キヴォトスにてSCPを収容する!   作:勧悪懲善

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すんません遅れました。


573 伏線にもなりうるし、意味のない描写かもしれない。

『すみません、ちょっといいですか?』

 

足立研究助手からの通信だ。

特殊部隊隊長エドガーとエージェント•芥川は、アビドス高校の生徒達を監視しながら応答する。

 

「何?もう出来た?」

 

エドガーが記憶処理チップを作るよう依頼してから、まだ5分しか経っていないのである。

 

『それなんですけど、記憶処理は危険かと……』

 

「それは何故です?」

 

『それはですね……これは僕の見解に過ぎないし、もしかしたらシッテムの箱に記録機能なんて無いかもしれないし、バリアで記憶処理薬や処理装置が効かないなんてこともまあ無いかもしれないけど、念の為……』

 

「早く結論から話せ!」

 

色々と前置きしてしまうのは、足立の悪い癖である。

 

『すみません、結論から申し上げると、記憶処理は先生に効かない可能性があるので、やめたほうがいいと思います。』

 

「……マジで言ってる?」

 

『マジじゃなきゃ言いませんよこんなこと。いいですか?まず先生は『シッテムの箱』という、なんか……超高性能AIを積み込んだタブレットを持っています。』

 

「曖昧だな……もっと詳しく調べられないのか?」

 

『調べても曖昧な設定しか載ってないんですよ。しかも非公式。ガセ情報に踊らされるのを防止するために、調べないことにしました。』

 

「そうですか……で、そのシッテムの箱とやらがどうして、先生に対する記憶処理を阻害するのです?」

 

『シッテムの箱には先生を守るバリア機能がついています。これのお陰で、先生はキヴォトスでも生活できるわけですね。また、このバリア機能は先生の任意ではなく、シッテムの箱のOS『A.R.O.N.A』が展開するので、不意打ちも効きません。』

 

「まさか『はいバーリア!』を現実にする輩がいるとは……ま、ここは現実じゃありませんけどね。」

 

「なら……阿慈谷ヒフミだけに記憶を植えつけて、勘違いだったと言うことで済ませるのはどうだ?」

 

謎発言をするエドガーを無視して、芥川は代案を提出する。

が、その発言はエドガーによって棄却されることとなった。

 

「流石に、あのレベルの勘違いはありえないでしょう。そこから生じた違和感から、記憶処理に気づかれる可能性もあります。あまりよくは無い手ですね。」

 

「そうか……なら、俺達で秘密裏にカイザーPMCの戦力を削るしか無いって事なのか……?」

 

たった二名の財団職員達は、とても大きな重圧がのしかかるのを感じた。

 

『……恐らくは、そうなるでしょうね。必要な武器などがあれば、言ってください。用意しますので。転移座標はわかりますか?』

 

「はい、記録しています。試しに……C4爆弾を10個程送ってください。あと、芥川君の分の職員服も。いつまでもDクラスのツナギじゃ格好がつきませんからね。」

 

暫くすると、ブラックマーケットの路地裏……芥川とエドガーが降り立った地に、C4爆弾と、SCP財団のロゴが刻まれた白黒の服が落ちてきた。

 

「これで格好がつくでしょう。着替えて下さい。」

 

「了解。」

 

その場で着替える芥川。

男同士なので問題はない。

1分後。そこには、立派な財団職員の姿があった。

 

「お似合いですよ。」

 

「なんか、照れくさいな……まぁ、俺のことはいいんだ。カイザーPMCの戦力を削るためにはどうすればいいと思う?」

 

『……今のところは、とりあえず本編をなぞるしかないと思います。僕もストーリーを追って話を伝えますので、それまでは気づかれないように監視を続けてください。では。』

 

通信が切れたので、二人はアビドス生徒達を監視しつつ、辺りを見渡す。

すると、路地裏を歩く一人のスケバンが目に入った。

何故かと言うと、彼女が人気のない道を一人で歩いていたのと、骨で出来た笛を持っていたからである。

 

「ラッキー!レアそうなもんがあったぞ!こいつを売って、今夜は豪華なメシだ!」

 

「骨でできた笛……あった。SCP-573『ハーメルンの笛』だ。」

 

「便利ですよねそれ。」

 

千石博士が残していったツール。

特徴を書き込むと、その特徴に当てはまるSCPオブジェクトを検索してくれるのである。

ちなみに博士は死んでない。

 

「573で演奏すると、動物思春期前の子供を命令に従わせることができるらしい。この世界の獣人も対象なら、とんでもない事態になるな。ちょっと寝てもらうか。」

 

そう言うと芥川は、音を立てずにソロリソロリとスケバンに近づき、

 

「むっ!?」

 

財団制服に内包されていた制圧用のハンカチで口を塞ぐ。

この時、彼女がつけていたマスクは素早く剥ぎ取っている。

 

「モガッ……モ……ぐぅ……」

 

ハンカチに塗られている記憶処理薬が作用したのか、スケバンは眠った。

芥川はその隙に、笛を回収して戻ってきた。

 

「おお。私が教えた制圧術、もうモノにしたのですね。」

 

「やってみたら、案外いけるもんだな。足立くん、小さなオブジェクトを入れるロッカー。」

 

『わかりました。少々お待ちを。』

 

身なりが相応になると、本人の力量も相応になるのかもしれない。

そう感じるエドガーであった。




今回使用したSCPの記事です。

タイトル: SCP-573 - ハーメルンの笛
原語版タイトル: SCP-573 - The Pied Pipe
訳者: m0ch12uk1
原語版作者: AdminBright
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-573
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-573
ライセンス: CC BY-SA 3.0
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