今回は主人公の過去語りになりますが…
この主人公ヤバすぎぃ!!ってなってしまった…
まぁ、本編には関係ない部分だしええやろ!!の精神で投稿です
「相手は1組の男女で女の方は鈴鹿まさこ。城之内の秘書だった女で、男の名前は”コウガネ“。オーバーロードの手によって生み出された生命体だ」
貴虎が告げた敵の名前とその正体を告げると、彼らからは重々しい空気が漂っていたのだが―――
「……えっ?なにそれ…知らないんですけど……」
「「「「「……」」」」」
ユウの何気ない一言が全てをぶち壊していた。
その言葉を聞いたアーマードライダー組は呆れた様な表情をユウに向けていた。
「今井……この世界の危機だというのに……お前と言う奴は…」
「全くおチビちゃんは料理する時とは打って変わって…こういう事には図太いというか、危機感が薄いというか………」
「前に会った時から全然変わってないな……」
「みんなしてバカにしてます……?」
「ユウ、そのおーばーろーど…?って言うのはなんなのかしら?」
「ゆきちゃんにでも分かるように言うなら………ヘルヘイムの実を食べても問題ないインベスの親玉みたいなのって認識でいいよ」
「……バカにしてるのかしら?」
「反比例分からないから……うん」
「……音楽に必要ないから良いのよ」
「一般教養だよ……」
呆れの感情を向けられたユウは思わず3人に怪訝そうな表情を浮かべていたのだが、この話をついて行けない友希那に分かるようにユウが簡単すぎる説明をした。
しかし、その言い方に思わず友希那がムッとした表情を浮かべてユウを睨みつけながら反論したが、彼女の答えを聞いて頭を抑える様な仕草をしてからユウは視線を貴虎達に向けていた。
「主任、こっち来て食事は?」
「取ってない」
「なら、俺達のも合わせて5人―――」
「私も食べたいわ」
「ぇ…ぁ……私も……」
「……7人分作るんで席外しますね」
「分かった」
ユウは貴虎達の言葉を聞くと彼ら全員分の食事を作ると言って席を立つ。
そして、ユウが居なくなったことで何とも言えない空気にな理想になったのだが、今回は先ほどの様にはならなかった。
「あら!!おチビちゃんのご飯なんて久しぶりね」
「私は知らんが…凰蓮が言うなら期待しても良さそうだな」
「料理なら間違いなくあの子は一流よ。最も!!スイーツじゃまだまだワテクシは負けないけれど!!」
「ねぇ………」
「湊だったな……どうした?」
「あなた達がユウと過ごした時の話が聞きたいのだけれど…」
あのパティシエとして超一流の凰蓮が期待しているほどの料理など言う事に貴虎は興味を示していた。
そんな中で友希那が思い切って彼らがユウと過ごした時のことを聞こうと声をかけた。
彼女としては今までの彼を知りたい興味本位だったのだが、そんな友希那の言葉を聞いた3人は一気に真剣な表情を向けていた。
「食事前にするような話ではないんだがな………」
「どんなことだろうと覚悟はしてるわ」
「そこまで言うなら良いわ。おチビちゃんの料理が出来るまでの間よ」
そうして、彼ら3人がユウと過ごした時間について語られるのだった。
インベスとの戦いを終えて弟子である城之内を背負い河川敷を歩く凰蓮。
「―――アイツら、ホントにインベスゲーム辞めてますよ」
「バカおっしゃい。それならなんで街にインベスが増えてるのよ」
「でも、ランキングも廃止されたし……理由が無いんですよ。それにうちのチームの子も鎧武の連中と仲良いみたいだし」
「なら……どういう事?」
城之内曰くビートライダーズはインベスゲームを辞めた。
それにも関わらずインベスが街に増えている理由を考えながら弟子を背負って歩く凰蓮は先ほどの出来事を思い出していたのだが―――
「まさか…みずがめ座の坊やが言ってた……あら?」
「凰蓮さん?」
「あそこ見てごらんなさい?おチビちゃんがいるわよ」
「小学生…いや、中学生ですかね?釣りしてるみたいですけど…」
「そうじゃないわよ!!あんなボロボロの服で…虐待かしら?」
そんな中で何かを見つけた凰蓮は背中にいる城之内に声をかけると2人でその方向を見ると、ボロボロの服を着た中学生程度の背丈の男子が川沿いに立って釣りをしているという奇妙過ぎる光景に視線を奪われた2人だったが――――
