ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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新装備登場。そして……


Ep.38:護守サキトと新装備運用

『オラオラァ!追い付いてみなァ!』

「待てコラァ!!」

 

──────2024年10月3日。

桜龍高校の文化祭を無事に終え、2024年は10月へと突入した。

現在時刻は夜の9時。駅近くの幹線道路を、2台のバイクが高速でチェイスしている。片方はバイクに跨る赤いロボットのようなクリーチャー……《音速 ソニックブーム》、もう片方は、デュエルテクターを纏い、新たな装備に跨る……サキトだ。

 

「市の境も近い、そろそろ誘導せにゃならんか!デュエルフィールド拡張!」

『Duel field extension. Formative a course.』

 

サキトが駆るバイクの前輪から光の筋が伸び、ソニックブームを背後から追い抜く。すると2台のバイクが空中に浮きあがり──────いや、空中に出来た光の道を走り始めた。

 

『何だぁっ!?』

「よし、こいつは便利だ……道路で追いかけっこせず、一般車両に迷惑を掛けずに済む!」

 

DGAの新たな装備……『デュエラッド』。デュエルフィールドの形成を応用して空中に道を作り、一般人への認識阻害を保った状態で空中を移動し現場へ迅速に移動する事が出来る優れものだ。

応用として、高速移動するクリーチャーをこのように空中のコースへ誘導し安全に戦う事も出来る。

 

「これでもう逃げ場は無い、覚悟し……ん?」

 

右手を見ると、空中にまた別のコースが出来上がっている。2つが合流し、向こうのコースから1台の自動車と、別のバイクに乗ったクリーチャーがやってきた。

 

「《侵略者 ブルンブル》……あいつもソニック・コマンド系か!」

『こちら、五文寺市実働部隊所属、海原コウジだ。そちらは?』

「通信機能か……こちら栗茶市実働部隊所属、護守サキトです!」

『このまま行き止まりを形成してそれぞれを仕留める。やれるか?』

「問題ありません!」

 

2人が同時にコンパネを操作し、コースの先を行き止まりへと変える。ブレーキを掛けた2体のソニック・コマンドを追い詰めることに成功した。

 

『チッ、走る邪魔をしやがって!』

『覚悟しやがれ!』

「覚悟するのはお前達だ、生きて帰れると思うなよ!」

「ここで検挙……いや、こいつら相手に検挙は無理だな。デュエルで執行する」

 

車両を降りて赤い装甲のサキトと、青い装甲を纏った男、コウジが並び立つ。コースの四方を壁で囲み、これで相手はもう逃げ場は無い。

 

「「デュエル!」」

 

 

* * *

 

 

『ハァッ!』

「だぁっ!?んの野郎っ!」

 

ソニックブームが手にした銃を撃ち、自らの登場時能力を発動させた。

一瞬にして3枚のシールドが撃ち抜かれ、ターン開始前からシールドが残り2枚となる。

 

「この……っ!シールドトリガー発動、ホーリーグレイス!でもって俺のターン、王道の革命ドギラゴンをマナゾーンへ!」

『ドギラゴンの使い手か……ぶっちぎるぜ!!』

 

残り2枚のシールドをソニックブームが突撃して砕く。1ターン目にてシールドが全て割られる羽目になるとは。

 

「だがシールドトリガー発動!王道の革命ドギラゴン、革命2の能力によりバトルゾーンへ!」

『ちぃっ!?出て来やがったか!』

「更に登場時能力により2枚マナチャージしマナゾーンからクリーチャーを1枚手札に……ルピア・ターンとドギラゴン閃!ドギラゴン閃を手札に!」

 

準備は整った。ソニック・コマンドが速度が自慢というならば、こちらも速度で押し切るのみ。

 

「俺のターン!ボルシャック・ドギラゴンをマナチャージし、ホーリーグレイスで攻撃!革命チェンジだ!」

『なるほど、これがドギラゴンの契約者──────』

「ドギラゴン閃!叩き斬るっ!!」

 

赤いバイク諸共ソニックブームが七支刀で両断される。音速の侵略者達の1体は、あえなく爆散した。

 

「早いな、ではオレもさっさとケリを付けよう。オレのターン、《禅役者 ゲネプロリーハ》をマナゾーンへ」

『何だそのクリーチャーは?』

「……美孔麗王国のクリーチャーか!」

 

美孔麗(びっくり)王国。「十王篇」に登場する勢力の一つで、火と水の文明が組み合わさったクリーチャーを擁する種族カテゴリだ。切札以外はほぼ人型の水生生物達「ムートピア」のクリーチャーで構成されている。

 

