「腕輪を外した……さっき、博士に許可を取っていたんですね?」
エージェント•芥川が腕輪を外して現実改変能力を使用するためには、千石博士の許可がいる。
博士をどう説得したのかは知らないが、この現実改変で、何をするつもりなのか?
「確かに、自分が創作キャラだと自覚した奴がどうなるのかはわからない。『ブルーアーカイブ』内にそういう描写がないからな。無いってことは、確定しておらず、テクストとテクスチャが貼られていないってことだ。キヴォトスに限らず、世界のあらゆるものには『テクスチャ』……『補正』と『テクスト』……『説明欄』がある。ならば……
「まさか……!」
「お、おい!あいつは何をしようとしてんだ!?」
D-1がエドガーに尋ねた直後、芥川は言う。
「『キヴォトスにおいて、自分が創作キャラだと知った者は、自分の運命から解放される。』これがキヴォトスの新しいテクストだ。」
その瞬間、キヴォトスはバラバラに崩壊する。
地面が割れ、空が割れ、人々が砕け散る。
エドガー、D-1、D-2、理事だけは、それを観測できた。
……いや、遠くから、とても遠くから、千石博士がこちらを見つめていた。
……やがて、空間はもとに戻った。
苦しんでいた理事が、顔を上げる。
「気分はどうだ?」
芥川はあっけらかんと尋ねる。
「はぉ、はぁ……とてもスッとした気分だ。今まで持っていた野心、絶望、財欲……全てが薄くなっている。私は今、初めて私を見れている。……思えば、何故私たちは小鳥遊ホシノを誘拐したのだろうな。放っておけば、アビドスは自然消滅しただろうに。」
「おお、自分を客観的に見れている。これが所謂『メタ能力』……」
「これは仲間化の流れって、相場が決まってるぜー!」
Dクラスたちが騒ぐ中、エドガーは言った。
「……この手段で理事を安定化させたことは、まあ、納得しましょう。君の現実改編がとんでもなかっただけですから。問題は、博士がこんなことに手を貸す人間だと思えないことです。」
現実改変をする際は、必ず申し出なければならない。
だが、『キヴォトスに新しいテクストを追加する』なんて、大がかりな上に世界観を壊しかねないものを認めるわけがない……
そうエドガーは言いたいのだ。
それに対し、芥川は言い放つ。
「いやいや。そんなん、許可させるしかない状況に持ってくだけだろ。」
「は……?」
「さっき言ってたじゃねーか。『メタ能力付与なんてしたら、キャラの存在がどうなるか未確定だ!それが綻びになって、世界が滅びるかもしれない!わかっているのか、ジャッカスがッ!!!』って。さっきの電話で博士に理事のうめきを聞かせて、理解させたんだ。『このままじゃ世界が滅びるかもしれない』って。そうなりゃ、博士はどうにかするための現実改変を許可しなきゃならない。」
芥川のスマホは、『通話中』になっていた。
「なるほど、その為にメタ能力を……」
「お前は危険だって、相場は決まってるなぁ!」
エドガーは呆れて、声も出ないようだ。とんでもなく気まずい。
「おっ、博士から電話。はいもしもし……はい……はい。処分はエドガーに任せるって。」
「……はぁ……」
「さて、どうする?」
芥川は準備したイタズラが成功した子供のように喜んでいる。
エドガーは静かに判決を下した。
「無罪放免です。君はこのポジションで監視していないと、危険すぎる。」
「さっすがエドガーさん、冷静だな。」
「君がやったことのせいで冷静になれましたよ……さて、あとは理事です。」
ゴタゴタがあったが、2人は改めて、理事に向き合う。
運命から解き放たれたロボットは、目の前の事象を興味深そうに見ていた。
「さて……話の続きだが、お前は指名手配されるが、我々に保護されれば逮捕されなくなる。我々はお前を仲間にしたい。取引に乗るか?」
「落ち着け。急いては事を仕損じるぞ。確かに私は、君たちの軍門に下るしか道がないのだろう。だが、自分が取るに足らないゲームキャラと知った以上、今の私はこの世界がとてもつまらなく感じているんだ。興味がない世界にいつまでもいたくはない。」
言わば、自分がやってきたことが全て意味のないことだと、世界に決めつけられたかのような衝撃。
