ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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超獣世界で、人間世界で、鬼の軍勢との戦いが続く。
デュエルマスター達はジャオウガの元へと辿り着くために、そしてドラゴン娘達は彼女らの日常を守るため戦う。


Ep.67:ドラゴン娘と超獣戦線

「デッドマン……それもただのデッドマンじゃない、恐らくは鬼スターMAX進化した姿か!」

「ドウイウクリーチャーなのカシラ!?」

「一王二命三眼槍はモモキングが持つ超獣王来列伝と同質の能力を、あちらの歴史における強大なクリーチャー達の歴史を収めているんです。その力を纏わされた特殊なクリーチャーが……鬼スターMAX進化クリーチャー!」

 

目の前に立つ、異形と化したデッドマン……DEADMAN-鬼MAXを前にしたサキト達に緊張が走る。ここで足止めを喰らうのは想定外、モモキングの救援に彼らは向かわなくてはならないというのに。

 

『オォォオォッ!』

「ちぃっ!トウリ、先に行け!シールド展開、無理矢理止めてやる!」

『ヌゥウゥッ!?』

「ですが!」

「早よモモキングしゃんの所に行っちゃらんと、危なかはずばい!」

「っ、了解っ!」

 

サキトがシールドでDEADMAN-鬼MAXを囲んだ上押し潰すように動かし、動きを一時封じた隙にトウリ達を先に向かわせる。モモキング単体でジャオウガと戦うよりは、トウリが合流した方が時間を稼げるはずだ。

 

『デュエルマスター各員に報告、想定外のクリーチャーが出現。1体は鬼の歴史における12の王……“邪悪王”デッドマンが、護守サキトと蟠龍トウリと接敵。そして、もう1体が人間世界へ向かい飛んで行った』

『拙いな……護守、突破出来そうか』

「どうにかします!」

『もう1体って何なのー!?』

『データ照合前にロスト。現状は推察ではあるが、恐らくは対となるクリーチャーのはず』

 

ただでさえ大変な所だというのに、更にもう1体。それもデッドマンのように鬼スターMAX進化したクリーチャーが人間世界へ向かったという状況……禁断の星迎撃作戦の時と、方向性は異なれど厳しい戦いになりそうだった。

 

『デッドマンの対ってえと……ディスペクターとして合体してたのはデッドNEXTでしたっけ!?』

『でもあれは12の王とは無関係だし……』

『…………まさか』

『何か心当たりありますかー!?』

『王同士の縫合…………鬼の歴史の「終末縫合王」であるとしたら』

 

彼らの背筋が凍る。その推論通りであれば、地球へ向かったクリーチャーは最悪の武器を携えている可能性が高い。

 

『…………地球側へ連絡、出動要請。桜龍高校へ』

「対抗できる人はいるのか!?」

『ちょうどいい人員が本部に今はいる。地上側の転送装置の配置を考慮すれば、十分に間に合う筈だ。ちょうど栗茶市役所に転送装置を先日配備している』

『いつの間に!』

 

DEADMAN-鬼MAXがシールドを振り払う。更に、アチーチ・タウン方面へ向かっていただろう鬼の軍勢から何体ものクリーチャーがサキト達の方面へ向かっていた。

 

「しのぶ……行けるか」

「うちだって先輩んために頑張るーけん!行くばい!」

「っしゃあ、行くぞ!デュエル!」

 

 

* * *

 

 

「シールドブレイク!トリガー…………《ボルシャック・大河・ルピア》と《ボルシャック・セブンス》!大河ルピアによってパワー3000以下の敵クリーチャーを焼き払う!更にセブンスで《ドラゴン流鬼 <パンドラ.鬼>》と《マガン金剛 <Nワル.鬼>》を行動停止!」

 

アチーチ・タウンへ押し寄せるデモニオ達を相手に、テルタカは戦っていた。そして、戦うのは彼のみではない。

 

『喰らいやがれッスー!《爆殺!! 覇悪怒楽苦》!』

『ギャァァアァァア!』

『ブランドの兄貴達を援護するっすよー!』

 

火文明に住まうビートジョッキー達が、デモニオの軍勢を相手にテルタカと共闘していた。火ネズミたちが動かす戦車などの機械が砲撃と突撃で道を切り開く。

 

『行くぜ、俺ちゃんのスターMAX進化ァ!ブランド-MAXだぁっ!』

『覚悟しな、鬼野郎ども!マジなボンバーの力を見せてやるぜ!』

「こちらも行くぞ!大河ルピアから革命チェンジ……!ボルシャック・バクテラスッ!!」

『殲滅してくれる!』

 

