忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。
商店街の人と商店街5番勝負も4つになりましたね。
みんなでテスト…?まるで【自主規制】のテストだよ…
まぁ、最終勝負は…どうなるんでしょうねぇ…という事でどうぞ!!


77話-醗酵した黒っぽい豚骨が荒れ狂う―――

「「お…終わった……」」

 

4番目の勝負である学力テストを受けた蘭とあこ。

2人はテストが終わったのと同時にぐったりしながら机に突っ伏していると、一緒にテストを受けた面々が集まってきた。

 

「蘭もあこも…大丈夫か?」

 

「頭使って……疲れた…。問題も難しいの結構あったし……」

 

「おねーちゃん、あこもうダメかも……」

 

「確かに3年とかの内容も入ってたから仕方ないけど、殆ど2年までの内容だったろ?」

 

蘭とあこはテストの難易度の高さにやられていた。

そんな2人を見て一緒にテストを受けていた巴はテストの内容を思い出して、既に勉強していた内容だったと思い返していた。

 

「モカちゃんもちょ~っと苦戦したね~。2年生までの内容なのにすっごい難しい問題がチラホラとあったけど、つぐは相変わらず、ツグってたね~」

 

「うん…流石に紗夜さんが作った問題だから頑張ったよ!!英語のテストは一部の問題が英語で書かれてたから苦労したけど……。モカちゃんも凄い頑張ってたよね!!」

 

「マッスーがどれかの科目で一番取れたらだとパン食べ放題って言われたから頑張ったよ~」

 

「アタシはラーメン奢りって言われたな」

 

 

 

「ろっか!!ろっかはどうだったの?」

 

「えっと…3年生の内容以外は出来てたと思うけど?」

 

自身の無いあこと蘭とは打って変わってモカやロックと言った成績が良い面々ですらテストの難易度の高さを思い出していたが、モノに釣られてやる気満々だった一部の面々は自信満々と言った表情を浮かべていた。

そんなタイミングで不意に教室の扉が開くと彼女達にとって見知った顔が入ってきた。

 

「うぅ…うぅ……。テスト怖い…」

 

「それはゆきちゃんが今まで勉強してなかったからでしょ?」

 

「ほら、友希那ちゃん。しっかりしなさい」

 

 

 

「あはは…湊さんが酷いことになってますね…」

 

「ぁ…その…すいません……」

 

「いえ!!高松さんが悪いわけでは…!!」

 

「でも、結構難しかったですよね。燈ちゃんは1年でやったことない内容もあった訳だけど…」

 

「えっと、前におにーさんが少しだけ教えてくれたので……」

 

教室に入ってきたのはテストを受けて燃え尽きた友希那と彼女を支えるユウと千聖。

その後ろにはそんな彼女達を見て反応に困りながらも感想を言い合っていた麻弥、沙綾、燈の3人が続いていた。

 

「トモちん、あの男の人知ってる人?」

 

「あぁ、この間話してた湊さんの知り合いの人で、ひまりが出たフォトコンテストの打ち上げでバカみたいに料理を作ってた人だよ」

 

「いいなぁ~。モカちゃんもリサさんとのバイトが無かったら行きたかったな~…」

 

友希那は予想通りにテストが出来なかったのだろうと皆が考えていたが、他の面々はそれなりの点は取れていそうな空気を出していた。

そんな集団を見ていた中でモカは見覚えのないユウの存在に首を傾げていると、巴の説明を聞いて料理の事しか頭に入っておらず愚痴を零していると、つぐみは蘭に顔を向けていた。

 

「蘭ちゃんも初めてだよね?」

 

「どこかで見たことあるような気がするけど……」

 

「……前にゆきちゃん達のライブを見に行ったから、その時に見たことがあるんじゃないですか?」

 

蘭もユウとは初対面だとつぐみは声をかけたが、顔をあげてユウの顔を見るとどこかで見たことがあると口走るも、ユウがそれっぽい事を言ってはぐらかすと巴が空気を読んで話を切り出していた。

 

「そう言えばそっちもテスト受けたんですよね?」

 

「こっちもテスト受けましたよ」

 

「私達も一緒になって受けてみたけれど、意外と忘れてるものね」

 

「ジブンも社会とか結構ボロボロでしたね…」

 

巴がテストの話題を繰り出すと思い思いの感想が飛び出したが、このタイミングでユウが爆弾を投下して見せた。

 

 

 

 

 

 

 

「凄いですね!!今の高校って英語以外の外国語も勉強してるんですね!!」

 

「「「「「はい?」」」」」

 

「えっと……何言ってるんですか?」

 

「えっ?英語は問題文から何まで全部が英語で、数学がフィンランド語で理科がフランス語でしたね?」

 

「「「「「「はい?」」」」」」

 

「いや、私達が後ろで問題用紙を変えてもらうように言ってたと思うんですけど…」

 

