ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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2026/3/6、殿堂発表!

セイカ「私のあいぼーう!?」
サキト「アレだ、公式は……ループに厳しいから……ドンマイ」
リュウ「空いた分の枠はトリガーを厚くするのが丸いだろうな」

というわけで、マーキュリー・スターフォージさんが殿堂にぶち込まれてしまいましたとさ。他はあまり拙作の登場人物に影響は無く、まあホッとしております。


白浜に起こる異変、その渦中へ彼らは飛び込んで行く。


Ep.43:護守サキトと異邦の再会

「こちらDGA実働部隊所属の者です。今日はオフでしたが、今起こっている異変に対処すべく来ました」

「DGAの方ですか!?ということは……と、とりあえずお通りください!」

 

国道を封鎖していた千葉県警の職員に徽章を見せると、4人は封鎖網の内側へと通された。多くの自動車が足止めされクラクションが鳴り響く中、彼らの目の前に広がっていたのは……天まで伸びる分厚い霧のような物だ。

 

「現在、白浜町の南部、野島崎灯台を中心とした広範囲がこの霧……いえ、雲に覆われています」

「やっぱり、鴨川から見えたあの入道雲が、コレなのか」

「どう考えても自然発生の物じゃありませんね。自分達の案件と見た方が良いでしょう」

「内部と連絡は?」

「今の所全く……機動隊を内部に突入させようともしましたが、上から待ったがかかっています」

「なるほど。上もクリーチャー案件だと見ているみたいですね」

 

ひとまず、彼らはこの巨大な入道雲の周囲を封鎖し、一般人が立ち入らないようにしてくれていたようだ。

ここから先は、DGAの領分。4人は気を引き締めた。

 

「白浜町担当の実働部隊は?」

「突入は試みたようだが、雲の中に突入したと思ったら真っすぐ進んでいたはずなのに元の場所に戻されたらしい」

「そもそも入れないか……オレ達で入れますかね?」

「こういう時は役に立ってくれるかもしれん──────ゼッちゃん、行けるか?」

『やってみる』

 

ゼッちゃん……レッドゾーンZが先導し、デュエラッドの機能で道を作る事でもう一台を誘導する形で突入、という形に方針は決まった。

 

「それじゃあ善は急げだ、突入するぞ」

『Duel field extension. Formative a course.』

『コース形成用意完了…………いける』

「GO!」

 

2台のデュエラッドが一気に発進する。サキトのデュエラッドの軌道に生まれる光の道を、テルタカのデュエラッドが走り──────そのまま、雲の内部へ突入する。

 

 

* * *

 

 

体感では1分としないうちに、彼らは雲の壁を抜けた。

 

「視界がある程度開けた!しかし、これは……」

「内部も霧で覆われてますね」

 

荒廃した白浜の町並みは、濃い霧に覆われていた。その向こうに、クリーチャー達の蠢く気配がする。

 

「この荒廃具合…………まさか、あのゾーンに……『ロストフィールド』に入ったのか?」

「え、アレって夜にしか発生しないんじゃ!?」

「そのはずだが……全員デュエルテクターを装着!クリーチャーの襲撃に備えるぞ!」

『Dueltector summoning.』

 

4人は身を守るため、デュエルテクターを装着する。しかし、予想に反してクリーチャー達は襲ってこない。

 

「どうしたんでしょう」

「こっちを警戒しているのか?邪魔が入らないなら好都合だが……中心部は野島崎灯台だったな、先を急ごう」

「野島崎灯台か……元々行く予定だったけど、こんな形になるとはな」

 

野島崎灯台。房総半島の最南端、白浜の町に存在する灯台だ。日本で2番目に古い西洋式灯台であり──────『デュエル・マスターズ WIN』における、斬札ウィンが育った家のモデルと言われている。

そこを中心に、霧と雲に覆われたロストフィールドが広がるとなると、何らかの因縁を感じざるを得ない。

 

「…………ん?陽野さん、前方になんか飛んでます!」

「見えるのか?」

「距離があるうえ霧で見えづらいっすけど、何とか!ドラゴンっぽいのがいます!」

「ドラゴンか、戦闘になると厄介そうだな──────っぬおお!?」

「どうし…………っわあ!?」

 