理事はもはや、生きる気力もかすかにあるかないかのようだ。
だが芥川は構わず、理事に手を差し伸べる。
「理事、ついてきてくれ。これからお前に紹介するのは、男のロマンが詰まったカッコイイお仕事さ。」
「長かったな……」
芥川一行は半日かけて、エリドゥまでやってきた。
「ここは?」
「ミレニアムの生徒会長が秘密裏に作ってる要塞都市だ。今のここには、世界の法則を無視した様々なオブジェクトが集っている。その世界にお試し招待ってわけだな。」
「頭がタブレットの人間!?」
理事は出迎えに来た千石博士を見て早速驚いた。
芥川はエリドゥの真ん中の大きなタワーを見ながら言う。
「あいつが何でああなってるのかは未だに分からん……そんな理解不能な奴らが大集合する施設がここだ。どうだ、見たいだろ?」
芥川が理事の方を見ると、彼は既に千石博士と談笑しながら、施設に入る所だった。
「実は社にいた頃は超常物品の研究にも携わっていてな。不思議なものを見るとワクワクするんだ。」
「うちの組織は人手不足なんでな、オブジェクトに興味ある奴が入ってくれると助かる。」
「……馴染むの早くね?」
「立場的にも博士と近しい人ですし、あちら同士の方が気が合うんでしょうね。」
施設に入ると、AMAS達が出てきた。
「ボディチェックだ。受けてくれ。」
「しっかりしてるな。」
「少し楽しみですね。」
何気に、芥川とエドガーもエリドゥに来るのは初めてなので、ワクワクしている。
「ボディチェックをしない施設は爆破される、相場が決まってんだよ!」
ボディチェックが終わると、リオとトキが出てくる。
「初めまして、エージェント•芥川、エドガー隊長、カイザーPMC理事。ミレニアムサイエンススクール生徒会長の調月リオよ。要塞都市エリドゥこと『サイト:ミレニアム』の建設もしているわ。」
「俺より背高い……?」
「同じくらいでは?」
ちなみに芥川の身長は173cmなので、多分同じくらい。
「同じく、初めまして。リオ様のメイドをやっております、明日馬トキと申します。」
「あ、どうも……二人して顔面偏差値が高い。お前より上じゃん。」
「なっ……!?いや、流石に同じくらいでは……う〜む……」
「お二人とも、初めまして。カイザーPMC元理事だ。多分もうすぐ理事は外される。だがまあ、重荷が取れた気分だ。財団の事を知ってから、次の道を決めようと思う。」
ここで芥川、一つひらめく。
「そういや理事……もうすぐ職が無くなるなら、いつまでも理事とか元理事って呼ぶのもアレだし、本名教えてよ。」
元理事の本名はゲーム内でもアニメでも明かされていないため、ここで聞いておこうというのだ。
「ああそうか、確かにそうだな。」
そう言うと元理事は、懐に手を入れる。
どうやら、名刺を探しているらしい。
「改めて自己紹介しよう。私の名は……」
「どんな名前だと思う?『○○型○号』とかかな?」ヒソヒソ
「多国籍企業出身ってことでアメリカっぽく『ジェイムズ』とかどうです?」ヒソヒソ
「こういうのは『No.○』って相場が決まってんだよ。」ヒソヒソ
「それはあまり相場ではないのでは?」ヒソヒソ
四人衆が好き勝手ヒソヒソ話している中、名刺に書いてあった名前は……
「『島村』だ」
「かわいいなオイ」
「センスがいいわね」
「え?」
『そんな事があったんですね……理事の本名は「島村」……いい情報を手に入れられました。』
「もしかしなくてもゲームハマってるな?あ、映った。」
エリドゥの復興も一段落し、芥川、エドガー、リオ、トキはエリドゥの一室にモニターを取り付けていた。
理事こと島村は、千石博士とともに施設見学中である。
『お!映った!うおおおリオ様とトキちゃんが画面の向こうで動いてるぞォォ!!』
……思った以上にハマってるらしい。
「テンションが高い人なのね……初めまして、足立さん。調月リオよ。」
「明日馬トキです。足立さんは私たちの事を知っているとのことなので、詳しい説明は省きますね。」
『どうも!SCP財団研究員の足立です!会えて光栄です!』
「これで本部との通信も円滑になりますね……よかったよかった。」
え?なんで違う世界の映像を届けられるのかって?
