リュウ「逝くなガレックーっ!」
ザーナ「死なないでder'Zen Mondoーっ!!」
2人のデッキの再調整をそのうちしなければ……
それはそれとしてバトライ刃が温泉から水揚げされたのは嬉しいところですねえ。モルトVERSUSも団長から射出出来て出力が上がるので良い感じ。
あとアオハル組キャラプレデッキは必ず買います。待っていたぞぉ!
「俺のターン!王道の革命ドギラゴンをマナチャージ!ターンエンド!」
『オオォォオオオオォッ!!』
禁断の星を守るドキンダム軍団、5体のうち4体が襲い掛かって来る。更に、休眠状態のイニシャルズのうち2体が目覚める……あれは、《禁断V キザム》、《D2V3 終断のデッドトロン》!
『キザムの解放により、禁断の星の封印が解け、災厄を起こす。そこの弓持ちから力を奪う。更に、キザムの能力により更に力を奪う』
「チッ!戒律の大弓が!」
『更にキザムの攻撃で槍持ちの機械天使と戦闘』
『大丈夫!こちらのクリーチャーはバトルで破壊されない!パーフェクト・マドンナは健在だよ!』
禁断の星は、コスト5以上の闇か火のコマンド・クリーチャーが召喚されることで封印が解け、封印が1つ解けるごとに特殊能力が発生し、4つの封印が解けた時ドルマゲドンXが目を覚ます。
「相手のパワーを-1111」「自身のクリーチャーにパワーアタッカー+2222を付与」「自身のクリーチャーにスレイヤーを付与」と、仇なす者を排除する能力が満載されている。
残る封印は……あと、2つ。
「最初のレッドゾーンZの奇襲で封印が一つ解けていやがるのか……!」
『来るよ!残る6体のうちパピロニア以外の5体で、ドキンダム達の攻撃をブロック!』
護衛のブロッカー達がサキトのシールドを守る。パピロニアが場にいる限りバトルでは破壊されないため、しばらくは安全だが……。
「早い所片付けないと拙いな……俺のターン、ドロー!レッドギラゾーンをマナへ!」
『今度はこちらの番だ、攻撃開始……タップされているドキンダムへ各自攻撃、そしてそれぞれの攻撃時能力を発動する。まずはプルート・デスブリンガーのメテオバーン発動!』
黒い異形の機械と言うべき姿の不死鳥、《超神星プルート・デスブリンガー》が攻撃対象のドキンダムを破壊する。
『更にバイラス・テンペストの攻撃時能力、ランダムに相手クリーチャーをマナに還元する……チッ、攻撃対象以外のドキンダムが消えたか。バイラス・テンペストはそのまま返り討ちだ』
白い東洋龍といった姿のドラゴン、《超神龍バイラス・テンペスト》がドキンダムの1体を消し去るも、他のドキンダムに打ち砕かれる。
『ここは……多少捨て駒とするしか無いか、ライラ・ボルストームで攻撃。攻撃時メテオバーン発動!パワー5000以下の相手クリーチャー、キザムを破壊し、護守の手札から進化ではないドラゴンを場に!』
半人型の炎の不死鳥《超神星ライラ・ボルストーム》が、ドキンダムへと特攻して行くと同時にサキトの手札から新たな援軍を呼び出す。
「大丈夫、まだボルストームは死なせません!手札から……《蒼き王道 ドギラゴン超》を場に!登場時能力により、ボルストームの攻撃対象となったドキンダムをマナへ!」
『よし、続けてナイトスクリーマーの攻撃時能力。相手は自身のフィールドのタップされていないクリーチャーを選んで破壊する!』
『……仕方ない、動いていないドキンダムを破壊。代わりにその多頭竜は返り討ち』
赤い多頭の竜凰《闘流星ナイトスクリーマー》が、身に着けた魔結晶でドキンダムの1体から生命を奪い取り破壊する。しかし、残ったもう1体のドキンダムによって粉砕された。
『“轟轟轟”ブランドでデッドトロンを攻撃し破壊。そして最後だ、《「無月」の頂 $スザーク$》でドキンダムに自爆特攻する』
『……無駄、返り討ちにする』
リュウのエースたる$スザーク$が攻撃するも、ドキンダムにはパワーが及ばず破壊され、墓地へ送られる……6つの魔道具と諸共に。そして、狙いはここからだ。
『だが、ドルスザクは死なん。無月の門より蘇る』
「ターン終了!この時、無月の門・絶が起動し、墓地から魔道具6体を指定しその上に墓地から$スザーク$を召喚する!舞い戻れ、《「無月」の頂 $スザーク$》!登場時能力により、最後のドキンダムを破壊!」
開かれた魔法陣より白い炎が噴き出し、ドキンダムを焼き尽くす。その炎は不死鳥の姿を取り、$スザーク$として復活した!
