ドラゴン娘と決闘者   作:偽りの名 ニーサン

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モルトの1件に真邪眼騎士団の関与が予想される中、DGAのナイト使いは……。


Ep.5:光明院ユウキと魔光の騎士

「ふぬぬぬぬぬぬ……っ」

 

──────2025年4月12日。

土曜の午前授業を終えた後、サキトはDGA本部の戦闘訓練室にて1つの実験に協力していた。1枚のカードを手に、マナを注ぎ込んで意志を確認できるか、反応があるかと何度か試していたのだが……。

 

「……ダメそうです、うんともすんとも言いませんね」

『こちらも確認しましたが反応無しです。では、実験はここまでですね』

「まあ、下手に反応あった場合もそれはそれで大問題ではありましたからね」

 

サキトが手にしていたのは……《伝説の禁断 ドキンダムX》のカード。

井星リュウが《零龍》と契約し制御を可能とした事から、ドキンダムとデッキ的な相性が良く、因縁もあるサキトの所持するカードからドキンダムを顕現、制御出来ないかと試みたのだが……結果はご覧の通り、全く反応無しであった。

とはいえ、原作のようにドキンダムを持つ者には呪いがかかる……という事も起こらなかったため、結果としては良かったと言えるだろう。万一呪いが掛かったうえ制御不能となったなら目も当てられない。

 

「デッキ的な相性は良いので組み込めれば組み込みたかったですが、まあすっぱり諦めましょう」

『お疲れ様でした。休憩室でお休みください。自販機もありますよ』

「それはありがたい。では失礼します」

 

訓練室のデュエルフィールドを解除し、サキトは外へと出た。そのまま休憩室へ向かうと……そこには先客がいた。紺色のブレザーとスカートに、リボンタイを身に着けた制服姿の少女だ。

 

「あら、護守様」

「あー、あなたは……光明院さんだったな。光のデュエルマスターの」

「1週間ぶりでございますね。ご壮健そうで何よりです」

「相変わらず栗茶市はトラブルも多いですがね……ふむ」

「どうなされました?」

 

光明院ユウキ。魔光のナイト達の長、《魔光大帝ネロ・グリフィスII世》と契約しているという、光文明のデュエルマスターに任命された少女。

……モルトを襲撃したらしい真邪眼騎士団には、魔光のナイト一族も下り配下となっている。サキトは、今回の一件に関りが無いとは判断できずにいた。

 

「……光明院さんは、デュエマの背景ストーリー等はどのくらい知っている?」

「わたくしは経験もまだ浅く、皆様ほど精通してはおりませんが……わたくしの騎士に関わりある事に関しては、学ばせて頂きましたわ」

「では、『真邪眼騎士団』に関しては」

「まだ動向が明かされない部分も多いようですが、一応は」

「実は……」

 

サキトは現在起こっている事を説明する。自宅で保護している超獣世界の住人の話、そして背後で動いているらしい真邪眼騎士団の話……。

 

「……そうですか。有体に言えば、護守様はわたくしの騎士をお疑いになられているのですね」

「いやまあ、関与しているとまでは言わないけれど、魔光のナイト達が戦力として吸収されている以上知らん筈はないかなとは」

「……ええ……そうですわね……分かりましたわ」

「ん……?」

 

サキトではなく、自身の隣に話しかけるような仕草をユウキは見せる。そして、改めてサキトへ向き直ると自らのデッキを取り出した。

 

「護守様、1局お相手願えますでしょうか?」

「ほう?」

「わたくしの騎士は、貴方様と手合わせして意思を示したいと申しております」

「なるほど……分かった。では……彼らを実体化させた、真のデュエルを?」

「ええ、模擬戦用の出力で行いましょう」

「では戦闘訓練室を借りるとしよう」

 

デュエマフォンを使い、スタッフに訓練室の使用を申請する。すぐに許可は降り、2人の戦闘準備が整った。

 

「先攻後攻はコイントスアプリで決めようか。光明院さんから選んでくれ」

「ではわたくしは、裏を」

「では俺が表で……行け!」

 

画面の中でコインが舞う。出た面は……裏。ユウキが先攻だ。

 

