ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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アニメ忘却の太陽始まりましたな。早速動くボルドリ見れるのは嬉しいところです。

激突するは旧き邪悪と、新たなる戦士達。


Ep.35:革命の炎と爆流の一撃

『ウラララララァァ!!』

『邪魔だッ!!』

 

サキトとしのぶは、襲い掛かる《青銅の面(ブロンズ・スタイル) ナム=ダエッド》の集団をそれぞれの手にした刃で討ち倒してゆく。しのぶの側は出来れば殺さないよう峰打ちで済ませているが、曲がりなりにもドラゴンの力で打ち据えられては暫くは起きれまい。

ナム=ダエッドは、かつてデッドマンが正体を隠していた時期に、仮の姿としていたクリーチャーであるが……同時に複数の同種個体が確認されているクリーチャーでもある。一般クリーチャーであったナム=ダエッド達の中に潜伏していたという事であろう。

そしてこの状況を見るに、相当数のナム=ダエッドがデッドマン派閥に裏で関わっていたと見える。

 

「数が多かね!」

『だがこいつらの力は大したことは無い、グラッサ達の所まで辿り着かせず倒す!』

 

ナム=ダエッドは使用マナを伸ばす能力に長けているが、自身の戦闘に寄与する能力は持たない。しのぶがバイケンの力を発揮していれば、正面からでも当たり負けはしないだろう。

 

「おおおおッ!!」

 

一方グラッサは、大剣であるガイサーガを軽々と振るい、連撃でデッドマンと斬り結ぶ。父親(モルト)の師でもあるフィディックに師事し、身に着けた爆流剣術は伊達ではない。

しかし、相手はかつての巨悪であり、強大な力を持つクリーチャー。片腕の斧でグラッサの斬撃を受け止めると、もう片方の腕でがら空きとなった彼女の胴を狙う!

 

『グレン……モルトォォ!!』

「っ!」

「させない!」

 

しかし、その一撃はタレットが魔術によって食い止める。彼が得意とする拘束の魔術は、デッドマン相手であっても動きを一時止める事は出来た。

 

「タレット!助かったよ」

「愛、感じたでしょ?」

「いくよ!!」

「うん!」

 

双子は連携して、デッドマンへと立ち向かう。互いの長所を活かし、強大な敵を相手に善戦していた。

 

『とはいえ相手が相手だ、いつ真正面から押し切られてもおかしくはない……しのぶ、行けるか!?』

「大丈夫!もう行くるばい!」

『よし、やってくれ!』

 

サキトが目の前のナム=ダエッドを蹴り飛ばし、残った敵を一箇所に集める。そこへ、しのぶが用意した一撃が炸裂する。

 

「水遁の術ばい!」

『ヌギャァァァ!!?』

 

バイケンが持つ「シノビ」の力は、次元に干渉する術を持つ。それを使う事により、遠い何処かの場所から大量の水を召喚し、激流として放つ事も出来る。大量のナム=ダエッド達が押し流されていった。

 

『ぬうぅうぅぅ!この程度で私はやれんわァ!』

『パワーで言えばしのぶ……バイケン以上ではあるからな。だが味方は全て流した、覚悟しろ』

『ぬうぅ……ならば、切札を出すまで!出でよ、蘇りし邪帝類よ!』

 

イメン=ボアロの呼びかけと共に大地が揺れ動き、森の奥から何かがやって来る。重い足音を響かせ、木々をなぎ倒し現れるは……五色の宝石、五色の爪を身に着けた巨大な恐竜型ドラゴン!

 

『グォォオオォオォオォォオ!!』

『マジか……《邪帝類五龍目 プラドックス》!?』

「まずかよ先輩!」

 

巨体のジュラシック・コマンド・ドラゴン、プラドックスはパワー21000を誇る。このまま力づくで押し通られては拙い事になる!

