「涙、進学おめでとう」
「ありがとう、お母さん」
本当、あんな事故が会ったのに無事中学生になれるなんて……
お父さんが居たらさぞ喜んでたでしょうに。
お母さんは僕の肩をそっとなでるともう片方の手で目尻に浮かぶ雫を拭う。
「私はお仕事で行けないけど。気をつけて行ってきなさい」
「うん、僕。頑張るから」
そう、玄関を飛びたしカーポートに止めてある赤いマウンテンバイクで学校へ向かった。
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市立端奈学園……
端奈市唯一の中等部から高等部までのエスカレーター式の学校で敷地面積は他の街の学校とは比べ物にならず。
ここでは、高等部に上がると普通科、工学科、商業科、農林科に別れており街の中心部に位置する。
僕は徒歩で通学している生徒を尻目に自転車で正門まで来ると近くの駐輪場に原付バイクの高等部の生徒に挨拶をし、教室へ向かう、途中。
「あら、かんちゃんじゃない。早いわね」
ティナに出会った。
「30分前は早いかなぁ」
「朝は苦手って、病院でも言ってたでしょ?」
そうなんだけど、昨夜は今日のことがあるから狩りは遠慮してたんだけど……
少し不満げになるが気にしない。
「そう言えば、ティナは足の調子は?」
「えぇ、お陰様で。もう、走ることも出来るわ……体育の授業はまだ無理そうだけれども」
そっか……と、2人で会話をしてたらほかのクラスメイト(2,3人)が話しかけてきて、
2人とも雰囲気いいね。
どんな関係なの?ってから始まり自己紹介をした。
「私は、
「俺は、
「ぼ、ぼくは
……ここでも、上手くやっていけそうだ。
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~進学式と説明会が終わり昼休み~
僕はある場所へ向かった。
旧校舎として使われていた部室棟だ。
扉を開け階段を昇り、奥から3番目の部屋をノックする。
「失礼します」
そこには、家から持ってきたであろうサンドイッチを口へ運ぶ狙井 優津さん、御本人がいた。
「迷わずによく来れたね」
「えぇ、魔力を辿って来たので……」
「流石、魔法少女の鏡ね」
そうでも無いですよ……魔力の他に何故か彼女の達の居る方向が感じ取れるのだ。
(これも、一種の魔法だろうか……)
「所で、ティナの姿が見えないのだけど?」
「彼女は……競走よ。とか言って体育館からどこかへ行ってしまいましたが?」
「ここよ……」
窓際に肩を上下に揺らし、今にも倒れそうな彼女が現れた。
「ティナ。ここ、何階と思ってるの?」
「3、階ね……(汗)」
取り敢えず、彼女の息が整うまで会話を中断する。
「あれから、直ぐにいなくなりましたけど……どこへ?」
「理事長に挨拶に行ったあと、ダッシュでここに」
「こら、私生活で魔法使うのは禁止だったでしょ」
狙井はティナの両頬をつねるとこねくり回す。
「ほひょくはひひょうらったひやら、ひたい!! ひたい!!」
「もうしない事」
「ひゃい」
ティナは頬を優しくさする。
「それで、僕達をここに読んだ訳とは?」
「あっ、それはね。この部屋が私の部室だからだよ?」
「「部室?」」
言ってなかったけ?
狙井は話し出した……2年前。入学式の後、部活の出店があり物見遊山していたところ(空手部と射撃部は合格時から活動している)。
困っていた先輩方(高等部3年生 3名)に出会い、話を聞くと、
『実は後継がいないんだ……』
彼らは文芸部、天文学部、オカルト研究会の部長であり、互いの部員だと言った。
「そして……」
「…そして、引き受けたんでしょ?」
うーちゃんの事だもん分かるわ……ティナはやれやれと両手をあげる。
「で、これがその部活室なのね」
「そうなの。だから、2人に…」
お弁当箱にあったサンドイッチを食べ切るとこう言った。
「部活を助けて欲しいの?」
「へ?」
「どういう事よ」
すっ、と狙井は立ち…窓を閉めると、
言いずらそうに、こう話した。
「ここに新たな部活を作るの」
「はぁ…」
ティナは深くため息をついた。
~つづく~