1話目は早速週刊コロコロのサイトでも読めるようになってるので要チェックですぞ。
でもCV:内山昂輝で「轟く銀河へ~」とか言われると完全に別のカードゲームが浮かぶのはどうにかして欲しい。
白浜の異変を解決したサキト達。一行の学生旅行も、終わりを迎える。
「皆さん、大丈夫でしたか!?」
「会長!ええ、この通りオレも先輩方もピンピンしてますよ」
野島崎灯台を中心に、白浜町を覆っていた雲と霧の壁は払われた。サキト達が宿泊するホテルに、鴨川シーワールドからドラゴン娘達を乗せた貸切バスが戻って来る。
「一体何があったの?」
「それが、例のロストフィールドを通じて平行世界と接触してたようで……デュエマの原作主人公と出くわしたりしまして」
「本当!?もしかして、LOSTの斬札ウィン!?彼とどんな事をしたのかしら!?」
「落ち着いてください!?ぶっちゃけ次の章のネタバレに抵触しそうなんで言えません!」
「そうなの、それは残念……」
「まただいぶ変な事に巻き込まれてんな……」
クリーチャー絡みの事件だけならともかく、デュエマの登場人物と出くわした例は他では聞いた事が無い案件であった。そして、その全てにサキトが絡んでいるのは何の因果か。
「帰ったら報告書を書くことになりそうですけど、どうしたものですかね」
「萱野さんは読みたいけど読みたくないとか言い出しそうだなあ」
「あん人も楽しみにしてそうやけんね……」
「もう異常は無いのか?」
「とりあえずは。野良クリーチャーが急に出ない限りは大丈夫だと思われます」
「それなら、この後はrelaxできそうですわね」
「コチラでもお土産を買っていきマスか?」
シーワールド内の売店でも一行はお土産を買っていたが、お菓子や雑貨で好みの物がこちらにあるかもしれない。ホテル内の売店を見て行っても損は無いだろう。
ちなみに、可愛い物好きな面々は鴨川シーワールド55周年の期間限定商品という大型のシャチのぬいぐるみ(体長130cm、胴体幅40cm、重さ7.2㎏)に興味を惹かれていたが……88000円という価格を見て断念していた。流石にこれを買うために男性陣に資金援助を頼める程肝が太くはなく、手頃なサイズと値段のシャチぬいぐるみで手を打つ事にしたのだった。
「うーん、夏だしびわゼリーとかがいいかな?名産品みたいだし!」
「冷蔵庫で冷やしたゼリーとか、この時期はめっちゃええよな」
「イセエビを使っているというえびせんべいも良いかもしれんな」
「えびせんか……」
『先輩、何か思う所でもあるの?』
「あー、知り合いに子供の頃えびせんべい大好き過ぎて食べまくってたら、小学生頃にエビアレルギー発症して食えなくなっちゃった人が」
「……それは流石に辛いね」
アレルギーを発症する閾値は人それぞれであるが……好物をそうして食べられなくなってしまうというのは、辛い物であろう。
そうして名産品を使ったお菓子や幾つかの小物を色々と見ていた中で、サキトはしのぶが棚の一点を見つめているのに気付いた。
「ん?何を見て……」
しのぶの目線の先には、キラキラと輝くキーホルダー。ドラゴンの意匠を持つ金色や銀色の剣……そう、お土産屋では定番のあのキーホルダーである。全国どこにでもあると言って良いため、誰もが一度は見かけた事があるだろう。
「……しのぶー?」
「ふぇ!?な、なあに先輩!?」
「いや、この手の奴好きなんかなと」
「え、えっとそれは……」
「──────質問を変えよう。どれが好き?」
「こん刀のが良か!…………っあ、ぁぅ」
反射的に答えた後赤面してしまう。やはり、高校生ともなれば恥ずかしいと感じてしまうのだろう。
一方で、しのぶが指した物を見て少し思案したサキトは、それを2つ手に取った。
「え、先輩?」
「俺もこういうのは割と好きだよ。だから、欲しいなら2人で色違いのセットでと思ったんだが……どうかな?」
「へ、変やなかと?うちがこげな物欲しがったっちゃ…………」
「好きな物は好き、それでいいさ。しのぶの好みがまた知れたのも嬉しいよ」
「そ、そうかな?それじゃあこれで……お揃いやね」
少しばかり甘い雰囲気を醸し出す2人であった。無論、皆も見ているわけだが……。
「…………流石にドラゴン剣キーホルダーでいちゃつける人は初めて見たっすね」
「あれ、本当にどこの観光地にもありますよね……小学生の時も中学生の時も修学旅行のお土産屋さんで見ましたし」
「朕達も買いマスか?」
「あっちで買ったペアマグで十分じゃないかと思いますよ?」
そんな一幕もあった後、最終的にある程度日持ちするお菓子の類を中心にお土産として買うのであった。
* * *
「んん~……!みんなで旅行、楽しかったですね!」
「海水浴に水族館、2日間で盛りだくさんだったもんね!」
夕食を終え、現在は夜の21時頃。アーシュ達はホテルの大浴場で寛いでいた。露天風呂も併設されており、なかなかに居心地が良さそうだ。
