ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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再び激突する「王道」と「邪道」!


Ep.26:王道の龍と邪道の機兵

『ぬぅうっ、手強いっ!!』

『お前達のスピードじゃ……オレには届かないッ!!』

「あかん、速すぎる!」

「このクリーチャー、なんという強さだ……!」

 

桜龍高校のグラウンドにて、ドラゴン娘達とレッドゾーンが戦いを繰り広げていた。

避難誘導を終え合流したすず、そしてアオハル組の面々が加わってもなお、未知なる能力を持つレッドゾーンの速度とパワーに彼女達は翻弄されている。

 

「こやつ、以前以上の速度ではないか!」

『その上小回りも効いて、厄介……!』

「こんな時にしのぶはどこへ行ったでしかー!?」

Pick up(迎えに行く)と言っていましたわ!!でも一体誰を!?」

 

単純なパワーであれば上回るドーラや∞も、以前の交戦経験からか、悉く回避され距離を取られ続けて翻弄されていた。

更に、アオハル組は今しのぶを欠いていた。トウリの展開したフィールドに入る前に、彼女のみ一時離脱したのだ。

 

『とっととドギラゴンとその契約者を呼びやがれ!』

「そんなこと言っても、センパイはまだ病院だよ!」

「護守先輩は明日までは動けません!ですから……!」

『なら……動かざるを得ねえようにしてやるぜ……!』

 

レッドゾーンが頭部と腰部のマフラーから炎を噴出させる。更に出力を上げるつもりだ。

 

「更に速度を上げる気か!?」

「コノママじゃ皆も、取り憑かれている彼も危ないワ!」

『覚悟しやがれ!!』

「く……っ!!」

 

レッドゾーンの更なる爆走が、彼らを圧倒しようとしていた──────。

 

 

 

「──────そこまでだっ!!」

『ッ!?』

 

 

 

……その時、グラウンドへと1台のバイクが突入して来た。跨るのは──────サキトとしのぶの2人だ!

 

『来やがったか!』

「先輩!まだ病院じゃ!?」

「しのぶとこいつに迎えに来てもらってな……少しばかり抜け出して来た」

「先輩、肩貸すばい。大丈夫?」

「すまんしのぶ。っつぅ……っ」

『傷は再生しつつあるとはいえ、まだダメージは残っている。気を付けて』

 

しのぶに肩を借りながらグラウンドに立つサキト。まだ包帯も取れていない状態で、それでも彼はここへ駆け付けた。

 

『今度こそオマエと戦い、叩き潰してやるぜ!』

「そうかい、だが見ての通りこの状態なんでな……戦うにしても条件付きだ」

『あァ?』

「もう一度……デュエルで勝負だ。デュエルでの借りは、デュエルで返すっ!!」

 

デュエルテクターを纏ったサキトが、しのぶに肩を借りたまま盤面とシールドを展開する。それを見て、レッドゾーンは少しばかり表情を歪ませた後、ハヤトの姿へと戻ってゆく。

 

『ちょいとばかり不服だが……まあいいぜ、オマエの得意分野でもう一度徹底的な勝利を奪ってやろうじゃねえか!!』

「デュエリストに取り憑いたから、奴もデュエルを出来るのか!」

「しのぶ、正直危ないが……少しばかり支えてくれるか」

「よかよ。今日はうちも、先輩と一緒に戦う!」

 

互いにシールドが展開され、手札を構える。一度苦杯を喫した相手に、サキトはしのぶに支えられながら再び立ち向かう。

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

* * *

 

 

『今回もオレの先攻だ!手札から《進化設計図》をチャージし、《ヘルコプ太の心絵》を設置!能力によりオンソク童子を手札に加える!』

「来たか……俺のターン、ドロー!栄光ルピアをマナゾーンに、ターンエンド……っ」

『チンタラしてるならまた速攻で轢き潰してやるぜ!オレのターン、ドロー!カチコミ入道をチャージ、ヘルコプ太の心絵からオンソク童子にスター進化ァッ!!』

 

2ターン目にして、早速ハヤトのデッキのエンジン、オンソク童子 <ターボ.鬼>が現れる。

 

「あのクリーチャー、以前トウリ君と退治した鬼ネ!」

「デモニオのデッキにも使われますが、種族を活かしてあんな風に使われる事もあるわけですね……っ」

『オンソク童子の登場時能力で、ストリエ雷鬼の巻を捨てて2枚ドロー!ち、十分とは言えねえが……まずは1撃だ!オンソク童子で攻撃し、侵略発動ッ!』

 

オンソク童子が一瞬にして姿を変える。現れたのは……最初のレッドゾーン!