財団とリオの技術の結晶的なアレだよ。想像しろ。
「おう、無事につけられたか。こっちも案内が終わったところだ。」
千石博士が島村を連れて戻ってきた。
『初めまして、カイザーPMC理事こと島村さん!足立と申します!』
「これが別世界へと繋がるモニターか。初めまして、足立研究員。」
「島村、どうだった?財団の収容施設は。」
芥川はおそるおそる、島村に聞く。
果たして、SCPは彼の好奇心を刺激し、生きる気力を取り戻せたのだろうか?
「ああ……私は大満足だ!」
「「おお!」」
芥川とエドガーは、全く同じ声のトーンで歓喜した。
どうやら、SCPは彼のお眼鏡にかなったようである。
「元々、宝探しやオーパーツの研究をしていたんだ。こんな不思議な存在が世界に沢山あるとなったら、是非とも集めてみたい。改めて……私を雇ってくれ、SCP財団。」
「ああ、勿論だ。これから宜しくな。馬車馬のように働いてくれ。」
おおよそ歓迎の言葉とは思えない言葉を投げかける千石博士。
これでも、祝の気持ちは本物だ。
「いやーよかった……俺らの苦労も報われたな……」
「ですね……」
「さて、ある程度メンバーが揃ったところで、お前らに大事な話がある。」
「「「?」」」
芥川、エドガー、島村は、揃って首をかしげる。
千石博士の話は、彼らを驚愕させた。
「芥川、エドガー、島村……あと、Dクラスを何人か。その人員で『機動部隊』を作ってもらう。」
「!」
機動部隊。
キヴォトスに来る前のエドガーが所属していた特殊部隊とほぼ同じ意味の組織。
機動部隊は財団の先遣隊であり、メインの戦力であるため、欠かせない存在だ。
「AMAS達を貸しましょうか?」
「いや、寧ろAMAS達はここでの収容作業に回して欲しい。そうすりゃDクラスが多少余るから、こいつらの任務に使える。まぁ機動部隊っつっても、ほぼフィールドエージェントだがな。お前達の仕事は、『キヴォトス中を駆け巡ってSCPオブジェクト探し、暫定収容する』ことだ。」
「私が所属している『C&C』と近しい組織かと思ったら、違いましたか……」
『Cleaning&Clearing』。ミレニアムのエージェント組織であり、通称『メイド部』。
トキ以外のメンバーの主な任務は潜入捜査であり、依頼を解決するタイプの組織なので、確かに違う……潜入捜査をする時は来るかもしれないが。
ちなみにフィールドエージェントとは、世界中の大きな組織に潜入し、オブジェクトの情報を探る者たちの事である。
彼らは機動部隊と違って火力を持たないため、芥川達とはまた違う存在だ。
「ここに来るまでの俺らがやってたこととほぼ変わらねーってことね。」
「正式な部隊になると、また意識が変わりますよ。」
「そういうもんか。で、名前は?部隊になる以上、名前が必要だろ。」
「名前はまだ決めていないから、お前らで決めろ。日本支部の部隊は(いずれかのひらがな)-(1〜2桁の数字) (名称)の形になっている。ただここはキヴォトス支部だからな。ひらがなの所をギリシャ文字にし、(ギリシャ文字)-(数字)-KV (名称)ってことにしよう。」
「そうかー。何か案ある?」
「探し、対処し、引き渡す……『さしひき財団』というのは『『『『『『却下』』』』』』そんな……」
トキ以外の全員に却下されるリオが不憫だが、部隊の名前は何よりも大事。
名前がダサい部隊というだけで士気は下がってしまうからである。
『まず参考として、機動部隊たちの名前を挙げていきましょうか……』
足立が機動部隊たちの名前を挙げていく。
機動部隊アルファ-1
財団に危機が迫るような時に出動する、財団の最後の砦。
機動部隊ガンマ-5 燻製ニシンの虚偽
カバーストーリーの適用や記憶の捏造、情報操作や噂の遮断といった後始末を専門とする部隊。
機動部隊イプシロン-6 村のアホ
農村や郊外といった人口の少ない集落での活動を専門とする機動部隊。
「村のアホ」は直訳のせいでこうなっているが、意訳すると「田舎っぺ」みたいな意味らしい。
機動部隊エータ-10 See no evil
認識災害やミーム災害(該当するオブジェクトが出てきたらその時説明)への対処をする機動部隊。
機動部隊ニュー-7 下される鉄槌
軍隊とほぼ同じレベルの装備を揃えている財団の軍事力。
