ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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ついに火文明が抜けたドギラゴン、ドギラゴン逆が発表されましたな。
欲を言えば極限ファイナル革命はプレイス仕様になって欲しかったところですがまあ仕方ない。相変わらずボルシャックドリームが最高相性になりそうですな。

本小説は今回より、修学旅行篇!

原作の動画では学校からバスに乗っていますが、高速バスで東京から京都まで向かうと7時間もかかるため流石に東京駅から新幹線に乗るルートで京都に向かうのだろうと筆者は考えております。


Ep.57:蟠龍トウリと京の街

「いよいよ今日から修学旅行か…………ふぅ」

「おはよー蟠龍っち、今からお疲れ?」

「あ、おはようございます原戸さん」

 

─────2025年11月18日。

今日から桜龍高校の2年生は、京都・奈良への修学旅行へと出発する。トウリは桜龍高校の校門前で、原戸初と顔を合わせていた。

もう少しすれば東京駅行きのバスがやって来る予定だ。東京駅からは新幹線で京都へ向かう事になっている。

 

「昼間はあーしと同じ班だね、よろよろ。でもほんとに良かったん?」

「ええまあ、今回はなるべく行動を共にするよう上から要請がありまして」

「えー、あっち系の話?」

「ちょっと今、京都は色々とまあ……不穏らしくて」

 

DGAから彼の元に事前に連絡が来ていたのだが……なんでも、京都市周辺におけるクリーチャーの出没件数が増加しているらしい。その中には平時は見られなかった種として…………「デモニオ」らしき反応も微弱ながらあったとか。

 

「なので自分が同行する事になります。できれば会長やゼオスさん達生徒会の皆さんとも行動した方が良さそうですね」

「またあーしが狙われる可能性とかある系?」

「まあ、否定はできませんね。こっちで最後に出たのは8月でしたが、しつこい連中ですから」

 

8月の皇居へ向けての進撃以降、デモニオ達の出現報告は途絶えていたのだが……再び水面下で動き出している可能性は高い。厄介な修学旅行になりそうだった。

 

「先輩へのお土産、生八つ橋がよかって言うとったばい!」

『阿闍梨餅辺りも合うかもしれない。買うなら3日目か4日目の方が痛まないはず』

「もう土産の話か?まずは儂ら自身が楽しむ事を考えようぞ」

「ドーラの言う通りですわ。enjoyしなければ勿体ないですわよ!」

「豪華な部屋が我が輩達を待っているでし!」

 

そんな事などつゆ知らず、他の生徒達は純粋に修学旅行を楽しみにしていた。特にアオハル組は、旅館の豪華な部屋を使える権利を勝ち取っていたため既にテンションが高まっている。

 

「あ、トウリくん!オハヨウゴザイマス!」

「おはようございますゼオスさん。皆さんもお揃いで」

「うむ、そちらも行先の確認か?」

「それもだけど、蟠龍っちの仕事関係もねー。ゼオスっち、今日は一緒に色々回っていい?」

「大歓迎ネ!」

 

初は生徒会メンバー含む、ドラゴン娘の事情を知っている数少ない人間でもあるため、一緒に行動出来るならば都合は良い。そしてトウリの方は言うまでもない。

 

「京都も広くて色々あるけど、どこ行きたい?」

「任せてください!京都の観光名所や映えスポットは事前に予習済みです!」

「気合入ってますね会長」

「なんでも1か月間ずっと予習しとったらしいで」

「あ、バスが来たよ!それじゃレッツゴー!」

 

彼等を乗せるバスがやって来た。荷物を積み込み、班ごとに固まって席に座り、彼らは旅行へと出発する。古都京都では、果たして何が彼ら・彼女らを待ち受けているのか。

 

 

* * *

 

 

「早速アーシュはんがおらんよ!?」

「どこで逸れちゃったんだろ!?」

 

──────数時間後、京都駅を出て市街に入ってすぐ。生徒会メンバーは早くも逸れる者が出てしまった。前途多難である。

 

「京都は同じような十字路ばっかりであーしも迷いそう……」

「碁盤の目のような作りの弊害ですね……まあとりあえず、あわてず騒がずスマホで連絡しましょう」

「その通りネ!」

「それにGPS機能も使えば合流自体は何とかなるはずだが……」

 

早速メガがアーシュの番号へ連絡をかける。暫くのコール音の後通話が繋がったが…………。

 

