忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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皆さん。こんばんは

ちょっち見たらめっちゃお気に入り増えてて驚いてます…
まぁ、ボチボチ頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします
と言う訳で投稿です


Kapitel-2
07話-夢・目覚め


 

 

「朝…」

 

正に”怒涛”の一日を過ごした友希那は自室のベッドの上で目を覚まし、寝間着から私服へと着替え始めるが、その間に思い返すのは自身が昨日体験した出来事だった。

 

 

 

自身が記憶している男と再会したと思ったら、思い出す事すら躊躇われる程に無惨な状態にされた後輩達を見つけ―――

いきなり謎の列車に連れ込まて過去の雨が降っていた街へとタイムトラベルしたと思えば目の前でいきなり特撮染みた戦いが繰り広げられた挙句、現代に戻ってみれば無惨な姿に変わっていた後輩達は何事も無かったかのように元気な姿を見せていた――――

 

 

普通に考えれば現実味など欠片もない、高熱で魘された時に見る夢のような状況だが、それは確実に友希那の目の前で起こった出来事。

 

 

「あれは間違いなく夢じゃなかった…」

 

友希那は呟きながら部屋の一角に置いていた衣装へと視線を向けると、ブーツの底には無惨な状態にされた後輩が床に流していた血を踏みつけた跡がしっかりと残っているうえに、スカートの端にもその時に跳ねた僅かな血があの出来事が現実のものだったことを物語っていた。

 

 

 

そして、それを見てあの出来事を体験した直後にあったリサ達の言葉を思い出していた。

 

 

 

 


 

「友希那…一緒にいる男の人…誰?」

 

「あっ…!!もしかして彼氏とかですか!?」

 

「ちょっと愛音。何バカな事言ってんの?」

 

「そうだよ…」

 

「リサ?あなた達も…何を言って…?」

 

 

 

「初めまして……友希那さんとはただの知り合いですよ…」

 

「ユウ…?」

 


 

友希那からしたらほんの数時間前にリサと愛音の2人は顔を合わせていたはずだが、まるで初対面だと言わんばかりの発言をした上にユウの方も平然とそれに対応していたことに彼女は疑問を感じずには居られなかった。

 

 

「そうだった。ユウに話を聞かないと…」

 

そう呟いて友希那はすぐに気持ちを切り替えて家を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

までは良かったが――――

友希那はユウのことを見つけられなかった。

 

「連絡しようにも、連絡先を聞いてなかったわね…」

 

ユウに連絡を取ろうと友希那はスマホを取り出したのは良かったのだが、様々な事が起こり過ぎたこともあって彼の連絡先を聞いていなかったことを思い出す。

 

そうなれば自身で見つけ出すために、彼が行きそうな場所を考えていく。

 

「CiRCLE…羽丘…?それともあのビルの所かしら?いえ違うわね…」

 

ユウの行きそうな場所として彼と再会した場所と事件があった場所、そして過去だと言って連れていかれた場所を考えるも、そのどれも彼女の中ではしっくりとこなかった。

 

 

「あの公園…あそこはまだ残ってたはず…」

 

そうなれば思い当たる場所ただ1つ、彼女達が幼い頃に遊んでいた公園以外考えられなかった。

友希那はその場所へと急ぎ足で向かったその公園のベンチにユウはいた。

 

「ユウ…」

 

「あっ…友希那さん」

 

友希那がユウを見つけると、ユウの方も友希那の存在に気が付いて彼女の名前を呼ぶ。

だが、彼女はその呼び方を聞いて悲しそうな表情を浮かべていた。

 

「ユウ…昨日みたいに呼んでくれないの…?」

 

「えっ…?」

 

思わぬ言葉が飛び出してきたことにユウは思わず素っ頓狂な声を挙げてしまったが、すぐに我に返ってその言葉に答えていた。

 

「いや…あの時は子供の頃の呼び方が咄嗟に出ちゃったって言いますか……」

 

「ユウ、また子供の頃みたいに話してちょうだい。呼び方もよ?」

 

「えっ…でも…子供っぽくない…?ですか?」

 

「そうかもしれないけれど…あなただけ…特別よ」

 

「……分かったよ。ゆきちゃん」

 

「えぇ…」

 

ユウは友希那に答えたが思わぬ返しを受けたことに一瞬戸惑ってしまったが、彼女に言われた通りに昔の呼び方に戻すと友希那はその呼び方を聞いて笑みを浮かべていた。

 

