とりあえず今回でオマケ終わりで次から本編戻ります!!
ってことでゴリゴリ!!って戦闘とユルパート…どうぞ!!
「らぁ!!」
「ぐっ…!!」
「ユウがいつものと違う…」
距離を一瞬で詰めて力任せに拳で殴りつける。
惚けていたファンガイアはその攻撃をモロに受けて身体が吹き飛ばされると、部屋のガラスと叩き割りながら屋外に設置されていたプールに頭から突っ込んでいた。
ダークキバに変身した事と今の一瞬の動きにに一同が目の前の出来事に驚いていたが――――
「ぐっ……!!」
「ユウ…!!」
ユウは苦悶の言葉を漏らしていた。
普通の人間ならばキバットに噛みつかれた時点で力に耐えられず即死する上、彼が身に纏っている鎧はファンガイアが使うもの。
人間の身ではダークキバに変身することだけでもとてつもない反動に襲われて言葉が漏れてしまった。
「……小僧が純粋な人間とは違っても身体の負担があるか」
「鎧を使えないくせに…ふざけたマネを…!!」
「ユウ…!!」
キバットがボヤいたのと同時にプールから這い出たファンガイアはダークキバに向かって触手を伸ばして反撃に出たのを見て思わず友希那が声を挙げてしまったが―――
「せいっ!!」
「なっ!?」
「おにーさん…!?」
「2人とも、下に降りてて…」
ダークキバへと向かっていた触手は彼が変身前から持っていたファンガイアスレイヤーによって一瞬のうちに細切れに切り裂かれた。
その動きは苦悶の声を漏らしていたのと同じ人物の動きには見えず、攻撃を繰り出したファンガイアは驚愕したが、ダークキバは友希那達に下に降りるように促しながら、持っていた剣の感覚を確かめるように軽く素振りをしながら相手に顔を向けていた。
「よし……慣れてきた」
「小僧、あの人間は一瞬で適応できていたぞ」
「ふざけるな…!!」
「…音也さんと一緒にされても困る。あの人は人間として外れ値が過ぎる…」
「なぁ!?」
ダークキバの鎧に慣れたユウにキバットが小言を零す。
そんな姿を見たファンガイアは今度は複数の触手を同時に伸ばして攻撃を仕掛けるも、ダークキバは先ほど以上に細かく触手を切り刻んで見せた。
その光景に驚いたファンガイアはダークキバの性能に慄いていたが、今それを使っているのはファンガイアではなく人間のユウだという事と返信直後に苦悶の声を漏らした事を思い出す。
―――反動に慣れたとは言えども反動そのものがないわけではない。
―――ならば、今は逃走して次の機会を伺えばいい。
そう思い立ったファンガイアはそのままダークキバに背を向けるとマンションから飛び降りようと駆け出したが―――
「逃がさない…」
その呟くのと同時にファンガイアの退路を塞ぐように緑色のキバの紋章が浮かび上がると、ファンガイアはその紋章によって動きを封じられるとすぐに弾き飛ばされ、飛ばされたその先では再び拳を構えたダークキバが待ち構えていた。
「ふんっ!!」
「ぐっ!?」
待ち構えたダークキバによってファンガイアは再び殴りつけられて吹き飛ばされる。
だが、飛ばされてもすぐに体勢を立て直して逃げに徹すればどうにかなるとファンガイアはその策に希望を見出しており、すぐに立て直そうと残っていた触手を使ってすぐに立て直そうとしたが―――――
待っていたのは絶望だった。
「逃がさないと言っただろ?」
「なに…っ!?」
「小僧、奴に絶望と言うものをその身に刻み込んでやれ!!」
体勢を立て直そうとファンガイアが伸ばした触手はダークキバが持っていた蛇腹剣に形を変えていた剣によって一瞬で全てが斬り飛ばされてしまったが、そうなれば床に転がった時に体勢を立て直してすぐに逃げようと考えを切り替えようとした。
