ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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作中時間は11月、また1つイベントが近付いて来ています。
今回は、カードショップで行われる普通のデュエマのお話。


Ep.43:護守サキトと新たな戦術

「んー……後はこのカードだな。手持ちと合わせればどうにか出費は抑えられる」

 

──────2024年11月11日。

サキトはこの日部活を早めに抜け、カードショップにてその日の平日大会を前にカードを何枚か購入していた。

これまで使って来たデッキとは、戦法が少しばかり異なる構築を考え組もうとしていたのだ。

 

「すみません、こちらのショーケースお願いしまーす」

「畏まりましたー」

 

店員を呼び、選んだカードをショーケースから出してゆく。この時間にはまだリュウはおらず、他の男性店員が対応しに来た。

 

「お買い上げ〇〇円になりまーす」

「カードでお願いします。しかしまあ結構するな……」

 

出たばかりの有用SR等も複数枚購入したためなかなかの出費になってしまったが、これも必要経費というものだ。

デュエルスペースに座り購入したカードと家から持ってきたカードを組み合わせ、スリーブへと入れてゆく。

17時からの開催時間までに準備はどうにか終わり、デッキリストの提出を完了して卓へと着いた。

 

「ふぅ、ぶっつけ本番だがまあ何とかなるか」

 

1分もかからず、最初の対戦相手が対面へとやって来てサキト達は互いに挨拶を交わす。

 

「対戦よろしくお願いします」

「よろしくお願いします。あのドギラゴン使いの人か、楽しみだ」

「……俺ってそんな有名人扱いなのか?」

「やっぱこの人と言えばこれ!ってカード1種あれば有名にはなりますよ!っと、それじゃあ行きますか」

「「最初はグー、じゃんけんホイ!」」

 

サキトがチョキ、相手がパーを出し、先攻決定権がサキトのものとなる。

 

「では俺が先攻で」

「了解ですっと。それじゃあ……」

 

シールドを5枚設置し、手札を引いて準備は整った。命を懸けたものでなくとも、デュエルは常に真剣勝負。大会ともなれば猶更だ。

 

「「デュエマスタート!」」

 

 

* * *

 

 

「俺のターン、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》をマナチャージし、ターンエンド」

「俺のターン!こちらは《影速 ザ・トリッパー》をマナチャージしてターンエンドで!」

 

互いに1ターン目は多色カードをマナに置いてマナ基盤を作っていく。静かな滑り出しと言えるだろう。

相手がマナに置いたのは火と闇のソニックコマンド……所謂「バイク」と呼ばれるタイプのデッキだろうか。

 

「俺のターン、ドロー。んん……《ボルシャック・栄光ルピア》をマナに」

「俺のターン、ドロー!《虹速(こうそく) ザ・ヴェルデ》をマナチャージ!」

 

2ターン目も互いに動きは無し、本番はここからだ。

 

「俺のターン、ドロー……《裏斬隠蒼頭龍(うらぎりがくれそうとうりゅう) バジリスク》をマナチャージし、呪文《龍の呼び声》を発動。デッキの上から1枚マナゾーンへ送り、それがドラゴンであれば更にもう1枚デッキの上からマナへ送る」

「え、バジリスク……?」

「デッキトップは《闘争類拳嘩目(とうそうるいけんかもく) ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》。ジュラシック・コマンド・ドラゴンであるため更に1枚……ふむ、2枚目の龍の呼び声がマナに」

「なんだ、新しいデッキか……?俺のターン、ドロー!《覇王速 ド・レッド》をマナチャージし、《撃速 ザ・グナム》を召喚!」

 

バイクに乗ったガンマン姿の人形といったイラストのカード、ザ・グナムが召喚される。このカードは言わば、革命チェンジ封じのためのカードだ。

 