「では、わたくしから手番を頂きますわね」

「ああ、どうぞ。それでは──────」

 

 

 

「「デュエマ・スタート!!」」

 

 

* * *

 

 

「わたくしの手番は……《天雷の導士アヴァラルド公/魔弾アルカディア・エッグ》をマナに充填します。ターンエンド致しますわ」

「俺のターン、ドロー。《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》をマナチャージし、ターンエンド!」

 

互いに初手は多色マナのチャージ。ユウキは光と闇の2色を主に使う、ナイト種族の使い手である。

ただし、この「ナイト」種族の使い手は、デュエマがして行く中で思わぬ恩恵を受けている者達だ。

 

「ではわたくしのターン、ドロー……《煉獄魔弾グレイテスト・ゲート》をマナに充填して、2マナを支払い……《双子悪魔バレンタス》を召喚します」

「うわ、やっぱりそっちも入っているのか!」

 

双子悪魔バレンタス。3月に発売された、Vtuberグループ「にじさんじ」とのコラボパックで登場したばかりのクリーチャー。黒い兎のぬいぐるみといった姿をした、闇文明に属する「ファンキー・ナイトメア」の一体である。

……デュエマの名称指定や種族指定は、一致する文字列が含まれれば効力を発揮する。そのため、「ナイト」の種族を持つクリーチャーが場に存在する事が追加効果のキーとなる呪文等は、ファンキー・「ナイト」メアが場に居る事でも効果を発揮するという仕様が存在するのである。

 

「いつ見てもバグじみた技だなあ……」

「わたくしも最初は釈然としませんでしたが、わたくしの騎士の力を活かせるのであれば積極的に使いましてよ。ターン終了時、山札の上から1枚を墓地へ送りますわ。送られたのは《邪眼の祈祷師ザビ・ミラⅣ世》ですね」

「俺のターン、ドロー。よし、《超戦龍覇 モルトNEXT》をマナチャージ、2マナ使用し《メンデルスゾーン》発動!デッキトップは《轟牙忍 ハヤブサリュウ》と《ボルシャック・栄光・ルピア》、これで2マナを追加!」

「良い調子のようですね。それでは、わたくしのターン、ドロー……《双子聖霊アンビアス》をマナに充填して、ツインパクト呪文《魔弾グローリー・ゲート》を詠唱しますわ」

「来たか、ナイトデッキの特色……魔弾呪文!」

 

「魔弾」と名の付く呪文は、ナイト達が持つ銃から放たれる特殊な魔法の力を放つものだ。その中の幾つかは、特殊な効果を持ち合わせている。

 

「デッキの上から3枚を開示し、その中からナイトを1体手札へ加えます。《悪魔聖霊ジェミニアス》を手札に加えます。残りはデッキの下へ送りますわ。更に、この呪文は『ナイト・マジック』ですので、バレンタスが場にいる事で再度発動されます。再び3枚を開示して、《魔光大帝ネロ・グリフィスII世》を手札へと加え、残りをデッキの下へ。これでターンエンド致します」

「エースが手札に来たか……俺のターン、ドロー!……よし、《次世代龍覇 グレングラッサ》をマナチャージし……ツインパクト呪文《「助けて!モルト!!」》を発動!ドラグナーを1体、自身の手札から出す!」

「来ますのね……!」

 

文明・コストの指定無くドラグナーを場に出せる、ドラグナーを主軸とするデッキの強力な踏み倒し呪文。それが、モルトのパートナーであるアイラの力を持つこのカードだ。そして場に現れるのは、現在最強と言える……モルトの進化系!

 

「《夢双龍覇 モルトDREAM》!!」

『さあ、行くぞ!!』

 

赤と青の龍の鎧に身を包んだ、強大な力を持つサキトの新たな切り札。それが《夢双龍覇 モルトDREAM》!