「凰蓮さん!!インベスがあの子供に…!!」
「危ないわ!!あの子気が付いてない!!」
河川敷に生えていた草の影から初級インベスが飛び出して釣りをしている男子へと襲い掛かろうしていたが、その男子はインベスに気が付いている様な素振りを見せていなかったことに気が付いて城之内を背負ったままの凰蓮がその男子に駆け寄ろうとしたその瞬間、その男子は動き出した。
「えっ!?凰蓮さん!!あの子供!!自分からインベスの口に手を突っ込んで―――!?」
「生身で…!?」
2人が見た男子は迫って来ていたインベスの口に自分から腕をねじ込んで内臓らしき何かと共に自身の腕を引きずり出すと、インベスはそのまま絶命して爆発するでもなくそのまま地面に倒れこんでいた。
そんな光景に唖然としていた2人だったが、その男子の口から更に衝撃的な言葉が飛び出してきた。
「晩飯………これ食えるかな……」
「ちょ…!?お待ちなさーい!!」
あろうことかその男子はインベスの臓物に視線を移して晩飯にしようと口にしていた。
その言葉を聞いた凰蓮は溜まらず城之内を背負ったままその男子の元に駆け出していくのだった。
「と、まぁそれがワテクシとおチビちゃんの出会いね。それであの子が身寄りがないから引き取ったのだけれど、料理も家事も完璧で兄弟子の坊やよりもスイーツ作りは上だったのには驚いたわよ」
「「……」」
「シャルモンのおっさんの話始めて聞いたけど、初めて会った時に言ってたインベス食おうとしたってマジかよ……」
「あら?メロンの君は平気そうね?」
そうして最初に凰蓮がユウの初めての出会いを語った。
しかし、その会話を聞いた友希那と燈の2人は絶句し、ザックはユウの行動に完全に引いていた。
会話の中のユウは完全に異常な行動をしていたのにも関わらず貴虎だけは特に反応を示さなかった事に凰蓮が疑問に感じて声をかけると更に衝撃的な言葉が飛び出してきた。
「部分的にだが、今井はオーバーロードを捕食したのを見たからな」
「「「えっ……!?」」」
「メロンの君!?それ何時の話なのよ!?」
「ユグドラシルのクラックで初めてオーバーロードを遭遇した時だ」
語られたのはユウが初級インベスではなく、その上位の種にあたるオーバーロードを部分的に捕食したと言う完全な爆弾発言。
友希那達とザックの横で凰蓮が貴虎に詰め寄っていくが、彼は難なく凰蓮を払いのけながら聞かれた問いの答えを返していた。
「あぁ!!ワテクシを心配して食料を持ってクラックから追いかけてきたあの時!?もしかしてワテクシが気絶した後に……」
「……ユグドラシルの社員を庇って今井がオーバーロードに捕まったんだが、アイツはオーバーロードの手から逃げるためにその腕の一部を食い千切ってそのまま飲み込んだ。
その後逃走したオーバーロードを葛葉と2人で追いかけたんだが…
今井にとってはそこからが地獄だったんだ」
オーバーロードの捕まった。
それだけ聞いてもかなりの危機的な状況なのだが、あの貴虎ですら地獄だと言う出来事がユウに起こったと聞いて全員が息を呑んだのだが、そんな空気の中で貴虎が口を開いた。
「奴は私を追いかけてきたシドの攻撃によって負傷してユグドラシルに運び込まれ―――」
「皆さんそろそろ料理が……ってあれ?何この空気?」
「……お前の事を話していたんだ」
だが、貴虎がユウに待っていた地獄を口にしようとしたタイミングで客室にユウが戻ってきてしまった。
間の悪いユウに皆の視線が集まるが、当の本人は状況が呑み込めずに周囲を見回すがさっぱり状況が分らずに首を傾げると、皆が言いにくそうにしている中で貴虎が代表して言葉を口にするとユウは険しい表情を貴虎に向けていた。
「主任、どこまで話しました?」
「ユウ、お前がオーバーロードの一部を捕食した後に、負傷してユグドラシルに運ばれたまでだ」
「ユウ、あなた何をされたの……?」
「ゆきちゃん……燈ちゃんも……本当に聞きたいの?主任も最初聞いた時は顔を青くしてたけど?」
「………えぇ」