「ザ・グナムはそちらのターン中、コストを払わずにバトルゾーンに出たクリーチャーを破壊する!これでお得意の戦術は封じますよ!ターンエンド!」

「なるほど。では俺のターン、ドロー……それじゃあ行かせて貰うか。《五番龍 レイクポーチャー ParZero(パーゼロ)》をマナチャージし……」

 

サキトが1枚の手札を表にする。それは、彼が組み上げた新たなデッキの主軸となる1体のクリーチャー……。

 

頂上電融(ちょうじょうでんゆう) クライアッシュ“覇星(ヘッザー)” '22》(バッド)(アクション)(ダイナマイト)4を発動!」

「げっ!?」

「このターンの終わりに自壊する代わりに、このクリーチャーのコストを4下げて召喚できる!6マナで現れろ、クライアッシュ“覇星(ヘッザー)”!」

 

額面上のコストが10のクリーチャーが、自身の能力のみでコストを4点も軽減し現れるという強烈な新カード。デュエキングDreaMで新たに生まれた、2022年の公認グランプリ決勝でぶつかり合ったデッキのエース同士を融合させた『頂上ディスペクター』の1体……それが《頂上電融(ちょうじょうでんゆう) クライアッシュ“覇星(ヘッザー)” '22》!

 

「まずはEXライフが発動、デッキの1番上を新たなシールドに!そして登場時能力により、カードを2枚ドロー!そして、こいつはマッハファイター能力持ち!ザ・グナムを攻撃して破壊する!」

「くぅ、メタクリーチャーが……っ!」

「これでターン終了、B・A・Dの代償によりクライアッシュは破壊されるが、自身のEXライフにより追加したシールドを墓地へ送って場に残留する!」

 

墓地へ送られたシールドは、2枚目の栄光ルピア。クライアッシュの召喚に成功した事で、サキトは極めて有利な状況に立ったと言える。クライアッシュには相手がコストを払わずクリーチャーを場に出した際、ターンの残りをスキップさせる効果もあり牽制能力も極めて高い。

 

「く、俺のターン、ドロー!どうせターンを飛ばされるならクライアッシュは破壊する!《轟速 ザ・Re:ッド》をマナチャージし、《轟音 ザ・ブラック GS》を召喚!攻撃時に……侵略発動!」

「よし、来るか」

《轟く侵略 レッドゾーン》!登場時能力により、相手の場の最もパワーが高いクリーチャー……クライアッシュを破壊する!」

「OK、続いてザ・ブラックの攻撃時能力だな」

「ザ・ブラックの攻撃時能力で、相手は手札を1枚選んで捨てなければならない!さあ、捨てて貰いますよ!」

「それじゃあ俺が捨てるのは、このカードだ」

 

5枚ある手札の中から、1枚を相手に見せる。そのカードを見て、相手は愕然とした。

 

「そ、そのカードは……!」

「そういう事だ。相手ターンに手札から捨てられる時、このクリーチャーは墓地に置く代わりにバトルゾーンへ出る。《斬隠蒼頭龍(きりがくれそうとうりゅう)バイケン》を場に!登場時能力によりレッドゾーンを手札に戻す!」

「ぐぁあっ!?」

 

しのぶに力として付与されているドラゴン、バイケンが場へと現れる。その能力でレッドゾーンと進化元のザ・ブラックが手札へと戻されることにより、相手は攻め手を失った。

 

「さて、クライアッシュのターンスキップは使わない。もうそちらは出来ることは無いからな」

「く、ターンエンド……」

「このターンエンド時、相手がコストを支払わずクリーチャーを場に出していた事でこのクリーチャーが新たに場に出る」

「!!」

 

「現れろ、《流星のガイアッシュ・カイザー》!」

「うおお……!」

 

畳みかけるように、サキトの場に新たなドラゴンが登場する。流星アーシュに力を付与されているドラゴン、様々なデュエリストが愛用する強力なクリーチャー、ガイアッシュ・カイザーだ!