しかし、ファンガイアの身体が床に着く前に再び紋章によって身体を捉えられると、時間を巻き戻したかのように再びダークキバの元へと弾き飛ばされていく。
「ふんっ!!はっ!!せいっ!!」
「ぐっ!!がぁ!?あがっ!?」
紋章によって身体が弾かれ、その先に待っているダークキバから1歩前に踏み出しながらのパンチやキックによって吹き飛ばされると、再び紋章に身体を弾かれていく。
壁に跳ね返るボールのように身体が跳ねていくファンガイア。
攻撃の数が増えるごとに吹き飛ばされる間隔が短くなっていき、遂に吹き飛ばされるほどの距離が無くなると、その身体は完全に紋章によって捉えられていた。
「はぁあああ!!」
「ぐぅっ!!あがっ!!ぎっ!!がぁああ!!」
「ファンガイアの鎧を纏った人間が人間の武器でファンガイアを蹂躙する……。なんとも惨めな光景だ……」
そして、身動き一つできなくなったファンガイアに対して、ダークキバは持っていた剣で幾度となく斬り付ける。
その度にファンガイアが悲鳴を挙げる光景にダークキバのベルトに収まったキバットは怒りを滲ませながら吐き捨てていた。
「正直、この程度では怒りが収まらんが……小僧、奴の悲鳴はもはや聞くに堪えん」
「はっ!!」
キバットの言葉を聞いたダークキバは大振りで斬り付けてから、全力で殴りつけるのと同時に紋章を消してファンガイアを弾き飛ばすと、その身体はマンションの屋上から離れて地面に向かって落ちようとしていた。
「これで逃げられる…!!」
屋上から地面に向かって落ちていくファンガイア。
その視界からダークキバが消えた今が最後のチャンスだと思ったが――――
「えっ…?」
地面に落ちていたファンガイアの身体がいきなり地球の重力に抗って屋上へ向かって飛んでいた。
何が起こったのか全く理解出来なかったファンガイアは首だけを地面の方へと向けると―――
「なっ…紋…章………!?」
「なんだ?逃げられるとでも思ったのか?言っただろう。お前達は絶滅だと…」
「キバットさん、お願いします…!!」
そこには先ほど自身の身体を弾き飛ばしていた紋章が宙に浮かび上がっており、ファンガイアは自身がそれによって上に跳ね上げられたのを理解すると、キバットが冷酷な言葉を投げかけ、ダークキバの手には技を金色の笛―――フエッスルをベルトに収まったキバットの口に当てると、キバットはそれを吹き鳴らした。
フエッスルを吹き鳴らしたがキバットがそう言うのと同時に夕暮れ時だった周囲が突如として闇夜に変わり、空には血の様に赤い月が浮かび上がる。
そして、その月を背にしながらダークキバは屋上から飛び上がるとすぐに宙に跳ねたファンガイアを追い越して―――
「はぁあああああああああ!!」
渾身の蹴りをファンガイアの胴体へと叩き込むとそのままファンガイアを巻き込みながらダークキバは地面に向かっていく。
そして、ファンガイアの身体を挟んでダークキバの足が地面に突き刺さると、その足を中心に地面に巨大なキバの紋章を刻み込み――――
「がぁあああああああああああ!!」
その中心で地面に叩きつけられたファンガイアは絶叫と共にガラスが砕け散るように消滅すると、周囲を包み込んでいた闇夜が晴れて夕暮れの太陽によってダークキバの身体を照らされていく。
その陽を感じながらダークキバはマンションの入口にいた友希那達を見つけると、その場から飛び上がって彼女達の目の前に着地して見せた。
「ユウ?」
「終わったよ…」
「おにーさん…あの…なんでいきなり夜に…?」
「トドメを刺す時に闇のキバに相応しい舞台になるだけだ。気にするな小娘」
「おい。バイオリンは無事か?」
「えぇ。ここにあるわ…」