 

『轟く侵略!レッドゾーン!!オマエのシールドを3枚砕くッ!!』

「くっ!しのぶ、身を守れ!」

「う、うんっ!うわぁっ!!」

 

シールドの破片が2人に降り注ぐ。大部分はサキトがデュエルテクターで受けるが、それでもしのぶへのダメージを防ぎきることは出来ない。

 

「大丈夫か!」

「平気ばい。先輩は普段からこん痛みに耐えとーんなら……うちだって、一緒に耐えるけん!」

『お得意の友情って奴か?』

「いいや、愛って奴だ……シールドトリガー、発動!来い、《新世代龍覇 グレングラッサ》!更に革命2によりシールドトリガーとなれ、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》!」

『はぁっ!』『行くで!』

 

砕けたシールドから、2体のクリーチャーが姿を現す。片や長らく世話になっているカツキング、そしてもう片方は……グレンモルトの娘、グレングラッサ!

 

「グレングラッサの登場時能力、マナゾーンに存在するマナと同色でコスト4以下のドラグハートを呼び出す!来い、《爆炎大剣 ガイサーガ》!」

『行くよ、ガイサーガ!!』

「そしてカツキングの能力、山札の上から5枚を見てそのうち1枚を手札に!よし、来てくれたか……ドギラゴン剣!そしてカツキングのバウンス能力は使わない!」

「手札に戻さぬのか!?」

「あえてだ、ここで戻しても進化元共々手札に戻る以上、すぐに次の相手のターンに出て来るからな……俺のターン、ドロー!2枚目のグレングラッサをマナに送り、メンデルスゾーン発動!デッキの上から2枚を見て……ハヤブサリュウとグレンリベットがマナへ!」

 

サキトも、反撃の布石を整えてゆく。そしてまずは、大剣を手にした少女剣士が道を拓く!

 

「そして、グレングラッサでシールドをブレイク!」

『でやぁぁああっ!!』

『……シールドトリガー、発動!SMAPON!フィールドに現れろ!』

「だがこちらは破壊されるクリーチャーは無い!そして、カツキングでレッドゾーンを攻撃時……革命チェンジ!蒼き団長、ドギラゴン剣!」

『行くぞ!!』

『来やがったか!!』

 

ドギラゴン剣が舞い降り、レッドゾーンと対峙する。そして、ドギラゴンの力が更なる仲間を呼ぶ。

 

「ドギラゴン剣のファイナル革命発動!手札から現れろ、王道の革命ドギラゴン!登場時能力によりデッキから2枚……モルトNEXTとカツキングをマナゾーンに送り、マナゾーンからハヤブサリュウを手札に戻す!レッドゾーンを、打ち破れっ!」

『オォォオォッ!!』

 

ドギラゴン剣の刃がレッドゾーンを斬り裂く。次のターン攻勢が来るかどうかは、相手の引き次第……!

 

「追加の攻撃はせん、ターン終了時、ガイサーガを装備したグレングラッサがタップしている事で龍解条件達成!行くぞ!」

「『龍・解っ!《爆炎覇龍 ガイフレア》っ!!』」

『グォオオォオオォッ!!』

 

グラッサが手にしたガイフレアを掲げると、剣が輝きの中に溶け、白い鎧の龍が姿を現す。グレンモルトの物語から生み出された、新たなるドラグハートの龍、ガイフレア!

 

『ならば、俺のターン!……SMAPONをチャージし、再びヘルコプ太の心絵を設置!能力により、オンソク童子を手札に!そして、オンソク童子にスター進化ァ!』

「また来るとね!?」

『カチコミ入道を捨てて2枚ドロー!よぉし、来たなぁっ!行くぜ、侵略!《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》ァ!シールドを、ぶち破れ!!』

『オォォォラァッ!!』

「……そのまま受ける!しのぶ!」

「くぅぅっ!!」

 

残るサキトのシールドが全て打ち砕かれる。そして、レッドゾーンの攻撃はまだ終わらない!

