ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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超銀河弾を放たんとする死偉座亜。味方をも見境なく利用するDEADMAN。
2体の鬼スターMAX進化クリーチャーへと彼らは立ち向かう。


Ep.68:紫電の剛弓と龍魂の激突

桜龍高校上空、開かれた超次元の穴から姿を現している死偉座亜-鬼MAX。このクリーチャーが手にする金色の槍…………《超銀河槍 THE END》はその穂先を展開し、魔弾を放つための砲身を露出させていた。

装填された魔弾は、かつてミロクが生み出した発明品の1つ。銀河を焼き尽くし、地獄と化す力を持つという禁断の魔弾…………《超銀河弾 HELL》。これが放たれれば、超獣世界の星よりも強度の劣る地球は消し飛んでもおかしくない。

 

『龍の歴史に与する世界…………滅ぶべし……!』

 

マナが充填され、発射まで秒読みに入る死偉座亜。その瞳に、遥か下方の地上に立つ1人の人間が映った。

その人間は、何故かは分からないが、彼にとって忘れ得ぬ気配を放っており…………。

 

「『こっち向けぇ!シーザー!!』」

『!?』

 

その人間…………渡辺セイジは、クリーチャーの力をその身に纏っていた。それは、戦国武闘会で激突した宿敵の力に他ならない。そしてその右腕には、見た事も無い弓のような武器が装着されていた。

 

『主殿!行けるかい!?』

「任せや。ジェネレートしたこいつで、あの超銀河弾を止めたる……!」

 

彼のデッキの切札、《超聖竜シデン・ギャラクシー》と同化したセイジは、その増えた腕で右腕に装着した剛弓を引き絞る。彼のデュエルテクターに装着されている、呪符を撃ち出す破魔弓の手甲と一つとなったそれは、超銀河槍に匹敵する力を秘めている!

 

『龍の歴史のシデンよ…………この世界と共に滅び去れ!』

「こいつでそのとんでもない兵器を、止めたるわ……行くで!完全停止の矢!!」

 

そう、それはミロクが作り出していた、超銀河剣、超銀河弾、超銀河槍に対するカウンターとなる魔導具──────。

 

 

 

『超銀河弾HELL、発射ッ!』

「『射貫け!《超銀河弓 ANOTHER》!!』」

 

 

 

全てを破壊する超銀河弾が放たれると同時に、セイジが《超銀河弓 ANOTHER》から矢を放った。それは、真っすぐに天空へと飛んで行き…………発射された超銀河弾を貫くと、そのまま死偉座亜が手にする超銀河槍へと突き刺さった!

 

『!?!!?!?馬鹿なッ!』

「こちらセイジ、超銀河槍と超銀河弾は無力化に成功したわ。後はシーザーを仕留めたる!」

『お見事!いやあ君が本部にいてくれて助かったよ!』

 

渡辺セイジが作戦のため、DGA総本部に来ていた事はまさに僥倖だった。クリーチャー出現頻度の多い栗茶市に本部への転送装置が新たに用意されていた事もあり、最悪のアイテムに対するカウンターがすぐに用意出来たのだから。

セイジはそのまま上空へと飛び、本来の武器を手にした死偉座亜と斬り結び始めた。

 

「ヤバそうな武器はどうにかなったっぽいけど、どないする!?」

「桜龍高校の外にまで被害が行ったら大変な事に……!」

 

ハヤトとレッドゾーンがその力で鬼札王国のクリーチャー達を殲滅し続けているが、それでも敵が追加で降って来る様な状況であった。このままでは被害が拡大しかねない。

 

「まずいな、このままではキリが…………」

「大丈夫ですよ~、すーちゃーん」

「ぎゃぁあぁ!?」

「ちょっ、不死子さん!?」

 

迎撃を続けていたすずに、突然聞き覚えのある声とともに誰かが抱き着いてきた。確かめるまでも無い、こんな事をするのは彼女の従姉…………熊田不死子しかいなかった。

 

「キサマどこから湧いて出た!?」

「みんなと一緒に、お手伝いに来たんですよぉ~?」

「みんな?ってことは……!」

 

「その動きは計算済みです」

『ギャァアア!』

『キサマ、何者だ!』

「少しこの学校の人達に、縁がある者ですよ」

 

