忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございまっ!!
うーん。誰の脳を破壊しようかねぇ…?(ニッコリ
まぁ、今回はジャブ未満のナニカを…どうぞ


09話-Schreckliche Geschichte

 

「あれ?…いない?」

 

「リサちー!!」

 

「今井さん!!」

 

「紗夜!!ヒナ!!友希那が…!!

 

 

 

 

 

 

友希那が消えた!!」

 

「「はい?」」

 

友希那達が隠れたはずの試着室の扉をこじ開けたリサ。

だが、そこに彼女達の姿は影も形も無いことに困惑していたリサを追いかけて氷川姉妹が店に飛び込んで来て早々にリサは2人の肩を揺すりながら必死の形相で訴えかけるも、リサの言葉が理解できずに姉妹揃って困惑の表情を浮かべていた。

 

「今井さん。とりあえず顔がグチャグチャなので早く身体を拭いてください」

 

「リサちー?友希那ちゃん達が入っていったのは見えたけど、蘭ちゃん達が見張ってるから中にいるんじゃないの?」

 

「だから!!試着室に入ったのが見えたから扉開けたら中に誰もいないの!!」

 

「今井さん。いくら何でも人が入っている試着室の扉を開けるのはどうかと思いますが…」

 

「おねーちゃんの言う通りだね~。今のリサちー、傍から見たら完全にヤバい人だよ?」

 

「友希那が男と消えたんだよ!!事案だよ!!事案!!警察呼ばなきゃ…!!」

 

 

 

 

 

「警察呼んでも連れてかれるのはあなたの方よ…」

 

「ふえぇ~…!?何これぇ~!?」

 

「あっ!!千聖ちゃんに花音ちゃん!!」

 

氷川姉妹がリサの事を宥め始めたが、リサの暴走は止まらない。

だが、そんな彼女達のやり取りに割り込んできた千聖がリサの事を止めようとしたが、リサは止まらない。

 

「千聖!!友希那が男と試着室入ったら消えた!!」

 

「…日菜ちゃん。責任持ってリサちゃんをぶん殴ってでもいいから、黙らせてもらえるかしら?」

 

「えぇ~…。千聖ちゃん、ひどーい!!」

 

「そもそも、日菜が話を持ってこなければここまでになってなかったわよ…。それにしても何故白鷺さん達が…?」

 

「日菜ちゃんがやらかしそうだから止めようと思って来たのよ……まぁ、リサちゃんが暴走してるのは予想外だったけれど…。

 

とりあえず、リサちゃんを黙らせてからお店の人に謝罪して…なんでこんなことしなくちゃならないのよ…」

 

「白鷺さん…うちの今井さんと日菜が申し訳ありません…」

 

「紗夜ちゃんは悪くないわよ…。はぁ…」

 

リサの暴走している様子に呆れた表情を浮かべていた千聖は事の発端になった日菜にリサを黙らせるように指示を出し、身内の問題行動を恥じる紗夜と一緒に頭を抱えることになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな出来事が起こっている一方で、話題になっていた友希那とユウは――――

 

「ここは…昨日の電車…?」

 

試着室の扉を通ったはずの2人は何故か昨日学校で乗った列車の中にいた。

 

「なんとか逃げられたね」

 

「ユウ、これはどういう事?それに何が何だか…もう!!」

 

「はい。一旦落ち着いて…とりあえず座ろ?」

 

「落ち着ける訳がないわよ…」

 

「まぁまぁ…とりあえず客室に…」

 

ユウはいきなりの状況に混乱している友希那を客室内で一番広いL字型の座席に座らせると、

一旦部屋から離れてから飲み物を持って再び戻ってきた。

 

「とりあえず、珈琲とホットミルク…どっちがいいかな?」

 

「えぇ…ホットミルクで」

 

友希那が差し出されたミルクに口をつけたのを見て、ユウは彼女の斜め前に座って一度珈琲を口にしてから友希那に視線を向けて彼女が落ち着くまで待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。落ち着いたわ」

 

「良かった。それじゃ、色々と話をしようか…とりあえず、一辺に聞かれても答えられないから順番にね?」

 

「分かったわ…」

 