 

「俺のターン、ドロー!よし、2枚目のレイク・ポーチャーをマナへ送り……《メガ・マナロック・ドラゴン》を召喚!」

「ぎゃぁあぁぁ!?」

「このクリーチャーが出た時、相手のマナゾーンから各文明1枚ずつ選びタップする!それらは次のターンアンタップされない!闇文明のトリッパー、自然文明のヴェルデ、火文明のド・レッドを指定!」

 

相手を完全に詰めにかかっていくサキト。次のターン、相手は最高でも2マナまでしか使用できなくなった。

 

「まずバイケンで攻撃!この際、革命チェンジ!《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》を場に!ラフルル・ラブが場に出た事でそちらは呪文を次のそちらのターン終了時まで使えない!」

「お、俺のデッキには呪文は無いです……っ!」

「む、そうか。まあいい行くぞ、シールドをダブルブレイク!」

「シールドチェック……何も無し!どうぞ!」

「ガイアッシュ・カイザーで更にダブルブレイク!」

「G・ストライク……はあっても意味がない!」

 

相手のシールドは残り1枚、ターンが回るが……1枚マナチャージしたものの、出せるクリーチャーがいない!

 

「では俺のターン……メガ・マナロックで攻撃!」

「《轟速 ザ・Re:ッド》のG・ストライクでラフルル・ラブを攻撃不可に……でも、ここまでか……っ!」

「ガイアッシュ・カイザーで、ダイレクトアタック!」

 

こうして、サキトは1戦目を見事勝利したのであった。

 

 

* * *

 

 

「あ、先輩ここしゃぃおったね!おーい」

「おおしのぶ。ごめんな、今日は久々に平日大会出たかったから終わり待たずにこっち来ちゃって」

「別に良かよ、それより調子はどげん感じと?」

「新しいデッキを組んでやってみてるよ。1戦目は無事勝った」

「おおー、流石先輩やね!」

 

正直、それなりに好みのデッキが割れていたサキトであったからこそ、今回は意表を突いて相手を倒せたという面もあるが……それ以上に今回組んだデッキは対人において強力に仕上がった物と言えるだろう。

 

「修学旅行前にこいつを組めて良かったよ」

「? 修学旅行先に持って行くと?」

「ああ、デュエルの約束した人がいてな。まあ約束無しでもいつものデッキは持って行って色々備えておくつもりだけれど」

 

サキト達2年生は、今月半ば頃から修学旅行が予定されている。4日間の日程で、今年の行き先は長崎、福岡だ。

 

「行き先は福岡やったよね?なら後でお勧めんお店とかお土産とか、お母しゃん達にも聞いてみるね」

「おお、ありがとう。行き先一覧を後で送るよ」

 

「第2回戦を始めまーす!皆さま席に着いてくださーい」

 

「お、もうすぐ2戦目だ。見て行くか?」

「じゃあ後ろで応援してるけん!」

「周りに迷惑かけないようにだけ気を付けてな。それじゃ、行って来るか!」

 

そうして、再び席に着き、各卓で2戦目が開始される。真剣な表情でカードを操るサキトを、しのぶはワクワクしながら見守っていた。

 

「(もしいずれ、再び彼と戦う事になっても……その時は勝利を掴んで見せる……っ!)」

 

先の黒い死神とのデュエル、その敗北経験から、新たな対人戦用のデッキを組み上げたサキト。その戦術は、間違いなくこれまでよりも切れ味を増していた

 

 

 

この日、サキトは久々に、平日大会にて3戦全勝を飾り表彰される事となる──────。




というわけで、対人戦特化型となる第2のデッキを組み実戦で運用してみるという回になりました。
デッキレシピの詳細は設定ページを更新して掲載しております。
バウンス系除去やら踏み倒しメタやらを組み込んでいるためクリーチャー戦にはあまり向かないものですが、ちょくちょくガチデュエルも盛り込んで行きたいと思っているためこういったデッキも作って運用していきたいな、と思います。
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