 

 

 

「っぅ~~~~~~~~!!頭が……痛い……!!」

 

「そよちゃん…!?」

 

そよは突如として頭を抑え始めたと思ったら、痛みに耐えられなくなったのかその場に蹲ってしまい、そんな彼女を心配して全員がそよの元へと向かっていた。

 

「そよちゃん…ごめんね?変な事聞いて…」

 

「ううん…大丈夫だよ?パパ、朝ごはんは?」

 

「えっ…?うんとりあえず、俺達で朝ごはんの準備してくるから、座って待ってて」

 

「うん!!」

 

 

 

燈は何かを感じ取って彼女に質問したことを謝罪すると、そよは笑いながら彼女の言葉に答えると、ユウに言われた通りに朝食をとるためにリビングのソファーに座り、それを見たユウはそよ以外の3人をキッチンへと引き摺り込んで―――

 

 

「とりあえず、病院に連れて行きます。それと、そよちゃんをこれ以上刺激しない様に」

 

ユウは真剣な顔で彼女達にそう告げると、それを聞いた彼女達は首を縦に振ることしか出来なかったのだった。

 

 

 

 

そんなトラブルに見舞われていたユウ達だったが、彼のいないところでは別の問題が発生していた。

 

 

 

 

 

「中島さんの言っていた名前…朝まで調べてみたけれど……」

 

瑠唯が何かにとりつかれたかのように、今まで一切の睡眠を取らずにパソコンに向かい合って彼が先日行った名前を調べていた。

 

「関係ないゲームや映画の情報ばかりで全く出てこないわね……」

 

しかし、その結果は完全な0。

いくら調べようが彼の言った名前に全く行き当たることはなかった。

普通に考えればユウが嘘をついている事を疑うような状況で、彼女も最初はそれを疑っていたのだが――――

 

 

 

「ラベルもないし…見せてもらったあのバイオリンの刻印も調べても全く出てこなかった」

 

本来ならば製造情報が分かるラベル等が貼られているのだが、彼が持ってきたそれにはそんなものはなく、バイオリンにあった刻印について調べても類似するものがない。

そして一番の理由は”音”だった。

 

「それにあの音は本物だった…」

 

瑠唯があのバイオリンを弾いた時に感じた音があの楽器が唯一無二の物だという事を判断するには十分すぎる材料になっていた。

 

 

「あれで完成度が8割……」

 

そして、あの時に言ったのはあの状態のモノで彼の師匠の8割の完成度しかないと言ったこと。

8割であれならば本物は…と考えるが、いくら探っても情報が出てこない以上はどうしようもない。

だが、瑠唯はそうはならなかった。

 

「なら、彼にそれ以上の物を作って貰えばいい…」

 

 

いくら調べても出てこないならば、彼自身に師匠を超える物を作ってもらうのが一番の解決法だと思い至り――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼が……欲しい……」

 

ドロッとした何かを感じさせるような目をしながら、瑠唯がボソッと呟くのだった。

 





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