前回、”次回で盤外終わらせたいって言ったが、終わりませんでしたー!!
という事で切り替えていきましょう…ってことでどうぞ…!!
昼にファンガイアと対峙してから時は進んで、太陽は既に徐々に地平線へと沈みかけた頃―――
「こちらがお渡し予定の商品になります」
「…これが?」
「えぇ…。写真で確認していただきましたが、素晴らしい逸品なのは保証しますよ」
「ちょっと待ってちょうだい。念のために確認するわ」
家主の少女がリビングのソファーに座り、同じ様にソファーに座った女性から商品を見せられる。
少女はそれがとてつもない代物だというのを肌で感じ取ると、少女は確認すると言って席を立つとソファーに座る女性に背を向けて、ある人物に電話をかけ始めていた。
そんな少女の背後には半透明の牙が突如として浮かび上がり、それが少女の首筋に当たりそうになったその瞬間、突如として部屋の電気が消えて暗闇に包まれると――――
「ぐっ!?」
「おっと、そこまでだ…」
知らぬ間に少女へと迫っていた牙を突如として部屋に入ってきた者によって阻まれることになるのだった。
「見つけた…。あのビルの上だね」
「よくやった小僧」
「上手く説明できないけど、1匹だけしか居ないから匂いですぐ分かるよ」
「ここは……」
ユウはあるマンションの前に立ち止まってその最上階へと視線を向けていたが、友希那はそのマンションに見覚えがあった。
「ゆきちゃん?」
「ここはRAS―――レイヤのバンドがここの最上階のスタジオで練習してるの場所よ?知らないの?」
「スタジオとかまで知らないよ」
「マンションの一番上がスタジオ…すごい…」
そこはRASのDJであるチュチュの自宅があるマンション。
ここがそんな場所だったとは知らなかったユウに友希那は呆れた様な視線を向けていたが、今一番の問題はそこではなかった。
「おにーさん…どうやって入るんですか?」
「そこなんだよね…真正面から入れないしね」
「…随分と面倒だな」
「人間の社会ってそう言うのが面倒なんですよ」
一番の問題はどうやってマンションの中に入り込むか。
住人が出入りに合わせて入るのが一番だが、このマンションの受付にはコンシェルジュの目があって長い間待って疑いの目で見られるのは避けたい。
そう考えていた彼らだったが、運は彼らに味方した。
「おや…?友希那さん?それに楽奈さんのバンドの方ですよね?」
「こ……こんにちは………」
「こんにちは」
「(燈、ドアの前に立って閉まらないようにしてくれ)」
どうしようかと考えていたタイミングでマンションの中からパレオがオートロックの扉の中から出てきた。
友希那はそんなパレオを見て彼女に挨拶を交わしていたタイミングで、燈の中にいたデネブの指示をだして燈を自動ドアが閉まらないように誘導していたが、そんな状況にパレオが気がついていないまま彼女達は話を始めていた。
「今日は個人練習かしら?」
「はい!!それとチュチュ様のお世話をしに来たんです」
「そうだったのね。気を付けて帰った方がいいわ」
「いえ!!実は今、チュチュ様のお母様の仕事の関係の方が来てて、これからお茶菓子を買いに行かないといけないんですよ~!!」
「……」
「そう…近くに来たから挨拶に来たのだけれど…待ってましょう」
「それでは中でどうぞ!!皆さんの分のお菓子も買ってまいりますので!!」
他愛ない話をしていた友希那達の横では彼女に気づかれないようにユウがオートロックの扉の中へと滑り込むとそのままエレベータに駆け込んで最上階へのボタンを叩いていた。
「……」
「小僧、焦るな」
「分かってますよ」
ユウはエレベータの中でジャケットの内側に隠した暗器―――”ファンガイアスレイヤー”へと手を伸ばして、扉が開くと同時に戦闘に入れるように構えていた。
そして、彼の目の前で扉が開かれると同時にユウは横を飛ぶキバットと共に素早く廊下を駆けていく。
「ここだ…!!」
ユウはすぐにファンガイアの匂いを追跡して一番匂いが強い扉の前に止まってゆっくりとドアノブに手をかけると、意外なことに扉は容易く開きその中へと素早く1人と1匹が滑り込み、そのまま注意しながら匂いがする方へと歩いて行ったが―――
「やばっ!!食うつもりだ…!!」
ファンガイアの吸命牙が見えたユウは即座にドアから躍り出ると同時に懐の武器を取り出すと、扉の横にあった電気のスイッチで照明を消すのと同時に、そのまま人間に擬態した状態のファンガイア目掛けて蛇腹剣を振り抜いてその体を切りつけた。
