あれ?おかしいな…
メインキャラのはずの友希那も燈も全く出てきてないぞ…?
これで良いのか?と疑問を感じてはいますが、とりあえず投稿です
「う~ん……あれ……?知らない天井だ……あれ…これなんだろ……?」
ユウによって紗夜の部屋に連れ込まれたリサ。
彼女はユウの背中で眠りにつき、ようやく覚醒したが、見慣れない天井が視界に入ったことを口にすると彼女は手に何がを握っていたことに気がつくとベッドに横になったまま持っていた物を顔の前まで持ってきていた。
「あの人の服だ……」
リサが持っていたのはユウが着ていたジャケットだったのだが、何を思ったのかおもむろにそのジャケットの匂いを嗅いでいた。
「家の匂いとは違うけど、なんか安心する……」
リサはユウのジャケットの匂いに安心感を憶えていたがある意味では無理もない。
この匂いはリサの血の繋がった家族の匂いであり、それに対して安心感を憶えているのはそこまでおかしい事ではなかったのだが―――
「あの人…初めてあった人なんだけどな……それにアタシ、匂いフェチの気は無かったつもりだったんだけどな~…」
残念なことにユウのことなど欠片も覚えていないリサは自身の性癖が拗れてしまったのかと不安になって身体を起こして頭を抱え始めると、そこが紗夜の部屋であることに彼女はようやく気が付いた。
「って、紗夜の…部屋……?なんで?
あぁ……歩道橋から降りようとしたら、ヒールが折れてバランス崩しちゃって、そのまま落ちた所を助けてもらったんだ…ケガまでさせて……」
リサは自身が紗夜の部屋にいることに気が付いて、ここに至るまでの出来事を何とか思い出そうと頭を回すと、徐々に先ほどまで起こった出来事を思い出し始すと自身を庇ってくれた人にケガをさせてしまったことまで思い出して激しい後悔の念に苛まれる。
だが、こうしていつまでも寝てる訳にはいかない。
彼女はゆっくりとベッドから立ち上がると、手に握っていたジャケットをそのまま大事そうに抱えながら紗夜の部屋を出ると、同じタイミングで日菜の部屋の扉が開く。
リサはその扉から日菜が出てくるのを待ったのだが―――
「あれ?紗夜…?」
「ひっ…!!いっ…今井さん……」
部屋から出てきたのは日菜ではなく紗夜が出てきたことに疑問を持ったが、それ以上に彼女がプルプルと震えていることにリサが首を傾げていると、紗夜はいきなりリサに飛びついた。
「いっ…今井さん!!あの…腕が…!!グニャグニャで笑ってくるんです…っ!!」
「はい…?変な夢でも見たの?」
「夢じゃないです…!!腕が外れて…」
「ん~…よく分かんないけど、とりあえず顔でも洗っておちつこ?洗面所ってこっちだよね?」
紗夜は先ほど見たことを思い出して、たまらずリサに事情を説明しようとしたが支離滅裂な言葉にしかなっていない。
そんな彼女を見たリサは変な夢でも見たのだと勘違いして、一旦落ち着かせようと紗夜を洗面所へと向かい、その扉を開けたのだが――――
「「へっ……?」」
「えっ……」
洗面所にはユウの姿があった。
それだけなら何の問題も無かったのだが――――
「なんで脱いでるの!?」
「いや、シャワー借りた後だからとしか……下は着てるから最悪は回避してるけど…」
問題はユウの格好。
彼はシャワーを借り、今まさに着替え中と言った状況でリサと紗夜の2人が中を確認せずにそのまま入ってきたのだが、彼は上半身裸を見られるだけで済んだのは不幸中の幸いというべきだが、何時までもそれでいる訳にもいかなかった。
「…いつまでいるんです?」
「えっ?」
「あぁ~!?そうだった…!!」
リサと紗夜はユウの姿に固まってしまっていたのだが、声をかけられたことで何とか意識を取り戻した。
しかし、その際にユウの姿を見てしまったことで彼女達は恥ずかしさや気まずさとは全く別の理由で固まってしまうことになってしまった。
「えっ…?」
「なに…その傷跡……?それも何個も……」
ユウの上半身にあったのは普通では考えられないような大きな傷跡達。
肩と鏡越しの背中とよく見れば首元には刃物で斬られた傷に始まり、それ以外にも二の腕には何かいくつものトゲのようなものが刺さったような跡や、鳩尾と腕には何かが貫通したような跡まで残っていた。
そんな傷は普通に暮らしているだけではつくはずがない。
仮に事故に遭ったのだとしても数が多すぎる上に、その小さいもの傷跡など数えきれないほどあるその身体を見てしまった2人は完全に頭の動きが止まってしまった。