 

「トリガーは無し、来い!」

『レッドゾーンFが自身の能力で自壊し、オンソク童子に退化しアンタップ!そしてダイレクトアタック時、侵略だぁっ!!レッドゾーンッ!登場時能力でドギラゴンを蹴散らし、トドメを食らわせるっ!!』

『ぐぅぁあっ!?』

 

レッドゾーンの登場時能力、相手の最もパワーの高いクリーチャーを破壊する力により、ドギラゴン剣が破壊される。そしてそのまま迫り来るレッドゾーンへと……もう1体のドギラゴンが立ち塞がる!

 

「王道の革命ドギラゴンでブロック!シールドが0枚のため、革命0発動!バトル中パワーを+10000し、バトルに勝つ度にアンタップする!」

『ここは通さんッ!!』

『ぐぉぉぉああっ!?』

 

レッドゾーンの速度を捉え、ドギラゴンがその突撃を受け止めた。そして、空中へ投げ飛ばすと背中の剣で一閃する!

 

『ちぃっ、手札はねえ……ターンエンドッ!』

「俺のターン、ドロー!ここで一気に仕留める、マナは増やさずに2体目の王道の革命を召喚!そして、デッキから2枚をマナへ送る!ドラゴ大王とメンデルスゾーンがマナへ送られ、ドラゴ大王を手札に!」

『来やがるか……!』

「グレングラッサでダイレクトアタック!この時……革命チェンジ!《蒼き守護神 ドギラゴン閃》!!ファイナル革命によりデッキの上から4枚を表にし……《轟牙忍 ハヤブサリュウ》をバトルゾーンへ!そして、トリプルブレイクだッ!!」

『はぁあっ!!』

 

グラッサと交代するように、サキトのエースたるドギラゴン閃が姿を現す。デッキから手裏剣のような4つの刃を纏う龍が場に現れ、ドギラゴン閃がそのままシールドを3枚一気に叩き割る!

 

『シールドトリガー……《未来設計図》!《進化設計図》!まずは未来設計図によりデッキの上から6枚を見て……俺自身を手札に加える!そして進化設計図により、同じく上から6枚を見て、レッドゾーン、レッドゾーンF、カチコミ入道を加える!』

「残り1枚!砕け、王道の革命ドギラゴン!」

 

王道の革命が最後のシールドを打ち砕く。そのシールドが光を放ち──────。

 

『──────スーパーシールドトリガー《SMAPON》!!』

「っ!!」

「なんね、スーパーシールドトリガーって!?」

「自分のシールドが0枚の状態で発動した場合、追加効果を得るシールドトリガーだ!くそ、警戒して1枚残してから最後の盾を割ったんだが……!」

『割る順番の運が無かったなァ!!スーパーシールドトリガー能力により、オレはこのターン敗北しない!』

 

前回と同じく、スーパーシールドトリガーであるSMAPONがサキトの攻撃を阻んだ。しかし、場に現れたSMAPONは、即座にガイフレアに斬り捨てられた。

 

『あァ?』

「ガイフレアの能力……相手がコストを支払わずクリーチャーを場に出した際、そのクリーチャーとバトル出来る!」

『だが登場時能力自体は有効だ、これでお前のターンは終わりだな!』

「その通りだ……ターン終了時、ドギラゴン閃の能力!全ての多色クリーチャーはアンタップされる!」

 

サキトのターンが終わり、ハヤトの……レッドゾーンのターンがやって来る。場にはサキトの2ターン目に場に出たSMAPONが1体……!

 

『オレのターン、ドロー!ポレコをチャージし……SMAPONで攻撃!4マナを支払いD・D・D発動ッ!!行くぜェッ!!』

 

ハヤトがSMAPONに跳び乗り、再び姿を変えて行く。先の戦いでサキトを打ち破った新たなレッドゾーンの姿に!

