ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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必要な気がしたため生やしたちょっとした補足説明的な物で、普段よりもだいぶ短めです。後夜祭でのお話。

企画アンケートの存在は本作独自のものとなります。本家の文化祭がどんなものになるかまだ分からぬ……!


Ep.51.1:番外編・お化け屋敷と裏話

『本年度最も票を集めたのは──────3年3組、「腕食いの廃病院」でした!…………すっっっごく怖かったです!』

 

文化祭はほぼ終わりを告げ、生徒と教員のみで行われる締めくくり──────後夜祭。

Jack-Potのライブが披露された後の体育館の壇上で、アーシュが今年の最優秀企画を発表していた。

桜龍高校の文化祭においては、来場者にアンケートを取りどの出し物が最も面白かったかを集計している。この投票で上位に選ばれる事を目標に、生徒達はモチベーションを向上させているのだ。

そして今年頂点に輝いたのは──────サキト達のクラスが行ったお化け屋敷である。

 

「よっしゃー!」「案を練った甲斐があった!」「ばんざーい!!」

 

歓声を上げる3年3組の面々。壇上に上がった代表生徒は、アーシュの前で感涙にむせび泣いていた。

 

『最優秀賞は先輩のクラスに持って行かれちゃったか』

「ま、まあ気合が入っておったからな……」

「最後んなほんなこつえずかったばい……!」

「そ、そこまでだったでしか」

「ジュラ子は行きそびれましたわ、残念です」

 

アオハル組の面々は、それを見ながら実際に体感したドーラ・しのぶ・∞から感想を聞いていた。そこへ、一通りクラスメイトと喜びを分かち合ったサキトが近付いてきた。

 

「やあ皆、お疲れ。今年はうちのがトップを取らせて貰ったよ」

「おめでとう先輩!」

「大したものでし!」

「Congratulation!でも、そんなにscaryでしたの?」

「んーまあ、皆で色々案を出し合ったが、たぶん一番効果があったのは一貫性かな」

「一貫性とな?」

 

ドーラが問うと、サキトは一度周囲を見回してから再度彼女らに向き直る。

 

「……終わった事だし、もうネタばらししても良かろう。俺らが今回のお化け屋敷を作る中で重要視したのが一貫性、もしくはストーリー性だったと言える」

『へぇ?』

「まあ、お化け屋敷の基本とかをネットで調べて、色々怖がらせる要素は作っていったわけなんだが……その中でこだわったのが『お客さんに見える怖いもの』の要素の統一だったんだな」

 

そう言われて思い返すドーラとしのぶ。彼女らの前に見える形で現れた怖い物と言えば…………。

 

「…………あ、出し物ん題にもなっとー『腕』!」

「そうそう。物音や声に効果音、それと少量の水なんかはあくまで意識をあちこちに向けさせ恐怖を煽るもんだけど……トンネルを出た直後にお客さんが触れる『床に落ちた腕』、見た目にも不気味な『壁から生えた大量の腕』、そしてラストに待ち受ける『腕無しの幽霊』……って感じで、一つのテーマを押し出してみたわけだ」

「なるほど、言われてみれば……」

「こうする事で、幽霊の持つバックボーンとか、何を求めているかが察せられるだろう?後は、入り口部分で貼ってある写真と書類もネタを仕込んでたりしたし」

「どんなものだったのでしか?」

「廃病院という設定だったわけだが、そこである医師が入院患者やご遺体から腕を斬り落として保管・実験していたという事件があった事、それが原因で病院が潰れた事なんかを報告書っぽく書いたりしてな。こういうのを気になって読む人はより楽しめるかもというわけだ」

 

そういった細かいこだわりも功を奏したか、訪れた一般の来場者からも受けが良かったようだ。

 

「後は幽霊役担当の生徒の顔写真をちょっと加工して貼ったりな」

「あ、ああ……そう言われると最後に待ち受けておった幽霊役の顔に若干見覚えがあった事も納得じゃな」

「そんなわけで、幽霊の目的……『自分の腕を取り戻す』というもの、そのために腕を奪うべく犠牲者を招き入れているという事を、自然にお客さんが察する流れを作りたかったわけ」

「なるほど……割と練られていますわね」

「それで、先輩は何ば担当しとったと?」

「ああ、壁の腕…………マネキン腕の中に紛れてる生身の腕をやってたよ。他にも何人かがあの場所では同時にやってたな。急に近くの腕だけが動いたら怖かっただろう?」

『あれは本当にびっくりしたよ』

 

普段冷静な∞を不意打ちで驚かせることに成功したのは、サキト達にとっても手応えアリと言ったところだった。

 

「うーん、聞けば聞くほど一度は行くべきだったと思ってしまうでしね……」

「来年度は見られないのが残念ですわ」

「まあ、そもそも毎年出し物は違うんだ。こういう時こそ一期一会は大切にってな。さて……もうそろそろ終わりか」

「先輩。最後の文化祭──────楽しかったかな?」

 

しのぶの問いに、サキトは…………満面の笑みで答えた。

 

「──────ああ、勿論!」

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