『成程、少し厄介……目覚めて、ドルハカバ』
《終断δ ドルハカバ》が休眠状態から目覚め、3つ目の封印が解かれる。残る封印は、1つ。
『ドルハカバに相討ちとなる力を付与。更に、禁断の手よ。蝶の龍を破壊して』
「チィッ!?」
ツインパクト呪文の、《D2V3 終断のレッドトロン/フォビドゥン・ハンド》!パワー9999以下のクリーチャー、パピロニアが破壊される!
「休眠中のイニシャルズの力として、ツインパクト呪文も扱えるのか……!」
『ドルハカバ、火の不死鳥に攻撃しなさい』
『無駄だよ!《聖沌大忍者 ムクジュメッド》でブロックしドルハカバを破壊!スレイヤー効果はムクジュメッド自身の能力により耐える!』
『……何をしようと終焉は避けられないのに』
鉄壁の防御がシールドへの被害を許さない。しかし、時間的猶予は無い。デュエルフィールドごと禁断の星は地球へ近付き続けており……今は既に、月軌道よりも内側に入っている。本当の戦いは、ここからなのだ。
* * *
「喰らえぇぇい!!」
「ええいなんて数でし!」
地上、栗茶市でも激戦が繰り広げられている。広域デュエルフィールドを展開した栗茶広域防災基地にて、多数のイニシャルズと火の侵略者達を相手に、ドラゴン娘達とDGA実働部隊員達が奮戦していた。
「1体1体はそんな強ないけど、後から後から湧いて来る!」
「でもここで頑張らないと、センパイが地球を守れないよ!」
「Let's fight!行きますわよ!」
高パワーのものはドーラやジュラ子、ゼオスとギャイが食い止め、メガが弱い敵を一気に焼く。
∞はゲンムエンペラーの能力を活かし低コスト相手の能力封じと堅牢な守りで戦線を維持し続けている。
「行くばい!先輩に貸して貰うたドラゴンの力、使わしぇて貰うね!」
『Add new creature power.』
しのぶは、DGAから貰い受けたサポートアプリ……正式名称『ドラゴニックエンチャンター』により、更なるドラゴンの力を付与して強力なクリーチャー相手に戦っていた。
しのぶの身体各所に水色と紫色の機械的な装甲が装着され、先端が広がった剣が呼び出される……《
「しのぶさん、何ですかそれ!?」
「DGAの人に貰うた装備の力ばい!∞ちゃんにちょっとだけ似た力を感じてよかね!」
「ドラゴン娘というよりロボ娘みたいな見た目になっておらんか!?」
『ドラゴンらしくない姿のドラゴンもデュエマには結構いるみたいだからね』
彼女達の力で、南側から攻め込んで来た侵略者とイニシャルズの連合軍は押し止められている。そして、北側ではDGAのデュエリスト達が……。
「シールドトリガー発動、《
『ファー!俺様の出番だぜ!』
「更にクリーチャーを出した事で、輝跡の大地の効果によって相手クリーチャーとバトル!奇天烈X グランドダイスを粉砕よ!」
『ぐぁぁあああ!?』
「《終末の時計 ザ・クロック》の登場時能力により敵のターンをスキップ!そしてオレのターン、オクトーパから侵略!《革命類侵略目 パラスキング》!叩き潰せ!」
『グォォォォオ!!』
『ぎゃぁぁああっ!!』
作戦のため集められた実働部隊員達により、概ね優勢を保っていた。万一を想定して、種子島に向かった禁断の星攻略部隊員以外にも優秀な隊員を残しておいた事が功を奏したと言えるだろう。