 

「モルトDREAMの登場時能力!合計コスト10以内の範囲で、火文明のドラグハートを好きな数場に出す!ウェポンであれば、このクリーチャーに装備する!俺が選ぶのは……《銀河大剣 ガイハート》と《無敵王剣 ギガハート》!」

「その二刀流で来ましたか……!」

「行くぞ、モルトDREAMでシールドブレイク!モルトDREAMは各ターン初めてタップした際、アンタップされる!」

「……そのまま受けますわ!」

 

二振りの大剣を持って突撃するモルトDREAMが、3枚のシールドを叩き割る。シールドトリガーは……!

 

「シールドトリガーを、2枚発動致しますわ!まずはツインパクト呪文《魔弾アルカディア・エッグ》!アンタップされているクリーチャー、モルトDREAMを破壊対象としますが……」

「ギガハートを装備したクリーチャーは、攻撃の終わりまで破壊されない!」

「ええ、心得ています。ですがもう一つの効果が起動しますわ。墓地にグローリー・ゲートが存在する時……手札から《魔光大帝ネロ・グリフィス》をバトルゾーンに出すことが出来ます。そして、わたくしの騎士は名前が一致するために、この魔弾によって降臨する事が出来ます!」

 

黒い卵が空中に現れ、モルトへと光線を放つが、ギガハートによってその一撃は切り払われる。しかし、卵の中から彼女のエースが生まれ出て来る!

 

「いざ戦場へ!《魔光大帝ネロ・グリフィスII世》!」

『はぁあっ!!』

 

赤と紫の2色の角を生やした、白い鎧のナイトが現れる。これが、魔光大帝ネロ・グリフィスII世。数多の魔弾と呪文を操る強力なクリーチャーだ!

 

「更にもう1枚のシールドトリガー、《幻双の絆(ドッペル・リンク)》!これにより、手札からエンジェル・コマンドを1体、墓地からデーモン・コマンドを1体場に呼び出す事が出来ます!」

「ち、来るか!」

「出でませ、手札より《悪魔聖霊ジェミニアス》!墓地より《邪眼の祈祷師ザビ・ミラⅣ世》!」

 

これまた強力なシールドトリガーだ。骨の鎧に身を包んだ邪眼のナイト、ザビ・ミラが地より出で、空からは白と黒の双子の兎ぬいぐるみ……を手に持った、白と黒の髪を持つ少女が降りて来た!

 

『こんれーなー』

「これ大丈夫なんかなあ!?いやVtuberの肖像権とか知らんけど、ガチでクリーチャーと戦わせても!」

「ま、まあDGAのスタッフ様からは止められておりませんので……大丈夫なのではないでしょうか?ともあれ、まずはネロ・グリフィスの登場時能力によりデッキの上から5枚を開示致します。そこから、呪文を全て手札に、残りを墓地へ!《学校男/ゾンビ・カーニバル》、《ヘブンズ・ゲート》、《天雷の導士アヴァラルド公/魔弾アルカディア・エッグ》を手札に加え、《双子聖霊アンビアス》と2体目のザビ・ミラを墓地へ送ります!」

 

ネロ・グリフィスII世の力により、ツインパクト呪文を含めた3枚のカードが彼女の手に渡る。これで彼女の手札は5枚まで回復した。

 

「3枚が補充されたか……」

「そしてジェミニアスの登場時能力により、相手は自身のクリーチャーを2体選んで破壊しなくてはなりません。とはいえ選べるのは1体、モルトDREAMを破壊してくださいませ!」

「残念ながら、シールドトリガーから連鎖して発動した登場時能力などの全てが処理を終えるまでは攻撃終了ステップには移らない。よって、まだギガハートによる破壊耐性は生きているため、破壊されない!」

「そうなのですか……ザビ・ミラの登場時能力により、バレンタスを破壊して効果を選びますわ。これにより、わたくしはカードを1枚ドローし、そして貴方は手札を1枚選んで墓地へ送ってくださいませ!」

「ならば、俺が捨てるのは……《爆龍覇 グレンリベット/「爆流秘術、暴龍の大地!」》!このカードは手札から捨てられた時、効果を発揮する!」

「なんと……ザビ・ミラの力が裏目に出ましたか」

 

サキトの手札から捨てられたのは、モルトの父グレンリベットの力を持つカード。その力により、サキトのデッキから3枚が表向きとなる。

 