 

「「うわあぁぁ!!」」

 

同時に、デッドマンが背から伸ばした茨のような触手でグラッサ達を打ち払う。このままでは劣勢を強いられるだろう。

 

「憎い!あんなスゴいものを造ってしまう、わたしの才能が憎い~~!!」

『こいつと来たら……そっちは大丈夫か!』

「タレットが防御してくれたおかげでなんとかね……」

「2人とも、どうするの?」

 

グラッサは再びガイサーガを構える。その戦意はまだ消えてはいない。

 

「30秒でいいからアイツの動きを止めれたら、なんとかなると思うんだけど……」

『その間にこっちの奴が突っ込んで来そうだな……だがまあ、こちらはなんとかする手段はある』

「本当?」

『勿論だ。だから、そちらは頼んだぞ』

「……どうしてワタシたちをそこまで信じられるの!?会ったばかりなのに──────」

 

その言葉を遮るように、サキトは2人の肩を叩く。

 

『そちらからすれば会ったばかりだとしても……俺にとってはモルトやドギラゴン達と同じ、デュエルで共に戦う仲間だ。だから、2人の持つ力を知っているし、信じている。……さて、もう喋ってる時間は無いな、行くぞ!』

 

そう言うと、サキトは迫り来るプラドックスへ駆け出してゆく。それを見て頷くと、タレットが前に出た。

 

「それじゃあ必要な30秒、ボクが稼ぐよ」

「タレット!」

 

グラッサに武闘レースで叶えたい夢があるように、タレットにも姉の冒険について行く中で叶えたい夢がある。故に、ここで退く選択肢は無い。

 

「任せて、お姉ちゃん!」

「───頼んだよ、タレット!」

 

グラッサは目を閉じ深く集中すると、ガイサーガに宿る父の物語とより深く共鳴してゆく。デッドマンを倒すための技は、今の彼女には1つしかない。

背後から迫り来る振動と足音は無視する。サキトが何とかすると言ったのだから……自分たちも、それを信じるのみだ。

 

『ギャァァァオォォオォオォォッ!!』

『さあ、プラドックスに踏み潰されるがいい!!』

『しのぶ、今から力を送る。イメン=ボアロを倒してくれ!』

「うちに出来るかな!?」

『ああ、やれる!──────見せてやる、革命の力!』

 

サキトが盾を地面に置いて七支刀を両手で構え、火のマナを解放する。具現化するは、ドギラゴンの力の一端であり、仲間にも恩恵を与える特殊な呪文の力──────。

 

『《完全攻撃革命(パーフェクト・オフェンス)》、発動ッ!!』

 

一気にサキトとしのぶの力が膨れ上がる。1ターンの間、自分のドラゴンが攻撃する時にパワーを底上げし、同時に戦闘破壊への耐性を付与する……漫画版にて、切札勝太のドギラゴンが、ドキンダムXを討ち倒した決め手となった力だ。

 

『なに……っ!?』

『でぇぇぇえええありゃァッ!!』

「これでっ!!」

 

サキトの、ドギラゴン閃の刃がプラドックスを一撃の下に断ち、しのぶの放った、収束させた水流がイメン=ボアロを貫く。かつての戦いから生き延びて来た邪心の持ち主は、斯くして終わりを迎える。

 

『爆散ッ!』

『がぁああぁあああああぁっ!?』

 

プラドックスが火のマナによって爆発を起こし、イメン=ボアロ諸共に消えた。残るは、デッドマンのみ──────。

 

「っ、魔導書(ほん)が!」

『グレンモルトォォォ!!!』

『っ、いかん!?』

「お姉ちゃん!」

 

緊張が走る。現在のタレットの力量では、足止めは20秒が限界というところか。あと10秒の溜めを行い、動けないグラッサへデッドマンが迫る。二振りの大斧が振り下ろされんとして……。

 

その一撃を、盾を手にしたQ.E.Deuxが止めた!

 

「「Q.E.Deux!!」」

「あれって、先輩ん盾!?」

『!? 本当だ!!』

 

マナを注がれ、大きく広がった光盾がデッドマンの両腕を抑え、振り下ろされきらない状態で斧を止めている。こうすれば、勢いの乗った斧の刃を盾で受けるよりも少ない力で、攻撃を止める事が出来る。

 

「のこりの時間は、わたしが稼ぐ!」

 

尾を地面に突き刺し踏ん張りながら、Q.E.Deuxが力で勝るデッドマンの攻撃を必死に押し止める。彼女の目元には、涙が浮かんでいた。

 

「グレングラッサ!!!」

「っ!こんっ、ちきしょうめぇぇ!!!」

 

──────30秒が、経過した。ガイサーガとグラッサから、炎のマナが迸る!

