忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
ギャグ楽しい…楽しい!!
さてと、そろそろ真面目になりますか…
落差で風邪ひきそう…ってことで投稿です


69話-ドア・ロア・童話

RiNGを後にしたユウはにゃむ、そして燈の3人はレイヤの部屋に向かっていた。

 

 

「あれ?燈ちゃん?なんで?」

 

「えっ…あっ…こっちにいた方が良いのかなって…」

 

「…どういう事?」

 

「まぁ、来ちゃったものは仕方ないね…」

 

「あ~、でも、一緒にいた方が変な勘違いされないか……でも、レイヤ先輩可哀そう…」

 

「……?」

 

ユウとにゃむは着いてきた燈に驚いたが、2人は彼女を追い返すことをせずに今度は4人でレイヤのマンションまで辿り着いた。

そこまでは良かったのだが――――

 

「入りますよ!!」

 

「……とてつもなく嫌な予感がする」

 

 

 

「ぁ……あれ……」

 

「燈ちゃん?行くよ?」

 

ユウはマンションに入る前から何かを感じ取っていたが、その後ろで燈は黒い影がマンションから逃げていくのを捉えていた。

しかし、それに気が付いた彼女はユウの声ですぐに後を追いかけてマンションの中に入って階段で使ってレイヤの部屋がある階までやってきた。

 

「うぅ…これは…」

 

「やっぱり…臭か…!!」

 

「日に日に酷くなっていってない…?」

 

 

「おにーさん、玄関開いて…誰かの足が…」

 

部屋のある階について早々に鼻を抑え始めたが、レイヤの部屋から足が伸びていたのを見てユウ達はレイヤの部屋へと飛び込んだが、玄関にはロックが倒れていたのだが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっわ……制服捲れて…白いパンツが丸出し…」

 

「ぁ…ぉ…おにーさん……!!」

 

「いや、そんなこと言ってる場合じゃないよね?とりあえず外に出すね?」

 

「えっと…レイヤ先輩がこの中に…?」

 

「靴…脱ぎたくないですね…」

 

「……俺が掃除するから、靴のまま入ろうか……」

 

倒れていたロックだったが、あろうことか制服のスカートが捲れ上ってパンツが丸見えになっているという悲惨な状況。

そんな中で燈はユウの事を気にして見ない様に伝えるも、彼は極力見ない様にしながらスカートを直してからロックを部屋の外まで引きずり出してから、土足のままレイヤの部屋の中に入っていくと、トンデモナイ光景が広がっていた。

 

「楽器のところ以外足の踏み場が……」

 

 

「あっ!!ベッドにレイヤ先輩!?って下着!?」

 

「和奏さん、めんどくさくなったから服を脱ぎ散らかしてそのまま寝たな…。しかも、食器の片付けサボって……」

 

「そっちじゃないんじゃ…」

 

部屋に入ったユウ達はベッドの上で寝ていたレイヤを見つけたが、あろうことか彼女は下着姿のままベッドにうつ伏せになった状態で眠っていた。

先ほどのロック以上にとんでもない姿を見せられて、にゃむが驚くのを他所にユウはレイヤがこうなっている理由を冷静に分析すると、彼は1つだけすぐに動くことを決めた。

 

「うん…俺が臭いが出るもの系はすぐに片付けるから……2人は朝日さんを何とかしてもらってもいいかな?」

 

「でも……」

 

「流石に女の子にこんなとこに居させるのは忍びないしね…」

 

「でも、レイヤ先輩は…?」

 

それは今からこの部屋の掃除を行う事。

それには2人も同意したが、問題は下着姿でベッドに寝ているレイヤだが―――

 

 

 

 

「いくらこの汚部屋の主と言えども、下着姿でここから出すのも可哀そうだし…それに、どれがキレイな服か分かんないからね……」

 

その諦めにも近いような言葉を漏らしたユウに2人は静かに頷いてその場から離れるとユウは素早く動き始めていた。

 

「とりあえず臭いモノには蓋だな…。本当は色移りだの洗濯方法を気にしないといけないけど……無視だな…うん」

 