そんな彼女の表情を見てユウは友希那の表情を見て考え込んでしまった。

 

「嬉しいの…かな?」

 

 

「嬉しいに決まってるじゃない…」

 

「ゆきちゃん?何か言った?」

 

「なんでもないわ」

 

思ったことを口に出してしまったユウの言葉に小声で答えた友希那。

しかし、ユウはその言葉を聞き逃してしまい、友希那に聞き返すも彼女は何事も無かったかのように取り繕う。

 

そして、彼女はそのままやらなければならないことを思い出した。

 

「ユウ」

 

「ゆきちゃん、どうしたの?」

 

「連絡先教えなさい」

 

「あ~…そう来たか…」

 

「ユウ。スマホを出しなさい」

 

彼女は忘れぬうちにユウの連絡先を聞き出そうとした。

その言葉を聞いたユウは申し訳なさそうな浮かべるも、友希那はスマホを出すように催促すると、彼は申し訳なさそうな表情のまま友希那も予想していなかった言葉を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはは…無いんだよね…」

 

「はい?」

 

「だから、携帯とか……そういうの持ってないの」

 

「……」

 

ユウからの言葉を聞いた友希那は絶句した。

流石に嘘だとも思ったが、彼が嘘をついている様子は全くない。

 

普通に考えれば、記憶上では17歳の男がスマホを所持していないなど完全に想定していなかった友希那はあることを思いついてユウの手を掴んだ。

 

「ゆきちゃん!?いきなりどうしたの!?」

 

「ユウ、色々聞きたいことがあったけれど、まずは今からあなたの携帯を買いに行くわよ」

 

「えっ!?ゆきちゃん…それって買うのに年齢制限とかあるからね…?」

 

スマホを持っていないと言ったユウ。

だったら”今から買いに行かせればいい”――――

そう思い立った友希那は彼を腕を掴むとそのままショップへと連れ出そうとしていた。

 

だが、ユウは友希那の勢いに圧されながらも、彼女の待ったをかけるが今の友希那はその程度では止まることはなかった。

 

 

 

 

「ユウは17歳で買えないけれど…大丈夫よ。大学生でお姉さんの私が買って、それをあなたが使えば問題ないわよ」

 

「確かに会った時はゆきちゃんの2つ下だったけどさ…。って、違う…!!買うだけじゃなくて使うのにお金がかかるでしょう!?」

 

「そんな事気にしないでいいわ。そのお金なら私が出すから」

 

「ユウ、気にしないでいいわよ?」

 

「いや!?気にするよ!?」

 

友希那の提案をユウは断ろうとしてくるが、意地でも彼との繋がりを確保しようと躍起になっていた彼女は普段では考えられないほどに頭を回転させ、彼を言いくるめようとしていた。

しかし、それでもユウは彼女の提案を断り続けている様子に友希那は痺れを切らして彼の手を引いて歩き出そうとしていた。

 

「良いから行くわよ!!ショッピングモールに行けば買えるはずよ!!」

 

「はぁ…いやね?その…流石に申し訳ないからね…?それと手を放してもらえると…」

 

「放したら逃げそうだから嫌よ。それとユウがOKを出しても実際に買うまでは放すつもりはないわ」

 

「もう…分かったよ…」

 

「最初からそう言えばいいのよ」

 

友希那に強硬策を取られたユウは遂に観念して彼女の提案を受け入れる事を決めると、その答えを聞いた友希那は笑みを彼に向けると、2人は公園を後にしてユウ用のスマホを購入すべく、ショッピングモールへと向かっていく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ショッピングモール…そういえばあったような気がするけど……まだあるんだね」

 

「そうよ。私も結構行くのよ?」

 

「そうなんだね…それとゆきちゃんお願いだから、その手を「嫌よ」…即答…」

 

「放したらあなた逃げるかもしれないじゃない」

 

「逃げないから。あと掴むなら腕じゃなくて手にしてくれるかな?」

 

「最初からそう言いなさい」

 

「いや言おうとしたけど…「分かってるわ。ユウは恥ずかしがって言い出せなかったのよね?」言おうとしたのを遮ったのそっちだよね!?」

 

 

 

 

 

 

「ん~!!久々に休みだけどなにしよっかな~!!ってあれ?友希那ちゃんだ…!!あれ?一緒にいるの人誰だろ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか”るんっ”ってするから、おねーちゃんとリサちーに聞いてみよ~!!」

 

2人で歩く姿を目撃されていたことに気が付かずに――――





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