正門を超えようとしていた鬼達を、真理がQ.E.D.の力を使い排除する。計算され尽くした攻撃は、相手に回避の余地を与えない。

 

「全員。叩きのめす……!」

『なんだ、この速さは!?』

 

裏門にはクリムが駆け付け、その速度とバトガイ銀河のパワーを掛け合わせ鬼達を打ち倒して行く。

 

「あれって、他校の…………ドラゴン娘の人達!?」

「あれだろ!確かPENTADRÉって言う…………」

『クルァァァアッ!』

「なっ!?」

 

援軍に気を取られた隙を狙ったか、屋上で演奏していたJack-Potを獣のような鬼、《ザンジ変化》が急襲する。アンナが気付く前にその爪牙が迫り──────。

 

「させないわ」

『ガギッ!?』

 

そこへ割り込んで来た影が振るう槍が、ザンジ変化を吹き飛ばした。彼女らを護った少女に、しゅうらは見覚えがある。

 

「あ、天命さん!?」

「お久しぶりね、庵野しゅうらさん。それに初めましてだったかしら、Jack-Potの皆さん?」

「危ないところだったよ……君達がPENTADRÉだね。どうしてここに?」

「桜龍高校の皆さんとは共同戦線を結んだ身。それに、市民を守るのは私達の義務なのだから。さあ、哲人!」

「おう!任せナ!」

 

命と、彼女が連れて来た哲人が屋上に陣取った。そして哲人が団旗を掲げ、グラウンドへ向けて声を張り上げる。

 

「フレー!フレー!桜龍高校!フレー!フレー!D・G・Aッ!」

「これは……!?」

 

哲人のエールが響き渡ると同時に、戦っている者達の身に力が沸き上がる。彼女の応援は、それを受けた者の力を倍増させる特性を持つ。更に、Jack-Potの歌の力が相乗効果を齎し、ドラゴン娘達と決闘者達の力が跳ね上がってゆく。

 

「よし、一気に決着を付けよう。行くよ!」

『Contract armor awakening.』

 

アンナがアルファリオンの力を纏い、既に場へと呼び出していたエンジェル・コマンド達と共にイカズチ邪姫へと剣を向ける。

 

『頭を潰してやる、ガチ!』

「トドメと行くぞ!」

 

ウシミツ童子と戦うガチダイオーが剣を手にし、コックピットに座るコウジがマナを最大限に注いでゆく。

 

「『全速力で、突っ走るッ!!』」

 

残るカンゼン邪器を見据えるハヤトが、レッドゾーンのマフラーから勢いよく炎を噴出させた。

 

「私達も、行きますっ!」

「儂らの力、みせてくれる!」

 

そして生徒会メンバーも、アオハル組も、その身に宿したドラゴンの力を引き出してゆく。

 

 

 

「『受けたまえ、聖霊剣っ!』」

『「一刀、両断っ!!」』

「『デッドゾーンギリギリまで…………ぶっちぎれッ!!』」

『はぁぁあぁぁああっ!!』

 

 

 

炎が吹き荒れ、水が飛び散り、少女たちの力が鬼達を打ち砕いてゆく。そしてほぼ同時に、アルファリオンとガチダイオーの剣がイカズチ邪姫とウシミツ童子を断ち斬り、レッドゾーンの拳がカンゼン邪器を貫いた!

 

『ぬうおぉおおぉっ!』

「『こっちもこれで、終いやっ!』」

 

魔弾を放つ魔銃と刃を4本腕の剣でいなし、斬り付けながらセイジは最後の一手を繰り出す。今回このために用意された、最後の兵器だ。

 

「こいつでこの超次元の穴、消し飛ばしたる…………ジェネレート!僕自身にクロスッ!」

『!!』

 

それは超銀河弾に匹敵する、対となる存在のクロスギア。使い手の心1つで魔剣にも聖剣にもなり得る一振りの剣……!

 

「『ふ、んぬぅぅぁあっ!《超銀河剣 THE FINAL》!くぅらえぇっ!!』」

『おのれ──────シデンめ!サムライ共めぇぇぇぇえっ!』

 

鬼達が殲滅された事で、鬼スターMAX進化特有の破壊耐性も失い──────死偉座亜-鬼MAXは超銀河剣の一撃に斃れ、桜龍高校上空の次元の穴も断ち切られ、消え去った!