「あぁ~…運動直後だったのと翻訳に意識が行ってて他の事を気にしてなかったので…」

 

ユウは自分が受けたテストの事を思い出し、テストの言語の事を口に出すと元々教室にいたロックや巴達から気の抜けた言葉が出てきた。

巴達が受けたテストは英語の一部以外は全て日本語で出題されていたのだが、目の前のユウはテストを受けたのに”科目の半分以上が日本語ではない”と言っていることに困惑していた。

 

最も、その問題についてはユウと一緒にテストを受けていた時に後ろでテストを受けていた千聖が問題文を変えるように言った時点で気が付くはずなのだが、運動の疲れと翻訳への意識が向いていたことが重なって彼は今までこの事に気がついていなかったのだ。

 

「えっと…問題用紙あります?」

 

「ありますよ。自己採点用で貰えましたから」

 

「ちょっと拝見……うん。俺のとは言語違いで問題は一緒みたい…朝日さん、ありがとね 」

 

「えっ…あっ…はい」

 

その事に驚いたユウはすぐにみんなが受けたテストの問題用紙を探すと、ロックが自己採点用に貰っていたのを借りて問題を一通り確認して同じ問題だったことを確認してからすぐに問題を返していた。

 

「それで、ユウさんでしたか~?何点くらい取れてそうなんですか~?」

 

「えっと…」

 

「モカちゃんは青葉モカって言います~トモちん達の幼馴染でーす」

 

「青葉さんね…テスト自体が久々だったから…えっと、自己採点だと400点くらいだと思いますよ?」

 

「久々のテストでそれは凄いですね~。モカちゃんは400~430点あたりだと思ってるんですけどね~」

 

 

 

「ぇ…?おにーさんならもっと取れてそうなのに…」

 

モカは何気なくユウの自己採点の点数を聞き、久々のテストにしては高得点だと素直に賞賛していたのだが、その言葉を聞いた燈はユウがこの点数なのが信じられずに思わず言葉を漏らす。

その言葉を聞いたユウは自身がその点数を出した理由を燈に説明していた。

 

 

 

 

「燈ちゃん。記述式の問題があったでしょ?あんなのは採点者の匙加減で正否が決まるから全部不正解で点数出してるよ」

 

「えっ…?あたしは記述式もカウントしてその位だったのに~…」

 

「因みに、記述問題をカウントするとどの位なんですか?」

 

「えっと…確か全部の教科に記述問題があって、記述全体で配点が80点くらいだから……歴史は自信ないのでそこは間違ってるカウントしたら440点位ですかね……まぁ、結果出るまではいくら計算しても皮算用ですけどね?」

 

ユウが自己採点をした点数だが、その中には自身で文章を記述する問題の点数が一切含まれていないと言うのに対して、モカは記述式問題を含めてその点数を出しているというその言葉に敗戦濃厚だとモカと巴は落ち込み始めていた。

 

「これはパン食べ放題は無しかな~テスト前に予習までしたのに……」

 

「ラーメンは厳しそうだな…」

 

「ここでもあったかそのシステム……」

 

「ここでも…?えっと…どういう事ですか…?」

 

「若宮さんには勝ったら弟子にしてもらうって言われて、上原さんにはスイーツを強請られました。

弟子はともかくとして、スイーツくらいなら頼まれれば作るんですけどね?」

 

「ひまりちゃん……」

 

落ち込む2人にユウはここでもユウに勝てば報酬が出ると言われていたことに呆れていたが、

事情を知らないつぐみがその反応の理由を尋ね、返ってきた言葉とその言葉につぐみは幼馴染の要求に若干の恥ずかしさを憶えていたのを他所にユウの思考は明後日の方向へと飛んでいく。

 

「あれ?さっきまでの勝負でキグルミがいるバンドの人達は何も要求してこなかったって考えると、一番まとも……なのかな?」

 

「中島さん。それはないわよ…」

 

「あはは…イヴさんのチャンバラでは2連勝で、奥沢さんと上原さんはズブの素人を相手にして1vs2の変則ダブルスでしたし……ハンデってことなんですかね…?」

 

「麻弥ちゃん、運動系のハンデはともかくとして学力テストのハンデって何よ?」

 

「おにーさんのテスト…日本語じゃなかったですし……」

 

「でも、ユウさんは普通に解いてましたけど…?それに、こっちはつぐみ達と違って予習時間なかったし…」

 

「っ!!そうよ山吹さん!!なんで私達には予習の時間がなかったのよ?」

 

「ゆきちゃんは時間があっても予習しないでしょ…」

 

「するわよ……多分…」

 

「本来なら現役学生であるつぐみちゃん達の方がハンデを背負うべきじゃないかしら……。あれ?そう考えるとハンデなしで堂々と勝負してきたはぐみちゃんがまともに…?やっぱりハロハピってまともなんじゃ…?」