「……食事前に話す内容じゃないんだけど、本当に聞きたいの?」
「おにーさん…教えてください……」
ユウは自身についてどこまで語ったのかを聞くと、貴虎ではなくザックが答えると友希那がその後に起こったことについてユウに尋ねていたが、ユウはそんな彼女に神妙な表情で念押ししてまで確認を取る。
そして、好奇心が勝ってしまった友希那達から返ってきた答えを聞いたユウは何食わぬ表情で自身が体験したことを簡潔に口にした。
「人体実験」
「「「「っ……」」」」
「オーバーロードを食った身体を調べるって、戦極のクソ野郎に麻酔なしで身体を斬り刻まれて血とか肉とか採取されてからヘルヘイムの果実を無理やり食わされたくらいだよ。
それで俺がインベスに変異しなかったから、俺から採取した血とか肉を動物に与えた後に果実を食べさせたりしてたみたいだけど……」
「「「「「………」」」」」
ユウが自身にされたことを語ったのだが、その場にいた全員が絶句した。
人体実験などと言う倫理観が全くない行為を受けていたことにも驚くが、それ以上にその内容について淡々と話しているユウに皆が引いていた。
その表情を見てユウは申し訳なさそうな表情を浮かべ始めると、貴虎は頭を抱えてしまっていた。
「今井、人体実験をされたのは聞いたが、お前の血肉を与える実験のことは聞いてないぞ」
「あれ?そうでしたっけ?」
「ユウ!!痛かったろう?それで!!どうやって脱出したんだ!?」
「デネブさん落ち着いて…」
「…私が話そう。私は部下に裏切られたのだが、その内の1人…シドと言う男が更に裏切って1人で”黄金の果実”を手に入れようとした際にオーバーロードを見つける餌として今井を連れ出したから逃げられたのは皮肉だな…」
「まぁ、主任と2人で沢芽市に戻った後もなかなか大変でしたね。
兄弟喧嘩してた主任が海に落ちちゃったから助けようと海に飛び込もうとした時にミッチーさんに背中をバッサリ斬られて、何とか主任を拾い上げて沖合の船に拾ってもらいましたけど」
「…あの時は助かった」
ユウは当時の事を思い出して話していたが、自分を裏切った部下達の手によって尊厳を踏みにじるような行為を受けた挙句、自身の弟によって大怪我を負ったという事を聞かされた貴虎は負い目を感じて表情がドンドンと歪んでいくが、ユウの地獄めいた沢芽市生活はこれで終わらない。
「まぁ、沢芽市に戻ったら戻ったで大変でしたよ?
舞さんの心臓を切除した戦極の野郎が”俺の身体が理解できない”ってキレだして変身して殺そうとしてきたり、戒斗さんを爆弾で爆破しようとした時はモモの人に首元を斬られたり…あれ?そう考えるとゲネシスの全員に攻撃されてるな…俺……」
「みんな、チビちゃんが爆発で跡形もなく吹き飛んだと思ったけど……ホントよく生きてたわね…」
「運が良かったんですよ。あの爆発の後に別の世界に飛ばされて、飛ばされた先が医者がいっぱいいる場所だったんですよ…」
「いや、そんな目にあって運がいいわけねぇだろ…」
ユウが沢芽市で体験した地獄のような出来事を一通り聞いた皆が後悔し始めたのだが、後の祭り。
余りにも壮絶な話を聞いた燈や友希那が今にも泣きそうになっているのを必至に堪えていた。
それに気が付いたユウはそんな彼女達を気遣って強引に軌道修正をし始めていた。
「それはもう終わったことですから!!とりあえず、飯にしましょう!!せっかく作ったんですから!!」
「……今井の言う通りだ。食事を準備してもらった以上食べないのは失礼だ」
「それもそうね……」
「ユウ、今日は何を作ったんだ?」
ユウはこの空気を変えようと、自身がこの後の作った食事を取ろうと提案するとその気遣いを察した貴虎の言葉で皆が食事に意識を向け始める。
そして、今日、ユウが作ったメニューは――――
「白いご飯に麻婆豆腐。因みに激辛仕様でめっちゃ赤いです」
「「「「「えっ……」」」」」
用意されたメニューに全員が絶句してしまい、それを食べ始めると作ったユウ以外の全員が余りの辛さに泣くことになるのだった。
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