最初に床に散らばった衣類を無造作に洗濯機に投げ込んでいく。

本来ならば洗濯の方法だの洗濯した際の色移りなど気を付ける部分は多々あるが、そんな事を気にせずに彼は服を袋に詰め込むと、それでも溢れた分は何重にも重ねた袋に押し込んでから口を縛って臭いを漏らさない様にして部屋の外へと投げ捨てる。

 

それだけで一気に部屋のモノが無くなり、残ったのは―――

 

「後は飯の残骸か…生ごみがあんまりないのが救いか…問題は食器だけ……」

 

ユウは残った食器を一気に流しに持っていくが、流しに収まらないと分かった彼は一気に更洗いを始めていた。

 

「数日でどれだけ貯めこんだんだ…?皿洗うにも乾かす場所がないじゃん…」

 

 

 

 

 

「ユウ、私が拭いてあげるわ」

 

「あぁ…ありがと………ん?」

 

ユウは皿を洗いながら愚痴を零したが、横から皿洗いを手伝うという言葉を聞いて彼はそのまま横に皿を出すと、そのまま彼の手から離れていく。

 

だが、おかしい。

だって、この部屋には皿洗いをしている俺とベッドで寝ているレイヤしかいないのだが、聞こえてきたのは彼女の物ではない。

そう思って彼は横に視線を向けると――――

 

「ゆきちゃん!?いつからいたの!?」

 

「何を驚いてるのよ?最初からいて、一緒に部屋に入ったじゃない…次のお皿はまだかしら?」

 

「えっ…?あぁ…うん。…それにしても、和奏さんも数日でここまでよく汚せたよ…」

 

そこにいたのは友希那で、しかも最初から一緒にいたのだと言われてユウは目を丸くしていたが、友希那はしっかりとユウを手伝って彼が洗った皿を拭き続けていた。

拭く手間が省けるだけで大分作業の速度が上がって助かるが、ユウはレイヤが部屋を汚すのが早いことをボヤくが、友希那はその言葉に首を傾げていた。

 

「何を言ってるのよ。ユウのせいよ?」

 

「俺?」

 

友希那はレイヤが堕落してしまったのはユウのせいだと口にするが、彼にはその言葉の意味が分からない。

 

「あなたが、レイヤの部屋の家事をしてたのでしょ?」

 

「料理とかも作り置きしてたけどね……。一応、作り置きも和奏さんが住んでた名古屋近辺の味に近いものとか置いてたけど…」

 

「原因はそれよ。1人暮らしで自分でやってた状況からユウの世話を経験したらああなるのも当然ね」

 

「んなアホな…。てか、それならゆきちゃんもかなり俺が世話してると思うけど?」

 

友希那は自信満々にレイヤの堕落した理由を語るが、ユウにはそれが信じられずに思わず声を漏らしたが、レイヤ以外に事例がないことがユウには不思議だったが友希那はそれも分かっていた。

 

「そんなのリサの世話をずっと受けてきたからに決まってるじゃない。世話をされる年季が違うのよ…私もリサの世話になってから、家事が全然出来なくなったし」

 

「自慢できることじゃないよね?それに出来なくなった。じゃなくて、昔も今も出来ないの間違いでしょ?」

 

リサに世話をされてきたからと自信満々に答えた友希那だったが、全く自慢できる内容じゃないことをツッコまれた友希那は一瞬だけムッとした表情を浮かべたが、ユウが皿を洗っている姿を見て彼女は思わずある言葉を零してしまった。

 

 

 

「………人に世話を焼く所、やっぱりリサに似てるわね」

 

「……」

 

「あっ……ごめんなさい…」

 

友希那がその言葉を零してしまったが、ユウが(リサ)に似ていると言われることに良い顔をしないことを思い出すと、すぐに彼に謝罪したが――――――

 

「えっ…?どうして?」

 

「あなた、リサと似てると言われるといつもその…悲しそうな表情をしていたから……気にしてるのかと思って……」

 

ユウは友希那の謝罪の意味が分かっていない様子を見せていた。

そんな彼に謝罪の理由を聞かれると友希那は素直に考えたことを伝えると、ユウは友希那に顔を向けていた。

 