サキトのデュエラッドが横滑りしながら急停車し、テルタカも慌ててブレーキを引く。前方の霧の中から、急に1台の自動車が現れたのだ。

 

「あ、危な…………っ」

「なんだこの自動車、これもフィールド内の廃墟の一部か!?」

「それにしちゃ普通に走れそうな──────」

 

「──────え、どうして!?あなたたち、まさか人間!?ここは危ないわ、すぐに逃げなさい!」

 

自動車のドアが開くと、長い黒髪をポニーテールに纏めたスタイルの良い女性が出て来た。その姿に、ハヤトを除いた3人は見覚えがあって…………。

 

「「「──────九十九矢ワユミ!?」」」

「えっ!?どうして私の名前を!?」

「し、知り合いですか?」

「もー、一体どうしたの!」

「九十九矢さん、何が──────」

 

続いて出て来た2人の姿を見て、彼らは再び叫んだ。

 

「「「ウィン!それに、ニイカ!?」」」

「へぇっ!?って、1人なんか見覚えが…………」

「──────あっ!この前会った…………確か、護守サキト!」

 

それはまさに、予期せぬ再会だった。斬札ウィンと香取ニイカ、そして九十九矢ワユミ…………『Duel Masters LOST』の登場人物達が、そこにいた。

 

 

* * *

 

 

『Duel Masters LOST』。ウェブサイト『週刊コロコロコミック』で連載されている、斬札ウィンのもう一つの物語。

()()()()()()()()()()()()()()()との話だったが、2024年10月頃から連載が開始されており、現在は第3章開始を待つ状態だった。

 

「まさか、また会えるなんて…………」

「前に会った時は、境界線から戻った後記憶が少し飛びかけちゃって!助けて貰った事は覚えてたんだけど」

「私たちの話が、マンガにね…………」

 

軽く説明を受けたワユミはまだ半信半疑のようであったが、自分達の世界には無い技術を使っているデュエラッドやデュエルテクターを見て、サキト達が只者ではない事だけは理解した。

そんな彼らの前に、空から1体の龍が降りて来る。

 

『何事かと思えば、どうした?この妙な人間達は──────』

「「「「ボルメテウスだぁっ!!」」」」

『ぬお!?』

 

目の前に現れた、蒼い鎧を纏うドラゴン──────《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》。デュエマを代表するクリーチャーの1体の登場に彼らは目を輝かせた。

 

「さ、触っていいですかね!?」

『何を考えている!?』

「えっと、それはちょっとダメかな?契約していない人が触ると大変な事になるかも…………」

「という事は、九十九矢さんがボルメテウスと?」

「そういう事になるかな」

 

ワユミは自らの右袖を捲り、炎が焼き付いたような右腕を見せる。これが、彼女とボルメテウスの契約の証なのだろう。

 

「はっ!?もしかして、あたしたちの話もマンガになってるなら、この先で何が起こるか──────」

「すみません、俺達も知ってるのはイミッシュとの戦いまでで、今起こってる事はなんにも知りません」

「あうっ、そっかぁ~~…………」

「…………あれ?という事はオレ達、これから漫画の展開のネタバレに触れるのでは?」

「「「ハッ!?」」」

 

若干浮かれていたサキト、トウリ、テルタカであったがその言葉にハッとする。そう、彼らがこれからウィン達に同行するというのは、そういう事になり得るのだ。

 

「おぉぉ……俺、この前の超獣世界行きで不意打ち的にGTのネタバレを喰らったも同然だったと言うのに…………またかよ……!?」

「ま、まあ、自分達が同行する時点でこれから書かれるであろう物語とはズレが生じるでしょうから……たぶん」

「記憶を飛ばせんものかな……」

「と、とにかく!もし付いて来てくれるなら心強いんだけど、4人はどうするの!?」

 

頭を抱えるサキトであったが、ニイカのその言葉を受けて一先ず立ち直る。

 