「もしもしかいちょー?今どこ!?」

『メガちゃん!すみません逸れちゃって……!その、今水晶ちゃんと一緒にいるんです』

「ほんと!?よかった~、どこで合流する?」

『実はその、水晶さんが1人になっちゃってたので、折角だから2人で色々見て回ろうって事になったんです。これから着物をレンタルして、伏見稲荷の方に行こうって事で!』

「そうだったんだー、それじゃあボクたちは清水寺の方に回るつもりだったから、三十三間堂辺りで合流しよー!」

『はい!』

 

どうやらアーシュの方は、別クラスで1人班になってしまっていた水晶と出会い一緒に京都を巡る事となったようだ。ひとまずの合流地点を決め、後での合流を目指す事となる。

 

「かいちょー水晶ちゃんと一緒に回るって!」

「あぁ、そういえば庵野さん、あちらのクラスの中で1人になってたような感じはありましたね……」

「ひとりぼっちは放っとけんかったか、アーシュはんらしいな」

「仕方あるまい、わらわ達は予定通りに行くとするぞ」

 

アーシュ1人なら心配であったが、2人であればまだどうにかなるだろうと彼女らは考えた。自由行動時間はそう長くない、回りたい個所の事を考えればこのまま行く方が良いだろう。

 

「……ちょっと臆病な面もある会長と、引っ込み思案な庵野さんか……本当に大丈夫か…………?」

「行くのは清水寺だっけ?」

「そうそう!レッツゴー!」

「メガ、行くのはそっちやなくてこっちな」

「真逆の方を向いてマシタよ?」

「こっちも不安だぁ……!」

 

こちらも、主にメガの方向音痴という不安要素が存在していた。本当にどうなる事やら……。

 

「っと、原戸さん前!」

「へ?あたっ!?」

「おっと、ごめんなぁ、お嬢ちゃん」

 

少し横を向いていた初が、横から歩いてきた人にぶつかってしまう。黒系のブレザーにネクタイと、どこかの学生らしい装いの少年だった。

 

「すみませんうちの友達が……あれ?」

「おや、どなたかと思ったら蟠龍くんではおまへんの」

「あれ、もしかしてお知り合い?」

「アラ、インターハイでトウリくんと試合してた人ネ!」

 

トウリとゼオスには彼に見覚えがあった。夏のインターハイにて、桜龍高校剣道部と相対した京都の高校の剣道部、その主将を務めていた少年だ。

 

「という事は、お嬢ちゃん方は東京の桜龍高校の人かな?」

「ええと、そうやけどアンタは?」

「僕は渡辺(わたなべ)聖士(せいじ)、高校3年です。どうぞよろしう」

「こんな所でお会いするとは。まだ授業時間ですよね?」

「いやあ、訳あって臨時休校になっちゃってね?午後から暇やので街をぶらついとったのよ」

 

彼の通う高校は左京区の男子校であり、現在地からは多少離れた所にある。それなのにこんな所を歩いていた辺り、彼自身が言う通り急に暇になってしまったのだろう。

 

「お揃いで修学旅行かな?」

「まあ、そんなところだ。すまぬが見て回りたい所があるのでな……」

「あ、ちょいその前に。そこの茶髪のお嬢ちゃん」

「……あーし?」

 

セイジが初を呼び止め、その顔をじっと見つめる。数秒の後、首を捻りながら何やら言い出した。

 

「ふぅむ……お嬢ちゃん、何や良くないものを引き寄せそうな相が出てるな。出来れば平等院さんと、首塚大明神さん辺りには近づかない方がいいよ」

「え、なになに占い!?ボクらもやって貰う!?」

「こらメガ!図々しいで!」

「あーごめんねぇ、僕もこういうのはたまにしか見えへんから。強いて言えば、お嬢ちゃん方みんな夜中はなるべく出歩かない方がええよ。夜は悪いものが出やすいからねえ」

「悪いモノ?オバケデスカ?」

「いやいや、そんなオバケなど……」

「出る時は()()よ?」

 

セイジの脅かすような声色に思わず彼女達は固まる。その様子を見ながら、彼は言葉を続けてゆく。

 

「平安京は、()()()()()()()()()という願いからそう名付けられたさかい、さかしまに言えば当時は平安とは程遠い所やったんよ。疫病と死、妖に怨霊、悪鬼に呪い。そういった悪いものが跋扈しとったこの都は、今でも時々碌でもないものが噴き出て来る所なのさ」

 

何やら暗い笑みを浮かべながら彼は言う。その言葉に背筋が冷えるような感覚を覚える一行だった。

 

「…………なーんてな!そないな本気にしなくてもええよ。ただ、可愛いお嬢ちゃん方は夜は気を付けた方がええってだけの話だよ」

「お、脅かさないで欲しいし」

「あ、ちょい用事思い出したわ。それじゃあ観光楽しんで行ってなー」

 