特に、とある【自然単ジャイアント】デッキの使い手は、エースたるゴルファンタジスタの能力を駆使して敵の攻撃を完全に抑制していた。
『どうしたぁ!?俺様を相手に戦おうという気概のある奴はいないのかぁ!?』
──────しかし。
『大気圏より降下してくるクリーチャー群、間もなく栗茶市に落着します!……この反応は!』
「大丈夫!どんな相手でもあたし達が──────」
その自信満々の応答を掻き消すように、目測にして全長18mはあるだろう巨大なクリーチャーが大地に降り立ち、地響きと轟音が辺りを揺らす。
『──────ォォオオオオォォォオォ!!』
『ドキンダムXです!それも、9体も!?』
『ファ──────!?』
ゴルファンタジスタの能力は、自身のパワー25000を下回る相手クリーチャーは攻撃を行えないというものであり。
パワー99999を誇る、ドキンダムXが相手では……。
『ぐわぁぁぁああああ!!』
「ゴルファンタジスタぁーっ!」
「拙いな、こいつらにバウンス除去を食らわせたら、禁断の星へと戻って護守の負担が増大する!」
通常のデュエルであれば、ドキンダムXをバウンスした時点でドキンダム自身の能力により、相手のプレイヤーが特殊敗北となりデュエルが終了する……が、この戦いではそうはいかない。むしろ、手札へ戻す行為は親玉たる禁断の星の下へ奴らを送ってしまい、最悪の事態を招きかねない!
『まずい!施設に攻撃してくる!』
『ゥォオオォオオオォオオ!!』
「…………っ!」
最も基地に近いドキンダムがその拳を叩き込まんとして来る。そこに∞が割り込み、間一髪で無限大のパワーによる防護で返り討ちとして守り切った。
『ガァァァアアアァアア!』
「させマセン!てやぁぁああ!!」
2体目の拳を、ゼオスが翼から光剣を投げ付けて阻止する。多数突き刺さった光剣から光が伸び、ドキンダムを光の板に閉じ込める。
「だめ、間に合わない!あの数じゃ!」
しかし残るは7体。防災基地が、そして周辺市街地が、攻撃に晒されようと──────。
「カモン!」
『王来!』
「『スター進化ッ!!』」
瞬間、ドキンダムの1体が頸を切断され、倒れ込みながら消滅した。
「今の声ハ、トウリくん!?」
「申し訳ない。施設防衛のため、最終防衛ラインの役目を放棄します!これ以上施設と市街地に被害を出させないために……っ!」
地に降り立つは、赤と白の陣羽織と鎧に身を包み、光背を背負い大太刀を構える、龍の英雄と一つになったトウリの姿──────。
「『《王道英雄 キング・モモキングKG》!ここに、参ジョーッ!!いざ、参るッ!!』」
デュエルフィールドを施設全体から市街地まで大きく広げ、トウリが大きく跳躍する。そちらに気付き、払わんとするドキンダムの腕に乗り、駆けて行く!
「バトル時パワー1012000となったモモキングKGの、自分達の攻撃ッ!」
『更に!RXから進化した拙者達は、バトルに勝つ度に再度行動出来るっ!!』
「『でえぇぇぇぇえやぁぁあぁぁああああっ!!』」
一体の頸を斬り、そのまま跳躍して次のドキンダムの個体へ飛び移り再び頸を斬る。その剣の軌道には黄金の龍が追従し、ドキンダムの頭を抉り食らうが如く舞う!
「『モモブレイド!王道・龍刃舞ッ!!』」
6体のドキンダムを、モモキングの刃が全て切り伏せた!ドキンダム達の消滅による余波として大量のマナが吹き荒れ、基地へと集まって来た侵略者とイニシャルズ達が吹き飛んで行く!