友希那が落ち着いてからユウは真面目な表情で話を切り出していく。

 

だが、一辺に聞かれても応えきれない可能性を考えたユウは”順番に答える”と釘を刺された彼女は色々と考え始めるが、聞くべきことは山のようにあった。

 

―――幼い自分達の前から姿を消したこと

―――皆がユウの存在を忘れていること

―――昨日見た怪物やユウが姿を変えた物のこと

 

色んな疑問がグルグルと彼女の頭の中で暴れまわり、思考がどんどんグチャグチャになっていく。

 

そして、最初に聞いた質問は――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ、ここは一体どこなのかしら?それにどうやってここに来たのか分からないわ」

 

「あっ…その話から?」

 

今いるこの場所についてのことだった。

その質問を聞いたユウは笑みを浮かべながら、彼女の疑問に答えていた。

 

「ここはゼロライナー…すっごい分かりやすく言うと、列車型のタイムマシン…かな?」

 

「ゼロ…ライナー…?タイムマシン…?」

 

「そうだよ。俺がここに来たいって思いながら扉を開けたら繋がるんだよ?」

 

「…?」

 

「うん。混乱し始めたね。でも、過去に行ったことについては何か思う所があるんじゃないの?」

 

ユウはこの場所について語るも、友希那は一瞬で頭が混乱し始めていた。

昨日は説明を聞かずに過去に連れていかれたが、改めて聞いてみたら”タイムマシン”だと言われても普通に考えたらそれだけで納得する方が難しいのだが、彼女はユウが連れてきた時に見せられたあるものを思い出していた。

 

 

 

「夕方で晴れてたはずだったのにいきなり雨の降ってたわ…。それ…、スマホのニュースもRoseliaのメジャーデビューが速報になってたわ…」

 

「納得した?」

 

「昨日見たとは言えど、あまり納得できないわね…」

 

「あはは…まぁ、仕方ないよね…」

 

友希那は先日見たことを思い出したが、余り現実味を感じられずにいたが、ユウの真剣な表情を見た彼女はなんとか納得しようと努めるも、ユウは”仕方ない”と完全に割り切っていた様子を見た友希那はふとした疑問を覚えていた。

 

普通に考えれば”タイムマシン”などと話しても完全に聞き流されるような内容なのに、それを隠れて話すような必要があったのか疑問を感じずにはいられなかった。

 

 

「この話、皆に隠れてする必要があったのかしら?普通に考えたら信じられないような話なのに?」

 

「確かに普通じゃ信じられないけど、もしも普通じゃない人が信じたら?」

 

「それは…」

 

「ゼロライナーを悪用して過去を滅茶苦茶にして…時間を壊すことだってできるんだから」

 

「時間を…壊す…?」

 

 

だが、ユウはその言葉に真剣な表情で言葉を返していたが、

彼が言った”時間を壊す”と言う言葉の意味が友希那には理解出来なかった友希那だったが、言葉の響きとユウの放つ雰囲気が危ないことだということだけを察するとそれ以上のことを聞くことを止めていた。

 

「一旦話を変えるわ。…椎名さんに長崎さん…だったかしら?

 

 

 

 

 

あの2人はどうして生きているの?私は昨日の音楽室で見たわ!!化け物と…あの子達が…その……死んでいたのを…」

 

「……」

 

友希那は昨日、あの音楽室の中にいた立希とそよの2人について―――

 

上半身と下半身で真っ二つになっていた立希は確実に死亡していたはずであり、首を吊るされたそよについても奇跡的に助かったとしてもあんなすぐに元気になることなど絶対にあり得ない。

それに加えて、昨日着ていた衣装についていた血と鼻の奥に残っている”血の匂い”があの光景が現実だと訴えかけてくるが、友希那が列車から降りた際に見た2人には怪我した様子など欠片も見られなかった。

 

 

 

 

 

「――――ゆきちゃん。あの音楽室での出来事は実際にあったことだよ」

 

考えただけでも完全に頭がおかしくなりそうになる彼女に対して、ユウはハッキリと真実だと告げていた。

 

「なら…!!どうして…!!あの子達は無事なの!!」

 

「……時間が修復されたからだよ」

 

「時間が修復…?」

 

また訳の分からない言葉が出てきたことで更に混乱してきた友希那は頭を抑え始める。

そんな彼女にユウはなんとか説明を続けようとしていた。

 

「順番に説明するね?まずはあの場所にいた化け物―――”イマジン”って言うんだけど―――」

 

「いま…なに?」

 

「イマジン、この時間と繋がらない別の時間からやってきた奴らのことだよ」

 

「繋がらない時間…?」

 

 

 

「えっと…例えばだよ?