そう言うとセイジは手をひらひらと振って何処かへ歩いて行った。

 

「……なんていうか語りに雰囲気あったねー」

「脅かさんで欲しいわ全く……そういや首塚大明神とか物騒な名前やけど、何があるん?」

「知らぬのか?酒呑童子の首が祀られているという、京都から少し離れた位置にある神社だぞ」

「シュテンドウジ、デスカ?」

「日本の最も有名な鬼ですよ」

 

平安の世、源頼光と配下の四天王が討伐したという大江山の鬼の首領、酒呑童子。首塚大明神とは、その首が祀られており、首から上の病に効く御利益があるとされる神社である。

 

「ちなみに酒呑童子の首はその首塚に埋められたという説と、平等院の宝蔵に納められたという説の2つがあるぞ!」

「さすがすずっち、物知りだね」

「鬼かぁ……初はんの事を考えると、ただの適当な占いとは思えへんなあ」

「うーん、それじゃあ平等院は回るルートから外そっか。じゃあ気を取り直していってみよー!」

 

鬼の首領の首と、鬼槍に憑かれていた初。何か不穏な繋がりを感じてしまう一行であった。

 

 

* * *

 

 

トウリ達がセイジと遭遇した少し後、アーシュ達はと言うと……。

 

「この人たち……クリーチャーです!」

「ええ~!?これ全部~!?」

 

伏見稲荷大社の千本鳥居前にて、睨み合うクリーチャーの集団に出くわしていた。

 

『目障りなサムライね……私たちダークロードに未だ抗う気か!』

『我らサムライの地を汚すダークロードども!今日こそ成敗してくれる!』

 

《暗黒皇女メガリア》を筆頭とした女性型ダークロードの一団と、《歌舞機ロイド・ゴエモン》を筆頭とした水文明のサムライ達。2つのクリーチャーの集団が、白昼堂々と対峙していたのだ。

 

「クリーチャーの二大勢力の抗争……?でしょうか?」

「ひょっとして……こことんでもなく危険なのでは……!?」

『誇り高き兵士たちよ、行きなさい!』

『我ら戦士よ、かかれ!』

『『『うおぉぉおぉおおぉお!』』』

 

両軍が激突する。その近くにいたアーシュと水晶は、否応なく巻き込まれた。

 

「きゃあああ!?どうして私たちまでぇ~!?」

『その角と尻尾!ダークロードの手先だな!』

「違います!これは自前です!」

『その和装!サムライの仲間かしら!』

「これはレンタル品です~!」

 

2人共、それぞれの陣営から敵とみなされかけ迫られる。特に水晶は、敵対的なクリーチャーの集団に囲まれるというのは何時まで経っても慣れそうになかった。

 

(こ、怖い……!)

 

その時、ダークロード達の1体がアーシュの腕を掴んだ。

 

「きゃあ!?」

「アーシュちゃん!?」

『捕まえたわよ!さあ、大人しく……』

「やめてぇぇぇぇっ!」

 

アーシュが危険な目に遭わされると思い、水晶は声を張り上げて叫んだ。その瞬間、彼女の身から何らかの力が放たれた。

 

『何だこれは!?』

『力が抜けていく……!』

(逆に私は力が増していく……これは水晶さんの声の力!これなら……!)

「今のうちです!水晶ちゃん!」

「うん!」

 

クリーチャー達が弱体化し、アーシュの力が増した事で2人は囲いを脱する事に成功する。とはいえ、黙ってみている両軍ではない。

 

『逃げたぞ!追えー!』

 

追いかけようとして来るクリーチャー達。しかし、その脚が途中で止まった。

 

『まずい!奴が来たか!一時退くぞ!』

 

ダークロード達はすぐさま姿を消す。それに乗じて、アーシュと水晶は逃げ切る事に成功したのであった。

 

「はあ、はあ、なんとか逃げ切れたみたいです……」

「怖かったぁ……」

 

 

 

『あ、貴方は火の棟梁の……!』

「──────」

『か、観光客に手を出すなですと!?しかしあの2人は……!』

「──────」

『む、むう……分かりました。彼奴等とは無関係という事でしたら……』

 

サムライ達の前に立つ1人の人影と、鎧を纏った女性らしき影。彼らはサムライ達を制すと、退散したダークロード達の姿を探すように辺りを警戒しながら歩いてゆく。

 

 

 

『あの娘の声の力……上手く使えばあるいは……』

 

そしてダークロード達の筆頭であるメガリアは、アーシュと水晶が去っていった方を見ながら何らかの策を練るのであった。




本家動画の修学旅行回をベースにしつつ、オリジナル要素も挟んでおります。
京の都に、クリーチャー達が跋扈する!

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