『ブンブン、ぶっ飛ばす!!』

「おっと」

 

突撃して来るブルンブルをかわし、シールドが1枚割られるがまだ余裕の構えを崩さない。

 

「再びオレのターン、《終末の時計(ラグナロク) ザ・クロック》をマナゾーンへ送り、2マナを使用……《オンセン・ボイラー》を詠唱する。3枚ドローし、その後手札から1枚をデッキトップに置き1枚を捨てる。《崇高なる知略 オクトーパ》を墓地へ」

『それがどうした!食らえェ!』

 

再び轢きに来るブルンブルにシールドを1枚割られるが、涼しい顔でそれを避け……コウジは勝負を決めに行く。

 

「オレのターン、ドロー……ここでドローしたカード、2枚目の《禅役者 ゲネプロリーハ》を公開し、『ビビッドロー』の能力を発動する!」

『あぁ?何をする気だ?』

「ビビッドローはそのカードを引いたターンであれば、手札から公開する事でビビッドローで指定されたコストを支払い使う事が出来る。ゲネプロリーハはコスト5だが、ビビッドローにより水と火を含む3マナで召喚が可能となる。《傾国美女 ファムファタル》をマナゾーンへ置き、3マナでゲネプロリーハを召喚」

 

ギターを携えたカラフルな魚人が姿を現す。しかし、そのパワーは4000、ブルンブルには僅かに及ばない。

 

『そんな奴じゃ俺には追い付けねえぜ!』

「そこでこうだ。ゲネプロリーハで攻撃、そして……侵略を発動する!」

「『なにぃ!?』」

 

ゲネプロリーハが走り出した瞬間、上空からコースに巨大なロボットが降り立つ。青基調に赤、黄、緑と色彩豊かに彩られた、手に剣持つスーパーロボット。その名は!

 

超奇天烈(ちょうきてれつ) ガチダイオー》!!

『容赦はしない、ガチ!!』

『何だとぉぉっ!?』

 

現れたガチダイオーがそのまま剣を振り下ろす。ブルンブルはそれを避けきれず、大質量の剣によって叩き潰された。

 

「これにて……」

『執行完了、ガチ!』

 

 

* * *

 

 

「お疲れ様です。やっぱり隣の市に入りかけてましたか」

「ああ。こちらも新装備の試し乗り中に奴を見かけて追っていた所で、市の境まで来てしまった訳だな」

 

地上に降りた改めて互いに挨拶を交わすサキトとコウジ。海原コウジは、五文寺市西部の交番に勤務する警官との事だった。

 

「警官とDGA、両方は大変でしょう」

「まあ、それでも仕事だからな……そうだ、お前には一度会っておきたかったんだ」

「へ?俺に?」

 

一度姿勢を正すと、サキトに向かい礼をしてくる。

 

「護守サキト、君の力添えにより8月に起こった婦女暴行事件が無事犯人逮捕で終わった事、改めて礼をさせて貰う。当時奴を倒せず不覚を取った分の仇を討ってくれた事にも、重ねて礼を」

「え、あ……ああ!あの記録映像の!」

 

そう、8月にしのぶを襲い、サキトに撃破されたクリーチャー憑きの性犯罪者……それに遭遇し重傷を負った実働部隊のメンバーが彼、コウジであった。

ザ・クロックやオクトーパで時間を稼いだものの、決定打となる除去手段が無かったがために皇帝ワルスラの能力を突破できず不覚を取ったのだ。

 

「オレが取り逃がした奴を倒し、被害があれ以上増えずに済んだこと、感謝している」

「いえ、それはまあこっちも仕事という事になりますし……それで、あれの被害者の方々は……その後どうですか」

「心のケアは必要としているが、何とか日常生活に戻れているようだ。ショックはまだまだ消えないだろうがな……」

「そうですか……」

 

クリーチャーによる被害と、憑りつかれた者が起こす事件。それらは場合によっては深い爪痕を残す事もある。彼らはそのような事態にも立ち向かっていかねばならないのだ。

 

「今日はもう遅い、そちらも家に帰った方が良いだろう」

「はい、今日はお会いできて良かったです。それでは、お疲れ様でした」

 

互いに再びデュエルフィールドとデュエルテクターを展開し、空中に作った道をマシンが駆けてゆく。

新たな装備、デュエラッドによるサキトの行動範囲の拡大は、同時にまた、今後も新たな出会いを産むかもしれない。




水文明使いの実働部隊員、ようやく登場致しました。可能な限り3ターン以内に大型を出してビート出来るタイプを検討した結果、2人目の侵略使いに。
新装備共々設定部分を更新し追記しております。
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