「それはまあ、付いて行くよ。こっちの世界でも異変が起こってるから、その解消のためにもロストフィールドの中心に行かなきゃならん」

「良かった!」

「また一緒に戦うかもしれないのか……よろしく」

「それではこちらも改めて。蟠龍トウリです」

「陽野テルタカだ、よろしく」

「赤坂ハヤトです。先輩方よりは経験は薄いですが、力にはなりますよ」

「それじゃあ、行きましょう。目的地は同じ…………この先の灯台ね」

 

そうして再び車に乗り込んだウィン達と、デュエラッドに乗るサキト達は共にシラハマの道を行く。深い霧の先に待ち受ける物に、彼らはどことなく不穏な気配を感じていた。

 

 

* * *

 

 

到着したのは、本来野島崎灯台があるはずの地点。そこは、半島状の海に突き出した土地になっており、そこには──────廃墟と化した灯台と、半球状の特徴的な家が建っていた。

 

「これは──────」

「これが……あの灯台……?」

「写真と全然違う。ボロボロじゃない!」

 

サキト達には当然見覚えがある。本来の野島崎灯台ではない、これは…………()()()()()()()だ。

ウィンは駆け出すと、家の扉を開け中へ踏み込んでゆく。それを追って、ニイカとワユミも入っていった。

 

「オレ達も……」

「いや待て、俺達はここで待機だ。周囲を警戒すべきだろう」

「そうだな、ボルメテウスを恐れて今は寄って来ていないようだが、いつクリーチャー達が襲ってくるか」

「……おふたりとも、少しでもネタバレを避けようとしてません?」

「「そんな事は無い」」

 

即答するものの、サキトとテルタカの目は泳いでいた。まあ、楽しみにしている物語に関わる事なので無理もあるまいが……。

そうして待っていると、突然ウィンが家から飛び出して来た。

 

「あ、どうしたウィン──────」

 

その直後、彼らは一瞬眩しい光に照らされ──────気付けばウィンの姿が無い。

 

「はっ!?」

「!?ウィン……あれ?ウィンはどこ?」

 

気付けばニイカとワユミも家から出て来たところで、ウィンを探しており……そこに、ボルメテウスがウィンを掴んだ状態で降りて来た。

 

「ウィン!どうしたの?ウィン!」

「……敵が……近くに……?」

「何だ、何があったんだ?」

 

打ちひしがれたような表情のウィン。一瞬の間に何が起こったのか、サキト達にも見当が付かなかった。

そこに、デュエマフォンからの警告音が鳴り響く。

 

「先輩!」

「敵か!?」

『追撃が来る!』

 

ボルメテウスが街の側を睨むと、そちらから狛犬を思わせる青いクリーチャーの群れが駆けてくる!

 

「何ですかアレ!?」

「ええい、見たことの無いクリーチャーか!」

 

飛び掛かって来る群れをボルメテウスが打ち払うが、後続がその身に組み付き噛り付いて来る。

 

「ボルメテウス!くっ、数が多すぎるわ!」

「先輩!オレ達も!」

「ああ──────っ、一旦3人の周りに!」

 

『雑魚に、用は無い!!』

 

ボルメテウスの背負う砲塔から業火が放たれ、クリーチャー達を焼き払うと共に渦巻く炎が彼らを囲み守る。流石は、強力なクリーチャーと言えよう。

 

『不意打ちしか出来んのか!臆病者め!姿を現せ!!』

 

そのボルメテウスの言葉に応えるかのように空が光ると、甲高い音と共に上空から何本もの水流が落ちて来る。

 

「水……!?」

「上空から、敵か!」

「……この……音は」

 

上空の雲が払われ、そこから何かが降りて来る。

 

『ふん、気障な登場だ』

「お前……か……」

「ウィン?」

 

 

「アイツを撃ったのは──────お前か!!」

 

 

空を睨むウィン。そこには、水で出来た様な身体を持つ、青い龍が浮かんでいた。




再登場のウィンとニイカ、そしてワユミとの遭遇。更に、現れる水の神。シラハマの海にて、戦いが始まる。

本作の世界内では、デュエマLOSTは本来の企画発表や連載開始が我々の世界より大きく遅れています。以前サキトがウィン達と遭遇した時は知らなかったLOSTの物語を、今はサキト達は知っている、という事になります。
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