 

 

* * *

 

 

「王道の革命をマナに……さあ来い!」

『しゃぁあぁあっ!!』

 

DEADMANと対峙するサキトがマナをチャージしたところで、彼らが立つ戦場にやって来た鬼の援軍が襲い掛からんとした。しかし…………先陣を切らんとした《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》の尾を、DEADMANが掴む。すると──────。

 

『ギャァァアァ!?』

「なに!?」

『ワレの実験に丁度イイ……!』

 

ジャドク丸がメキメキと音を立てて変形し──────蛇の目が輝き、刃に毒牙を何本も連ねた大鎌へと一瞬にして変わってしまう。

 

「な、なんなんあれ!?」

「まさか…………こいつ、触れた物をドラグハートに変えられるのか!?」

 

鬼スターMAX進化によって、鬼の世界のデッドマンが手にした能力。それは、触れたクリーチャーをドラグハート……いや、鬼の世界の産物であれば、『オーガハート』とでも呼ぶべきか。魂を封じた武器へ強制的に変化させる力!

 

「しのぶはともかくデッドマンに触れられるな!どうなるか分かったもんじゃない!」

「わ、分かったけん!」

『フンッッ!!』

 

斧とジャドク丸の鎌を手にしたデッドマンがサキトへと襲い掛かる。距離を取らんとするが、その一撃でシールドが3枚叩き割られる!

 

「シールドチェック……!よし、《「ここはまかせて、お姉ちゃん!」》!援軍含め全クリーチャーをタップ!」

『ム、ゥ!?』

「更に《次世代龍覇 Q.E.Deux》!そして、《ドラゴンズ・サイン》!全てシールドトリガーだ!ドラゴンズサインにより最終龍覇グレンモルトをバトルゾーンに、そしてQ.E.Deux登場によりデッドマンをバウンス!」

『そんなモノ、ワレには効かヌ!!』

 

Q.E.Deuxによる龍素転送能力に対し、DEADMANが周囲の鬼達を触手で貫き地に縫い留める事で強制転移を防ぐ。これは、鬼スターMAX進化による除去耐性!

 

「更にQ.E.Deuxの能力でラッシュ・ギガハートを装備!これにより再度デッドマンをバウンス!」

『無駄ダ!』

「最後にグレンモルトがドラグハート、バトガイ刃斗を装備!さあこちらのターンだ、ドロー!ターン開始時、グレンモルトがガイア・オウバーンを超次元ゾーンから呼び出す!」

 

グレンモルトの両手に2つの剣が装備される。片方は龍を呼ぶ刃、バトガイ刃斗。もう片方はマッハファイターとパワー増強の能力を与えるガイア・オウバーン……!

 

『デッドマン……!』

「Q.E.Deux、あいつはお前の知るこちらのデッドマンとは別物だが……やれるか?」

『A、大丈夫です。今のわたしにはグラッサ達も、あなたもいます』

「よし、なら行くぞ。まずはグラッサをマナチャージし、メンデルスゾーン!2体目の最終龍覇と、ドギラゴン天がマナに!そして──────」

 

サキトがその手を翳し、鬼の援軍の中から《「忍」の鬼 ジライヤ齋》を見据えた。今こそ、力を使う時だ。

 

「Q.E.Deuxでジライヤ齋を攻撃し…………Q.E.Deux!合体するぞ!」

(はい)…………はい!?Q、どういう意味ですか!?』

「言葉通りの意味だ!行くぞ!」

『ま、待ってくださいサキト!そんな心の準備が──────』

 

「ラッシュ・ギガハートの能力発動ッ!」

 

サキトが叫ぶと共に、Q.E.Deuxが手にするラッシュ・ギガハートとモルトが手にしたガイア・オウバーンが宙に浮かび…………一気に巨大化する。そしてQ.E.Deuxの手を取ると、サキトは一気に跳躍した。

 

『なああっ!?』

「うおぉぉおぉおぉっ!!」

 

巨大化した2つのドラグハートが、変形して…………巨大な人型の、左右の半身へと変わってゆく。それが1つに合わさり、その胸部へとサキトとQ.E.Deuxの2人は吸い込まれた。

そして、人型の全身が金色に染まって行き…………頭部が巨体の中からせり出した。その姿は、金色に変わり巨大になったモルトNEXTと言うべきものに──────!