ファンガイアを撃破したバイオリンの存在を確認するとキバットがベルトから離れると、ダークキバの変身が解けてユウの姿が現れるが、変身の解けたその姿に友希那達を目を見開いてしまった。
「おにーさん…!?」
「ユウ!!なんでそんなに血だらけなのよ!!」
「血が出てるだけだから大丈夫…。くっそ…口の中が血の味しかしないし、身体中が痛い……」
「ファンガイアの王のために作り出された物だ。人間が使って代償がこの程度で済んだと言うべきだ」
「コウモリモドキ…!!あなた!!なんてものを…!!」
「ゆきちゃん。承知の上だったから」
変身を解いたユウだったが、彼は口や目から血を流し痛みに耐えるように身体を抑えながら何とか立っている様な状態だった。
そんな姿を見たキバットはユウの状態が軽く済んでいると言う言葉を聞いた友希那がキバットに食って掛かっていたが、ユウがそれを静止させた。
「並みの人間は俺が噛みついた時点で即死するが、小僧なら耐えられる確信があった。だから鎧を使うことを許したのだ」
「おにーさん…」
「大丈夫だから…今はとにかくゼロライナーに帰るよ…」
ユウは自身が危険な状態だと言うにもかかわらず、今にも喧嘩になりそうな友希那達を宥めてさっさとゼロライナーへと引き揚げていくのだった。
そして、この世界で唯一のファンガイアを絶滅させた次の日――――
3人と1匹の姿はその辺にある雑居ビルの屋上にあった。
「あの…おにーさん…大丈夫なんですか?」
「戦闘とかはちょっとキツイけど普通に動く分には十分だよ」
「ユウ、あなたの身体…どうなってるのよ…」
友希那達はユウの身体を心配していたが、彼自身は日常生活を送るには特に支障がない程度には回復していた。
そんな彼の姿に友希那は驚きと呆れが入り混じった表情を向けていたが、そんな友希那の姿を見たキバットは呆れた様な表情を浮かべていた。
「知らんのか?小僧は―――」
「キバットさん」
「…こやつは特別頑丈なだけだ。しばらくすればまたあの鎧を使っても問題ない位には回復する」
「ぁ…あの…」
「小娘?どうしたのだ?」
キバットは何かを言いかけたがユウが口を挟んで言葉を遮った。
そんな中で燈は何かを思ったのか声を挙げるとキバットは彼女の方へと身体を向けると彼女は思っていたことをそのまま口にしていた。
「あの…この間の鎧…?って普通の人には使えないって言ってたのに、どうしておにーさんは使えたんだろうって…」
「小僧に出会った時に噛みついたと言っただろう。その時に魔皇力―――魔族の力を引き出す力を注ぎ込んで、小僧が寝てた時に忍び込んで面白半分に力を注ぎこみ続けた」
「「えっ………」」
燈の問いにキバットは何気なく答えていた。
しかし、その答えがまさかの”面白半分”と言う事に燈と友希那は困惑を隠せせずにいたが、ユウはそれを全く気にする様子もなく、取り返したブラッディ・ローズをケースから取り出していた。
「さてと…そろそろキバットさんを帰さないとね……」
ユウはそう呟きながらおもむろにバイオリンを構えると、弓を弾いて音を出した。
音楽にすらなってないただの単音だったが、バイオリンの素人である友希那達ですらそれだけを聞いてもそれが一級品であることを理解させられてしまった。
彼の行動は傍から見たらバイオリンの音を出しただけにしか見えない。
しかし、このバイオリンは時間軸を飛び越えてきた特別なもので、彼にはこれで事体が解決するという謎の確信を持っておりそれはすぐに現れた。
「丸…?」
「あの…友希那さん。魔法陣ってやつだと…」
彼らの目の前に現れたのは謎の穴。
いきなり現れたそれに友希那達が驚いていたが、驚きはそれだけでは無かった。
「穴の中からコウモリモドキがもう1匹いるわよ…!?」