「はぁ、くっ!」
『トウリ氏!大丈夫でござるか!?』
「少し負担が大きかっただけだ、大丈夫……っ!急いで戻らないと、サキト先輩の戦いが……作戦が、第三段階にそろそろ移行する!」
* * *
「俺のターン!メガ・マグマ・ドラゴンをマナへ送り、メンデルスゾーン発動!よし、ホーリーグレイスとルピア・ターンがマナに……っ!」
『けれどもう、ここまで。目覚めて、ドルブロ』
サキトのマナが5枚に達する。勝利に必要なピースは、手札に既にあった。しかし同時に、レッドゾーンZが禁断の使徒、《終断γ ドルブロ》を目覚めさせる。ドルブロのコストは5、即ち──────。
『全ては、終焉する』
「来るか──────ッ!!」
『禁断、
その瞬間、禁断の星が閃光を放ち、凄まじい衝撃が放たれた。
「うぉぉおおぉおおぉっ!?」
サキトの前に立ち、守り続けて来たクリーチャー達がその衝撃で消し飛ばされる。そして、光と衝撃波の嵐が収まると、それの姿が彼の目に映る。
「……っ、これが……っ!」
あまりにも巨大な、人型の巨体。岩塊のような表皮、赫く輝く2本の角。四肢と頭部、そして胴体に輝く核。それは正に、星を砕く巨大なる悪魔。
『ォオォオォオオオォォオオオ……!』
『《終焉の禁断 ドルマゲドンX》……ようやく、解放された』
ドルマゲドンの巨大な顔が地球へ向き、その巨大な腕にマナが収束されてゆく。攻撃するつもりだ!
「させるか!シールド、拡大っ!!地球を守れっ!!」
サキトの前に展開されたシールドが、地球への砲撃を防ぐべく巨大化する。そこへ、赤黒い光線が放たれた。一瞬にして、3枚のシールドが打ち砕かれる!真空の宇宙空間に、地球を守るべく浮かぶシールドは……残り1枚!
「ぐぅぅっ!!」
『もう終わり。貴方を守る盾、全て打ち砕き、排除する……!』
「させるか!シールドトリガー……っ、来た!ダブル発動ッ!!」
しかし、砕かれたシールドから2体のクリーチャーが飛び出す!守護の要たる、《王道の革命 ドギラゴン》!そして、ここ一番で最も欲しかった1体……《光鎧龍ホーリーグレイス》!!
「ホーリーグレイスの登場時能力!お前たち全員をタップさせ、動きを封じる!」
『カァァアアァァッ!!』
『くっ!目障りな光……!』
ホーリーグレイスの放った閃光が、ドルブロとレッドゾーンZ、そしてまだ遠い距離に控えるドルマゲドンの眷属達を怯ませ動きを止める。今生じた隙が、最初で最後のチャンスだ!
「王道の革命ドギラゴンの効果でマナを2枚チャージし……ドギラゴン閃を回収!作戦を第三段階に移行ッ!俺のターン!“龍装”チュリスをマナとし……2体目の、《蒼き王道 ドギラゴン超》ッ!行くぞぉッ!!」
『Contract armor awakening.』
サキトがドギラゴン超のカードを掲げると同時に、コントラクトアーマーを起動する。ドギラゴンとサキトが1つとなり、蒼き鎧がその身を覆い、赤い外套を背に纏ってゆく。
「『決着を付けるぞ!ドルマゲドンッ!!』」
『グゥ、ヌォォォォオオォオォオォオオッ!!』
ドルマゲドンがサキトへ、ドギラゴン超へと拳を振るう。対してサキトは両腕から6本の光剣を生じさせ、それらを錘状に配置させ両腕に纏わせた。
「ドギラゴン超の登場時能力!相手クリーチャー1体を、マナゾーンへ送る!喰らえ、ドルマゲドンッ!!」
迫る拳に向け、両腕の光剣を突き出すとそれらがドリルの如く高速回転してゆく。そしてホーリーグレイスの背を足場にすると、拳に向けて跳躍した!
「『うぉおおぉおおッ!!』」
ドルマゲドンの腕に接触するとそれをドギラゴンの光剣が打ち砕き、掘り進む!高速で突き進んだ彼らは、ドルマゲドンの右腕を根元まで粉砕した!
「『もう、一発っ!!』」
更に剣を抜き放つと、マナを収束させ巨大な斬撃を放った。その一撃が背後からドルマゲドンを襲い、左腕を根元から断ち斬る!
『……!まだ、両腕の核がやられただけ……!』
「いいや、これで最後だ!こちら護守サキト、マナの送信を!」
ホーリーグレイスが高速でドルマゲドンの周囲を飛び、サキトを回収する。そして、ホーリーグレイスの背に立つサキトの背後に超次元の穴が開き、マナが送り込まれてきた!