「デッキの上から3枚を表向きにし、その中からドラゴン・クリーチャーを1体場に出す!残りは好きな順番でデッキの下へ!《メンデルスゾーン》2枚に《王道の革命 ドギラゴン》か……これならば、場に出すのは《王道の革命 ドギラゴン》!登場時能力により、デッキトップから2枚をマナへ送り、マナからクリーチャーを1枚手札に戻す!2枚目の王道ドギラゴンとグレンリベットがマナへ送られたので、グレンリベットを手札に!」

「まだこちらもありますわ!ナイトクリーチャーが破壊された事で、ネロ・グリフィスII世の能力が発動!手札からナイト・マジックかシールドトリガー呪文を唱えます!ツインパクト呪文、《ゾンビ・カーニバル》!種族を指定してその種族のクリーチャー3体を回収致します!ナイトを指定し、ファンキー・ナイトメアも含むバレンタス、アンビアス、ザビ・ミラを手札に回収します!」

「なんとも厄介な……ならば、行くぞ!モルトDREAMで2度目の攻撃!」

「ジェミニアスでブロック!この際、タップした事でジェミニアスの能力により、貴方の手札を2枚墓地へ送ります!片方はグレンリベットですが、もう片方は確実に捨てさせる!」

「……悪いね、こちらの手札はこうだ」

「両方グレンリベット!?」

 

ハンデスを警戒し、手札に残しておいたのが功を奏したようだ。2枚のグレンリベットが墓地へ送られる事により、2体のクリーチャーが更にデッキから現れる事となる。

 

「1枚目の能力により……これは大当たりだ!現れろ、《∞龍 ゲンムエンペラー》!こいつにより以後コスト5以下のクリーチャー、呪文の効力は無となる!」

「これは……少々拙いですわね」

「2枚目は、カツキングに王道ドギラゴン、そしてハヤブサリュウか……2体はコスト5なのでゲンムエンペラーの影響下では使えない以上、ハヤブサリュウをバトルゾーンに!そしてモルトDREAMが、ジェミニアスを破壊する!」

『シャオラァッ!!』

『あうっ』

 

ジェミニアスが破壊される。しかし、このクリーチャーはやられてもただでは死なない。

 

「ジェミニアスが破壊された時、墓地から2枚の呪文を回収致します。《幻双の絆》とゾンビ・カーニバルを手札へ。そして、再びネロ・グリフィスII世の能力!手札から幻双の絆を発動!ジェミニアスとアンビアスを、それぞれ墓地と手札から降臨させます!」

「また壁が増えたか……!」

「更にジェミニアスの登場時能力!クリーチャー2体を選んで破壊してくださいませ!」

「なら、破壊されないモルトDREAMと、力を失った王道ドギラゴンを破壊!そして、これで処理は終了し……条件が達成されている」

「っ!」

「ガイハートの龍解条件『クリーチャーによる2度目の攻撃』と、ギガハートの龍解条件『ドラゴンが2回攻撃』を達成しているため、攻撃の終わりに……二振りのドラグハートが龍解する!」

 

ドラグハート、それはドラゴンが封じられた武装。それらは条件を満たす事により、真の姿を現す!

 

「W龍解っ!!《熱血星龍 ガイギンガ》!《最強熱血 オウギンガ》!!」

『ガイ!ギンガァッ!!』

『オウ!オウ!オウ!ギンガァァッ!!』

 

モルトと共に戦った、2体の龍が並び立つ。どちらも強力な力を持ち活躍した、伝説のドラグハート・クリーチャー!

 

「オウギンガでシールドブレイク!この際オウギンガの攻撃時能力!コスト10以下のドラグハート・クリーチャーを超次元ゾーンから場に出し、スピードアタッカーを与える!現れろ……《爆熱王DX バトガイ銀河》!」

『さあ、行くぞォ!!』

「再びジェミニアスでブロックします!そちらの手札は0枚ですので、タップ時の効果は発揮されませんが……破壊時に再び幻双の絆を墓地から回収!そして、ネロ・グリフィスII世の能力で再び詠唱!墓地から再び舞い戻りなさいませ、ジェミニアス!」

「ええい不死身かそいつは……っ!」

 

長い長い6ターン目。サキトの猛攻を、幻双の絆により何度も蘇るジェミニアスが防ぎ続けてゆく!