機動部隊オメガ-12 アキレウスの踵
現実改変者で構成された機動部隊であり、現実改変者への対処が主な仕事。
『有名で名前の系統が違う部隊を抜き出しました。ざっとこんな感じですかね。』
「現実改変者の部隊……俺みたいなので構成されてるってこと?」
『芥川君程のヒューム値ではありませんが、概ねそれで合ってますよ。』
「中々興味深いな。シンプルにカッコイイものから、ゲームのネタっぽいユーザーネームのようなものまで……」
エドガーが手を挙げる。
どうやら、一つ考えたらしい。
「私たちの活動内容は、キヴォトス中を駆け回り、オブジェクトを探すこと。基本的に専門分野ごとに分かれる機動部隊たちの役目を、少人数の一部隊でやらなければならない。……というわけで私は、『機動部隊アルファ-1-KV アベンジャーzいだだだだだだだだ」
「明確に他作品の名前出したら後で困るって相場が決まってんだよ!!」
D-1がエドガーにヘッドロックをかける。
なんでDクラスのくせに隊長クラスの人物にヘッドロックできるのだろうか。
「私が前いた部隊の名前『キリキリバサラ』ですよ、もう無理でしょう……」
『できる順番からして『機動部隊アルファ-1-KV』は確定して、そこからですね。ここはシンプルに『機動部隊アルファ-1-KV 放浪者たち』はどうですか?』
「エドガーのよりはマシだけど、放浪者ってなると定職についてないみたいでアレだな…………そうだ、そもそもキヴォトスにいる大人なのに、職についてないってどうなんだ?」
「定職に就いてない人も普通にいるけど、とても貧乏な人が多いわ。立派な装備を持っていて定職が無いのは怪しいかもしれないわね。」
「定職についていないとなるとやはり、舐められがちになる。交渉が難しくなるから……そうだ、そもそも何らかの企業ということにしておきたいな。」
「『フロント企業』か……」
財団は異常存在の調査、調査のための機材調達、活動資金集め……数々の目的のため、財団は数多くのフロント企業を作っている。
企業の名前に規定は無いが、英語名の頭文字が『S • C • P』となる事が多いらしい。
「フロント企業を兼任している部隊もありますし、いいかもしれませんね。しかしこの人数でできる会社となると……」
「便利屋68の例を見るに、キヴォトスでは何でもいけるって相場が決まってんだよ!」
「あーそっか、4人だし便利屋だもんな。俺達の世界だったら絶対成立しねぇから忘れてた。」
D-1は偏見っぽい物言いをするが、的確なことを言う。
このアドバイスにより、段々と『イケるんじゃね?』みたいな雰囲気になってきた。
「私達も何でも屋やります?」
「いや、流石にもっと職業っぽいものがいいな。」
「ラーメン屋とかおでんの屋台……」
「最低限の機材とお前らの生活スペース分でトラックを2台出す予定だ。屋台だと違和感があるな。」
「トラックがあるならバニラ求「女子高生ばっかりの世界でAV女優集める企業とか風当たりヤバいだろ。学園とか近づけないぞ。」すまん。」
「実際、そういう企業の人が敷地内に入るのを禁止している学園もあるわ。」
「………」スッ
それまで黙って考え込んでいた芥川が手を挙げた。
「はい、芥川君。」
「……『葬儀屋』。」
「………ほう?」
場が凍りついた。
「なんで、葬儀屋にしようと思ったの?」
リオが恐る恐る聞いてくる。
それに対して、芥川はゆっくりと口を開いた。
「俺さ……ブラックマーケットで死体をたくさん見たんだよな。」
「!」
嘘じゃない。
ある日の夜、俺は獣人がハンマーで頭をすり潰されている現場を目撃した。
『キヴォトスでは死はタブーである』という証拠のない情報を信じていた俺だけど、それは間違っていたとわかった。
あくまでキヴォトスでの『死への忌避』は、基底世界と同じくらいだと学んだ。
「つまり、死ぬことも普通にある。実際、『葬儀屋』も探したらあったぞ。葬儀屋とは名ばかりの死体処理仕事だったけど。」
「そう考えると、移動式の葬儀屋というのは便利かもしれませんね。表社会とも裏社会とも繋がれる。」
「いい案だろ?ほかに意見がないならこれで……「ああ待て、芥川。」博士……?」
かなり素晴らしい案だったので、これで決定かと思われたが……千石博士は何を言おうとしているのか?