ゆきちゃんはバンドで音楽をやってるけど…

バンドじゃなくて演歌を歌ってたり……極端に言えば、ゆきちゃんが音楽じゃなくてプロレスとかミュージカルやってたりとか…そう言う繋がらない未来からやってきた連中だよ」

 

「演歌?プロレス?ミュージカル?あり得ないわ…」

 

「でしょ?」

 

ユウの説明は”今語ったのは敵がどういった存在か”と言う事だけしか語ってないが、聞いた友希那はそれで分かったつもりになっていた。

だが、ちゃんと分かって無さそうなことを見抜いたユウは友希那へと更に説明を続けていた。

 

「イマジンは自分達の未来に繋がるように現代にやって来て…過去を変えようとしてるんだよ」

 

「過去を変える?」

 

「そう。そのために現代の人間と契約して、契約者の望みを叶えることで契約者の記憶を辿って過去に行くんだよ。

って言っても、あいつらの大半は契約者の望みを歪んだ形で解釈してくるからね?」

 

「望みを叶える…昨日の子はあんなことを望んでなかった?」

 

「多分だけど、昨日の子は”辞めたバンドの人達で集まりたい”って契約して、イマジンは辞めたバンドのメンバーを”生死を問わずに”集めた。

それで契約を完了って事にして、彼女がバンドを辞めた過去の日に移動した…って感じかな?」

 

「最悪ね…」

 

契約者の望みを叶える―――

傍から聞いたらとてつもなく魅力的な言葉だが、そこに待っているのはあの惨劇の光景だということに友希那は顔を顰める姿を見ながらユウは更に話を続ける。

 

「それで過去に飛んだアイツらを倒すことで、ゆきちゃんみたいな”特異点”が起点になって歴史が修復されるって訳」

 

「特異点…?ユウ、そう言えば最初にあった時もそう言ってたわね?なんなの?それにどうして私がそれだって分かったの?」

 

「歴史改変の影響を受けない人のことだよ。分かった理由は…ゆきちゃん、俺の事覚えてたでしょ?」

 

「えぇ…」

 

「だからだよ。実際に姉さんとか、異変を教えてくれた愛音ちゃんは俺のことを覚えてなかったでしょ?」

 

「そうよ!!ユウ!!なんでみんながあなたの事を忘れてるのよ!!」

 

ユウの説明でまた分かった気になった友希那。

だが、ここまで聞いて最後に彼女が一番聞きたかったことを問い質し始めると、ユウはその質問に答える為に、昨日使ったベルトとカードを見せ始めた。

 

「これは?」

 

「イマジンと戦うためにこのベルトとカードを使って変身して戦うんだ」

 

「それがみんながあなたの事を忘れるのに関係があるの?」

 

ユウは見せたベルトとカード。

だが、今の話とこの2つが全く結びつかない友希那は首を傾げると、ユウはここで最大級の破壊力を持つ爆弾を投下した。

 

「あるよ…だって――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを使うとみんなの中から俺の記憶が消えてくんだから…」

 

「っ!?」

 

「ゆきちゃん!!」

 

余りにも衝撃的な話を聞いてしまった友希那はショックを受けたのか、目の前が真っ暗になってそのまま意識を失って倒れそうになるが、即座にユウが彼女の身体を支えて座席に横に寝かせていく。

 

「気を失ったけど…良かったかな…。まぁ、ゆきちゃんには言えないよね…」

 

その中でユウは多少の罪悪感を覚えていたが、少しだけ安心していた。

何故なら――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カードを使い果たしたら俺の存在が消えちゃう…なんてね」

 

ユウに待つ最後の結末を彼女に隠すことが出来たのだから―――

 





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