ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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復活せしジャオウガ。迫り来る鬼の軍勢。
新章世界へ飛んだデュエルマスター達は、大いなる戦いに挑む!


Ep.66:超獣世界と鬼の軍勢

「護守くーん!3人も引き連れてるけど大丈夫~!?」

「相模野さんか!他の皆は?」

「そろそろ来るはずだけど……あ、来た!」

 

超獣世界へ向かう異次元の道の途中。超次元ホールへと飛び込んだサキト達の前に、他のデュエルマスター達も合流して来た。

 

「蟠龍も連れて来たのは、モモキング絡みだから良いとして……そちらの2人はあれか」

「まあ、その、ついて行くと言って聞かず…………」

「足は引っ張らんばい!」

「ヨロシクネ!」

「本当に無茶はしないで下さいよ…………それで、そちらがデュエルマスターという?」

「相模野ヨウコ、よろしくね!」

「光明院ユウキと申します。どうぞよしなに」

「水原セイカです!はっじめましてー!」

 

一応の面識があったテルタカを除く、デュエルマスターの女性陣とトウリが挨拶を交わしてゆく。その最中、サキトはセイカの傍に、もう1人の人影を見つけた。

 

「そちらは?」

「あ、この人は私の同僚でー……」

「…………東木(あずまぎ)澄士(すみと)だ。今回のバックアップを担当する」

「無口なお兄さんだけど、腕は確かな人ですから!」

「なるほど。それで、俺らは具体的にどう動く事に?」

「…………作戦を通達する」

 

スミトと名乗った銀髪碧眼の男がデュエマフォンを翳すと、大きなホログラムモニターが現れる。そこには、サキトが見知った顔と、トウリが知る顔の2人が映っている。

 

『やあサキトくん。大変な事態になったようだが、そちらはそれほど気負っていないようで何よりだよ』

『蟠龍くんも一緒なんやな。まぁモモキングのこと考えたら、そら当然やわな』

「萱野さん!」

「渡辺さんも!?」

「知り合いか?」

「京都の実働部隊の人で…………」

 

萱野シンヤと渡辺セイジ。妙な取り合わせの2人が並んで立ち、彼らに手を振っていた。

 

『さて、時間はあまり無いので手短に伝えよう。現在新章世界にて、世界をつなぐ柱が倒壊し、ジャオウガが復活した事が観測されているよ』

「それってかなりまずいんじゃ…………」

『そうやなぁ。鬼の歴史と龍の歴史を隔てるあの柱が壊されたことで、こっちに鬼の歴史の影響が迫ってくるんは時間の問題や。そこで、あちらに着いたらジャオウガの撃破と同時に鬼の歴史を押し戻すこともやってもらわんとあかんわ』

「可能なのですか?」

『勿論!皆、これを受け取ってくれ』

 

モニターが輝くと、小規模な超次元の穴が開き5枚のカードが飛び出して来る。それらは、サキト以外のデュエルマスター達の手に自ら納まって行った。

 

「これは……《瞬閃と疾駆と双撃の決断》?」

「こっちも、最初のパーフェクト呪文ですねー?」

「ですが、通常のカードとは異なる何かが感じられますわ」

 

それらは、第1期パーフェクト呪文……《神楯と天門と正義の決断(パーフェクト・ライト)》、《知識と流転と時空の決断(パーフェクト・ウォーター)》、《絶望と反魂と滅殺の決断(パーフェクト・ダークネス)》、《瞬閃と疾駆と双撃の決断(パーフェクト・ファイア)》、《生命と大地と轟破の決断(パーフェクト・ネイチャー)》の5枚。それも、特殊な仕様であるらしい。

 

『その5枚は彼とその仲間…………陰陽寮の協力を得て作られた特別製さ!使用法は簡単、各文明のデュエルマスターである君達が、コントラクトアーマーを纏った状態でそのカードにマナを込める事!』

『そん時は、ジャオウガを取り囲むように立つのがキモや。五文明の正しい並びで円を描いて使うことで、五行を模した結界陣が展開されるようになっとるんや。しかも、それぞれのマナを使うて、柱の再生復元も進んでいくようになっとるで』

「ええと、光・水・闇・火・自然で時計回りに円を描いて五芒星を作ればいいって感じかな?」

「そん結界って、どげん効き目があると?」

『陣の内部にいる限り、ジャオウガを大きく弱体化させるように作ってあるそうだよ!』

「おお…………それは凄い」

 

ジャオウガ復活の兆しが確認されてからそれほど期間も無かったであろうに、このような物を作り上げて来た陰陽寮とDGAの技術部門は大したものだろう。

 

「しかし……良いんでしょうか、弱体化させて戦うなんて」

『蟠龍くん、うちのご先祖様もその上司の頼光さんも言うてるで。「鬼は弱らせてから討ち取るもんや」ちゅうてな。平安を乱す奴に遠慮はいらんで』

「頼光…………渡辺…………ああ、酒呑童子退治の話か」

『とはいえ作戦実行前に、やらなくてはならない事があるよ。僕たちの世界と同様、新章世界の五文明の領域にもデモニオの刺客が襲ってきている筈だ。だから各デュエルマスターには、それぞれの文明へ救援に行ってからジャオウガ戦に臨んでもらう必要があるよ』

「俺とトウリは?」

『2人、いやしのぶくんとゼオスくんを含めた4人には先にジャオウガの元へ行って貰いたいね。他の皆が迎撃を終え配置に着くまでは時間稼ぎをして貰って、結界完成後に一気にジャオウガを叩いて貰うよ』

「大ボスとの戦いネ!腕が鳴ルワ!!」

 

作戦内容を話している間に、新章世界が近付いて来る。既に各所で、戦いの火蓋が切られているようだ。

 

『それでは、作戦名「Demonio Slayer」!皆、健闘を祈っているよ!』

「「「「「「「了解!!」」」」」」」

 

極彩色に輝く次元のトンネルを抜け、一行は新章世界、それぞれの戦場へ向かう!