そして、鬼達を指揮する3体の鬼レクスターズ《ドラゴン流鬼 <パンドラ.鬼>》《マガン金剛 <Nワル.鬼>》《KAGEKIRINUSHI》を相手に、テルタカとブランド、ダイナボルトが並び立つ。

 

「バクテラスの能力により、《ボルシャック・ボルバルザーク》、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》、《ボルシャック・ネオウルフェウス》、《ボルシャック・ロマネスク》が場に!総攻撃ッ!」

『俺に続け!マジボンバーッ!』

『俺ちゃんの必殺奥義ィッ!最終(ファイナル)罰怒(バッド)梵破(ボンバー)!!』

 

バクテラスの喚んだドラゴン軍団が、ダイナボルトの後に続くチームボンバー達の攻撃が、そして凄まじい炎を纏ったブランドの突撃が、鬼の軍団を蹴散らしてゆく!

 

「焼滅、完了ォッ!」

『っしゃあっ!』

『さあ、雑魚どもはとっとと失せろ!』

 

残るデモニオ達に対し威嚇するダイナボルト。しかし、鬼達は決して退かない。

 

『ジャオウガ様が復活したのだ!これからは我らの時代よぉっ!』

『ええい、まだまだかかりそうだなッ!』

 

 

* * *

 

 

『ぐぅぅううっ!』

『ジャハハハ!どうした、その程度かモモキング!』

 

ジャオウガを相手に、モモキングは押されつつあった。同じように柱の中に封じられていた間のブランクはあるはずでありながら、単体での力ではモモキングよりもジャオウガの方が上回っているのだ。

 

『ぬおっ!?』

『終わりだな!』

 

膝を付いたモモキングへと、ジャオウガが金棒が一体化した脚を叩き付けんとする。その一撃は間違いなく致命の物となり得る…………!

 

「させるかぁっ!」

「テヤァァァア!」

『ぬぅうっ!?』

 

その時、横から1つの影が割って入った。一台のバイクがジャオウガへと叩き付けられ、更にそれを蹴りで押し込まんとする者達!

 

「モモキング!無事か!?」

「間に合っタみたいネ!」

『トウリ氏!ゼオス殿も!』

『フン…………モモキングと契約したという人間と、龍の力を宿す人間か!』

 

トウリとゼオスがジャオウガと対峙する。巨体の鬼に見下ろされる圧力にも、2人は屈さずに立ちはだかった。

 

「間に合って良かった…………モモキング、自分にも一緒に戦わせて欲しい」

『しかし……!』

「一緒に歴史を、受け継いでゆくべきものを背負わせて欲しい!──────相棒なのだから。そうだろう?」

『──────承知!』

「朕も一緒デス!トウリ君となら、デキない事はありマセン!」

『フン!所詮はクリーチャーよりも脆弱な生き物!我の敵ではないわ!』

 

再びジャオウガはその脚を振り下ろす。大地をも砕かんとするその一撃を、2人は受け止め──────光が溢れ出した。

 

『何だ?』

「『うぉぉおおぉぉっ!!』」

「ウリャァァァアアッ!」

 

雄叫びと共に、ジャオウガの脚が押し返された。そこに立っていたのは、モモキングと再び一体化し、鎧に身を包んだトウリ。そして──────新たに青い水晶のような鎧を纏った、ゼオスの姿があった。

 

「ゼオスさん、その姿は……」

「アラ?朕も分からナイけれど……いつもより、力ガ湧いて来るワ!」

 

トウリには多少見覚えがあった。ゼオスに宿るサッヴァークの力、その進化系。そして、ゼオスの頭には、後ろ髪を束ねるように、彼女の友が身に着けていた物と同じリボンが結ばれている。

世界の秩序を守る救世主の力…………《煌世主(ギラメシア)サッヴァーク(カリバー)》!