「ぐっ!?」
「おっと、そこまでだ…」
「なっ!?」
ユウの視線の先には人間の女性に擬態したファンガイアと突然部屋に乱入してきたユウに驚くチュチュの姿。
チュチュ達の方からは夕日の陰で彼の顔が全く見えていなかったが、彼の方からは部屋に指す夕日で顔がハッキリを見えており、彼は再び武器を振るって机の上に置かれた目当ての品を器用に捉えるとそのまま一気に自身の元へと引き寄せた。
「盗品は返してもらうぞ」
「なっ!?盗品ですって!? 」
「何を言って…」
ユウはハッキリと盗品だと口にすると、チュチュは振り返ってそれを持ってきた女性の方へと振り返っていた。
しかし、女性の方が何食わぬ表情を浮かべて誤魔化そうとしていたが、そんな3人の中に更なる乱入者が現れる。
「ブラッディ・ローズ……」
「なっ!?何故その名を!?」
「その声…ミナトユキナ!?なんでそこにいるのよ!?ってブラッディ・ローズ…って何よ!!」
「盗まれたバイオリンの名前よ。それを知ってるのは制作者の弟子から話を聞いた私達と…盗んだ犯人だけよ」
「燈ちゃん、これ開けて」
「はい…」
ユウの後ろから遅れてやってきた友希那と燈が姿を現し、燈がユウからバイオリンケースを受け取ると彼女がその場でケースを開けたその瞬間―――
♪~~~~~~
「なっ!?なんでバイオリンの音がするのよ!?」
「怪物が暴れようとするとなるんだよ…!!」
「ちっ!!」
誰も弾いていないバイオリンの音が部屋の中へと響き渡り、その音に驚いていたチュチュにユウが語るように説明すると同時にユウが再び蛇腹剣をファンガイアに振り抜く。
しかし、ファンガイアは不意打ちではないその攻撃を回避することもせずに舌打ちしながら人間への擬態を止めてファンガイア本来の姿へと戻ってその攻撃を生身で受け止めた。
「なっ!?何よこれ!?」
人間が目の前で突然化け物に変わったのを見てチュチュが驚きの声を挙げながらユウ達の方へと後退っていたが、そんな彼女を他所にユウがファンガイアを睨みつけていた。
「ちっ…!!なんで場所が…!!」
「この世界にファンガイアはお前だけだからすぐ見つかったぞ…。良かったな、今は世界唯一のファンガイアであるお前がキングだ。と言っても裸の王様だけどな…」
「最も、その天下も今宵で終わるがな…」
「なっ!?お前はキングの…!?」
「~~~!?」
化け物に続いて喋るコウモリがいきなり現れたことで目の前に非現実にチュチュの頭が耐えられなくなってしまい、そのまま意識を手放してしまった。
キバットが姿を見せながら割り込んだことでファンガイアは一気に緊張が走ったものの、すぐに冷静さを取り戻していた。
「キングの鎧はファンガイアしか使えない!!キバット族がいたところで…!!」
ファンガイアが叫ぶ通り、キングの鎧はファンガイアの物で、この世界に存在するファンガイアは自身1人だけである。
そう告げられている事で完全に余裕を出していたファンガイアだったのだが、世の中には例外が存在していた。
「キバットさん…
闇の力…お借りします!!」
「良かろう!!」
キバットの口癖を聞いたユウは開いていた左手でキバットの身体を掴むと、武器を持った右手にキバットを近づけ。
「ガブリ…!!」
「っう~~~~…!!」
「なっ!?」
「「えっ……」」
キバットはそのままユウの右手に牙を突き立て、そこから自身の身体に流れ込んできた力にユウの顔が歪むと彼の顔にステンドグラス状の模様が浮かびあがると、彼の腰に鎖が巻き付いていくとそれはベルトに形を変えていく。
「変身…!!」
その光景にファンガイアと友希那達が驚きの声をあげていたが、ユウ本人はそれを気にすることなく手に持ったキバットを頭を下にするようにしてベルトへとセットすると、彼の身体は血のような深紅の鎧に包まれた。
「小僧、今宵は貴様がキングだ…」
「ならば王からの判決を言い渡す……ファンガイア…お前達は絶滅だ…」
「光栄に思え…絶滅タイムだ!!」
友希那達が見たことのない姿に変身した
ファンガイアの王の為に作り出された鎧を身に纏った彼は、目の前のファンガイアを滅ぼすべく一瞬で距離を詰めていくのだった。
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