「あぁ…確かにそうだけど……でも、ゆきちゃんはずっと姉さんと一緒に居るでしょ?」

 

「えぇ…」

 

「俺の事をちゃんと見た上でそう言ってるんでしょ?だから気にしてないよ」

 

 

 

「……そう」

 

友希那はユウが言ったその言葉がウソかホントか判断が出来ず、何とも言えない曖昧な言葉を返すとそこからは無言で洗い物を片付けていき、それが終わったのとほぼ同じタイミングで玄関の扉が開かれた。

 

 

「ユウさ~ん!!って凄っ!?もう殆ど終わってる!?」

 

「ぁ……おにーさん…。倒れてた人も起きました…」

 

「あぁ…朝日さん起きたんだ」

 

「制服に臭いも着いてたんでシャワーと服貸しましたよ」

 

 

 

「あぅ…ご迷惑をおかけしました……」

 

「にゃむちゃん、ありがとうね?何かお礼とかは…」

 

「だったら、お礼に晩御飯でも作ってくださいよ~。前に貰ったサンドイッチ美味しかったんで!!」

 

「それ位ならいいよ」

 

「えへへ…ありがとうございます!!写真映えするのでお願いしまーす」

 

隣の部屋に居たにゃむと燈が目覚めたロックを連れてレイヤの部屋に戻ってきた。

彼女達は先ほどまでの汚部屋が嘘のように片付いていることに驚きながらも、にゃむはちゃっかりとユウに晩飯をおねだりしていた。

 

それで全てが終わりだと思ったが―――

 

「っ…!!」

 

「ユウ?どうしたのよ?」

 

「イマジンの匂い…こっちに来てるな…」

 

「なっ!?」

 

「えっ…?」

 

 

 

「何?」

 

「どうしたんでしょうか…?

 

ユウはイマジンが迫ってきていることを感じ取ると、そのままレイヤが寝ている部屋に入っていく。

イマジン事情を知らないロックとにゃむが状況に取り残されていたが、とりあえず友希那達の後に続いてレイヤのいる部屋に入ると――――

 

 

 

 

 

 

 

「きゃああああ!!」

 

「窓が!?」

 

 

「せいっ!!」

 

いきなり窓ガラスが割れる音が響き渡るとロック達が悲鳴を上げ、それと同時に窓から何かが侵入するがユウが侵入者に蹴りを見舞って窓の外に蹴り出した。

 

そして、彼女達が前を向いて侵入者の姿を確認すると――――

 

「土足のままで正解だった…」

 

 

 

 

 

 

「ダリぃから邪魔すんじゃねぇ!!こいつを始末すれば契約完了なんだよ!!」

 

「何あれ…」

 

「犬…?オオカミ…?」

 

「オオカミのイマジン…ってことは、和奏さんは赤ずきんってところかな?」

 

「赤ずきん…?」

 

割れた窓の向こうにはオオカミの意匠をしたウルフイマジンが窓の向こうのベランダに立っていた。

それに疑問を覚えたロックとにゃむだったが、イマジンは寝ているレイヤに剣を向けながらユウに向かって吼えるも、ユウはそんな中で軽口を叩いていた。

 

 

「因みに赤ずきんの話は2通りあって、有名なのは食べられた後に猟師が助けるグリム童話と、赤ずきんが食べられて終わりのペロー童話ってのがあるんだよ?」

 

「おにーさん…こんな時にそんな話…」

 

 

 

「猟師なんてここにはいねぇ!!その女は俺に消されるんだよ!!でも、まずはてめぇらからだ!!」

 

「ひぃ!!」

 

「確かにこの場に猟師はいないな…」

 

「だったら死ね!!」

 

軽口を叩くユウにイマジンはレイヤからユウ達に向かって剣を突きつけるが、ユウはそれでも軽口を叩くとイマジンはユウに剣を振り上げたが、その剣はユウには届くことはなかった。

 

「でもな!!」

 

「がふっ!?」

 

 

 

 

 

「ここには暴れ牛がいるんだわ…」

 

振り下ろされるよりも先にユウはイマジンの腹に先ほどと同じように蹴りを入れて後ろに弾き飛ばすと、懐からベルトを取り出すのだった。




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