「よし、行くぞ!ホーリーグレイスをタップし……ハイパーモード起動ッ!覚悟しろ!」
「『革命チェン……っ!?ぐぁあっ!?』」
最後の詰めを指そうとした瞬間、サキトの身体に激痛が走った。
「っぐ、これは……っ!?」
『まずい、マナが、不足している……!?』
* * *
『どうした!推定必要量よりも余裕を持ってマナを送る要員は確保していたはずだ!』
地上の種子島宇宙センターと、栗茶広域防災基地に怒号が響く。確保できるギリギリでは想定外の事態に備えられない、故にある程度の冗長性を持たせていたはずだ。
「こちら広域防災基地!超次元ホールより、施設内に直接クリーチャーが出現!撃破はされましたが、それにより実働部隊員のマナが消耗、同時に一部機材が破損させられました!」
『馬鹿な、そんな能力持ちは……っ!いや、ツインパクト持ちの轟速の侵略者か!?』
《轟速 ザ・レッド/超次元キル・ホール》。以前レッドゾーンZがギュウジン丸への奇襲を可能とした、超次元の穴を生み出す力を持つ特異個体の侵略者。この個体の力により、偵察、奇襲を彼らは行っていたのだ。
「何とかならんの!?」
「急いで儂らもゆくぞ!戦闘は終わった、マナとやらの足しにはなるかもしれぬ!」
「ダメだ!機材の破損で、これ以上の追加は……っ!」
絶望的な状況。更に、デュエマフォン及び監視衛星で中継されているサキト側の戦況は更に悪くなっていた。ドルマゲドンが、最後の力を使わせまいと、サキトへと幾筋もの光線を放ち追い詰めて行く!
『ぐあぁぁっ!?』
「先輩っ!!」
ドギラゴンの剣が光線を受け、砕け折れる。絶体絶命、そして、彼の敗北はそのまま世界の終焉を意味している。
「どうすることも出来ないでしか!?」
『宇宙に行けたとしても、私達の命を守ったまま戦うのは難しい。それ程に宇宙は過酷な場所だから……』
「くっ、このままじゃ……っ!」
絶望感がその場を支配する中、1人、彼の勝利を祈る者がいた。
「……先輩……うちは、信じとるけん……先輩は、絶対勝ってくれる……っ!」
かつて誓ったように。サキトは必ず勝利し、そして帰って来ると、しのぶは祈り続けていた。
『……しのぶ、身体が』
「え?ぁ……っ!?何!?」
見れば、しのぶの身体が薄く発光しているように見えた。そして、同じようにサキトの身体が光り始める。
「これは一体!?」
「……っ!?陸将!本施設が、クラッキングを受けています!」
「何ィ!?こんな時にどこからだ!!」
「分かりません!ですが、これは……っ!ネット上に、ドルマゲドンとの戦闘の中継映像が、流されています!全世界規模で!!」
徐々に、映像に映るサキトの発光が強く点滅し始める。そして、彼の身に、力が漲り始めた。
「
* * *
米国の夜空に浮かんだ、巨大な怪物の姿。人々は恐怖に怯えていたが、中にはそれと戦う、小さな光を見た者がいた。
栗茶市に突如宇宙から落ちて来た怪物。家を、自身を踏み潰されそうになった時、怪物の頸を刎ね救った龍の武者を見た者がいた。
地球を襲う異変に気付き──────各国の宇宙関連施設から情報を得るべくクラッキングを仕掛け、今まさに異変と戦う者がいる事を知った者がいた。
「これは……っ!」
『光が、マナが集まって来るぞ!』
彼らは、自らが見た物を、希望を齎すものだと信じた。そして、それぞれに出来る手段でそれを拡散させていった。
彼らは祈った。救いを、勝利を、平和を。そしてその祈りが──────結集する。
「『オォオオオォオオオオオオッ!!』」
黄金の光が、弾けた。光線を全て掻き消し、眩い輝きがドルマゲドンと眷属達の目を灼く。
『何……っ!』
視界が元に戻った時、ドルマゲドンXとレッドゾーンZの前に、1人/1体の龍人の姿があった。
黄金の鎧、緑色に輝く光の翼、手に携えるは赤い巨剣。人間と一つとなっているが、見間違えるはずもない。かつてドルマゲドン自身を葬った、忌々しき黄金のドラゴン。ドギラゴンを超えた、究極のドギラゴン──────。
『《
2つの声が溶け合い、1つになったかのように聞こえた。ドギラゴールデンと化したサキトは即座に、巨剣を大砲へと変形させて膨大なマナを収束させる!