「うー、そのうちバイト代溜めてあのぬいぐるみそのうち買っちまおうかなあ」
「ふぇる、諦めきれてないのね?」
「…………」
「オンラインショップがあるごたーけん、東京に帰ってからも通販で買えるって∞ちゃんが言うとーばい!」
「ほんとか!?やったぜ!絶対うちに迎えてやるからな!」
件の特大シャチぬいぐるみについて、増樹はその購入を諦めていなかった。現地に行かずともこうして購入が出来るというのは朗報だ。
「なんだかあっという間だったねー」
「せやなあ、楽しい時間はあっという間ってよく言うけど、ほんまにそう思うわ」
「機会があればまたtripするのも良いかもしれませんわね」
「流石に今回は人数多すぎでしから、我が輩はもう少し小規模な方が良い……」
「そーいえば、旅行に使う単語ってトラベルもあるけど、それってどう違うん?」
「ふふん、travelは旅行という概念そのものを表しますが、tripは今回のような短期間の往復旅行の事を指すんですわよ」
「はえー、そういう違いがあるんだ」
「むぅう……わらわも早く、もっと大きく……」
「すずちゃんはそのままのカワイイ見た目で良いのヨ?」
「良い訳あるかぁー!余裕か?余裕なのかキサマ!最近更に大きくなった余裕なのかぁーっ!?」
「きゃあ!落ち着いテすずちゃん!」
「お主ら他の人もおるのだから静かにせぬかー!」
「……皆賑やか」
「そうね、それだけ楽しかったって事かしら?」
「しゅうらは折角の旅行、2人きりの機会とか無くて良かったの?」
「へぇっ!?こ、今回はだいじょうぶよ……ええ、それに皆相部屋だし」
「ふーん……まあ、夏休みだから日程自体は空きがいっぱいあるしね」
やはり、旅行最後の夜とあってか皆テンションが高めであった。
「この後どうしよっか?」
「確か、カラオケができる所があったはずよ?」
「おお~いいね!皆でカラオケ大会しよっか!」
「う、上手く歌えるでしょうか……」
「こういうものは楽しんだ物勝ちですわよ!」
「ステージに立った時よりは気楽であろう?さて、採点機能もあるなら……負けぬぞ、流星アーシュ!」
「お、カラオケ対決かー?それは楽しみだぜ!」
「いつの間にか対決する流れに!?」
そうして、彼女達の騒がしい白浜の夜は更けていくのであった。
ちなみに全員でのカラオケ対決は、庵野水晶が見事制する事となった。流石の一言である。
* * *
「さ、皆荷物は持ったかしら?」
「うむ、儂らは問題無いぞ」
「こちらも忘れ物が無いかしっかり確認したからな。抜かりはないわ!」
翌日、チェックアウトの時間がやって来た。お土産を手や背に携え、行きよりも荷物が増えた一行は忘れ物が無いよう注意して部屋を出た。ホテルのフロントで手続きを済ませ、後は高速バスを待つばかりである。
「東京に着く頃には13時過ぎですね……お昼どうしましょうか?」
「ファミレスかファストフードにしない?」
「それが良さそうですね!6~7人に分かれて3席が良いかな?」
「あ、バスが来たばい!」
アクアラインを通り東京と千葉を結ぶ、JRが運営する高速バス。行きの際も乗ったそれに、再び彼らは乗り込んでゆく。
「さてと、ちゃんと全員荷物も持って乗り込んでと。それじゃあ、お世話になりました」
『お世話になりましたー!』
「またのお越しをお待ちしております」
見送りに来たホテル従業員の方々に挨拶し、最後にサキトが乗り込んだ。
「ほい帝王坂さん。帰りは酔わないよう事前に飲んでおこうな」
『ありがとう先輩……』
「飲み物も買っておいたけん、いつでん飲みたかときに飲んでよかよ」
「それでは出発します、皆様座席にお座りください」
そうして、バスが発進する。東京へと帰る道、振り向けばホテルはすぐに遠くなってゆく。
「そういえば2日目に行きたい所があったって言ってましたけど、大丈夫だったんですか?」
「えーまあ、それはもう大丈夫です。結果的に観光としてではなく行くことになりましたので……」
「ふーん?」
ふと左側を見れば、野島崎灯台の姿が見えて来ていた。今回の旅行……色々な意味で、サキト達DGAメンバーにも忘れられない旅行となったと言える。
(機会があれば、また来よう。いつかは…………また違うウィンと出会うような機会もあるのかね?)
さらば、白浜の海。再び訪れる日が来る事を、サキトは願っていた。
白浜編終結!体調不良などで少々遅れましたがこれにて締めになります。風邪も花粉症もつらい……。
土産屋の定番、通称ドラゴン剣キーホルダー。しのぶちゃんは実はこういうのも好きなタイプと、キャラトレ版バジリスクのイラストから判断しました。読者の皆様も一度は見たり、場合によっては買ったりしていると思われますがいかがでしょうか。
えびせんべいの下りは作者の体験談だったりします。とてもつらい。