 

「三度、ジェミニアスの登場時能力!2体を選んでくださいませ!」

「く……ここまでよくやってくれた、モルト!モルトDREAMとオウギンガを破壊!これは相手が選んだのではなく俺自身が選んだため、オウギンガの能力は誘発しない!」

「わたくしの騎士と仲間達は、簡単には突破できませんわ……!」

「なら行くぞ……バトガイ銀河でシールドブレイク!この時、バトガイ銀河の攻撃時能力発動!カードを1枚ドローし、その後手札からドラゴンを場に……っ!」

 

ここで、サキトの手元に最後の1手がやって来た。このクリーチャーであれば、この戦いを一気に優勢へと傾ける!

 

「手札から──────《龍世界 ドラゴ大王》をバトルゾーンへ!!

『グォォオオオオォオッ!!』

「なっ!?」

 

ドラゴ大王。伍代ドーラが与えられた力と同じ、ドラゴン達が住まう世界、「龍幻郷」の主にしてその世界そのものたるドラゴンが姿を現した。その能力は、彼女にとって致命的となり得る……!

 

「ドラゴ大王の登場時能力、相手クリーチャー1体とバトル!ジェミニアスを破壊!」

「……っ!破壊された時、幻双の絆を回収!そして、ネロ・グリフィスII世の能力で発動──────」

「発動はする。が、ドラゴ大王がいる限り……ドラゴン以外のクリーチャーは、登場する代わりに墓地へ送られる!」

「く……発動は取りやめます。厄介なクリーチャーの顕現を、許してしまいましたわ」

 

残るサキトの攻撃可能なクリーチャーは2体、バトガイ銀河の攻撃をネロ・グリフィスII世で防いだところで、残るガイギンガの攻撃でシールドは0となり、ハヤブサリュウのダイレクトアタックが来る。ならば、彼女は──────。

 

「ダイレクトアタックは、そのまま受けますわ!」

「ならば、全てのシールドをブレイク!」

 

2枚の盾が砕かれる。そこにあったトリガーは……。

 

「──────呪文《アルカディア・スパーク》!エンジェル・コマンドクリーチャーが場にいるため、両方の効果が使えます!」

「何と!?」

「相手のクリーチャーを全てタップ!更に、ゲンムエンペラーをデッキに戻しますわ!その後はシャッフルして、1枚ドローしてくださいませ!」

 

土壇場で彼女の防御が間に合った。これにより、1ターンの猶予が与えられる!

 

「仕方ない、ターン終了!」

「わたくしのターン、ドロー!2枚目のバレンタスをマナに充填し……アンビアスの能力によりマナを軽減、4マナでツインパクト呪文《ゾンビ・カーニバル》を発動!ナイトを指定しジェミニアスを回収しますわ!そして、ネロ・グリフィスII世で……トリプルブレイク!」

『我が魔光の力、受けてみよ!』

 

彼女の場には3体のクリーチャー。総攻撃をかければ、ダイレクトアタックまで到達でき得る。ドラゴ大王をこのターンで処理できない以上、次のターンを考える余裕は無い!

 

「シールドチェック……すまないな、光明院さん」

「っ!」

「《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の革命2、発動!シールドトリガーとなりバトルゾーンへ!更に、《炎龍覇 グレンアイラ/「助けて!モルト!!」》がシールドトリガーにより場に!」

『やったるでぇ!!』

『ここは通さないわ!』

 

ここに来て、サキトの側もシールドトリガーが発動した。カツキングと、今現在捜索が行われているモルトの妻、グレンアイラだ。とはいえ先に出したモルトにも言える事だが、普通のカードによって実体化されたクリーチャーは、当人を模した再現体に過ぎない。

 

「カツキングの登場時能力、デッキの上から5枚を見て、うち1枚を相手に公開してから手札に!そして、加えたカードが火か自然のカードであれば相手のクリーチャーを1体手札に戻す!俺が加えるのは……《蒼き団長 ドギラゴン剣》!よって、ネロ・グリフィスII世を手札に戻す!」