 

『轟く邪道ッ!!レッッドゾォォォォォォ──────ンッ!!登場時能力によって、オレ自身はアンタップし再行動を可能とするっ!』

「自力で2回攻撃出来るのか!!」

「更に、ジュラ子達を翻弄したdestruction skillもありますわ!」

『その通りだ!こいつは登場時と攻撃時に発動する!これでオマエの盾を一掃するッ!!』

 

レッドゾーンの炎が燃え広がり、2体の王道の革命とガイフレアを打ち砕く。そしてその拳はサキトとしのぶへ──────。

 

「今度は、そうは行かん!ドギラゴン閃で、その攻撃をブロックする!」

『ッ!?』

「轟く邪道、そのパワーは通常のレッドゾーンと同じ……故に、ドギラゴン閃ならばそのパワーを上回るっ!!」

『そこまでだッ!!』

 

ドギラゴン閃が光の盾でレッドゾーンの動きを止め、七支刀の斬撃を叩き込んだ!大きく吹き飛ばされるが……まだレッドゾーンは健在だ!

 

『な、んの……まだまだァ!オレは場を離れる時、進化元を全て墓地へ送る事で留まる!』

「破壊耐性まで持ち合わせているでしか!?」

『これで……っ!?』

 

しかし、レッドゾーンのマフラーから噴き出す炎も排気も唐突に止まる。これは……!

 

「お前は、G-NEOクリーチャー……自身の下にカードがある時のみ進化クリーチャーとして扱う。そして、G-NEO進化クリーチャーの共通特性として、1度除去に耐える事が出来るが……そこには弱点が存在する」

『な、ンだと……!?』

「進化元を失った事で、素ではスピードアタッカーの能力を持たないお前は今……召喚酔い状態に陥っているっ!」

 

──────召喚酔い。デュエルマスターズのルールにおいて、進化クリーチャーと、一部の能力を持つクリーチャー以外の全てに科される制限……召喚されたターンには攻撃が出来ないというもの。

新たなレッドゾーンは、通常のクリーチャーとしても進化クリーチャーとしても場に出す事が出来る「NEOクリーチャー」の発展形「G-NEOクリーチャー」という特性を持っており、柔軟な扱いが出来るものの、幾つかのデメリットもそこには存在する。

例えば、進化してバトルゾーンに出ている時以外は進化クリーチャーとして扱われないため、ハヤトのデッキに存在する《進化設計図》《エボリューションエッグ》では手札に加える事が出来ない。

そして──────今のように、耐性を利用して除去を耐えた時、通常のクリーチャーとして扱われるようになり……召喚酔い状態になってしまう。

 

『く……っ!オレとしたことが、エンストかよッ!!』

「終わりだ!俺のターン、ドロー!手札からカツキングを召喚!登場時能力によりデッキの上5枚を表にし、モルトDREAMを手札に!そして場のクリーチャー……ドギラゴン閃を手札に戻す!」

『はァッ!?』

「何で!?」

「決着はこの手で付ける!カツキングのマッハファイター能力により、アンタップされているレッドゾーンを攻撃……跳ぶぞ、しのぶ!」

「うんっ!」

「「革命、チェンジっ!!」」

 

肩を預け抱き合ったまま、サキトとしのぶが跳ぶ。そして、カツキングに触れると共に光に包まれ──────。

 

「『蒼き守護神、ドギラゴン閃ッ!!』」

 

ドギラゴン閃の鎧を纏ったサキトが、ドラゴンの力を解放したしのぶと共に降り立つ。今こそ決着の時!

 

『ファイナル革命により、ボルシャック・栄光ルピアを場に!そしてっ!』

「『レッドゾーンと、バトルっ!!』」

『ち、ぃいぃぃっ!!』

 

サキトの右手と、しのぶの左手が七支刀の柄を握りしめる。息を合わせて跳んだ2人が、そのままレッドゾーンへと刃を振り下ろす!

対するレッドゾーンは両腕で自身を守る様に構え──────その身体から、ハヤトを弾き出した。

 

「ぁ、っ──────」

「『はぁぁああっ!!』」

 

レッドゾーンは両断され、吹き飛ぶと共にカードへと戻った。そして…………。

 

『ハヤブサリュウでダイレクトアタック……完・全・決・着ッ!!』

 

この真のデュエルに──────決着が付いたのだった。




完全決着!!
次回、事件の後始末。宿命の対決を経て残った物は……?
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