 

「千聖さん、戻ってきてください!!」

 

明後日の方向に飛んだユウの考えを聞くとそこから話が膨らんでいく。

 

彼はバッティング対決を挑んだはぐみ以外からは不利な条件を叩きつけられていたにも拘らず、未経験だったテニスでボロ負けした以外には負けていない。

テスト結果はまだ出ていないがおそらくは点数もかなりの高得点が見込まれて一番自信のある予習を行ったモカですら合計点では敗色濃厚と言う状態。

 

そんな状況を聞いた千聖も彼に釣られて変な方向に考え始めたのを麻弥が何とか現実に引き戻そうと慌て始める。

 

そんなくだらないことを話していた所で再び扉が開くとそこには仕掛け人であるマスキングが笑みを浮かべて教室に入ってきた。

 

「よし、この後はつぐみの喫茶店に移動してから最後の菓子作りで勝負だな!!」

 

「この後…?」

 

「あぁ!!採点待ちがあるし、時間がもったいないからその時間でやるんだよ」

 

マスキングはこのタイミングで最後の勝負を始めようとしていた。

確かに時間がもったいないと言う主張は納得は出来るが、これまでの勝負その物に疑いを持ったをかけた人物がいた。

 

「おいますき!!いくら何でもやり過ぎだろ!!」

 

「巴の言う通りだよ。ユウさんに不利な条件を押し付けすぎじゃない?」

 

「沙綾。男女で差があるんだから運動系にハンデは必要だろ?」

 

 

「キング、運動系に関してはその通りでも、テストは違いますよ!!」

 

「そうだよキング!!日本語で問題を出さないのはやり過ぎだよ!!」

 

「麻弥さん…あこも…っ!?でも、最終的に勝てばいいんすよ!!」

 

「そんな勝ち方じゃ納得できるんですか!!」

 

 

 

「まぁまぁ、みんな落ち着いて?」

 

「ちょっと、中島さんはやられてる側なのになんで落ち着いてるんですか!?」

 

「まぁ…ただ勝つためって言うならそのやり方は理解出来るよ。身を削ったり命かけたりしてでも勝たなきゃいけない時には手段を選ぶ余裕はないからね?」

 

「「あっ……」」

 

今までの話を聞き、勝負の不公平さが酷過ぎるとマスキングと同じドラマー達が一斉に吼えるが、その言葉を聞いてもマスキングは勝ちに拘ると言ってギスギスした空気が教室内に漂い始めていく。

しかし、あろうことか不公平な勝負を仕掛けられた本人が何故かこの状況の仲裁に入り、マスキングの行いに理解を示すようなコメントをしたことに全員が驚きで目を丸くしていたが、理由を聞いた友希那と燈はその言葉を聞いてその顔に影を落としていた。

 

 

彼は文字通り身を他人にありる自身の記憶を燃やしながら戦い、そして彼の敗北は今の時間が崩壊する。

そんなとてつもない爆弾を抱えている彼を知っているからこそ、2人はその言葉の意味を理解してしまい、驚きとは違う複雑な思いが彼女達の中に湧いてそれが顔に出てしまったのだ。

 

ユウも友希那と燈の表情の理由には気が付いたが、今はそれは置いておいてマスキングとの勝負を優先すべく向き合っていた。

 

「……お菓子作りはいいけど、時間貰えます?」

 

「あっ?すぐやれるだろ?」

 

「キング!!ここまでずっと色々やらせてるのにヒドイっすよ!!」

 

「……」

 

「……そんな睨んでなんだよ?」

 

マスキングに向かい合ったユウは次の勝負までに時間が欲しいと伝えるが、彼女はその言葉の意味を理解せずに断った。

その言葉に麻弥が反発して声を挙げたがユウは黙ってマスキングを睨みつけると、彼女も睨み返してみせる。

 

完全にヤンキーの喧嘩前のような状況で今すぐにでも手が出るのではないかと思わせる空気に全員が冷や汗をかき始めたが――――――

 

 

 

 

 

 

 

「料理を舐めてるんですか?」

 

「はぁ!?なんだと?」

 

「……あなたは運動で汗かいた状態作った料理を他人に食わせるんですか?」

 

「っ!?」

 

不利な勝負の連戦に対して起こっていた麻弥とは違って、彼が気にしていたのはそこではなく、先の3戦であった運動で汗をかいた状態のままで料理をさせようとするマスキングの言動に対してであり、その言葉を聞いたマスキングは何も言い返せずにバツの悪そうな表情で彼から顔を逸らしてしまった。

 

「シャワー浴びてから寝かせてる生地とか持ってくる準備と場所移動で…今から1時間後でいいですね?」

 

「あぁ……」

 

顔を逸らしたマスキングにユウは自身の条件を呑ませると、シャワーと準備をするためそのまま教室を後にするのだった。




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