 

『少しは楽しめそうだ、ジャハハハハハハハ!』

「『皆が来るまでこの場を守り抜くッ!』」

「いざ勝負ネ!」

 

 

* * *

 

 

罠金乱舞(ワナワナパニック)!ここは通さんでーん!!』

『ツクっちょ!マツぽっくん!行くまる~!』

 

新章世界第2層、自然文明においても、鬼の侵攻にガイアハザード達とヨウコが共闘し抗っていた。

 

『轟破天九十九語!さあ、鬼共を蹴散らすぞ!』

『おぉおおおぉっ!!』

『受けよ、5.S.D.!無の牢獄の中、己の罪を悔いるがいい!』

 

高いパワーを持つ甲虫のグランセクト達が迫り来る鬼達を叩き潰し、蜂のグランセクトを率いるQ.Q.QX.はその毒で何体もの敵を行動不能に陥らせてゆく。そして、ヨウコは……。

 

「シールドトリガー発動!フェアリー・ライフに、ツインパクト呪文、《輝跡の大地》!よし!フェアリーライフで《輝跡!シャイニングロード・マンティス/輝跡の大地》が送られて、それをそのまま輝跡の大地で場に!現れて、シャイニングロード・マンティス!登場時能力により、相手は2体のクリーチャーを選んでそれ以外のクリーチャーをマナに還元しなければならない!」

『くぅうう!』『ならば我々を残す!』

「《ドングリ変怪 <サソリス.鬼>》と《ナミノリ童子 <サーフ.鬼>》が残るか、さあおいで!」

『喰らいなぁぁ!』

「シールドブレイク……!来た、3つ目のシールドトリガー!《トラップの地版》でナミノリ童子をマナ送り!」

『ぬあああ!』

 

シャイニングロード・マンティスの能力で敵陣を一掃し、残る鬼の片方をトラップの地版でマナへと分解する。スター進化の特性により進化元となった鬼《キズグイ変怪》が残るが、そちらは既に行動済み!

 

「ドロー!それじゃあ、《チアスカーレット アカネ》をマナに送って、シャイニングロード・マンティスで攻撃!革命チェンジ!《超重竜ゴルファンタジスタ》!能力により、マナゾーンからアカネちゃんを場に!」

『俺様の技を見せてやるぜ!』

「必殺のドライバーショットで、終わりだね!」

『ごっはぁぁああ!?』

 

戦場へ躍り出たゴルファンタジスタがドングリ変怪を下す。そちらは進化元となったであろうタマシードが残るが、単体で動けない以上最早ヨウコ達の敵ではない。

 

「アカネちゃんがマッハファイターで攻撃!ここでトラップの地版をマナに送って、ジャイアント・メクレイド8!やったね、2体目のアカネちゃんが登場!そのままキズグイ変怪を撃破ー!」

『これで終わりー!』

『ぐぎゃぁああ!』

 

ヨウコが受け持った鬼の軍勢はこれで最後だ。自然文明はひとまず防衛を成功したと言えよう。

 

『ヨウコさん、それでは貴女は火文明へ向かってください』

「まだ増援が来るかもだけど大丈夫?」

『ははは、ガイアハザードを侮るなよ!残る鬼は全て押し切ってくれる!』

「了解!それじゃあ気を付けてね!」

 

ヨウコはゴルファンタジスタの肩に乗り、柱のあった場所から下層へと向かう。目指すは敵の首魁、ジャオウガの元。

 

 

* * *

 

 

『Delete!』

『ギャァァアァァア!』

「さっすがドラゴン・コード!おおっと、こっちもシールドトリガー《アイドル・ハート》!ブロッカーですよー!」

『小癪な、踏み潰してくれる!』

 

第3層、水文明。マザーブレインによる指示の元で《Code:1059》を代表としたトリックス達が鬼の軍勢を迎撃し、ムートピアの魚人たちも柱の跡を守護するように立ち回っている。セイカはその中で、《C.A.P.(キャプテン) アアルカイト》の上に乗り《ドリル変怪 <サイバー.鬼>》が率いる軍勢とデュエルを繰り広げていた。

 

「アイドル・ハートでブロック!この瞬間、アイドル・ハートの能力でサイバー・メクレイド8!……おおっと!大当たりー!《第六戦街 ラヴ・ガトラー》がバトルゾーンに!こちらもブロッカーでーす!」

『下らん!喰らえい!』

 

《アヤツリ入道》が捨て駒として突撃し、そのスレイヤー能力でラヴ・ガトラーを破壊しようとする。目論見通りにセイカはそれをブロックし……。

 

「残念!これが私の、攻性防壁……なんてね!」

『何!?』

 

破壊されたラヴ・ガトラーの身体から、黒いマナが溢れ出す!

