生まれ変わったら高島になったが平安で因縁を終わらせてみた 作:色々残念
今回も短めですね
横島忠夫除霊事務所の所長ではあるが、まだまだ高校生でもある俺は学業も疎かにすることはなく、ちゃんと高校に通っている為、留年するようなことはない。
今日も高校に行き、真面目に授業を受けて、昼食を友人であるピート達と食べていると「横島くんって居るかしら」と言いながら教室に顔を出した1学年上の女子生徒。
あの人は確か映画研究部の部長である小原という人だった筈だが、何か俺に用があるみたいだ。
「小原先輩ですね、俺に何の用でしょうか」
「GSでもある貴方に相談したいことがあるのよ。此処じゃなんだから部室まで行きましょう」
それから映画研究部の部室まで行った俺に、小原先輩は「生き人形を使った映画を撮影したいから生き人形を用意してほしい」と言い出す。
オカルトにはあまり詳しくはない小原先輩は生き人形の危険性を全く理解していない為、俺はGSとして怒ると直ぐに手が出る生き人形もいることを説明。
そして、生き人形が必ず思い通りに演技してくれる訳ではないことも教えておくと「だったらどうすれば」と小原先輩は頭を抱えた。
いい映画を撮る為なら悪魔に魂でも売ると言う小原先輩に「そこまでの気持ちがあるなら、まずは映画研究部の部員を呼び戻すことから始めましょうか」と言った俺は、渋る小原先輩をなんとか説得。
「悪魔に魂を売るよりも、人に謝罪して手伝ってもらう方が健全ですし、呪われた生き人形よりも人の芝居の方が、いい映画になると思いますよ」
「それはそうだと思うけど」
「生き人形を使わないなら俺も撮影を手伝いますから、映画研究部の部員達に戻ってきてもらって、いい映画を作りましょうよ小原先輩」
「横島くん」
映画研究部の部員達に小原先輩から謝罪してもらい、協力してくれるようになった部員達と「風と共に去りぬ」の撮影を始めた小原先輩。
生き人形の用意はしなかったが、俺が以前除霊した館を借りて、映画研究部の撮影を手伝った俺。
映画研究部の場寅副部長からは「強情なあいつが素直に謝ってきたのは、きみの説得のお陰らしいな横島くん。おかげでなんとか間に合いそうだ。ありがとう」と感謝を言われた。
撮影する時に生き人形は使わなかったが、あまり危険性はないエクトプラズムスーツを俺が提供。
エクトプラズムスーツで自在に役者の姿を変え、演技の幅を広げたりもした結果、小原先輩が満足する映画となったようだ。
映画研究部製作の「風と共に去りぬ」はアマチュア映画賞8部門を受賞し、映画は大成功。
賞金が手に入った映画研究部は、より良質な撮影をする為に賞金を使うつもりらしい。
撮影に使った館やエクトプラズムスーツなどを用意した俺にも感謝していた小原先輩は俺の頬にキスをして「今回の成功は、手伝ってくれた貴方のおかげよ横島くん」と笑う。
そんなことがあった日から、昼休みになると俺が居る場所までやって来るようになる小原先輩。
俺の分の弁当まで作って持ってきてくれるようになった小原先輩には「ありがとうございます」と、しっかりお礼を言って弁当を受け取り、残さず食べておく。
高校生として学生生活をしながら、放課後や休日にはGSとして働く俺は仕事着のスーツを着用し、除霊の為に廃屋へと向かう途中だったが、道に迷ってしまった。
仕方なく、別荘らしき場所に居た女性に、戦前の屋敷の廃屋、旧淀川邸跡まで案内してもらうと「除霊を見学させてください」と言い出す女性作家。
女性作家はスランプでネタに困っているらしく、実際に除霊を見学してなんとしても話のネタを手に入れたいと考えているみたいだ。
放っておけば強引にでも着いてきそうな女性作家に「守」「護」の2文字で2個の文珠を使っておき、女性作家の安奈みらを護りながら行う除霊。
今回は陰陽師としての腕が錆び付いていないか、試しながら仕事をするとしよう。
「存思の念、災いを禁ず!禁!」
現れた悪霊、淀川ランプの攻撃を禁じて防ぎ、続けて行う此方からの攻撃。
「陰陽五行!汝を調伏する!鋭ッ!」
放つ霊波の一撃で除霊された悪霊は消え去り、今回の除霊は終了。
陰陽師としての技能を用いながら行った俺の除霊に目を輝かせていた安奈みらは「現代の陰陽師!これだ!」と新しい小説のネタを思い付いたようである。
それから数週間後、安奈みらの新作として「現代陰陽道」という題名の小説が発売され、結構売れていた。
取材として俺の事務所にまでやって来るようになった安奈みらは「現代陰陽道をシリーズ化しないかと編集部から提案されたので、更なるネタが欲しいんです!」と言っていたな。
自衛ができない相手を流石に毎回除霊に連れていく訳にもいかないので、これまで行ってきた除霊の話を教える程度の取材にしてもらっているが、シリーズ化した「現代陰陽道」は1冊平均20万部売れる人気な小説となったそうだ。
よく事務所に訪れるようになった安奈みらは、執筆に夢中になって食事を抜くことも多かった為、俺が用意した料理を食べてもらうことも増えた。
「お、美味しい。現代の陰陽師は料理も得意なのね。はっ!ネタが浮かんだわ!」
俺が作った肉じゃがを食べながら、メモ帳に思い付いたネタを書き込んでいる安奈みらは食事中でも小説のことを考えているらしい。
16歳で小説家としてデビューして2年間が経過し、現在は18歳となった安奈みらが、人気作家なのは間違いないだろう。
創作意欲が旺盛なのはいいが、食事を抜くのは良くないんで、しっかりと毎食食べてもらいたいところだな。