生まれ変わったら高島になったが平安で因縁を終わらせてみた 作:色々残念
本日2回目の更新になりますね
今回も短めです
高校の美術の先生である中尾先生は高齢で、最近は休みが多く、美術の時間は自習時間になっていた。
しかし今日は美術室に集まるように言われていたので、後任の先生が決まったのかもしれない。
美術室に来た校長先生から新たな美術の先生である暮井緑先生を紹介され、さっそく授業を始めた暮井先生は、人物デッサンでモデルとなる人物を選ぶように言う。
しかし人物デッサンのモデルになるのが恥ずかしいのか、クラスメイト達は誰も名乗り出ることはなく、今回のモデルはまだ決まっていない。
俺が名乗り出ようかと思ったが、人物デッサンで俺を描いても楽しくはないかと思って、美人な女性の暮井先生にモデルになってもらうのはどうかと考えてみた。
「じゃあ先生を描くのはどうでしょうか」
試しにそう提案してみた俺に「良いですよ、わたしがモデルになりましょう」と了承した暮井先生。
直立した状態でモデルとなっている暮井先生を描いていくと、20分もしない内に暮井先生の全身をデッサンで描くことができた。
昔から手先は器用なので絵を描くのは苦手ではない俺は、完成した人物デッサンを暮井先生に確認してもらう。
「なんと豪快かつ繊細な!貴方、名前は?」と俺の人物デッサンに驚きながらそんなことを聞いてきた暮井先生。
「横島です」
「横島くん、これまで絵を描いた経験は?」
「授業以外では描いたことはないですね」
正直に授業以外では絵を描いたことがないと答えた俺に対して暮井先生は「それは勿体無いわ!横島くん!貴方には才能があります!絵の道に進むべきよ!」と言い出す。
「いや、自分はGSでもありますから、将来は本格的にGSの道に進むと決めています」
「GSって免許が必要な筈だけど?」
「GSの免許ならもう持ってますよ。高校入る前に取りました」
「未成年でGS免許を取得しているなんて、そちらの方も才能があるみたいね。教師としては生徒の自主性を尊重しないといけないか。ああ、でも横島くんには絵の道に進んでもらいたい!悩ましい!」
そんなこと言いながら頭を抱えた暮井先生は本気で悩んでいるようだ。
「落ち着いてください暮井先生」
「横島くん!今日の放課後は時間ありますか?」
「今日は特にGSの仕事も無いんで時間はありますけど」
「それならちょっと先生と一緒に向かってほしい場所があるんですが」
「構いませんよ暮井先生」
「約束ですよ!」
それから人物デッサンのモデルをしていた暮井先生は、生徒達の絵を確認していき美術の授業を終わらせると、放課後に俺のクラスまで顔を出す。
「じゃあ行きますよ横島くん」
「それで、何処まで行くんですか?」
「わたしが借りてるマンションの部屋ですね」
到着したマンションにある暮井先生の部屋に入ると、様々な画材を持ってきた暮井先生。
「それでは、様々な画材を使って絵を描いてみましょうか横島くん」
暮井先生に言われるままに様々な画材を用いて描いていった絵の数々。
「どれも素晴らしいですね。やはり貴方には絵の才能が確かにありますよ横島くん」
俺の描いた絵を見て、笑みを浮かべながら喜んでいた暮井先生は「じゃあ次はこの画材を使って」と言って画材を持ったまま1歩踏み出そうとしたが、コケて倒れそうになる。
暮井先生がコケて倒れると持っている画材が駄目になるんじゃないかと考えて、真正面から暮井先生を抱えて支えると俺の胸板に暮井先生の頭が当たった。
倒れないように咄嗟に抱えた為、暮井先生を抱きしめるような形になってしまったが、俺に抱きしめられた暮井先生は顔と耳を真っ赤にしていたな。
俺に抱きしめられたショックで真っ赤になって固まったまま動かなくなる暮井先生。
するとドッペルゲンガーである暮井先生が大きなショックを受けたことが原因で、部屋に置いてあった肖像画から出てきた本物の暮井緑。
「やっと出られたけど、どういう状況!?」
戸惑う本物の暮井緑に気付いた暮井先生は、自分がドッペルゲンガーであることを俺に明かす。
そんな暮井先生に俺は「最初から暮井先生が人間ではないと気付いてましたよ。人間以外が教師をやってはいけないとは思っていないので黙ってましたが」と言っておいた。
本物の暮井緑はドッペルゲンガーの暮井先生を消すことを望まず、教師の仕事をドッペルゲンガーに任せて、芸術に専念したいようだ。
「うちのクラスは机妖怪にバンパイアハーフも居ますから、美術の先生にドッペルゲンガーが増えたところで問題ありません。いい先生だったんでまた授業を受けたいくらいですね」
俺の言葉も後押しになったのか、美術の先生を続けると決めたドッペルゲンガーの暮井先生。
その後、俺が描いた絵を見た本物の暮井緑は「これからもウチに来て絵の修行を続けなさい!その才能を磨かないのは芸術への冒涜よ!」とまで言ってくる。
ドッペルゲンガーの暮井先生も「横島くん!GSと絵の二足のわらじでいきましょう!」と乗り気だ。
「GSとしての仕事が入っていない時だけなら構いませんが、ドッペルゲンガーを作れるドリアン・グレイの絵の具は回収させてもらいますね」
本物の暮井緑とドッペルゲンガーの暮井先生と約束し、オカルトアイテムであるドリアン・グレイの絵の具を回収した俺は、暮井緑に何処でこの絵の具を買ったかを聞き、厄珍堂に絵の具を返却しておく。
一応これで、ドッペルゲンガーが更に増えるようなことは無くなった筈だ。
それから新たな美術教師であるドッペルゲンガーの暮井先生と美術の時間以外も顔を会わせるようになり、本物の暮井緑と絵のことで話すこともあった。
本物の暮井緑とドッペルゲンガーの暮井先生と一緒に絵を描くことが新たに日常に加わったが、俺も絵を描くのは嫌いじゃないから、気分転換になっていいかもしれないな。