 

「爆流奥義ッ!紅蓮、NEXTREMEッ!!」

 

魂の一撃が、デッドマンに炸裂する。それはかつて彼を討ち倒した、モルトの一撃の如く──────。

 

『わたしは、また敗れるのカ……グレンモルトォ────ッ!!』

 

デッドマンの肉体が崩壊し、爆発を起こす。吹き飛んだ後に残ったのは、砕けたデッドアックスの残骸のみだった。

 

「だから、グラッサだっての……!」

 

莫大な負荷がかかったのか、グラッサも膝を付く。そして、ガイサーガにも罅が入り──────。

 

「や……やった……デッドマンを倒したーッ!!」

『ふぅ、どうにかなったな』

「グラッサちゃん、凄か一撃やったね!」

 

物語のドラグハートから龍解したものとはいえ、グラッサの一撃は見事にデッドマンを撃破した。実際の紅蓮NEXTREMEは徒手空拳の技であるが、父の物語と共鳴したあの一瞬は、紛れもなく同等の威力であったと言えよう。

 

「やったわねグラッs───おぶ!?」

 

駆け寄って来たミロクへと、グラッサが思い切りビンタする。まあ、当然の事であろう。

 

「なぜ!?」

「元はと言えばアンタのせいだろ!!ワタシはまだ許してないからな!」

「そんな~~!」

「本当だよ、新技術と一緒に厄ネタも作らなきゃ死んじゃう病なのかお前は?」

 

デッドアックスまで一緒に作らなければ、この事態は無かったはずだ。ぎゃあぎゃあと騒ぐ彼らを見つめ──────Q.E.Deuxが踵を返す。

 

「あ……Q.E.Deux!!」

「……」

 

去ろうとした彼女を、グラッサが引き留めた。かつて、Q.E.D.として信じたものに裏切られた彼女の痛みを感じたのだろうか、グラッサは──────。

 

「その()()()はQ.E.D.のもの。そんなものまで受け継ぐ必要なんてない。ワタシはグレンモルトじゃないし、アンタもQ.E.D.じゃない。だろ?」

 

そう、笑顔で言った。彼女らはかつての英雄たちを継ぐ者であるが……悪しき因縁や、負の要素まで共に歩む謂れ等は無い。あくまでも、彼女らはそれぞれの人生を歩む者なのだから。

 

「そう……ですね……。Q.E.D.はすでに、証明終了。だから──────」

 

その言葉に目を見開き、Q.E.Deuxがグラッサに歩み寄ってゆく。そしてその手を取り…………何やら、妙に距離が近い。

 

「ここからは、新しい過程」

「へ……っ?」

「マイ、スイート グラッサ……♡」

「「なんでそうなる!!」」

 

何やら頬を赤らめ愛を語り出したQ.E.Deux。これには流石に、グラッサも狼狽えた。サキトと同時のツッコミがその場に響く。

 

「Q、なんでそうなる?A、答えなんていらない」

「愛だね」

「なんでも愛でまとめんな~~!!」

「はぁ~~……Q.E.Deuxしゃん、良かったね!」

「良い……のかねえ?というかあっちのQ.E.D.のポンコツ成分も流入してるんじゃないか……?」

 

愛にこだわるタレット、元々同じように同性を慕っているしのぶは状況を受け入れているが、グラッサ当人は困惑しか無さそうだ。

 

「ああ、それと……サキトでしたか、盾をありがとうございました」

「え?」

「わたしがグラッサを守るため、あの盾を置いて行ったのでしょう?」

「いやそれは……まあ役に立ったなら良いか!」

「偶然やったんやね……」

 

グラッサに抱き付いたまま礼を言う彼女に対し頭を掻くサキト。両手で七支刀を振り抜くため、一時盾を置いただけだったのだが……結果的に彼女が活用したなら良かったのだろう。

ひとまずこれで脅威は去った……そう思っていた所に、突然日が陰る。

 

「え──────?」

 

見上げるとそこには、サキトとしのぶにとって見覚えある魔神が──────。

 

「──────伏せろぉっ!!」

『──────《英知と追撃の宝剣(エターナル・ソード)》!!』

 

魔神が手を翳すと、天空から何本もの巨大な剣が降りかかり──────彼らに、そして周辺の大森林へと、降り注ぐ。

 

この日、生命を育むその森が、この世界から消失した。




GT側のシナリオ構成上、息つく暇なく新たな敵が襲って来ますな……

再来のキング・ロマノフ。新たな魔弾が襲い掛かる!
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