「お前、
「いや、別にそれは…………なんで知ってんだ?」
芥川は千石博士に銃を向ける。
エドガーも抜刀の姿勢をとっていた。
2人の殺意を気にせず、博士は続ける。
「落ち着けよ。あそこにはこっそり監視カメラを置いていたんだ。そのカメラに映った映像から、お前が生徒を殺したことは知ってんだ。事故ってこともな。2人も納得してる。」
リオとトキを見ると、2人ともコクコクと頷いた。
画面先で足立が申し訳なさそうな目をしている。
知ってたのか……
芥川とエドガーは武器を下ろす。
「は〜あ、なんだったんだあの苦労は……じゃ、この銃もロックする?」
芥川は拳銃の銃身を持ち、グリップを千石博士の方に向ける。
だが、千石博士が銃を手に取ることはなかった。
「いや、いざという時の切り札として持っておけ。暴発が不安なら、エドガーか島村にでも預かってもらえ。」
意外な答えだ。
千石博士はかなり身内に甘いが、流石にここまでの危険な道具を持たせるとは。
「収用には、ある程度の武力が必要だ。その点、お前の銃はどの相手にもダメージが見込めるから、動きを止めるには手っ取り早くていい。だが、もう頭は撃つなよ、これ以上殺しはやるな。」
「博士……」
「では……いちいち渡すのも面倒ですし、持っておいて下さい。今までの経験上、その人しか使えないものを預けておくと、碌なことになりませんから。」
「……そっか。」
芥川は懐に銃をしまった。
「(今、どういう状況だ……?)」
「(知らん……)」
「(俺等みたいのは蚊帳の外って相場が決まってるんだよ)」
そして、新人たちに銃の説明をした。
「そんじゃ改めて……葬儀屋の名前どうする?」
「英語名の頭文字がSCP縛りか……難しいな。」
「別に縛りじゃないだろ。まあでも、葬儀屋でSは満たしてる。」
「芥川君、多分英語赤点常習犯でしたね?葬儀屋の英訳はFuneral directorなので駄目ですよ。」
『というか、葬儀屋に必要な人員とか大丈夫なんですか?』
「今から頑張って覚えますのでご容赦を。まずは私たちがチームであることを表すために『Party』。」
「葬儀なのにパーティーとは、悪趣味だな。せめて『静かなパーティー』にして葬儀らしくしよう。というわけで『Silent』だ。後はCだな。」
「『火葬』が『Cremation』だ。」
それっぽいかもしれない。
「火葬と仮装をかけて、幽霊みたいな制服にするか。変装にもなるし。」
「葬儀屋で仮装となれば、やはりキョンシーね。」
「足立君、人数分お願いします。」
『落ち着いてください……本当にそんなコスプレ集団になりたいですか?』
「「「………」」」
「?」
ノリノリで話していた芥川、エドガー、島村は、自分がヒートアップしていることを感じた。
え?リオ?ご覧の通りです。自分がコスプレするわけではないのに、いやないからか、一番ノリノリだ。
「面白いから見てみたくはあるが……まぁ、有名になって目立ちすぎると任務に支障が出る。スーツの一部にキョンシーの要素を入れるくらいにしとけ。」
「そうだな……足立、それっぽく頼む。」
『ええ……丸投げですか……やりますけど。』
通信が切れた。
「さて……色々あったが、これで決まったな。」
「ああ。『機動部隊アルファ-1-KV 静かな火葬パーティー』の結成を、ここに承認する。」
千石博士がそう宣言し、周りから拍手。
終わりがわからない物語のチュートリアルが、やっと終わったのであった。
芥川の二人称は確定しないのが特徴。
あと今回オブジェクトいれる暇なかった。
参考資料
タイトル: 機動部隊
原語版タイトル: Squadre Speciali Mobili
訳者: Dr Devan
原語版作者: Dr Voker
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/task-forces
原語版ソース: http://fondazionescp.wikidot.com/task-forces
ライセンス: CC BY-SA 3.0