 

「ツインパクトクリーチャーであるラヴ・ガトラーのラスト・バースト!破壊された時、下面の呪文をタダで唱えちゃいます!下面はなんと……《インビンシブル・アビス》!」

『何ぃッ!?』

「相手クリーチャーを全て破壊!それでは皆さんさようならー!」

 

黒い輝きの爆裂が全てを飲み込んだ。視界が元に戻ると、水文明へと攻め込んだ鬼札王国の軍勢は跡形もなく消し飛んでいた。

 

「いやー対クリーチャー用に味変で入れてみたけど、早速役立ってくれたなー。全体除去が良い感じ!」

『見事デシタ、デュエルマスター』

「相棒の出番が来なかったのはちょっと寂しいですけどねー。それじゃあ、私も火文明に向かいます!あ、保冷剤とかあります?」

『コレヲ持ッテ行キナサイ』

「ありがとございます!それじゃあ、いっきまーす!」

 

火文明の環境に耐え得る冷却材をマザーブレインから受け取りながら、アアルカイトに運ばれセイカは火文明の世界へと向かっていった。

 

 

* * *

 

 

「『レッドゾーン、ダァァァァァアアッシュ!』」

「私たちの学校に、手は出させません!」

 

戦場と化した桜龍高校のグラウンドにて。アンナ及びコウジと合流したハヤトは、レッドゾーンの力を借り鬼達を蹴散らしていた。その隣では、アーシュもドラゴンの力を使い鬼達を撃退してゆく。

 

「ファイアー!もー、数が多すぎるよー!」

「こいつら、前にも増して大軍で来よったな!」

「弱音を吐いている暇は無いぞキサマらー!」

 

桜龍高校のドラゴン娘達が、その力で鬼札王国の軍団と戦っている。敵の多くは一体一体の力ではドラゴン化した彼女達に劣るため、殲滅力のあるハヤトとレッドゾーンの力もあって事態はどうにか優勢を保っていた。

 

「はぁあっ!全く、厄介な連中よ!」

「そういえば、ジュラ子達の戦いをwatchされる心配は無いのかしら!?」

『そこは大丈夫そう。前に学校を襲った奴らの時みたいに、クリーチャーの力で結界みたいなものが張られているから、こいつらを倒した後は恐らくみんなの記憶は消える』

「それならまだ安心でしね!そっちに一体来てるでし!」

 

戦闘力、殲滅力が高いドーラ、メガ、ギャイが先陣を切り、残るメンバーが援護をして行く。そして、校舎の屋上ではJack-Potが歌で皆を鼓舞していた。

 

「皆、頑張って!負けないで……!」

「君達は私が護衛するから、安心して歌って構わないよ」

「ありがとうございます!あちらに行っているテルタカさんのためにも……負けられない!」

「ワタシたちの曲が皆のライフ・チャージャーになるなら最高ね!」

 

遠距離から攻撃を続けるカンゼン邪器とイカズチ邪姫、その攻撃をアンナのペルフェクト達が凌ぎ続けている。攻勢に出るまでの間を稼ぐにも、この布陣は最適だった。

 

「…………?何か、また来るよ」

「マジかよ!今度は何が来るってんだ!」

 

その時、栄久が空から何か降りて来る事に気付いた。それは徐々にその全貌を表してゆく。

 

「何だ!?」

「あ、あれは……!」

 

それは巨大な翼を広げた、ドラゴンのような姿をしていた。その身には鎖が巻かれ、背から伸びる触手のような部位の先端には一王二命三眼槍の穂先が据えられている。本来あった、武器を構える両腕も鬼槍に挿げ替えられ、そこには更に巨大な槍が咥えられていた。

 

「あれは…………部分的なパーツは違うけれど……《暗黒皇(ダーク・カイザー)グレイテスト・シーザー》!?」

「つ、強いんですか!?」

「強いのは間違いないけれど、それ以上に凶悪な武器を持っているんだ!しかもあの姿……恐らく、鬼スターMAX進化させられている……!」

 

そう、戦国編のラスボスとなったクリーチャーであり、鬼の歴史における12の王の1体「暗黒王」……グレイテスト・シーザー。否、鬼スターMAX進化を果たしたその名は──────死偉座亜(シーザー)-鬼MAX!

その死偉座亜はこちらへ全身を現すや否や、その手にした槍を地表へと向ける!

 

「まずい!超銀河弾を撃つ気か!?」

「そ、それってまずいの!?」

「下手をすれば地球ごと吹き飛ぶよ!」

「なんだってぇ!?」

 

槍の先端が展開し、砲身が露出する。このままでは全てが滅ぶ──────。

 

「全くけったいな姿になりよってまあ……そうはさせへんよ、シーザー」

 

その危機に…………唯一の対抗策を持つ男がやって来た。

 

「すぐに終わらせたるで、シデン!」

『Contract armor awakening.』




激闘は続く!
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