 

 

 

「『龍覇!合ッッ体ッ!!モルトWORLDッ!!!』」

 

 

 

「な…………っえぇぇえぇえっ!?」

 

サキトと、そしてモルトの声が重なるような声が鳴り響いた。その威容に、鬼達もしのぶも圧倒されるばかりだ。

 

『…………Q、なんですか、これは?』

「だから言ったろう、合体だ!ラッシュ・ギガハートとガイア・オウバーンが一つになり、装備クリーチャーを元に進化する特殊な()()()()()()()()()()()()()()()()()()…………《龍覇合体 モルトWORLD》!」

『──────っ!』

「ちょっ、何だ叩くなよ!?ともかく、行くぞ!」

 

モルトWORLDの内部、特殊な空間の中でサキトとQ.E.Deuxは浮かんでいる。この巨体を、彼らが自在に動かす事が出来るのだ!

 

「『モルトWORLDは、攻撃の度にアンタップする!覚悟しろ、鬼共!!』」

『なにぃぃ!?』

「『おぉぉぉっ!爆流乱打ぁぁぁあっ!!』」

 

巨体に見合わぬ速度で拳の連撃が繰り出され、タレットの魔術で拘束された鬼達へと容赦なく降り注ぐ。逃れる術は無く、モルトWORLDの拳が全てを打ち砕いてゆく!

 

「『終わりだ、デッドマン!』」

 

そして、最後の一撃がDEADMANへ振り下ろされようとした──────その時。

 

突如現れた巨大な建造物が、モルトWORLDの両腕を押し止めた。

 

「何!?」

『中々驚かされタ。ならば、ワレも最高傑作ヲ見せてやロウ……合体鬼解!』

 

宙に浮かぶ、2つの城塞。その正面には、龍ではなく、鬼の首と思しき装飾が幾つも据えられており…………それらがバラバラに分かれ、2つが一つとなってゆく。その姿は、モルトWORLD以上に巨大な人型へと──────。

 

『鬼魂合体──────オール・オーバー・ザ・ワールド!』

 

「龍魂」、ドラグハートならぬ、オーガハート……それを生み出すDEADMANの力で完成した、鬼の歴史のオール・オーバー・ザ・ワールド!その顕現により、サキトが呼び出していた最終龍覇グレンモルトが戦場から吹き飛ばされる。そして、巨大な拳が振り上げられた。

 

『破壊しロ!オール・オーバー・ザ・ワールド!』

「『う、おぉおぉぉっ!?』」

「先輩!」

 

オール・オーバー・ザ・ワールドの一撃が、モルトWORLDの拳とぶつかり合い…………一気に押し切る。パワーにおいてはこのオール・オーバー・ザ・ワールドの方がモルトWORLDを上回る以上、必然の結果と言えた。

 

「ぐあっ!」

『あうっ!』

 

モルトWORLDが吹き飛び、中からサキトとQ.E.Deuxが放り出された。スター進化クリーチャーでもあったため進化元となったQ.E.Deuxは無事で済んだが、このままでは──────!

 

『終わりダ!』

「まず──────」

 

オール・オーバー・ザ・ワールドの脚が振り下ろされようとした時、サキトのカードが輝き…………2人は、引っ張られ宙に浮く感覚を覚えた。

 

「うぉわっ!」

『くぅ…………?』

「先輩!Q.E.Deuxしゃん!」

 

気付けば一瞬で、しのぶの前に放り出されていた2人、その目の前に──────一人の剣士が立っていた。

 

「すまん、待たせたなサキト。直に会うのは久々だ」

「え…………っ!」

「こいつの相手は──────俺に任せろ!」

 

一振りの大剣を手に──────龍魂の剣士が、戦場に立つ!




再来のグレンモルト!オール・オーバー・ザ・ワールドを打ち破る術はあるか!?

RX最新話の「勝太編でよくみたヤバい流れなのでは!?」で茶を噴きました。ウィンからもいつものぶっ飛んだギャグ回の流れ扱いされている……!
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