『くっ!?申し訳ありません、ユウキ……!』

「あぁ……っ、これでは……!」

 

通称ネロ天門と呼ばれるデッキ、その弱点は、破壊以外の除去をネロ・グリフィスII世に撃たれた場合にギミックが機能しなくなる事である。可能であれば2体のネロ・グリフィスII世を並べたい所であったのだが……今回は運が無かったと言える。

 

「更にグレンアイラの登場時能力!相手クリーチャーとバトルする!アンビアスを迎撃!」

『はぁぁあっ!!』

『うきゅ~っ!?』

「そしてバトルに勝利した事で、超次元ゾーンからコスト4以下のドラグハート・ウェポンを呼び出して装備する!《爆炎大剣 ガイサーガ》を装備!」

 

アンビアスの撃破により、必要な頭数が失われた。これで勝負はほぼ詰み……だとしても。

 

「──────ザビ・ミラで残るシールドをブレイク!」

「……シールドトリガーは無し。だが、そちらも攻撃はもうできないな」

「ええ──────投了は致しません。その手で決着を付けてくださいませ」

「分かった。俺のターン、ドロー……バトガイ銀河で、ダイレクトアタック!」

『英雄奥義──────』

 

バトガイ銀河が、4本ある腕に手にした剣を構える。ブロッカーも無く、ユウキに防ぐ手段は無い。

 

『バーニング銀河ッ!』

「お見事でした、護守様──────」

 

完全、決着!

 

 

* * *

 

 

「はぁ……流石に模擬戦出力と言えど、クリーチャーの攻撃が迫って来るのは少し恐ろしいですね」

「すまなかった。しかし、全力でも噛み合い次第ではこちらが負けていたかも知れなかったな。良いデッキだよ」

「お褒めに預かり光栄です。それで、いかがでしょうか?」

「光明院さんも、そしてネロ・グリフィスII世も真剣な気迫が伝わって来た。信用できるクリーチャーとデュエリストだと俺は思いたいかな」

 

一戦を終えて、互いのカードによるぶつかり合いを経た事で、これまで知らなかった相手である彼女と漸く信頼が置けた気がしたサキト。これでやっと本題に入れると言えよう。

 

「それで、ネロ・グリフィスII世は何と?」

「わたくしの騎士は、真邪眼騎士団については一切の関与は無いとの事です。今の主はわたくしのみである、と」

「主従の誓い、って所か。分かった、疑って済まなかったな」

「いえ、もう気にしていないそうです。それと……」

 

少しだけ考え込むような仕草を見せ、彼女はネロ・グリフィスII世の意志を告げた。

 

「わたくしの騎士にとっても、真邪眼騎士団は憎き敵である……と」

「……なるほど、分かった。今日はありがとう」

「護守様のお友達の尋ね人も、早く見つかるよう祈らせていただきますね」

 

 

* * *

 

 

崩壊した都市の残骸、その上空。そこに、捻れた4本の角と巨大な翼を持つ、魔人が現れていた。

 

『ほう……ここが、超獣世界の外と言われる場所か……?』

 

その者は4本の腕を組み、1丁の銃を手に廃墟の街を睥睨する。

 

『儀式無くして、単独で渡れるのは我のみか。しかも、この妙な領域───「ロストフィールド」からは出られぬようだな……ならば暫くは様子を見るとしよう。新たな戦力を探すにも、我が配下を呼ばねばなるまいからな』

 

そのような言葉を放った後、再び魔人は姿を消す。

巨悪との第一次遭遇は、すぐそこに迫っていた。




久々のガチデュエマは脳に来る……!ネロ・グリフィスII世とジェミニアスによる無限蘇生コンボが厄介過ぎてだいぶ長くなりました。ネロ天門、にじさんじコラボで明確にデッキパワーが上がったデッキの一つだと思っています。

活動報告にも記しましたが、アンケートの方を締め切らせて頂きました。今後の展開に少々加える事になると思われます。

さて、本日発売のドラゴン娘とデュエマGTの単行本を買いに行かねば……!
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