「あれ…?キバットさん?でもちょっと違うような…。こっちに来てる…?」
穴の中にはキバットのようなシルエットが見えた。
それに驚いていたが、そのシルエットは徐々にこちらに近づいてきて――――
「父ちゃん~!!」
「うごっ!?」
「「父ちゃん……!?」」
「騒々しい…」
キバットと同じシルエットのキバットバットⅢ世が叫びながら穴から飛び出して、そのままユウの腹へと体当りの如く衝突していた。
ユウはその衝撃に耐えられずに呻き、友希那達は叫んでいた言葉に驚いていた。
そんな騒々しい光景にこの世界に居たキバット―――Ⅱ世は呆れた様な仕草を見せながら燈の頭の上に降りた。
「痛ってぇ……久しぶりだね。Ⅲ世」
「ん…?その呼び方…お前、もしかしてユウちゃん?」
「そうだよ…」
「マジ!?あんな小っちゃかったユウちゃんがちょっと見ない間に随分とまぁおっきくなっちゃって~!!」
「ぇ…あの…これは…」
「喧しいわね……」
「んっ…?」
ユウは腹に埋まっているキバットⅢ世に声をかけると、呼び方を聞いてユウだと判断したキバットⅢ世は以前見た時との変わり様に感動の再会を喧しく喜んでいた。
そんな光景を前に友希那達はキバット親子を余りの性格の違いに驚いて思わず見比べてしまったが、キバットⅢ世は友希那達の存在に気が付くとそちらに顔を向けたが、一瞬にして感動の再会が一瞬で崩壊した。
「えぇええ!?ユウちゃん。女の子と一緒なの!?もしかして彼女!?どっち?いや、もしかしてどっちも!?」
「うるさいぞ」
「痛っ!?父ちゃん!?だって、あのユウちゃんだよ!?」
「時を移動する方法があるのだから背丈が伸び縮みするくらいでそんな喚くな」
「うん。感動の再会で色々と話したい気持ちは無いわけじゃないけど、早くしないと2人とも帰れなくなっちゃうよ?」
友希那達を見てユウの彼女だと騒ぎ立てるキバットⅢ世を体当りでⅡ世が黙らせる。
本来ならば積もる話もあるのだが、キバット達の世界とこの世界が何時まで繋がるか分からないとユウはすぐにブラッディ・ローズをケースに収めるとキバット親子にそれを差し出すと、Ⅱ世が飛びながら器用にケースと掴み取った。
「小僧、それに小娘達も世話になったな」
「えっと…キバットさん。その…今度来るときはゆっくりできる時にでも…」
「…次来るときは厄介事は止めてちょうだい」
「……それは期待しないでおけ」
「色々と話したい事もあるけど…仕方ねぇ…!!…ユウちゃん!!今度はちゃんと話聞かせろよ~!!」
「キバットさん…さようなら」
「小僧…また会おう…」
別れの挨拶を交わしてキバット2匹が出来た穴に飛びこむと、徐々にその穴が小さくなっていき気が付けば跡形もなく消え去り、その場所を3人は黙って見つめていた。
「別の世界と繋がるなんて…凄い濃かった2日だったわね…」
「そう…ですね……」
「俺は色々行ってるからあれだけど、普通そうだよね」
「でも、いい思い出…だったと思います……」
「……そうね。バンドの練習もあるし、そろそろ行きましょうか……」
ビルの屋上に残った3人は激動ともいえる2日間を思い返して、この出会いは悪いものではなかった。
そう結論付けて彼女達も元の日常もとい、バンド練習へと戻っていく。
「ともりん!!ともりん!!これ見てよ!!」
「あっ!!友希那!!これ見て~」
「「新しい都市伝説。東京のど真ん中に謎のミステリーサークルだって!!」」
「「……」」
そして、練習前にバンドメンバーから出てきた新しい”都市伝説”と言う勘違い話を真実を知っている2人は目を逸らすことも何も悪いことではなかった。
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