「なっ……なんでそんなのが……?」
「紗夜さん…?あぁ、昔に色んな所に行った時のですよ」
紗夜が震える声で思わず聞いてしまったが、ユウの答えを聞いて何を想像したのか途端に顔が真っ青に染まっていくのに対してリサの方は顔がほんのりと紅く染まっていた。
そして、リサは何を思ったのか未だに上半身裸のままでいるユウの元へと歩き出していくとその行動の意味がユウには分からなかった。
「どうしました…?」
「なっ…!?」
「これ…アタシのせいですよね……」
「…これが出来てなかったら、紗夜さんも一緒に大怪我してましたから…ね…?」
リサはそう呟きながらユウの真新しい傷1つの周囲をなぞり始めていた。
その行動に紗夜が驚きの声を漏らすが、ユウは自分を責めていたリサを何とかいつもの調子で宥めようとしたが、その言葉はどこかぎこちない。
「それにこんな傷なんて唾でも付けておけば治りますよ。まぁ、冗談ですけど……」
そんなタイミングでユウが何とか軽い調子で冗談の1つを口にしたのだが――――
「だったら唾つけなきゃ…」
「へっ?」
リサの口から意味不明な言葉が飛び出した事にユウが間抜けな声を漏らしたその瞬間―――
ペチャ―――
そんな音を立てながら、リサはユウの傷を舐めて文字通りに”唾をつけた”のだった。
「へっ…?」
「っ~~~~~~~!?」
「これじゃ……足りないよね…?」
突然のリサの異常行動に呆気に取られたユウとリサの暴走に顔を真っ赤にして言葉を出さずに気絶してしまった紗夜。
状況が呑み込めずに固まってしまった2人だったが、そんな2人を前にしてもリサの暴走は止まらず、今度は彼女を庇った際に出来たと思われる別の傷へと舌を伸ばして唾をつけ始めていた。
「…っ!?ちょ!?ちょっと!!なにやって…」
「だって…唾つけとけば治るって…それに原因はアタシだから…」
「唾つければ治るなんて冗談に決まって―――って、完全に目がいかれてる!?」
「大丈夫…アタシがやるから」
そうして何か所目かの傷を舐められたユウは何とか我に返ってリサを強引に引き剥がしながら問い詰めると、彼女は紅く染まった顔をユウに向けながら答えていた。
しかし、彼の言葉に答えた彼女は完全に気が動転して正常な判断が出来ていないのは明らかであり、ユウが声をかけた後でも傷に唾をつけようとユウのことを押し倒そうとしていた。
「もう!!さっきからなにドタバタやってるの!!」
「氷川!!お前、いい所に来た!!」
このタイミングでこの騒がしさに耐えられなくなった日菜が洗面所に乱入してきたが、ユウにとってはいつもはうっとおしい彼女が今に限って言えば救いの神の様にも見えるほどには彼も切羽詰まっていた。
「ちょっとゆーくん!?何その傷!?」
「俺に質問をするな!!この人が正気になるまで押さえつけろ!!」
「あたし、リサちーもだけど傷の方が気になる!!」
ユウは日菜にリサを抑えるように頼むが、日菜の意識は完全にユウの傷の方に行ってしまった。
これで万事休すかと思われたのだが、ユウには最後の切り札が残されてた。
「それを聞かずにやったら晩飯に出すつもりのポテトをお前だけ3倍に増量してやる!!やんなかったらお前の嫌いなものだけしか出さない!!」
それは今日の献立。
彼はそれを人質にして日菜にリサを抑えるように頼んでいたのだが、傍から見たら取引にすらならない内容でしかないのだが―――
「ゆーくん!!ポテト以外は?」
「ハンバーガーとか考えてた」
「ハンバーグがいい!!中にチーズ入ってる奴!!」
「任せろ!!」
「ちょっとヒナ!!離して~!!」
しかし、日菜は以前にユウの料理を食べたことがあり、彼女は完全に胃袋を掴まれていた。
彼女は更なる要求を出したがそれも受け入れられたことで日菜は完全にユウの味方になり、強引に彼からリサを引き剥がしていた。
完璧な仕事をした日菜にユウは珍しく彼女に感謝していた。
「氷川!!チーズとは別に目玉焼きもつけてやる!!」
「大根おろしも追加して全部で3つ!!」
「分かった!!任せろ!!」
リサを引き剥がすことに成功したユウは日菜から貰ったシャツに袖を通すと、気絶している紗夜を抱えてリビングまで逃げ伸びると抱えた紗夜をリビングにあったソファーに寝かせてから彼は冷蔵庫の中身を確認してから予定していた献立で問題ないと判断してからそのまま調理を始めるのだった。
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