『ドギラゴールデンの、登場時能力!相手クリーチャーを1体、マナゾーンへ送る!喰らえ、ドルマゲドンX!!』
極太の光線が砲から放たれ、ドルマゲドンXの両脚を薙ぎ払う。更にそのまま砲を上へ向け、頭部の禁断コアをも撃ち砕いた!!
『グァァアアアアアアアァァァァァアアアアァアア!!』
両手足と、自身を守る禁断コアを失い身悶えるドルマゲドンX。苦痛に喘ぎながら、悪あがきとばかりに光線を放ち、それがドギラゴールデンの砲撃とぶつかり合い爆発する!
『くぅ、うっ……終わった……?』
『──────更にッ!』
『ッ!!』
爆炎の向こうから、サキトの、ドギラゴールデンの声が響く。彼が大上段に掲げた巨剣から、光の刃が遥かな先まで伸びていた。
『その後、相手の禁断クリーチャー1体を選び──────破壊するッ!』
『オォ……オォォノレェェェエッ!!』
『これが俺達のッ!
光の刃が振り下ろされ、ドルマゲドンを、その核を──────
一刀のもとに、両断した!
* * *
『…………ッッ!勝ったぁぁぁぁぁっ!!』
正しく、奇跡的に掴んだ勝利に皆が沸き立った。種子島宇宙センターでも、栗茶広域防災基地でも、多くのスタッフたちが互いに歓喜の抱擁を交わしている。
「やった!センパイ勝ったよぉ!」
「一時はどうなるかと思ったわ……」
『これで一安心……』
「先輩、やったばい!信じてたけん!!」
ドラゴン娘達も、固唾を呑んで見守っていた戦いが終幕を迎えた事に安堵していた。モニターに映る、ドルマゲドンの周囲にいたドキンダム軍団は力を失い、マナへと還りつつあった。
「いえ、まだです!護守隊員!全速力でそこを離れてください!奴の爆発に巻き込まれないうちに!」
「えっ!?ど、どういうことですか!?」
「ドルマゲドンは自身がやられた時、倒した相手を道連れに自爆しようとするんです……それを防ぐためにも、サキト先輩がコントラクトアーマーを使い、奴から逃げ切る前提で作戦を立てられているんです」
「そうだったのネ。ソレなら急いで戻ってこないと……」
しかし。
「…………!?護守隊員!どうした!何をやっている!!」
モニターに映るサキトが、離れようとしていた進路を突然逆進し始めた。自らドルマゲドンXへと向かってゆく!
「応答しろ護守隊員!何故奴へ向かう!」
『ザザッ…………野、郎……最後の悪あがきをするつもりだ……っ!』
「何!?」
『このまま、地球に落ちて、地表で最後の爆発をしようとしているっ!!』
通信を担当していたスタッフが、顔を蒼白にしマイクを床に落とす。四肢を失ったとはいえあの巨体が地表に落ち、爆発すれば──────!
『だが、やらせない!最後のシールドと──────俺自身でこいつの落下と、爆発の威力から地球を守る!』
「ば、バカなことは止めぬか、護守サキト!死んでしまうぞ!」
『どの道地球が壊滅したら、俺だけ助かっても生きて行けないんだ。なら……この身を引き換えにしてでも、守るしか無いだろう!』
「そんな……!」
サキトが拡大されたシールドをドルマゲドンXへと叩き付け、そのまま全てのマナを出しきらんとばかりに翼から光を噴射させ押し返そうとする。王道の革命ドギラゴンとホーリーグレイスもそれに追従し、3体の力が地球へ向かうドルマゲドンの力と拮抗する。
「待って、先輩!先輩っ!!」
泣きそうな声でしのぶが叫ぶ。その声が届くと、その瞬間だけ、サキトが申し訳なさそうな顔をした。
『──────ごめんな、しのぶ。帰って来るって約束、果たせな──────』
そして、光が広がって行き──────モニターの信号が、途絶えた。
「──────嫌ァァァァァァァァァッ!!」
同時刻、米国にて、ドルマゲドンXの爆発、消滅が確認された。
斯くして、地球の存亡を賭けた戦いは、終わりを迎えたのだった。