ホシノに殺された俺。どうやら先生の弟だったようなので、とりあえず黒服とお茶会してみた   作:ラトソル

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【対策委員会編】第三章・プロローグ

 ────貴女に出会えた。

 それだけで俺は満足だった。

 

 

 

 ────キミに出会えた。

 それが私にとっては……何物にも替えられない宝物になったんだ。

 

 

 

 

 

『────大丈夫?』

 

 差し伸べられたその手の暖かみを、俺は忘れない。

 

 

 

『俺とホシノを頼ってくださいよ』

 

 不器用な優しさを、私は憶えている。

 

 

 

 

 

 貴女が居たから、俺はこのクソみたいな世界を生きてこれた。

 

 

 

 キミ達が居たから、私は絶望的な状況でも諦めずに頑張れた。

 

 

 

 

 

 貴女を尊敬している。

 

 

 

 キミを尊敬してる。

 

 

 

 

 

 アビドスで過ごした日々が、俺に空の青さを教えてくれた。

 

 

 

 三人で過ごした日々が、私に夢を与えてくれた。

 

 

 

 

 

 俺は貴女に救われた。

 

 

 

 私はキミに救われた。

 

 

 

 

 

 だから、俺は────

 

 

 

 だから、私は────

 

 

 

 

 

 ────貴女を救うためなら、死んだっていい。

 

 

 

 ────キミ達ともっと一緒にいたいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホシノ」

 

「なんですか」

 

 声が聞こえた。

 

 いや、そんなものは当たり前だ。俺から声をかけたのだから。

 

 俺の目線からは少し下から耳に届く声。何度か冗談交じりに言ったことがあるけれど、俺はこの声が好きだった。

 

 敵に向けるような鋭い瞳。ホシノの瞳は元々鋭いものだけど、俺に返事をしたホシノの目元は柔らかかった。

 多分、俺とユメ先輩にだけ向ける、親しい人にだけ見せる表情。笑っている訳じゃない。ただ、どうしたの、という気の抜けた顔を向けてきたから。

 

「前に、俺に聞いてきたよな」

 

 ────なんで、メグルはアビドスに留まってるの、と。

 

「はい……?」

 

 随分前のことだ。ホシノも何を言われたのか分かっていないのかもしれない。けど、すぐに思い至ったのか、あっ、という表情を浮かべてから、またもや疑問の目を向けてくる。

 

「あの時の答えだけど、ちょっと訂正」

 

 ────ユメ先輩がいるから。

 

 そう答えた記憶。それは俺の本心で、今も変わらない俺の原点で。

 

 けれど。

 

 その答えは、今ではちょっと違う。

 

 なぜ、わざわざ訂正しようとしたのか。何故、そんな前の問答を思い出したのか。

 

 俺にも分からない。けど、言っておこうと思ったから。

 

 目を見開き、俺の顔を見つめるホシノの頭に手を乗せる。普段の俺はこんな事しない。やっぱり今日はおかしい。自嘲するような笑いが鼻から抜けていく。

 

 触り心地のいいショートカットの髪をくしゃりと撫でて、俺はホシノと視線を交わす。

 

「ユメ先輩と……お前が居るから。俺はアビドスにいるんだ」

 

 ユメ先輩が失踪する二日前の出来事。

 

 俺が死ぬ、十日前の出来事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇◇

 

 これは、罪を清算する物語では無い。

 

 これは、誰かを赦す物語では無い。

 

 これは、青春の物語では無い。

 

 これは、全ての答え合わせをする物語。

 

 

 

「私が……全部終わらせる」

 

 

 

 ■■メグルの肉体を有するゲマトリア所属の存在────カイ。

 

 ゲマトリア最強戦力に挑むのは……各学園の最高戦力。

 

 

「きヒヒヒ……」

 

「通さないよ……絶対ね」

 

 

 トリニティ最強の一角を阻むのは、トリニティ最強の片翼。

 

 

「邪魔すんじゃねぇよ」

 

「FOX1、行くよ」

 

 

 ミレニアム最強を阻むのは、SRT最強。

 

 

「────返して」

 

「悪いな。これは俺のだ」

 

 

 ゲヘナ最強を阻むのは、ゲマトリア最強。

 

 

「私は……死なないといけないんだ」

 

「はぁ────馬鹿が」

 

 

 アビドス最強を阻むのは、元アビドス最強。

 

 

 

 キヴォトス全域を巻き込む未曾有の危機。

 

 それぞれの思いが交錯する力の衝突。

 

 

「RABBIT小隊、出ます」

 

 

「アリウススクワッド、行くぞ」

 

 

「ああ、忘れてた……お前もいたな」

 

 

「何を、言ってるんですか、先生。メグルは────」

 

 

「ホシノ先輩ッ!!!」

 

 

「素晴らしいっ……これほどとは!!!」

 

 

「おお……おお!!! なんという副産物!!」

 

 

「カイ────」

 

 

「駄目、待ってください……ッ」

 

 

「私は、このために来たんだ」

 

 

 

 

「────そっちは任せるぞ、砂狼」

 

 

「────ん。任せて」

 

 

 

 

 

 ────嗚呼。

 

 わたしは、また間違える。

 

 

 

 

「ユメ先ぱ────」

 

 

 

 

 

 メインストーリー Vol.1 対策委員会編 

 

 第三章 【あまねく希望(ユメ)の終着点】

 

 

「手遅れですよ────全て」

 

 

 

 

 

 

 

「────────めぐるくん……ほしのちゃん……」

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