 

「ジャオウガは……今は最下層、火文明の領域にいるみたい!」

「よし、急いで向かうぞ!」

 

 

* * *

 

 

『ジャハハハハハハハ…………モモキングよ!今の貴様はただの抜け殻か!』

 

時間は少し遡り、柱が崩れ去った直後。蘇ったジャオウガは、魂の抜けたモモキングの身体を見下ろしていた。

 

『まあいい、ならば世界が鬼の歴史に呑まれる様を、そこで指を咥えて見ているんだな!ジャハハ、ジャハハハハハハハハ!』

 

金棒が一体化したようなその脚で、ジャオウガはモモキングの身体を大地に蹴り倒そうとする。魂無きモモキングの身体は抵抗も出来ず──────。

 

『──────そうはさせぬぞ、ジャオウガ!』

『──────ぬうっ!?』

 

間一髪。そこに、トウリの元にあったモモキングの魂が戻り、肉体へと入り込んだ。久方ぶりに目を開けたモモキングが、その蹴りをギリギリで受け止め立ち上がった!

 

『貴様も蘇ったかモモキング!だが、動けるようになったばかりのその身体で、我を止められるつもりか?』

『拙者のみでは難しいやもしれぬ…………しかし!主従の契りを交わした者がいる!トウリ氏が来るまで、拙者が貴様を止めて見せる!』

『助けが来るなどと本気で思っているのか?』

『無論ッ!!』

『ならば──────こちらも手駒を遣わせてやるとするか』

 

ジャオウガの身体から、2つの槍の穂先が飛び出した。茨木童子共々取り込んだ一王二命三眼槍の破片から、簡易的な鬼槍を生み出したのだ。

その槍は、それぞれが1つの巻物を貫くと、ジャオウガの身体から射出され何処かへと飛んで行く。

 

『何をした!?』

『ふん、以前と同じ事をしたまでよ。我が屈服させた王の力…………果たして龍の歴史の者共に倒せるかな!』

『貴様…………おおぉおおぉぉっ!!』

 

モモキングが刀を抜き放ち、ジャオウガへと躍りかかる。トウリの到着を信じ、彼1人での戦いが始まる…………!

 

 

* * *

 

 

「到着っ!俺はアチーチ・タウンに迫ってるらしいデモニオ軍団の方へ行きます!」

「了解!俺達は柱の跡へ!」

「お気を付けて!」

 

サキト、トウリ、テルタカは火文明の領域へ降り立ち、それぞれがデュエラッドを呼び出して乗り込んだ。土煙を立てアチーチ・タウンへと迫るデモニオ達の進軍がここからでも見えている状態であり、テルタカは急ぎ迎撃のため向かっていく。

 

「ここが火文明ね……暑か、というより熱かね……!」

「トウリ君、大丈夫デスカ?」

「デュエルテクターのお陰でなんとか…………それでもモモキングがいない今は長時間は拙そうですね」

 

火文明は灼熱の地、適性なき人間では長時間居る事自体が命に関わる環境だ。サキト達は水分を補給しながら、目的地へ急ぐ。

 

「柱はあっちだ。しのぶ、後ろに座って掴まっててくれよ」

「うん、急ごう先輩!」

「ゼオスさんも、自分の後ろに!」

「ハイ!」

 

しのぶとゼオスをしがみ付かせ、サキトとトウリはデュエラッドで駆け出す。この二輪の速度であれば、数分とかかるまい。

 

「…………ん?何だ?」

 

その時、前方の空で何かが光った。2つの光点、片方は空へと飛んでいき、もう片方は…………。

 

『サキト!気を付けろ!』

『飛翔体、急速接近!』

「うおわぁ!?」

 

前方から飛んで来た何かが、彼等の目の前に着弾し大地を穿った。飛び散る岩石から身体を守りながら、2台のデュエラッドは急停止せざるを得なくなる。

 

「何だ一体…………!?」

「トウリ君!アレを!」

 

土煙が晴れるとそこには、見覚えある鬼槍の姿。更にそれは、巻物のようなものを貫き縫い留めており…………そこから膨大なマナが溢れ出した。

 

「うわ!」

「何なん!?」

 

それは、緑色に輝く自然文明のマナ…………しかしその輝きは、邪悪な意思の表れか暗い色に見えて。それが徐々に形を得て行くと──────サキトとしのぶは驚愕する。

 

「え、ええっ!?」

「馬鹿な、あれは…………」

「…………えっ?ま、まさか!?」

「どうしたノ、3人トモ!?」

 

角の生えた頭を覆うは触手状の肉、その身に纏うのは生物の骨で組み上げた鎧。手には両刃の大斧を携えた、異形の人型。そしてその顔面があるであろう場所からは、鬼槍の穂先が突き出た禍々しい姿。

それは彼らが知り得る姿に似て、同時に見知らぬ要素を兼ね備えた…………邪悪なる存在。もし、デュエマの歴史から彼に名を付けるとするならば──────。

 

『ワレの新たナ実験台ハ、お前たちカ──────』

 

──────DEADMAN(デッドマン)-(オーガ)MAX(マックス)!!




今回は、公式に存在しないボス格のクリーチャーを2体オリジナルで出しております。『もう1体』は…………次回をお待ちください。

次回、デュエルマスター達の激闘!
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